とある中佐の悪あがき   作:銀峰

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世界征服系SSが無いから自分で書く。

あとスターダストメモリーも


一年戦争後
原作改変に失敗した日


「なんだと!ギレン総帥が戦死したのか・・・!!」

 

「はっ!!司令部からからギレン様が戦死され、これからはキシリア様の指示の元奮戦されたしとのことです」

 

「・・・そうか」

 

チベ級の艦長席に着いていた男が、艦長席から立ちあがりその報告を聞く。

その胸には、ジオン軍中佐ということを表す勲章が輝いている。

聞かされた男より、そのことをつげたオペレーターの方が動揺しているのかもしれない。

語尾が微かに震えていた。

ブリッジクルーが動揺するなか、中佐は腕を組み目をつぶる。

その姿勢はギレン総帥の死を悼み悲しんでいる様に見えた。

中佐は少し動揺したようだが仁王立ちし、艦橋静かになるで待つ。

 

総大将の死。

どんな熟練した司令官であっても動揺してしまう出来事。

総大将の死は負けとほぼイコールだからだ。

そのことを良く知っている、熟練司令官の方が取り乱すかもしれない一報。

 

その一報を一年戦争初期からの参戦者である、この男は少し動じはしたが部下が落ち着くのを待つ余裕さえ持ち合わせているように見えた___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ。ギレン総帥が死んだか。十中八苦キシリア様が殺したんだろう。

 

別に__ものすごいショック、というわけでもない。

こうなることは予想できていたし、いまさらだ。

それこそ、この世界に生まれる前から。

だから出てきた思考も

キシリア様にはそれとなく釘を刺していたのだがなあ、残念だ。

という事だったし。

 

視線を動かし、眼前に広がるこのア・バオア・クーとそれの周りに広がっている戦場を眺める。

できればこの風景は見たくはなかった。

ジオンを勝たせるためにあれこれ尽くしてきたが、この戦いが広がっているということはもう原作で言うと最終決戦、この戦い負けが近い。

せめてギレンが生きていれば、ドロスとの連携で大打撃を与えられたかもしれないのに・・・

そんな考えが浮かんでくるが所詮はもしも、現実は非情だ。

ギレン総帥は死んだ!なぜだ!?

父親殺しだからさ。

 

 

そんなことを考えているあいだに戦況は進んでいく。

すぐ近くで他部隊のザクとジム、ボール2機が交戦している。

モビルスーツ打ち合い相手と鍔迫り合い、均衡しているが支援についていたボール2機がバズーカを連発し鍔迫り合いをしていたザクは離れようとするが間に合わず直撃、爆散する。

うわぁえげつねぇ。

その勝利で調子に乗ったのか、初めからこのチべ級を落とそうとしたのかわからないがさっきのジムとボールが接近してくる。

接近してくるジムを直援機のドムが迎撃。回避して鍔迫り合いさっきと同じ光景が展開されると思ったが、こちらのドムが拡散ビーム砲(胸部装甲に着いてるやつ)を放ち目くらまし。

その隙にバズーカをボールに当て発砲。

ジムは近くにいたもう一機のボールごとヒートサーベルで叩き切った。

 

撃破しその振動が伝わってくる。

前世だったらおびえて座り込んだのかもしれないが、もうなれた。

人殺しも戦争も。

部下の死だけはいまだになれないが・・・

 

さっきの戦闘を見るにうちのパイロットは基本的に高練度である。

ドムを発案したおかげで早く回ってきて、すぐ慣熟訓練をさせたのが良かったのかもしれない。

全員エースとまでは言わないが準エース級の実力はもっている・・・とおもう。

 

親ばかじゃないし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だいぶ静まってきたが、整理のため今までの人生を少し振り返ってみる

 

いきなりだが、俺はいわゆる"転生者"という奴である。

前世の記憶はあるが自分の家族構成や交友関係は思い出せない。

名前が少し思い出せるぐらいだ。親が名を付けてくれなかったから今の名前はそのもじり。

ユーセル・ツヴァイ。上はもじりで、下は二度目の人生だから二番(ツヴァイ)単純だろ?

話を戻そう。

どこに出かけたとかどこで死んだとかは思い出せるが、顔がマジックで塗りつぶしたように思い出せない。

まあそれが辛いかと言われれば、生きていくのにそこらへんは関係ないので割り切っている。

幸いといっていいのか、この機動戦士ガンダムの世界を覚えていたので、この世界でジオン軍中佐という立場にたどりつけた。

スペースノイドに生まれた俺は、スラム街に生まれて金を稼いで必死に勉強して士官学校に入った。

底辺の立場だったので、この後起こる戦争に鉄砲玉としてまきこまれかねないと考えたからだ。

歴史を変えようとジオン軍有利に戦争を終わらせようと働きかけたりしたが・・・

その甲斐あってジャブロー戦でドムぐらいまでは作成して相当数、参戦させたのだが、結局は小ざかしいとでも言うように負けた。完膚なきまでに。

少し被害が大きくなりここまでくるまでが少し伸びたぐらいだ。

 

「ハハッ」

 

笑える。所詮一個人の力ではこの程度ノイズどまりいやノイズすら走ってないのかもしれない。

そんなことを考えながら艦長席に座りなおす。

 

さてこれからどうするか・・・

もうあの戦火の中に飛び込みいくらか敵をつぶした後死ぬのも、案外悪くはないのかもしれない。

 

「中佐・・・?」

 

不穏な空気を察したのか俺の副官が声を掛けてくる。

そういえばこいつも戦争初期からの付き合いだ。

それをいったらこのチベ級に乗船している奴等大抵そうなのだが。

 

「・・・・?」

 

いかんいかん。

俺はこいつらの命をあずかっているんだ最後まで責任をもて!

一年も一緒にいると流石に情もわくし、死なせたくもなくなってくる。

極論。部下にそこで死んで来いというのが上官の仕事であるが、負けが確定した戦いに無理して突っ込ませる気もしないし、させるつもりもない。

その基本精神で、ここまでやってきたんだ。

戦線も先ほどまで要塞を包むように戦火が広がっていたのだが、今は要塞の表面を嘗めるように戦火が広がっている。だいぶ連邦軍に進行されてしまっている…

くそっ

 

「撤退準備だ!戦闘中のわが艦隊のモビルスーツを集結させろ!この戦域を離脱だ」

 

 

「っ・・・いやしかし・・・いえ了解しました!!各艦に通信を入れろ!」

 

 

反対されると思っていたんだが案外素直に引いてくれた。

ふう。

はあ。なさけねぇ。

 

まるでこれはスターダストメモリーのデラーズ艦隊みたいだな。

ハハッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んんっ?

 

そうだよ!!

内から変えるから時間が足りなくて、こんな結果になったんだ。

なら自分で勢力を作ってこれ以上の戦争や歴史を変えればいい。

一年戦争では変えられなかったが、今は自分で一から築き上げた俺自慢の艦隊も持っている。

勢力を築くには少ないが、それはこれからあつめればいい。

 

そうだそうだよ!ふは、ふははははははっごほごほ。こほん。

 

 

待っていろ原作め。

今度こそ必ず俺の前に膝を着かせてやる。

 

俺の冒険はこれからだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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