まいごのまいごのおおかみさん   作:Aデュオ

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18話 Skoll

 

 

 

 レイムさんの家というか、博麗神社に食べ物をしこたま積み降ろして。

 普段あまり遠出をしない事もあって、今回のような遠乗りが見せる風景に何か感じるものがあった様子のフランさん。

 満月の下、私の背中にまたがったまま『あっちに行ってみたい!』『あっちには何があるの?』と湧き出てくる興味は果てないようです。

 

 小高い丘の上から人里を眺めたかと思えば、その時に見つけたらしいまだ開いていた居酒屋でお土産の日本酒を購入してみたり。

 力なく空を飛んでいた白黒の妙な魔法使いと元気に話していたかと思えば、何故か弾幕ごっこになって叩き落してみたり。

 話に聞いていたらしい、夏は『太陽の畑』と呼ばれる程の向日葵畑を目指してみたり。

 

 ちなみに魔法使いさんは地面に落ちる前に空中で咥え、そのまま人里へ取って返してごーとぅーケイネさんち。

 着くなり魔法使いさんを押し付けつつも事情を説明して、怒られるかと思いきや『お疲れ様です』と、前回のちょっとおかしな凛々しさから打って変った柔らかな対応をされて思わず身構えてしまいました。

 ケイネさん曰く、前回は子供の対応から入ったことであの口調だったそうな。

 ころころ口調を変えるのも失礼に思えたので、そのまま通させて貰いました、との事。

 何というか、器用なようで不器用な人ですよね。

 そしてこちらが面倒事を咥えて持ち込んだというのに、帰りしなには『よければ皆で食べてください』と大きな大福をいくつも包んでくれるという。

 あの時のケイネさんと今のケイネさんは本当に同一人物なのかと本気で疑ってしまいました。

 その気配が漏れてしまったようで、ちょっと恥ずかしそうに頬を染めていたのは大変眼福でしたけれども!

 うん、また来よう。

 今度はお返しのお土産を持って。

 

 

 

「で、そこの狼さんはいつまで現実逃避に走っているのかしら」

 

 

 

 ええ、現実逃避です。

 夜だし大丈夫かなーなんて思いながらフランさんのご希望通りに太陽の畑へ向かった結果、アキュウさんの本に書いてあった『危険度:極高、人間友好度:最低』らしいカザミユウカさんへ見事にお目通りがかなってしまいました。

 本の通りだったら怖いなーなんて思いから現実逃避に走ってしまいましたけど、雰囲気や口調からはそうは感じないという。

 というかフランさんは元気に駆け寄ってからご挨拶をして、ユウカさんからすごく良い笑顔で可愛がられてますし。

 談笑して、頭を撫でて貰って、髪に綺麗な花を飾って貰ってるくらいに。

 あれぇ……?

 

「何が言いたいかは何となく察してるけど、見境無く襲うほど野蛮じゃないわ」

 

 おうふ。

 これは失礼な事をしでかしてしまった模様。

 そ、袖の下を渡さなければ!

 ごそごそと首にかけてある膨らんだ鞄から進物を取り出してずずいと。

 

「……何、この包み?」

 

 大福です。

 先ほどお土産に頂いた物ですけど、沢山あるのでお一つどうぞ。

 さっき一つ食べてみましたけど、優しい味の幸せな甘さでした。

 

「へぇ、大福。なら緑茶かしらね」

 

 ようやく起動したスカーフの魔法に少しばかり驚いた風でしたけれど、笑顔で受け取ってくれました。

 大福の包みをくるりと手の中で回しながら、ちょっと楽しみといった風なユウカさん。

 いやはや、丸く収まってくれそうで何よりです。

 大福なだけに。

 

「折角だし、貴女達も一緒にお茶でもいかが?」

「頂きます!」

 

 普段出るのは紅茶ですから、緑茶に興味津々らしいフランさんが可愛らしい。

 もうこれだけで私も幸せになっちゃいます。

 おいで、と機嫌よさげに歩き出すユウカさんの後を追って、満月の明かりでうっすらと輝く花々の間を縫うように。

 その歩みはサクヤさんとはまた違った優雅さというか、なんというか。

 綺麗な歩き方をしますね、この方。

 その割りに、私が普通に歩いて着いていくのに丁度いい速さを保つという。

 やります、やりますよこのお方は……!

 

「……どうかした?」

 

 そんな事を考えながらじーっと背中を見つめていたら、くるりと振り返ってことりと首をかしげるユウカさん。

 満月や花々に加え、本人の微笑も相まって非常に絵になります。

 

 あぁ、可愛らしい……じゃあないですね、とてもお綺麗です。

 

「あら、ありがとう。貴女の毛並みも満月に映えてとても素敵よ?」

 

 ……うわぁ、ちょっと。

 きゅんとしちゃったじゃないですかもう!

 そんな笑顔で言わないで下さいよ全く。

 

「初心ねぇ。ここはさらりと流して微笑むのが淑女の嗜みよ」

「おー……」

 

 私の背で揺られてるフランさんが、思わずといった風な声を上げてしまうくらいに、様になっているというかなんというか。

 アキュウさんめ、この方のどこが『危険度:極高、人間友好度:最低』ですかっ!

 

「求聞史紀には別に嘘を書かれているわけじゃないわよ?」

 

 え?

 

「さっき言ったでしょう?『見境無く襲うほど野蛮じゃない』って。私に敵対行動を取るような輩にかける情なんて持ち合わせていないもの」

 

 ……具体的には?

 

「私の花を無碍に扱う輩だとか、私を見るなり退治しようと襲い掛かってきた輩だとか。よっぽどでない限り命まで取りはしないけれど、相応の報いは差し上げていますわ」

 

 にっこりと、先ほどまでとは違った肉食獣的な笑みを浮かべるユウカさん。

 なるほど、納得の求聞史紀でした。

 この笑顔を見たら、よっぽど肝の据わっていない限りはひとたまりもないでしょう。

 

「人の子の噂には尾ひれがつきもの。巡り巡ってそう書かれても、その程度で腹を立てる程狭量じゃないわよ」

 

 あ、これ本当に気にもしてない顔ですね。

 私の中で、ユウカさん専用すこーるすたんぷ台帳がすごい勢いで埋まっていってますよちょっと。

 素敵じゃないですか、ユウカさん。

 もう両足で押さないと間に合わないくらいの量産っぷりです。

 

「こんなにキラキラした目で見られたのは久しぶりだわ」

「スコールのハートを見事に射止めたね!」

「それは光栄だわ」

 

 額の辺りの毛並みをゆっくりと梳くように撫でてくれる綺麗な手はとても柔らかくて、もう思わず尻尾が揺れてしまいます。

 私のお散歩範囲が広がるのは確定ですよ。

 いい香りがするし、優しいし、綺麗だし。

 そこにいるだけで感じる落ち着いた雰囲気が心地いい。

 

「また随分とストレートに伝えてくるのね、貴女は」

 

 良い思いはちゃんと伝えるべきでしょう!

 

「否定はしないけど、貴女の上のお嬢さんはちょっと言いたい事があるみたいよ?」

 

 ……え、フランさん……?

 

「うん、素直な気持ちをぶつけられるのは嬉しいよ。可愛いって言ってくれるのも、愛らしい、好きだって言ってくれるのも、凄く嬉しい」

 

 ぽふんと私の毛並みに倒れこんできて、少しばかり溜めを作ったフランさん。

 果てしない不安感ですよこれは。

 

「でもね、その、たまに持ち上げられすぎて恥ずかしくなるんだよね。少しは自重しよう?」

 

 ……何を言っているんでしょう。

 持ち上げられ『すぎて』?『すぎて』と仰いましたか、今。

 

 思わず体中の毛が逆立つ程に、ちょっと今のはカチンと来ましたよ!

 どんなに思いを重ねても伝え切れてないと感じているのに『持ち上げられすぎて』ですって?

 足りないのに!

 まだまだ足りないというのに!!

 もう!一体どうやって伝えればいいと言うんでしょうか!!

 

「…………その辺にしておいてあげなさいね。真っ赤になっちゃってるから」

 

 すいと踵を返して、私の毛並みに顔を隠しているらしいフランさんの頭を優しく撫でるユウカさん。

 うー、なんて唸り声が私の肌に直接響いてきますけれど、こればかりは何としても譲れません。

 しかしなんですね。

 やっぱり、とてもとても可愛らしい。

 

 あ痛。

 

「こら、レディーに恥をかかせるんじゃないの。本人が『これでいい、これがいい』と言うなら、それに合わせてあげるのが優しさでしょう」

 

 むぅ。

 むぅぅ……!

 

「いい加減折れてあげなさい。あんまりやりすぎると嫌われちゃうわよ?」

「それはない!」

「あら、情熱的」

 

 …………何でしょう、今の衝撃は。

 先ほどユウカさんから頂いた一撃なんて比べるのもおこがましい程の、この衝撃は。

 

「……全く、幸せそうで何よりだわ、貴女達」

 

 ぽふぽふと私の鼻先を優しく叩いて、再び前を歩き始めるユウカさんですが、その歩みは先ほどよりも軽やか。

 良いものを見せてもらったわ、なんて嬉しそうに呟かれたのを聞いてしまっては、もう何も言えませんとも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ユウカさんの先導の末にたどり着いた、こじんまりとした素朴な風味の一軒家。

 もっと大きな家で優雅に暮らしているのだと勝手に想像していたので、少しばかり目を丸くしてしまいましたよ。

 でも中へお邪魔してみると、あぁなるほど、ユウカさんのお家ですねという印象のする不思議なお家。

 通された部屋をぐるりと見回すと、そこらじゅうに散らばっているのに、雑然とした印象を受けない生き生きとした鉢植えの数々。

 そして部屋に違和感無く溶け込んでいる家具たち。

 落ち着きますねぇ。

 こんな場所はきっと時間がゆっくりと流れるんですよ。

 のーんびりと時間の流れを楽しむのにはとても良い場所となるでしょう。

 

 そんな素敵な場所の中央には、二人掛け程度の小さなテーブルが一つ。

 そこにユウカさんとフランさんが掛け、私は横へお座りをして三者面談!

 ……なんか違う。

 でも可愛いフランさんと綺麗なユウカさんが同時に見られるなんて眼福です。

 もぐもぐと元気に大福を齧るフランさんに、頬っぺたについた粉をハンカチで拭ってあげるユウカさんの図。

 和みますねぇ。

 

「この大福、どこかで食べた覚えがあるわ」

「寺子屋の先生作だよ。私はさっき会ったばっかりだけど、一目見てわかる良い人オーラが凄かったわ」

「……あぁ、あの」

「知ってるの?」

 

 フランさんへの世話焼きが一段落して、自分もそっと大福を口に含んだユウカさんが不思議そうな顔をしながらぽつりと零した言葉に、ちょっとびっくり。

 失礼だっていうのはわかってるんですけど、接点がまるで見えない組み合わせですね。

 

「人里近くで何度かね。最初は警戒していたのが目に見えたけど、回を追うごとに対応が軟化してね……」

「ふむふむ」

「何度目だったか忘れたけど、私の顔を見るなり人里に取って返してね、これを持ってきたのよ」

 

 ふむふむ。

 

「少し息を切らせながら駆け込んできてね、少し赤く染まった頬のまま『よければ食べてくれると嬉しい』って」

 

 それはなんとも素敵じゃあないですか。

 ケイネさんの事ですから、最初の頃の対応を気にしたんでしょうねぇ。

 

「その通り。思わず笑っちゃったわ」

 

 その時の事を思い出したのか、本当におかしそうに笑うユウカさん。

 

「それから会うたびに少しばかりの雑談を交わす程度の仲にはなったわ。最近は人里近くに行っていないし、久しぶりに顔を見に行くのもいいかもしれないわね」

 

 するりとお茶で喉を潤してから再び大福を口にして、あの時よりも美味しくなってるわね、なんて嬉しそうに呟くユウカさん。

 人を笑顔にできるお菓子を作れるなんて、とても素敵な事ですよね。

 本に書かれていた事もあってちょっとばかり苦手意識を持っていましたけれど、大幅な修正が必要です。

 うん、ここも今度来る時にはとびっきりのお土産を用意しましょう。

 ……さ、サクヤさんに頼んで。

 私が自力で、という事になると血生臭いお土産しか用意できそうにないですもの。

 鹿とか。

 

「気持ちのこもった贈り物に貴賎なんて無いわ。それにこう見えても料理は得意なんだから」

 

 そう見なくても得意そうです。

 割りと何でもそつなくこなして微笑んでるような気がしますよ。

 

「そうでもないわよ?欠点だって当然あるもの。朝に弱いとか、花の事になると時間を忘れちゃうとか」

「それだとむしろチャームポイントってやつじゃないのかな。幽香さんの寝ぼけた姿とかちょっと見てみたいっ」

 

 私も見てみたい!

 きっと可愛いんでしょうねぇ。

 美人から凛々しさ成分を抜いてほんわか成分を添加したみたいな!

 

「からかわないの。あんまり言うようならその立派なお髭をちょうちょ結びにして差し上げますわ」

 

 そんな脅しをかけてくるユウカさんですが、優しい笑みでちょこちょこと私の髭を弄ぶ姿からは危機感を感じないというか。

 怒らせたら怖いのでしょうけれど、逆に言えば、怒らせなければとても素敵なお姉さんと。

 サクヤさんたいぷですね!

 方向はちょっと違いますけど。

 

「ちなみにそのサクヤって子はどちらさま?」

「私達の家でメイドをやってる人間だよ。人間らしくないくせに、人間らしい不思議な人間!」

「あら、謎かけかしら」

「ん、こればっかりは会ってみないとわからないと思う。また来てもいいなら、連れてくるけど……」

「もう来るな、なんて言うわけがないでしょう?いつでもおいでなさいな、素敵な素敵なお嬢さん」

「う」

 

 ユウカさんの微笑み、フランさんに直撃。

 真っ赤になって手元のお湯のみをいじりだすフランさんったらもう!もう!!

 思わず後ろからぐるりと巻き込んで頬ずりをしちゃいます。

 ぺしぺしと照れ隠しで繰り出される小さな手をぱくりと甘噛みして捕獲。

 可愛らしい子は、素直に可愛がられるといいのですよ!

 

「むー!」

 

 捕まえていた手が抜き取られて、先ほどよりも力のこもった一撃が私の鼻先に見舞われました。

 ……さっきユウカさんに言われたように、少しばかり自重というものをしてみましょうかね。

 押すばかりで駄目だというならちょっと引いてみるとしましょう。

 

 するりとフランさんに巻きついていた体を離して、ユウカさんの後ろへ移動。

 そっと肩に頭を乗せてユウカさんへ頬ずり頬ずり。

 うん、やっぱりいい香りです。

 横目で表情を伺ってみると、ちょっと驚いたみたいにきょとんとしていましたけれど、すぐにまた微笑みへと立ち返って顎の下をくすぐってくれました。

 少しばかり後ろへ体を向けて、私の弱いところを的確に攻めてくるユウカさんに、ちょっとばかりたじたじってやつです。

 耳の後ろをくすぐられて、そっと息を吹きかけられた時はおもわず体が震えてしまいました。

 やります、やりますよこの御仁は……!

 

「うん、やっぱりいい毛並み。よく手入れされてて気持ちいいわ」

 

 毛並みの向きにそってするすると撫でてくれていたかと思えば、ふと逆向きに梳いて毛並みへ指をうずめてみたり。

 遠慮も無ければ我慢も無い、それでいてこちらが心地いいなんて感じるとは。

 もうすこーるすたんぷ台帳が打ち止めになってしまいます。

 

「…………」

「妬かれちゃったみたいよ?」

 

 んふー?

 ちらりとフランさんを伺えば、ユウカさんの言うとおりに少しばかり複雑そうな顔をしたフランさんのお姿が。

 ……いや、確かに押して駄目ならーなんて考えましたけど、早いですね。

 でも単に妬いてるってだけじゃなくて、ちょっと嬉しそうな感情も見え隠れしていると。

 これはつまりあれですね、私が両手に華とすれば何も問題は無くなると見ました!

 というわけで!

 

 そっとユウカさんから離れて、朝になっても日の光が入ってきそうにない場所へ陣取ってもそもそと準備。

 さあ!おいでませお二方!!

 

「……ぷっ、くく……」

「……いや、確かにそれならって思うけどさ」

「い、いいんじゃないかしら。ちょっと予想外だったけど」

 

 思わずといった笑いを堪えて、フランさんを促しながらこちらへ歩み寄ってくるユウカさん。

 初めての方ですし、特等席をご用意致しましょう。

 私の前まで来たユウカさんをそっと前足で抱きこんで、ぐるりとその体を巻き込んでから、ちらりとフランさんへ目線を送ってみる。

 こうして抱きかかえてみると、サクヤさんに似た抱き心地。

 本人には言えませんけれど、ユウカさんの方がだいぶ女性的な感じですが。

 ……まぁそれは置いておいて。

 

 フランさーんフランさーんおーいでーなさーい。

 

 ぱたりぱたりと尻尾で床を叩きながら、少しばかり迷っている様子のフランさんへお誘いをかけてみる。

 あの様子ならすぐに陥落するに違いありません!

 そもそも嫌がってなんていないんですから、陥落しないはずがないのですよ、ええ。

 

 たっしたっしと前足でも床を叩き始めた頃に、ようやくフランさんが動き出しました。

 おずおずとユウカさんの様子を伺いながら私の前まで来たフランさんを、有無を言わさずにまたまたそっと抱きかかえ。

 ユウカさんと肩を並べるように調整してから、二人をぐるっと巻いてみっしょんこんぷりーと。

 

 いい仕事をしました!

 

「本当に、一緒に居て楽しいわ、貴女達」

「ありがとう、って言えばいいのかな?」

「それはもう。褒め言葉なんだから素直に受け取ってくれると嬉しいわ」

 

 ことんとフランさんの肩へ頭を乗せて、言い聞かせるように呟くユウカさん。

 ああもう、この美人さんめっ!

 

「さて、こんな素敵な体勢になった事だし、もっとお話を聞かせて頂戴? まだまだ夜は長いんだから」

 

 ユウカさんのお腹の辺りに乗っている私の頭と、肩を寄せ合っているフランさんの頭をそっと抱き寄せながらにっこりと誘うような笑みを浮かべるユウカさんに、フランさんと二人してやられてしまいました。

 今日だけで何度目になるのか最早わかりませんけれど、本当に素敵な方ですよ、全く!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ、さくやぁ……」

「何でしょう」

「お姉ちゃんのポジションが危なくなってる運命を感じるのよ……」

「何を今更」

「えっ」

「えっ」

 

 

 

 


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