そのポケモンの世界で俺は   作:puc119

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・現在の手持ち

リザードン(ハラマキ):Lv.50
ピカチュウ(デブチュウ):Lv.41
ギャラドス(アカヘル):Lv.42
ダグトリオ(クリボー):Lv.45
カモネギ(おしょう):Lv.15
カビゴン(メタボン):Lv.30

バッジ数:2




第38話

 

 

 セキチクシティを目指し、13、14、そして15番道路をぽてぽて歩いているわけだが……

 

「なんで、この道路はこんなにトレーナーがいるんだよ」

 

 ポケモンのレベル上げにもなるし、お金ももらえるがまさかこんなに多いとは……しかも、何故か怖いお兄ちゃんばっかだから少々嫌気が差してきている。まぁ、ポケモン勝負なら負ける気はしないが。

 

 んで、ずっと戦っていたハラマキのレベルはついに50を超え、アカヘルも42まで上がった。

 そんなアカヘルが41レベルになった時のこと。“ハイドロポンプ”なんて技を覚えた。名前からしてもう強そうだし、実際に使わせてみるとこれがかなり強い。そのハイドロポンプは口から大量の水を吐き出す技で、やっとアカヘルも水の技を覚えてくれたのかと感動した。

 ただ、このハイドロポンプだが、5回しか使えないし、“れいとうビーム”などと違いよく外れる。強い技であることは間違いないと思うが、使い勝手が良いかというとそうではない。多分、ここぞという場面で使う技なのだろう。

 あと、デブチュウが毒状態になっているせいで、ちょっとヤバい。こんなに長い道路なのだから、途中にポケモンセンターくらい用意してくれても良いだろうに。

 

 そんなことがあったりしたが、ついにセキチクシティへ到着した。

 洞窟などがあったわけではないはずなのに、やたら長く感じたし、実際セキチクシティへ来るまでかなり時間がかかったと思う。まぁ、伝説のポケモンのことを聞くこともできたし、レベルも上がったのだから良しとしよう。

 

 毒状態となり瀕死になりかけているデブチュウのため、まずはポケモンセンターへ。ただ、そのポケモンセンターの場所がなんとも変な場所にあったせいでデブチュウが本当に危なかった。何故ポケモンセンターをこんな丘の上に建てたんだ。

 

 さて、とりあえずの目標にしていたセキチクシティへ着いたは良いが……これからどうすれば良いのだろうか。

 タウンマップによると、俺の行っていない街はもうない。南西にグレンタウンなんて街はあるが、こんな場所行き方が分からない。船でも出ていれば助かるのだが。

 詰まるところ、目先の目標がなくなってしまったんだ。一番の目標は全てのポケモンを捕まえることだが、もう行ける場所がほとんどない。さて、どうしたものか……

 

「おい、兄ちゃんはポケモン図鑑を作っているのか?」

 

 手持ちのポケモンたちを回復させてから、ポケモンセンターでこれから何をしようか考えていると、少年がそんな声をかけてきた。

 

「ああ、そうだぞ」

 

 てか、こんな小さな子でもポケモン図鑑のことを知っているのか。ん~……もしかして、ポケモン図鑑はそんな珍しいものじゃないのかもしれんな。

 

「それならサファリゾーンに行くといいよ。サファリゾーンには珍しいポケモンがいっぱいいるんだ」

 

 サファリゾーン? なんのことだろうか。

 セキチク……つまりこの街は石竹色ってことだろう。建物の屋根もピンク色だし。そんなセキチクシティだが、デブチュウが危なかったため、ちゃんと見ていなかったものの、所謂、動物園のようになっている場所があった。サファリゾーンはそのことと関係があるのだろうか。

 

 結局、サファリゾーンがなんなのかは分からなかったが、とりあえずそのサファリゾーンを目指してみることに。うーん、あの少年は珍しいポケモンがたくさんいると言っていたが、俺は珍しいポケモンを捕まえたいのであって、別に見たいわけではないんだよなぁ……

 まぁ、見るだけでも図鑑に名前くらいは登録されるはずだし、悪いことじゃないが。

 

 サファリゾーンへ向かうついでに、先程はちゃんと見ることのできなかった柵で囲まれ、動物園のようになっている場所の確認。多分、中にはポケモンがいるってことだろうけど……ああ、うん。なんだ中にいるのはヤドンか。

 俺が今まで見たことないポケモンでもいるのかと思ったら、まさかのヤドン。そのヤドンの場所にある看板には『人懐っこい性格は人気! 動きがのろいぞ!』なんて説明が書いてあった。これじゃあ、褒めているんだか貶しているんだか分からん。てか、ホント、何故ヤドン?

 

 はぁ、他の場所にいるポケモンもこんなものなのかね? まぁ、無料で見ることができるのだし、悪いことじゃないが。

 そんなことを考えつつ、他のポケモンを見てみることに。

 

「お? このポケモンは初めて見たぞ」

 

 そして、ヤドンの場所の隣いたポケモンだが、其方は見るのが初めてのポケモンだった。ピンク色の体で、お腹には大きなタマゴを持っているのが見える。

 んで、そのポケモンの場所にある看板曰く、このポケモンは“ラッキー”という名前だと。あと、捕まえることができたら、スーパーラッキーらしい。

 

 ……ふむ。ヤドンはちょっとアレだが、やはり珍しいポケモンもいるのか。そうなってくると色々と気になってしまう。そのため、他の場所も見てみることにした。

 

 その結果、ヤドンとラッキーも含め合計、6体のモンスターの姿が。しかも、ヤドンとビリリダマとガルーラ以外は見るのが初めてのポケモン。その中でも“ガルーラ”と“ラプラス”は本当に強そうなポケモンだった。看板に、海の王者と呼ばれる、なんて書いてあったラプラスはもちろん、あのガルーラはきっとすごいポケモンなんだろう。サカキも連れていたが、何というか、纏っているオーラが違う。

 

 そして、そんなポケモンたちを見ている時に、先程の少年が言っていたサファリゾーンらしき場所も見つけている。俺もまだ、ちゃんと理解しているわけじゃないが、どうやらそのサファリゾーンはポケモンを捕まえることのできる場所らしい。しかも、このサファリゾーンでしか捕まえることができないポケモンもいるんだと。

 そうなるともう行くしかないだろう。グリーンの状況は分からんが、もしグリーンがサファリゾーンへ行っていなかったとすると、図鑑が完成しないのだから。

 あと、純粋に俺がサファリゾーンに行ってみたい。

 

 そんじゃま、行ってみるとしようか。

 

 

 

 

「サファリゾーンへようこそ! ここでは500円でサファリゾーン内のポケモン取り放題のゲームを行えます!」

 

 サファリゾーンの入口へ行くと、直ぐに受付の男性が声をかけてきた。

 てか、意外と安いんだな。元の世界の動物園とか水族館はもっと……いや、今の俺は子供なんだ。元の世界だって子供料金ならそれくらいだったかもしれない。

 

「ああ、頼むよ」

「はい、ありがとうございます! サファリゾーン内では専用のモンスターボールを使っていただきます!」

 

 なるほど。ボールの持ち込みは無しってことか。

 まぁ、乱獲されるのはマズいってことなんだろう。

 

 そして、受付の男性からサファリボールなんて呼ばれるモンスターボールを30個もらった。

 モンスターボールの値段はひとつ200円。しかし、今回は500円でボールを30個ももらってしまっている。良心的な値段とかいうレベルじゃない。赤字運営にしか思えないが大丈夫なんだろうか。

 

「サファリゾーンにいるポケモンは取り放題ですが、ポケモンバトルはご遠慮ください。また、サファリボールがなくなるか、制限時間を過ぎたら終了となります」

 

 あら、ポケモンと戦うのはダメなのか。そうなると捕まえるのがかなり難しいように感じるが……まぁ、モンスターボールが30個もあれば数匹は捕まえられるだろう。それにこの値段ならあと100回は挑戦しても余裕がある。

 

「そして、終了となったらメガホンでお知らせしますね!」

 

 なるほど、メガホンで知らせて……メガホン? ま、まぁ、教えてくれるのならなんだって良いが。

 

「それでは……ぐっど! らっく!」

 

 あいよ。

 多分、何度もお世話になると思うが、頑張って行ってくるわ。

 

 受付を済ませ扉を開け、いよいよサファリゾーンの中へ。

 そして、そのサファリゾーンだが……

 

「おおー、思っているより広いんだな」

 

 どんな感じなのか少々不安だったが、パッと見、中はかなり広そうだ。こりゃあ、このサファリゾーンの中にいるポケモンを全種類捕まえるのも大変そうだ。

 さてさて、どうやら制限時間があるそうだし、さっさと動き始めるとしようか。制限時間の長さは分からんが、のんびりしていられるほどの時間はないだろう。

 

 なんてことを考えながら、目の前に見える草むらの中へ入っていった。

 

 

 


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