チートじゃ済まない   作:雨期

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今回適当感が半端ない。


第14話

 管理局のお偉いさんっぽい人から招待されたのはメカメカしい場所で、クロノの話によるとアースラと言う戦艦の中だとか。俺の中の魔法がドンドン崩されていく。でも発達した科学と魔法は変わらないとかいう名言もあるからこれが正しい形なのかもな。

 

「ようこそアースラへ。改めてになりますが、艦長のリンディ・ハラオウンです」

 

「一条要です」

 

「高町なのはです」

 

「ユーノ・スクライアといいます」

 

 モニターで見た時も思ったが、若いな。歳は詮索しないが、女性で艦長とは相当努力をしたか成果を上げたか。もしかしたら性別は大して重要な要素ではないのかもしれないな。だがそれなりの役職の人物だ。一筋縄ではいかないタイプだろう。

 

「話は私の部屋でしましょうか」

 

 連れていかれた部屋は何故か和風だった。こちらの文化に配慮したのだろうか。だが変な所に鹿威しがあったり、盆栽が大量に並んでいたりと、何か間違った日本って感じだ。

 

「艦長、また盆栽を増やしましたか?」

 

「……キノセイヨ」

 

 なんだ、個人的な趣味か。戦艦内にこんな部屋を造れるのも艦長特権だろうな。

 

「さてクロノのお小言は置いといて、本題に入ってもいいかしら?」

 

「こちらはいつでも」

 

「ではジュエルシード回収の全権は管理局が持ちます。もう貴方達がジュエルシードを回収する必要はないわ」

 

「そんな!!」

 

「貴方達がこれまでジュエルシードを回収した努力は素晴らしいけとわ、これは危険な事なのよ」

 

「何があったか知らないが、管理局へ連絡出来る時点で君達は連絡をするべきだったんだ」

 

 そうだよな。普通なら爆弾を見つけたら警察へ通報するもんだ。最もな言い分だ。しかしなのはとユーノは納得していないようだ。なのははフェイトが気になるんだろうし、ユーノはこの事件を起こした責任感があるんだな。

 でもこんな事を言っているが、さっきは『今回は』とか言ってたよな。言い間違い? そうは感じん。色々と試してみるか。

 

「だったら俺はもう帰りますんで」

 

「待って。要君には訊きたい事があるわ」

 

「はぁ、何でしょう?」

 

「私達がやってきた理由は次元震というものを感知したからなのよ。そして同時に異常な魔力を感知したわ。その魔力と貴方の魔力の波長が一致したのよ」

 

「でしょうね。ジュエルシードを粉砕したのは俺ですから」

 

 こんな回答は予想外だったのか驚きがよく分かる。あのジュエルシードは回収されたと考えていたのだろう。

 

「粉砕とはどういう事だ!? 封印したんじゃないのか!?」

 

「粉砕だが?」

 

「どうやって!?」

 

「素手で」

 

「そんな話が信じられると思う?」

 

 そりゃクロノもリンディさんも信じちゃくれないよな。普通に考えたらデバイスを持たない奴がそんな事を出来るなんて考えもしないだろう。デバイスを持っていても無理だから信じないのかもしれないな。

 

「まあ信じてもらわなくても構いません。それじゃあ俺への話は終わりでいいですか?」

 

「要君はそれでいいの?」

 

「何言ってるんだなのは。俺達は元々一般人だ。戦う必要はないんだよ」

 

「「「「一般人?」」」」

 

「一般人という事にして下さい。お願いします」

 

 自分でも一般人とは程遠いのは理解しているよ。だが建前上一般人という括りにしてくれ。上手く

 

「とにかく、俺達がやる必要がないなら」

 

「要君って途中で投げ出すのは嫌いじゃなかった?」

 

「うっ……」

 

 なのはのくせにそんな事をしっかり覚えているとは。こっちは相手の出方を窺うために色々とやってみたいってのに。

 

「ならあれだ。俺は個人的にやる」

 

「それはいけないと言っているだろう。管理局に任せないか」

 

「そうよ……でもなのはさんとユーノさんはあくまで自分の手で集めたいのよね?」

 

「はい」

 

「これは僕の責任ですから」

 

「…………はっきり言うわ。今アースラにはクロノ以外にジュエルシードに対処できる魔導師が居ないの。協力してもらえないかしら?」

 

「艦長!?」

 

 なんと人材不足か。しかしそれを民間人に明かして、更に協力を仰ぐとは。クロノの反応ではやってはいけない事なんだろうが、それだけ深刻なのだろう。もしくは単純になのはが欲しいのか。

 

「や、やらせてもらえるなら是非!!」

 

「待てなのは。待遇など訊かないとだな」

 

 

 

「なのはさんの私生活はしっかりと保証するわ」

 

「だってさ。要君も考え直してよ」

 

「考え直してよ、ってなぁ。正直デバイスがないからそろそろ限界を感じてた頃なんだ。飛行戦なんか特にな」

 

「ならデバイスを貸し出しましょうか? 使い方も教えるわよ」

 

「どうしたんです突然。危険分子は放置出来ませんか?」

 

「あら、分かっちゃった?」

 

 はっきり言いやがった。どうする。この挑発に乗るか? こちらにもメリットはあるんだが、教えられる時に変なデータを取られる可能性も否定できない。ってかこの女狐ならやりかねない。

 

「いいですよ。ただデバイスは借りるんじゃなくて事件が終わったら造ってもらうってのでどうです?」

 

「成功報酬という事ね。その程度でいいなら構わないわよ」

 

 まあ今はこんなもんか。改めて考えると俺のデータをいくら取ろうがこの世界の人間にORTの力を理解出来るとは思えない。あれを理解する事が可能なのは世界だけだろ。

 

「……はぁ」

 

「溜め息を吐くと幸運が逃げるわよ」

 

「艦長のせいです!!」

 

 苦労してんなクロノ。




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