とある中佐の悪あがき   作:銀峰

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とりあえずまだカラマポイントです。
もう別れた的な話しといてもうしわけない・・・
いろいろ話してない部分があったんです・・・
あと戦闘シーンが書きたかったので(影も形もない


この作品の女性の平均年齢がえらい低い気がする

とある軍艦の艦内の格納庫。十人程度の人間が集まり、何かを話している

 

 

「本当にアクシズには来んのか?」

 

「はい残念ながら、自分の決意は先ほどの会議で申し上げた通りです」

 

「そうか、まぁ気が変わったら何時でも言ってくれよ」

 

目の前の残念そうといった感じで顔をしかめる目の前のおっさん・・・もといアクシズの実質的な司令官マハラジャカーン氏。それに恐縮です、と頭を下げる。

 

目の前の人物から自分の顔が見えない所にきたところで、ほっと息を吐く。

どうやら怒っている訳ではない様だ。

あの会議の時、俺は_エギーユ・デラーズを地球圏に残こす為とはいえ_アクシズに引く者はギレン総帥の遺志を継がない臆病者だ!という内容を大声で叫んでしまった。そのアクシズの統括者の前で、である。

キレられ・・・激昂されてお前なんぞ知るかなんていわれると思って、ビクビクしていたのだ。

会議後あった後に一応謝りに行ったのだがその時は気にしてない、と言われたのだが流石に相手も表情が硬かった・・・ような気がしていた。アクシズと敵対してもいいことなんぞ一個もない。

 

とりあえずは一安心か、と胸を撫でおろし、ふと気づく。

頭を下げた拍子に、視線が下がったので女性の胸に抱かれていた赤ん坊が目に入った。

この赤ん坊もマハラジャ・カーンに並んで、頭が痛い問題でもある。

これからアクシズへ向かう艦に搭乗するクルーが抱えている。少し眠いのか女性クルーの胸の中で、うとうとと舟をこいでいる。マハラジャ氏が救出されてから移動ばかりしていたので疲れたのだろうな。

 

「・・・この子がミネバ様なんだよなあ」

 

「どうした。中佐?」

 

ふとした呟きが耳に入ったのか、訝しんだ様子で聞いてくるマハラジャさん。

その言葉にいえなんでもありませんと、笑いかけながら頭を上げる。

 

救出していた時にこのことに気づかなかったのが、悔やまれる。というかなんとなくの予感があったのだが確信がなかった。

 

ホントだよ?

このことに気づいたのは会議でのデラーズさんの様子と、終ったあとデラーズさんを引き合わせた後のことだ。

まあ引き合わせたといっても、マハラジャ氏と別れの挨拶ということで様子を見に来た時。クルーに抱かれている赤ん坊を凝視していた時に気づいた。あまりにも凝視していたんですぐ気づいたね。あの時の視線にはちょっと孫を見るおじいちゃん以上のものを感じた。

・・・ここまで考えて思ったこと、

 

はい。すいません。若干嘘つきました。

実は察してたぜ的なこと言ってましたが、実は気づいてませんでした。ぶっちゃけ別れの挨拶に来た時点で気づいても遅いです。もうシャトルに搭乗前十分とかだからな!?おそすぎるわ!くそう!ミネバ様にこっそりユーセル中佐はいい奴ぐらいは吹き込んでも良かったのに。まあそれは冗談としてもだ。

Z時代までもし俺が生き残ってたら、おまえはあの時の!的なフラグ立てれたかもしれないのに・・・

ふおぉぉぉぉ・・・

 

後悔のあまり悶えている彼を不思議そうに眺めながらマハラジャカーンは、同じく見送りに来ていたエギーユ・デラーズに話かける。

 

「デラーズも見送りすまないな。忙しいだろうに・・・」

 

「いや、同じギレン総帥の理想の元で戦った同志の見送りだ。お互いに潜伏中に身、このような些細な見送りしかできなく申し訳ない」

 

「いや、直接見送りに来てくれるだけでありがたいよ。それに君もアクシズに来てくれたらとても心強いが・・・」

 

「そういってくれるとこちらも助かる。それに・・_あの方の事は気になるのだがな・・・」

 

「そうだな。・・・ところで・・・(そこの彼にはミネバさm_彼女の事は?」

 

「・・・(いや、言ってはおらぬ。気づいても、おらぬ_と思うよ」

 

「・・・言葉を濁すなんてお前らしくないな。彼は_まあ仕方ないな」

 

途中で話を止め、いまだ悶えている若き将校に目を向ける。

なぜ視線を向けられたのかと、彼はきょとんとした様子だった。

 

「なにを_あー・・・(これこの場にいてはいけないパターンだ。お前には知る資格がない的な)そういえばマハラジャ氏の娘さんがおりませんね。もうすぐシャトルの出発時間ですし、探してまいります!デラーズ大佐、ガトー大尉をお借りします!」

 

「じ、自分もでありますか?」

 

「そうだ!行くぞ大尉!」

 

「はっ了解しました」

 

彼は何かを察したのか、実はデラーズの後ろに控えていた若い武人連れこの場を離れようとする。

察しが良いのも考え物だな。老人二人は軽く笑った。

 

「中佐。まってくれ」

 

「はっなんでありましょう?」

 

「そうだな。ハマーンの件は後でいい。それより、少しこの子を抱いて行ってくれないか」

 

マハラジャ氏は、そばに控えていたミネバ様をクルーから優しく、譲ってもらい。こちらにほい、と軽く肘を突き出す。

 

「なっ・・・」

 

「・・・おい。マハラジャ・・・!」

 

「分かっている・・・だが_これで彼の本性がな」

 

「・・・」

 

デラーズは、マハラジャカーンの発言がよほど気に入らないのか背をつついて抗議している。少し離れているので声は聞こえない。

抗議されている方は、平然とした顔で受け流している。こちらを見る目はまるで、試してやるとでも言わんばかりだ。

なんだ。何が狙いなんだ?一介の将校捕まえて、国の後継者であるミネバ様を抱っこしていけだ?何考えてんだよ・・・

 

「・・・」

 

抱っこした方がいいのか?

くそ!訳が分からん。あまり考えこむといかんかな・・・ええい!

 

「では、失礼させていただいて・・・」

 

「ああ_もちろんだ(決まりだな」

 

どことなく勝ち誇った顔のマハラジャ氏からミネバ様を預かる。

抱っこした時の動きで起こしてしまったかと思ったが、意外なことにすやすやとミネバ様は眠っていた。

案外太い性格なのかもしれないな。ミネバ様は赤ん坊特有のふっくらとした感触で、とても柔らかくて気持ちがいい。

 

「おれはまけんぞ・・・か」

 

確か原作で、ドズルがミネバに対して言っていたセリフだ。対してというかこのセリフを言った後_寝ていたミネバ様があまりの大声に起きて泣き出した、といった感じなので覚えてないかもしれないがな。

この子を見ていたらこのセリフを言った父親(ドズル中将の言葉が分かる気がする。

 

「・・・」

 

知らぬ男の胸に長時間抱かれるとか、ドズル様が知ったらキレられそうだ。

そう思いマハラジャ氏に手渡そうとする。

 

「ありがとうございました。おこk_ん?」

 

お返しします。と続けてミネバ様を手渡そうとしたのだが、おかしい手が離れん。

 

「ああ。どうした?」

(やはりミネバ様の事は知らないか・・・所詮その程度の男。まぁせいぜいこき使わせてもらう)

 

「いえ手が離れなくて」

 

いつの間に起きたのか。腕を見れば、小さい姫様が俺の腕をつかんでこちらを見上げていた。

 

「・・・」

 

じっと、こちらを見つめて来る瞳は何を考えているかわからない。

いや俺を通して違う人を見ているのか・・・

 

「・・・ミネバ様。私はドズル様では、ありませんよ」

 

「・・・」

 

マハラジャ氏に聞こえないように、顔を近づけ小声で話す。

それでも話してはくれない。いやややつかむ力が弱まってきた。まだ赤ん坊なのであまり体力はないからだろう。

力は弱まっても目線は俺の顔を凝視している。

・・・むぅ。こたえるんで止めてほしいっす。悪いことしてるみたいで。

 

「・・・うっ」

 

ダメだ。力で放して貰っても良いが、どうも放してくれそうにない。

 

「・・・ミネバ様。私はドズル様_お父様ではありませんが、あなたの家臣です。・・・ここで別れることになりますが、またお会いするころにはあなたにこの地球圏をプレゼントして見せますよ。そのころまでどうかご健勝でありますよう」

 

「・・・」

 

無反応か・・・まあ赤ん坊に何言ってるんだという話だな。でもまあ0083で決着つけんと俺たぶん死んでるしなぁ。

そろそろ目の前のマハラジャさんが限界そうなので、ちょっと強引に引っぺがすことにする。

がその前に腕が離れる。

 

「・・・?うお」

 

ミネバ様が俺の顔_ほっぺた当たりをつまみ、グイングインと左右に引っ張ってきたのだ。

それを見て面白そうに笑うミネバ様。

 

「えっ・・・ちょ・・・・みねほはっま。やっねましょふへほ」

 

偉いダイナミックだな・・・いいんだ。いいんだ。俺の顔でお前が楽しいなら俺の顔がどうなったって・・・

いてえ。

しばらく俺のほっぺたがもてあそばれ、満足したのかやっと手を放してくれた。

 

「・・・ほっぺたの可動範囲が増えた気がする」

 

「きゃっきゃっ」

 

片手で頬を抑えながらぼやく俺を尻目に、えらい楽しそうなミネバ様。

やっぱ生意気だったかな・・・一国の姫相手に。

 

「・・・ごほん」

 

「あ、すいません」

 

まずい。マハラジャさんがお怒りだよ。

 

いまだ楽しそうに笑っていたミネバ様をマハラジャさんに渡す。

最後に腕の中にいる小さい姫君を見る。

その目を見るその目はまるで、

 

・・・そうですか。

 

「ありがとうございました。ジオンの姫君をお返しします」

 

「ああ。・・・んっ?」

 

「では、そろそろ搭乗時間ですので・・・」

 

「そうか。知っていたのか・・・それでもあえてか。・・・そうだな。操るのは馬鹿がいいが、協力者なら賢いほうがいい!・・・ふは、ふはははは!」

 

後ろで何かいっているマハラジャ氏を置いて、待たせていたガトー大尉と一緒にハマーンカーンの捜索に出る。

そうだな。

 

「ははっ」

 

「どうしました。中佐」

 

「いやなに。ジオンの明日は、明るいと思ってな」

 

「?そうでありますな。デラーズ閣下に付いておれば、悪しき連邦の呪縛など見事に断ち切ってしまえましょう」

 

よく分かっていない大尉をほっといてあたりを見渡す。

ミネバ様の方を振り返る。いまだこちらの方を見られていた。

 

「そうですね」

 

ミネバ様の眼は期待している、とでも言わんばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、俺が連邦倒しちゃったらミネバ様、バナージ君に会えないな・・・」

 

俺はそんな事を考えつつ、ハマーン様を探していた。

(割と大事)恋人引き裂くようなもんだし・・・むぅ。割とひどいな。

 

「見つからん・・・」

 

腕時計を見る。もうあれから5分は経過していた。

部屋に行っても出た後のようでおらず、すれ違いになったのかと引き返し格納庫付近に戻ってきたころ。

 

「甘い!もう一杯!・・・いらない」

 

「なにやってんだ・・・あいつ」

 

前に連れてきたことがある自販機近くで、腰に手を当ててひと昔前の栄養ドリンクか青汁のCMのようなポーズをとっている。わが艦の二重人格ニュータイプ系小柄中学生ヒロイン、クーディを見つけた。

あちらもこっちに気づいたようだ。

 

「・・・いま。なにか失礼なこと考えられたような」

 

「気にすんな。それより何してんだお前」

 

流石はニュータイプ鋭い。だが本人いわくニュータイプとしてはそこそこと言っていた彼女。

思考までは読み切れなかったようだ。カミーユなら考えた瞬間殴られてる。

流石に冗談だ。・・・分からん、よな?

 

「いや、なんか久々に飲みたくなって・・・あと」

 

ちらり、と自販機の裏を確認するしぐさを見せる。

 

「なんかあるのか?」

 

「いや。あるというかないというべきか迷ってる」

 

「言っちゃダメだろ。それ・・・」

 

「そうだね。じゃあ、いまの無しで」

 

「遅いわ!」

 

思わず突っ込んでしまった。ん?

今叫んだ時、自販機の奥で何かが揺れたような・・・

まるでびっくりしたみたいな・・・

 

「まさか・・・」

 

さぼりか、流石にいつもならさぼりぐらい笑って見逃してやるが、今は見送りで忙しそうに働いているんだ。

流石に怒った方がいいか。

 

クーディはただすることがないからいるだけだろう。一応フォローはしとく。彼女はさぼってるんじゃないぞ。最近はいろいろなところに行って仕事を習ったりしているらしい。まじめにするので割と評判はいいらしい。

オペ子のところにも行ったみたいで、筋がいいと褒めていた。珍しいことがあるんだ。オペ子が人を褒めてることなんて滅多にないからな。素直なのがいいんだろうか。

 

「なんだい・・・急に頭なんか撫でてきて・・・」

 

「いや、最近頑張ってるしなーと思って・・・褒めたくなった」

 

「えっと。あ、ありがとう」

 

ぽんぽんと彼女の頭に手を置く。クーディは俺の胸のあたりぐらいの身長なので手がおきやすい。

すっと顔をそらされた。やりすぎてしまったか。

慌てて手をどける。

 

「あっ」

 

「まあとにかくさぼり魔を叱らんとな」

 

ごまかすように自販機の裏に回り込む。どうもあの時の一件から避けられてるみたいだったしな。一週間ぐらいは話しかけても、顔が赤くなって激昂した後何か複雑そうな顔をしたあと、すたこらとさっさと逃げられてたからな。

最近は顔を合わせたら普通に話してくれるんだが・・・これ以上嫌われたら嫌だしな。

裏手に回りこみ叫ぶ。

 

「こら!さぼってんじゃ・・」

 

「ひっ!」

 

そこには予想どおりうちのクルーが・・・

 

「・・・だれ?」

 

おらず。代わりに見つかったのは、髪をツインテールにしたクーディと同じぐらいの年の子だった。

よほどおどろいたのか、腰を抜かしている。

えーと

手を差し出しつつ起き上がらせてやる。

 

「とりあえずすまん。驚かせたな。俺はこの艦の責任者のユーセル中佐だ。君は?」

 

「あ、知ってます。確か助けてもらった人でしたよね?私は・・・マハラジャ・カーンの娘。ハマーン・カーンです。よいしょ」

 

「・・・えっ」

 

「ちょっと手を離さないで・・・きゃっ」

 

「まじか・・・」

 

急に力が抜けたことで、また尻餅をつかされた少女が抗議してくるがいまいち頭に入ってこない。

 

とりあえず思ったこと、なんでセイラさんヘヤーじゃないんだ・・・

 


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