「お待ちどうさま! お預かりしたポケモンは元気になりました。ポケモンの体力が減ってきたと思ったら、直ぐにポケモンセンターをご利用くださいませ」
グリーンとのバトルに負け、瀕死状態となってしまったハラマキもポケモンセンターで無事回復した。
むぅ、俺もグリーンみたいにもう一匹くらいは捕まえておいた方が良いよなぁ。今回みたいなことはできるだけ避けたい。
まぁ、とりあえずハラマキのレベルも上がったし、グリーンとのバトルでも収穫がなかったわけではない。今回の出来事は事故のようなものだろう。人との戦いだと何故か逃げられないし。そのくせ、相手は勝手に勝負を挑んでくる。テロかよ。
「よしっ。とりあえずポケモンを捕まえてみるか」
ハラマキだって、一匹だけでは寂しいだろう。やっぱり仲間はほしいよな。
んで、どのポケモンを捕まえるかだけど……今までポッポ以外のポケモンを見たことがないんだよなぁ。それにポッポはグリーンが捕まえていたし、俺が捕まえなくても問題ないはず。
まぁ、もう一度、グリーンのいた場所へ行ってみるか。ポケモンリーグへは入れないと言っていたが、どんな感じなのか見てみたい。
そんなわけで、もう一度先ほどの22番道路へ向かって見た。もしかしたら新しいポケモンに会うことも出来るかもしれないから。
そして――
「…………いや、なんでお前、まだいるんだよ」
何故かグリーンがいた。
てっきり先へ進んでいると思っていたせいで、なかなかに驚いた。ホント、なんで此処にいるんだよ。
「あーっ! レッドじゃねーか。ポケモンリーグに行くんだったらやめとけ。バッジを持ってねーと、見張りのおっさんが通してくれねーよ」
そのセリフはさっき聞いた。
なんだこれは。
「……お前、なにやってんの?」
「なんかまだ進んじゃダメな気が……と、とにかく勝負だ!」
グリーンとまた戦うことになった。
これは酷い。
「やりー! 俺って天才?」
はいはい、負けました。一度負けてから直ぐに来たんだ。勝てるわけがない。そして、さっきも聞いたが、やはりグリーンのセリフは腹立つな。
ただ、今回もポッポは倒すことはできたため、ハラマキのレベルは8から9へ。そして、ついに“ひのこ”と言う炎を出す技を覚えた。これでハラマキも名実ともに炎ポケモンだ。おめでとうハラマキ。
瀕死で元気がないみたいだし、今ポケモンセンターへ連れてってやるからな。
「お待ちどうさま! お預かりしたポケモンは元気になりました。ポケモンの体力が減ってきたと思ったら、直ぐにポケモンセンターをご利用くださいませ」
ポケモンセンターでハラマキを回復。先程来たばかりだと言うのに、カウンターの女性も営業スマイルは崩れなかった。それにしても、ポケモンセンターが無料で本当に助かった。
さて、このあとはどうするか。グリーンに負けはしたけれど、ハラマキもレベルが上がってきた。正直、経験値をもらうだけなら、草むらのポケモンと戦うより、グリーンと戦っていた方が……うん?
ああ、そっか。また戦えば良いのか。確信はないが、グリーンはどうせまだいるだろう。それでポッポだけ倒して経験値をいただき、そのあとゼニガメにやられれば良い。
所持金はないから失うものは何もない。ハラマキは戦う度に瀕死となるが、大丈夫。俺のハラマキはそんなことでヘコたれたりはしないはずだ。
よしっ、一緒に頑張ろうなハラマキ! 安心しろ、お前にはポケモンセンターがついている。
そして、再びグリーンがいると思われる22番道路へ。
「……あーっ! レッドじゃねーか。ポケモンリーグに行くんだったらやめとけ。バッジを持ってねーと、見張りのおっさんが通してくれねーよ」
なに? そのセリフ言わなきゃいけない決まりでもあるの? まぁ、別に俺は気にしないけどさ。
さてさて、ポケモンバトルといこうか。
「……やりー! 俺って天才?」
グリーンとの3戦目。一応、全力で戦わせてみたが負けました。
そして、わかったことだけど、新しく覚えた“ひのこ”はなかなかに強い。けれども、どうやらゼニガメにハラマキの“ひのこ”は効果があまりないらしい。まだわからないが、ゼニガメが水ポケモンだからだろうか? なんか炎の技って効き難そうだし。
まぁ、とりあえずポケモンセンターへ行くか。待ってろハラマキ。今助けてやるからな。
因みに、レベルは上がらなかった。でも、もう一度ポッポを倒せば上がると思う。うむ、グリーンも役立つじゃないか。
「……お待ちどうさま! ポケモンは元気になりました。体力が減ってきたと思ったら、直ぐにポケモンセンターをご利用くださいませ!!」
若干、営業スマイルが崩れ始めていたが、それでもお仕事はちゃんとやってくれるらしい。ポケモンセンターで回復してもらいその後、経った数分で2回も瀕死状態にしたと言うのに……なるほど、これがプロか。
さてさて、これでハラマキも元気になったことだし、次、行ってみようか。せめてポッポを1発で倒せるくらいには強くなってもらいたいものだ。
そして休むことなく、22番道路へ。
「いや、マジかよ…………あーっ! レッドじゃねーか。ポケモンリーグに行くんだったらやめとけ。見張りのおっさんが通してくれねーよ」
セリフはちょっと変わってしまったが、やはりグリーンはまだいてくれた。予想通り。安心しろグリーン。今のお前、超輝いてるよ。
てか、セリフを変えても問題ないなら、違うセリフにすれば良いと思うのだが。
結局その戦いでも負けたわけだが、ハラマキのレベルは漸く10となった。うむ、順調順調。
その後もグリーンとポケモンセンターを往復し続けた。何回戦ったのかは数えていないが、ハラマキのレベルも15とかなり成長。また、“にらみつける”なんて言う技を覚えたらしいけれど、絶対に強くないよなぁ。睨みつけるってお前……
「終わった……ポ、ポケモンリーグってすごいトレーナーが、沢山いるらしいぜ。あそこを通り抜ける方法を考えなきゃな! お前もいつまでもここにいないでとっとと先に進めよっ!」
レベルもそこそこ上がってくれたから、グリーンも倒すことに。本当はハラマキのレベルが20になるまでは続けようと思った。けれども、グリーンが今にも泣き出しそうだったのと、ポケモンセンターの女性の額に青筋が浮かぶようになったから、この辺でやめることに。女性を怒らせると怖い。
それにしても……いやぁ、助かったよ。グリーン。また頼むわ。
因みに、賞金として285円もらった。美味しいです。
さてさて、とりあえずハラマキのレベルは十分だろう。その辺の草むらにいるポッポには負ける気がしない。そうなってくると、やはり新しいポケモンを仲間にしたいところだ。今まで俺が見たポケモンはポッポとコラッタとか言う鼠のようなポケモンくらい。ポッポかコラッタならコラッタを選ぶが……鼠かぁ。見た目はとても弱そうだったが、実は強いポケモンだったりしないかね? オーキドの爺さんのためにも捕まえはするけれど、まぁ、強くはないだろうな。だって鼠だし。
それに俺はまだポケモンの捕まえ方も知らない。モンスターボールを投げてポケモンを捕まえるってどんな感じなんだろうな?
なんてことを考えながら、トキワシティへ。ポケモンリーグへもチロっと行ってみたが、グリーンが言っていたように見張りのおっさんが通してくれなかった。あの先には何があるのやら。
「うー……ちょっと飲みすぎたか。おい、そこの少年。ちょっと待て」
そう言えばポケモンセンターとフレンドリィショップ以外、トキワシティって何があるのだろうか? と思い散策していると、酔っ払った爺さんに呼び止められた。
「どうしたよ、爺さん」
お酒、いいなぁ。
「その赤い機械はポケモン図鑑だろう?」
おお、よく知っているじゃないか。その通りだよ。使ったら壊してしまいそうで、まだ使ったことはないが。
「とは言え、見たところまだまだポケモンを捕まえていないように見える。どれ、ここはわしがポケモンの捕まえ方を教えてやろう」
マジかよ。随分と親切な爺さんじゃないか。
グリーンと言い、この爺さんと言い、この世界には優しい人が多いんだな。うむ、良い世界じゃないか。
~経験値~
初代ポケモン――つまり、第一世代のポケモンにおける獲得経験値ですが……
基礎経験値×倒したポケモンのレベル÷7×補正
となっています
基礎経験値とは各種族のポケモンごとに持っている個別のパラメータです
詳しい計算方法はわかりませんが、タネポケモンの場合……
種族値合計÷4+1で一応それっぽい値にはなります
補正はトレーナー戦や交換したポケモンにかかります
さて、今回のお話でおっさんがやっていたライバル戦を活用しての方法が、野生のポケモンと戦うのに比べどの程度の効率かですが……
ポッポのレベルは9、基礎経験値は54(第一世代)、トレーナー戦として補正が1.5
ですので上記の計算式へ入れると……
54*9*1.5/7=104.1429
小数点以下は切り捨てですので
得られる経験値は104となります
また1番道路で出会う確率の一番高いポケモンはレベル3のポッポ(64/256)です
そのポッポを倒したときに得られる経験値は23となります
つまり、野生のポケモン5匹倒す前にライバルのポッポだけを倒し、その次のポケモンに負けることができるようなら効率は良くなります
私がやってみた感想としては、正直微妙な気がします
計算方法のミスなどあれば教えていただけると嬉しいです