チートじゃ済まない   作:雨期

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UAが一万超えてた。やったー!!


第10話

 この前まさかの乱入者によってジュエルシードが奪われてしまった。まあ俺が戦力を片方潰しておいたからあちらも下手に動けないだろう。その間に準備をしておかないとな。

 なのはも焦っていたのだろう。学校でこんな事を言ってきた。

 

「ねぇ要君、(特訓に)付き合って」

 

 焦りすぎて大切な言葉を抜かしやがって。お陰でなのはのファンから追いかけ回されたり、俺となのはが幼馴染みと知っている奴らからはからかわれたり、大変だったぞ。マジで勘弁してくれよ。

 まあそんなハプニングもあったが、放課後にうちの庭で特訓に付き合う事になった。かなり遅くまでやるだろうから門限は大丈夫か訊いたら、うちに泊まると伝えたらしい。用意周到なこった。

 

「ユーノ、結界を頼む」

 

「任せて」

 

 即座に張られた結界内で特訓は始まる。だが俺が出来るのはなのはの的になるだけだ。なんか護身術を教えようにもトロいなのはじゃ短期間で覚えられないしな。今伸ばすべきは得意分野だ。

 

「ええと、相手の情報を纏めるぞ。まず電気が使えるんだっけか? 対処はどうする?」

 

「あれは魔力の性質変化だよ。珍しい才能ではあるけど、それによって少し魔法が強化されるけど、相手の体質の事だし対処を考える必要はないかな」

 

「なら次は相手が速く飛ぶ事だな。これはなのはも速く飛ぶしかないだろう」

 

「そうだね。同じ場に立つだけで戦いはかなり変わるもんね。こう言ったら悪いけど、今のなのはは飛んでるというより浮いてるだけだし。それと魔法の精度も上げた方が良いかも。彼女にはディバインシューターをしっかり当てるかが勝利への鍵になると思うよ」

 

 高速移動する相手にディバインバスターのような大技は当たりにくいのは考えなくとも分かる。小技で攻めて消耗したところを狙い撃つのならディバインバスターも使えるだろう。

 

「ちょっといいかな?」

 

「どうした?」

 

「あの子、鎌みたいの使ってたんだけど、それはどうしよう」

 

「間合いを取れ。それぐらいしかアドバイス出来ん」

 

「なのはも彼女と同じ高速移動魔法を覚えてもらうからそれで避けて」

 

「うにゃ、頑張る」

 

「そうだ。俺が相手した犬耳が輪っかみたいので拘束してきたが、どんな魔法か分かるか?」

 

「拘束……多分『バインド』だよ。その中のリングバインドかな。拘束魔法の定番とも言える魔法だね。使い魔がそれを使うならなのははバインドを解除する魔法も覚えた方がいいかも」

 

 確かに食らった感じだと、俺という例外を除けば物理的に破るのは不可能に近かっただろう。使い魔が使えて主が使えないなんて事もないだろうし、金髪も使ってくるかもしれないな。

 

「じゃあなのはの特訓は高速移動魔法とバインド解除を覚えて、動いている相手にもしっかりと魔法を当てる。こんな感じでやるぞ」

 

「うん!」

 

「庭を傷付けないようにな」

 

「……うん!」

 

 今の間はなんだこら。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 特訓を始めて30分で魔法は習得しやがった。まだ覚えてすぐだから基礎中の基礎しか出来ていないようだが、ふざけんなと言いたい。天才にもほどがあるだろ。挫折しろ畜生。

 

「これからも練習を欠かさなければ彼女にも負けないよ」

 

「ありがとう。次は要君にディバインシューターを当てる練習だね」

 

「ああ」

 

 言葉だけ聞くと激しく物騒だが、事実だからしょうがない。ユーノが魔法で庭を保護してくれるとはいえ、天才なのはさんの攻撃をしっかり防げるのか? 傷付けたら爺ちゃんと婆ちゃんに怒られるのは俺なんだぞ。

 

「50%、いや40%でいいか 」

 

「いくよ要君」

 

「さっさと来な」

 

 なのはの周りにいくつかのディバインシューターが発生する。そのうち2発だけを飛ばしてきた。うむ、全弾撃ったら再発動にも時間が掛かるしいい判断じゃないか。

 俺は当たる直前に飛び上がり、なのはの後ろに着地する。

 

「ほれ」

 

「フラッシュムーブ!」

 

 後ろから小突いてやろうとしたら覚えたての移動魔法で逃げられてしまった。見えない速度でもないが、今のままじゃ追い付けないな。そうだな、50%ならギリギリ追い付ける速さってとこか。 

 

「いっけぇ!」

 

「ほいさ」

 

 なのはが後ろに回っているのは見えてたぜ。バック転でもして回避しておくか。

 

「むー、速いよ」

 

「そうでもないと特訓にならないだろ。当たるつもりはないからな。どうせだ、ユーノも混じれよ」

 

「いいの?」

 

「戦いでなのはと一緒に居るのはお前だろ」

 

 俺も居れば前衛後衛、そして補助とパーティとしては申し分ないが、俺は独りで戦うのが楽だ。周りを気にしないで好きに暴れられるからな。

 

「さあさあ、やろうぜ。先手は譲ってやる

 

「仕方ないなぁ。なのは、精一杯フォローするから頑張ろう」

 

「お願いね」

 

 どんな手を使ってくるのか楽しみでならない。魔法戦闘のいい練習だ。

 

「チェーンバインド!!」

 

「うおっ!?」

 

「ディバインシューター、シュート!!」

 

 いきなり魔法の鎖で縛ってきやがったか。なのはは発動が短くなるように1発だけディバインシューターを発動させて撃ってきた。

 

「らぁっ!」

 

 鎖を千切ってディバインシューターを殴って破壊する。このくらいなら力を押さえても余裕だな。なのはとユーノが合わさって一人前だとしても、60%も出せば大抵の魔導師は潰せるだろう。

 

「……滅茶苦茶だ」

 

「褒め言葉だ。ただこれはまだ40%なのを忘れるなよ?」

 

「要君が味方で良かったよ」

 

「ありがとよ。さて腹も減ったし終わりにするか。60%だ」

 

 力を更に解放し、20%の違いの大きさを実感する。まるで世界が違う。どんなものを相手にしても負けないような感覚さえする。もし100%になったらどうなるのか恐怖さえ感じる。

 まあ今は終わらせる事を優先しよう。ユーノに近付いてユーノを持ち上げる。そしてユーノをなのはの頭の上に乗っけてやった。

 

「!? 一体何が…………!? 」

 

「えっ、えっ!? どうなったの!?」

 

「さあ夕飯の時間だ。腹減ったな」

 

 こんな事をされて気が付かないか。本当にこの力は恐ろしいな。




ヒロインは自分の好きなキャラにしようとかと最近考え中だったりします。

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