私の世界は硬く冷たい   作:へっくすん165e83

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初めてのハリーポッター二次創作。原作片手に頑張ります。
この物語は『東方projectの十六夜咲夜(十一歳)がホグワーツに入学したらどうなるか?』といった内容です。誤字など指摘がありましたら随時修正いたします。


十六夜咲夜と賢者の石
手紙とか、買い物とか、列車とか


 一九九一年、七月。

 悪魔の住む館、紅魔館が幻想郷ではなく、まだ外の世界に存在していた頃。

 一匹のフクロウが紅魔館を目指して闇夜を飛んでいた。

 嘴には一通の手紙を咥えている。

 似たようなものに伝書鳩というものがあるが、伝書鳩というのは鳩の帰巣本能を利用している為、基本的には一方的な通信しかできない。

 だがこのフクロウは明らかに自らの使命を明確に理解し、目的地を目指して飛んでいる。

 あと少しで紅魔館の門に降り立てるという程の距離まで門に近づいたその時、突然フクロウは眩い閃光に焼かれポトリと地面に落ちた。

 

「よっしゃ、夜食ゲット。腹が減っては門番は出来ぬ……ってね。ん? なんだこれ?」

 

 一人の少女が地面に落ちたフクロウを拾い上げる。

 どうやら、この少女がフクロウを撃ち落としたようだ。

 緑色のチャイナ服に、腰まで伸ばした赤い髪。

 頭には龍と書かれた星の飾りがつけられた帽子を被っている。

 彼女の名前は紅美鈴(ほん めいりん)。

 紅魔館の門番をしている妖怪だ。

 彼女は絶命しているフクロウが咥えている手紙を抜き取ると、手紙ではなくフクロウのほうを心配そうに見つめる。

 

「伝書フクロウだったか。後で怒られないといいけど。……って、手紙はうち宛てみたいね」

 

 伝書フクロウはその性質上、ペットとして可愛がられていることが多い。

 それ故に、勝手に殺してしまってはまずいのだ。

 美鈴は庭仕事をしている妖精メイドに一時的に門番の仕事を任せると、死んだフクロウ片手に紅魔館の中へと入る。

 

「おぜうさま~、おぜうさま~。お手紙が届きましたよ」

 

 美鈴はこの館の当主である吸血鬼のレミリア・スカーレットを探し、館内を歩き回る。

 この時間帯、レミリアは自室にはいない。

 いつも通りなら、どこか忙しそうに館内を歩き回っている頃だろう。

 

「美鈴、うるさいわね。手紙なら私の部屋の机の上にでも置いておけばいいでしょう」

 

 探し始めてから五分も経たないうちに、美鈴はレミリアを発見した。

 いや、逆に発見されたという方が正しいか。

 淡いピンクのドレスに、ふんわりとした青い髪。

 背丈はそれほど高くなく、外見だけで見れば十歳程の年齢に見えるが、彼女は既に五百年近くの時間を生きている。

 レミリアは明らかに機嫌が悪そうに美鈴を睨みつけるが、美鈴はそんなことはお構いなしな態度で手紙をレミリアに渡した。

 

「だって緊急の手紙だったらどうするんです? それはそれでおぜうさま怒るじゃないですか。おぜうさま、結構簡単にご飯抜きって仰いますけど、夕飯ならともかく朝飯抜きってのは結構堪えるんですよ? 空腹だと寝付けないですからねぇ……」

 

「なら咲夜に渡しておけばいいでしょう。あの子ももう十一歳よ」

 

「ホント咲夜ちゃん優秀ですよね。もうすっかりメイドとしての仕事もおぜうさまの側近としての仕事も板についてきましたし」

 

 美鈴は顔をニヨニヨさせながら、大体こんなもんと手の平を上下させて咲夜の身長の高さあたりを指し示す。

 レミリアはその様子がすこぶる気に入らなかったらしく、美鈴を睨んで拳を握った。

 最近、咲夜はレミリアの身長を追い抜いたのだ。

 美鈴自身は可愛さのあまりの行動かも知れないが、レミリアからしたらただ単に煽っているようにしか見えない。

 レミリアは美鈴の朝食を抜きにしようか真剣に検討しはじめながらも

手紙の封蝋を破り、その中身を確認した。

 

「えーと、どれどれ。なになに……。美鈴、いつまでそこにいるの? 仕事に戻りなさいよ」

 

 レミリアは手紙から目を離すことなく、シッシと虫を追い払うかのような仕草をする。

 

「どんな内容だったんです?」

 

 美鈴はそんな仕草を軽く無視して手紙を覗き込んだ。

 

「門番が主人に対して馴れ馴れしいとは思わないの? まあ、この内容は少なからず貴方にも関係ある話だし、教えてあげないこともないけど。良い知らせと悪い知らせ、どちらから聞きたい?」

 

「良い知らせから」

 

 美鈴は迷うことなく言った。

 食事に例えるとするならば、美鈴は好きな物から食べるタイプと言ったところだろうか。

 レミリアはそんな美鈴に呆れつつも話を続ける。

 

「では、まず一つ。咲夜が学校に通うことになったわ。それと、貴方がメイド長に復職するってのも一応良い知らせかもね」

 

「おお! 咲夜ちゃん学校に通うんですね。で、私がメイド長に復職するってことは……」

 

「あら、察しがいいわね。咲夜、いるかしら?」

 

 レミリアが虚空に向けて咲夜の名前を呼ぶ。

 次の瞬間、レミリアの右後ろに何の前触れもなく人影が現れた。

 白い髪に青い瞳。

 まるで美術館の額縁の中から攫ってきたかのように整った容姿。

 背は年相応に低いが、全身きっちりとしたメイド服に身を包んでいる。

 レミリアのメイドの一人であり、この館唯一の人間の使用人である十六夜咲夜(いざよい さくや)だ。

 レミリアはくるりと振り返り、咲夜に目線を合わせる。

 そして自分の視線が少し上を向いていることに少しばかり苛立ちを覚えると、邪念を振り払うように頭を振り、手紙を咲夜に差し出した。

 

「貴方宛てよ。その手紙」

 

 レミリアが差し出した手紙を咲夜は不思議そうな顔をして受け取る。

 

「私に手紙……ですか? 珍しいですね」

 

 咲夜は既に封が切られていることに違和感など全く抱くことなく、封筒から手紙を出してレミリアにも見えるように広げた。

 

『ホグワーツ魔法魔術学校 校長 アルバス・ダンブルドア

 

マーリン勲章、勲一等、大魔法使い、魔法戦士隊長、最上級独立魔法使い、国際魔法使い連盟会長

 

親愛なる十六夜殿

 

 このたびホグワーツ魔法魔術学校にめでたく入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。教科書並びに必要な教材のリストを同封いたします。

 新学期は九月一日に始まります。七月三十一日必着でフクロウ便にてのお返事をお待ちしております。 

 

敬具

 

副校長 ミネルバ・マクゴナガル』

 

 咲夜は中身を読み終えると、首を傾げた。

 

「ホグワーツ魔法魔術学校? 聞いたことのない学校ですね。ですが私はここのメイドですので学校には──」

 

「いえ、行きなさい。咲夜」

 

 咲夜が最後まで言い切る前にレミリアがそれを制す。

 

「この学校への入学は貴方が生まれた時から決まっていた運命だわ」

 

 レミリアが言葉を紡いでいく。

 その横で顔を青くしている門番が一人いた。

 

「あのぉ……おぜうさま? 申し訳ありません。いえホントマジですんません」

 

 レミリアは心底鬱陶しそうに美鈴の方に振り返る。

 美鈴が話を切り出す前に、美鈴の手に握られている死んだフクロウを咲夜が目ざとく見つけていた。

 

「うちに伝書フクロウってありましたっけ?」

 

「取り敢えず美鈴はご飯抜きね。さあ咲夜、向こうの部屋でゆっくり入学に関して話しましょう?」

 

 レミリアは冷たい目で死んだフクロウと美鈴を交互に見ると、もう何処かに行けと言わんばかりに罰を与え、咲夜の背中を押して近くの部屋に入っていく。

 廊下には今日の飯抜きを言い渡された悲しい門番と、フクロウの死骸だけが残された。

 

 

 

 

 

 レミリアお嬢様の勧めもあり、私はホグワーツ魔法魔術学校に入学することになった。

 といってもホグワーツがどのような学校なのか、何を教えているのか私は知らない。

 まあ魔法魔術学校というぐらいだから、魔法を習うのだろう。

 私は今、手紙に書いてある教材を揃える為に紅魔館の地下にある大図書館に来ていた。

 普段入用になる食材や日用品の買い出しは自分で行っているが、手紙に書いてあるような教材がロンドンの街に売っているとは思えない。

 裏ルートで探せば案外見つかるのかもしれないが、もっと確実な方法がある。

 その道のスペシャリストに聞けばいいのだ。

 幸い紅魔館の地下に広がる大図書館には博識で偉大な魔女であるパチュリー・ノーレッジ様がいる。

 私は大図書館中央のテーブルで本を読んでいるパチュリー様にホグワーツからの手紙を渡して事情を説明した。

 パチュリー様は一通り説明を聞き終わると、一通の便箋を取り出し何かを書き始める。

 そしてそれを封筒に収め、封蝋を押してから空中で燃やした。

 手紙は消し炭になって消えてしまったが、多分あれで送れているんだろう。

 パチュリー様は手紙が燃えた煙に小さく咳き込むと、私のほうに向き返った。

 

「さて、教材に関してはここにあるものもあるから全部を全部購入する必要はないわ。教科書類は図書館の蔵書にあるし、鍋や薬瓶などの学用品もある。買わないといけないのは制服と杖ぐらいかしら」

 

「お金はスターリング・ポンドでいいんでしょうか?」

 

「そもそも貴方これらが何処で売っているのすら知らないでしょうに。……そうね、今日の朝、レミィが寝たら買いに行きましょうか」

 

 やはり魔女である彼女を頼って正解だったようだ。

 先ほどの手紙はホグワーツに宛てたものだろう。

 対応を見るにホグワーツのことも知っているらしい。

 私はパチュリー様に深々と頭を下げ、時間を止めて大図書館を後にした。

 

 

 

 

 

「パチュリー様、図書館から出発するのですか?」

 

 お嬢様の朝食の片付けが終わり、日も少し昇ってきた頃。

 私は外出の仕度を済ませて大図書館に来ていた。

 パチュリー様の話だと大図書館から出発するらしいが、大図書館には外へ通じる扉はない。

 私がパチュリー様のほうに視線を向けると、いつの間にかローブを身に纏い身支度を済ませていた。

 

「魔法界の暖炉はネットワーク化されていてね。煙突飛行ネットワークって言うんだけど……。まあやってみればわかるわ。この粉を暖炉の中に振りかけて炎の色が変わったら中に入る。そしてダイアゴン横丁って言えばロンドンで一番大きい魔法商店街に出れるわ」

 

「そんな便利な暖炉が紅魔館にあったのですね」

 

「本来なら魔法省が全部管理しているんだけど、ここの暖炉は少し細工がしてあってね。まあ、その話はどうでもいいか」

 

 ほら、さっさと行く、とパチュリー様は私の背中を押す。

 私は少々躊躇しながらパチュリー様が差し出した粉を暖炉の炎に振りかけ、暖炉の中に入った。

 不思議なことに、緑色の変わった炎は私の肌を撫でるだけで熱くはない。

 そよ風に吹かれているようだ。

 私は一度パチュリー様の顔を覗き、意を決して口を開く。

 

「ダイアゴン横丁ッ!!」

 

 叫んだ瞬間、突如何かに強く引っ張られるような感覚が全身を襲う。

 その感覚に目を回しているうちに暖炉間の移動は終わったらしく、私はいつのまにか古びたパブの店内にある暖炉の中に立っていた。

 

「さて、まずは制服から買いに行きましょうか。……咲夜? もしかして酔った?」

 

 いつのまにか横に立っていたパチュリー様が心配そうに私の顔を覗き込む。

 私はパチュリー様に一言大丈夫だと伝えると、軽く灰を払って暖炉から出た。

 

「ここは?」

 

「『漏れ鍋』って名前のパブよ。ダイアゴン横丁の入り口になってるの」

 

 パチュリー様は私の手を引いてまっすぐ店の中庭へと向かうと、レンガでできた壁を指で小突く。

 その瞬間、レンガの壁が大きなアーチ状に変化した。

 アーチの向こうには活気に満ちた商店街が広がっている。

 

「ようこそ魔法界へ。ほどほどに歓迎するわ」

 

 パチュリー様は私の顔を見ながらどこか嬉しそうにそう言った。

 

 

 

 

 

 

「ホグワーツで必要になる程度の魔法具なら大体ここで手に入るわ。まあ今回は特殊な物は買う必要はないけどね。取り敢えず制服はマダムマルキンの洋装店がいいと思う。この辺では一番腕がいいし」

 

 あれこれと説明を聞きながら、パチュリー様と共に歩いていく。

 私はパチュリー様の説明に耳を傾けながらダイアゴン横丁の店を眺めていた。

 大小様々な鍋が並べられている店や、マントの店、高級箒の専門店などもあるようだ。

 

「……箒。パチュリー様、箒なんて何に使うのでしょう?」

 

「あれは空を飛ぶために使うのよ。基本的に魔法使いは箒がないと空が飛べないの」

 

「パチュリー様は箒なしで空を飛べますよね?」

 

「私はほら、天才だから」

 

 まあ、そんなパチュリー様に飛び方を習った私も、身体一つで空を飛ぶことが出来るのだが。

 数分も歩かないうちに目当ての店に着いたらしく、パチュリー様の足が止まる。

 

「ここね。マダムマルキンの洋装店。私は利用したことないけど……まあホグワーツの生徒の殆どはここで制服を買うわけだし、外れではないと思うわよ」

 

 店に入るとずんぐりした魔女が愛想よく出迎えてくれた。

 彼女がマダム・マルキンらしい。

 私が制服を買いたいという旨を伝えると、それ以外の何の用でこの店に来るってのよと笑われた。

 ジョークなのだろうが、少し反応に困ってしまう。

 だが彼女はそんなことはお構いなしと言わんばかりに私を踏台の上に立たせ、ローブの丈を合わせながらピンで留め始める。

 数分もしないうちに採寸は終わり、あとは仕立てるだけとなった。

 仕立て終わるまでには少々時間がかかるらしく、私たちは杖を買うために洋装店を後にする。

 

「杖ですか……杖なんて何に使うんです? チンカラホイみたいな?」

 

「あながち間違っちゃいないわ。魔法使いは杖がないと魔法が使えないのよ」

 

 パチュリー様が魔法を使うとき、杖を使っているところを見たことはない。

 本を開いて呪文を詠唱したり、手を振ったりしているところは見たことがあるが。

 そのことを詳しく聞いてみると、どうやら魔力を引き出す方法が根本的に違うらしい。

 杖を使う魔法も使えないことはないが、基本的に魔導書や指輪を用いる魔法の下位互換になってしまう為、使用することがないのだという。

 でも杖を使う魔法の方が簡単で扱いやすいらしい。

 呪文とコツ、杖の振りさえ覚えていれば複雑な原理を理解していなくても魔力さえあれば魔法が発動することもあるとのことだ。

 そのような話をしているうちに、目的の店に到着した。

 店の扉には剥がれかかった金色の文字で『オリバンダーの店――紀元前三八二年創業 高級杖メーカー』と書いてある。

 中に入ると店の奥の方で呼び鈴がなり、店の奥からノソノソと一人の老人が出てきた。

 彼がオリバンダーなのだろう。

 

「いらっしゃいませ。今年からホグワーツですかな?」

 

「はい、それで杖を買いに来たのですが……」

 

「どちらが杖腕かな?」

 

 パチュリー様の方を見ると、利き腕のことだと教えてくれた。

 私はそれを聞いて右手を差し出す。

 まあ利き腕ではないのだが。

 パチュリー様は利き腕を出さなかった私を見て少々呆れたような表情をしたが、止めないところを見るに反対の腕でも問題はないようだ。

 オリバンダーは差し出した私の右腕を隅から隅まで計測しながら、杖に関する話を色々としてくれた。

 

「ここの杖は、強力な魔力を持った物を芯に使っております。ユニコーンのたてがみや不死鳥の尾羽、ドラゴンの心臓の琴線。そして素材1つ1つにも違いがあり、同じ杖は1本たりともないわけじゃ。故に、他の魔法使いの杖を使っても、決して自分の杖ほどの力は出せない」

 

 計測が終わるとオリバンダーは棚の間を飛び回って杖が入っているであろう箱を取り出し始める。

 そして着せ替え人形のように私に杖を持たせたり取り上げたりして一人でさんざん悩み、そして勝手に納得した。

 

「アカミノキと吸血馬のたてがみ。二十五センチ。やや硬い。貴方にはこれがぴったりのようじゃの」

 

 結局私の杖はあるべきところに落ち着いたようなものだった。

 血で染めたような赤く光沢のある杖。

 ブラッドウッドの名に恥じない非常に綺麗な血の色だ。

 

「吸血馬のたてがみ……珍しいわね。ユニコーンじゃないのね」

 

 パチュリー様がオリバンダーの説明を聞いて小さく呟く。

 

「先代が作成した杖でございますからの」

 

「なるほど」

 

「何にしても気に入りました。不思議と手に馴染みますし……」

 

「杖に選ばれるというのはそういうことじゃ」

 

 杖に選ばれる。

 なるほど、私はそれを聞いて妙に納得してしまった。

 つまりこれは単なる道具などではないということなのだろう。

 その後もオリバンダーは杖に関するうんちくを話していたようだが、私は自分の杖に気を取られて話半分程度にしか聞いていなかった。

 オリバンダーにお礼を言い、私たちは店を後にする。

 パチュリー様の話ではこれで買い物は終わりのはずだ。

 洋装店で仕立てあがった制服を受け取り、来た道を戻る。

 その道すがら、パチュリー様からこの世界の魔法と注意点について教えてもらった。

 まず、この世界の魔法使いは基本的に箒無しでは飛べないらしい。

 故に緊急時以外、箒無しで空を飛ぶなというのが一つ。

 次に言われたのは私が持っている能力に関する注意だった。

 

「貴方が持っている『時間を操る程度の能力』。わかっているとは思うけど、その能力はこの世界でも希少なものよ。時間を巻き戻す魔法具とかもあるけど、魔法省が厳重に管理している。いい? 学校でその能力を使うなとは言わないけど、能力がバレるような使い方はしないようにね」

 

 そう、パチュリー様の言う通り、私は時間を操る能力を持っている。

 時間を進めたり止めたり、制限はあるが戻すこともできなくはない。

 私がこの能力に気が付いたのは物心がついて少し経った頃だった。

 その後自分の能力を理解するために私は時間に関する科学的な学術書を読み漁った。

 どんなに自分がいるところが魔術的な環境だとしても、根底にあるのはやはり科学なのだと私は思う。

 パチュリー様の手助けもあり、能力が発現してから数年も経たないうちに私は自分の能力で出来ること、出来ないことを理解した。

 

「やはりこの能力はおかしいのでしょうか。異端である魔法の世界でも更に異端……」

 

「あら? 紅魔館に勤めている人間の言うセリフではないわよ? それ」

 

 パチュリー様は優しく微笑むと私の頭を撫でる。

 私はそれが妙にむず痒く、そして温かかった。

 

 

 

「それで、九月の頭に入学だったかしら。もうあと数日じゃない。準備は済ませたの?」

 

 いつも通りの深夜の紅茶の時間。

 お嬢様はティーカップに紅茶を注いでいる私にそう聞いた。

 

「ええ、数日前に。思った以上にパチュリー様が教材を持っていらして、結局新しく買い足したのは制服と杖ぐらいです。」

 

「杖? ピリカピリララポポリナペペルトみたいな?」

 

「はい、リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バール・ネトリーヌです」

 

 そう言って二人でクスクスと笑い合う。

 私はお嬢様に紅茶をお出しすると、メイド服のポケットから杖を取り出した。

 

「これを振るうと魔法が使えるらしいんですけど、私にはさっぱりで」

 

 お嬢様は紅茶を一口飲んだ後、私が差し出した杖を手に取る。

 そしてくるくると指の間を回しながら眺めるとクスリと笑った。

 

「私の分身のような杖ね。いい趣味しているわ。貴方の入学祝いに、少し能力を掛けてあげる」

 

 はい、とお嬢様が杖を返してくる。

 もう能力を掛け終わったのだろうか。

 私の不思議そうな顔を見て察したのか、お嬢様が説明をしてくれた。

 

「これはパチェからの受け売りなんだけど、魔法使いが使う杖っていうのは使用者に忠誠心を抱くそうよ。その忠誠心っていうのは決闘などで杖を奪われると相手に移ってしまうものなのだけれど、この杖はどれだけ決闘を繰り返しても忠誠心は貴方から移らないわ」

 

「それはまた……一体どうしてなのでしょう?」

 

 お嬢様はクスリと笑う。

 

「答えは簡単。電話の親機子機みたいなものね。私は今この杖に私に忠誠を尽くすように命令を掛けた。その杖を、貴方に渡すわ。貴方が私に対する忠誠心を失わない限り、私に忠誠を誓ったこの杖は貴方を仲間と認知していつも以上の力を貴方に与えてくれるでしょう。主は独りで十分。貴方が主になる必要はないわ」

 

「つまり、この杖は私の従者ではなく、同僚であり友であると……そういうことですね」

 

「まあそういうことね。杖自体は私に忠誠を尽くしているから、私がこの杖を使って決闘でもしない限り忠誠心が他の誰かに移ることはないってわけ。紅茶おかわり」

 

 つまりこの杖はお嬢様の所有物ということだ。

 その事実があるだけで、急にこの杖が愛おしくなる。

 大切にしなくてはいけない。

 私は杖を内ポケットに仕舞うと、お嬢様のティーカップに紅茶をお注ぎした。

 

 

 

 

 ついに来た出発の日。

 私は準備を整えると、ホグワーツで必要な全ての荷物を持って玄関ホールに来ていた。

 全ての荷物と言っても、荷物は全て小さな鞄に収めている。

 私の時間を操る能力は、そのまま空間を弄るのに使える。

 いわば日本の漫画にある四次元ポケットのようなものだ。

 玄関ホールには私の見送りに、パチュリー様、お嬢様、美鈴さんの姿があった。

 

「咲夜ちゃん! 頑張って! 寂しかったら手紙送っていいからね」

 

「フクロウは貴方が撃ち落としたでしょうに」

 

「おぜうさま~、そんな昔のことを掘り返さなくても……」

 

 美鈴さんとお嬢様がいつもの調子で言い争いを始める。

 私はその光景を目に焼き付けると、改めてお嬢様の方に向き直った。

 

「では、行ってまいります。御不自由をお掛けしますが、どうかお許しください」

 

 そう言って私は深々とお辞儀をする。

 次の瞬間三つの手のひらで頭を叩かれた。

 私が不思議そうに頭を上げると、妙に頼もしい笑顔の三人が私の顔を見ていた。

 

「うぬぼれ過ぎですよ、咲夜ちゃん。メイド長としての私の実力、よく知っているでしょう?」

 

「咲夜、大きく成長してらっしゃい」

 

「分からないことがあったら手紙を頂戴。魔法に関しては魔法界の中でも私が一番だと自負しているぐらいだしね」

 

 私はその光景を心に刻み、もう一度頭を下げると玄関の大きな扉を押し開く。

 

「行ってきます!」

 

 そして新しい世界への一歩を踏み出した。

 

 

 

 

 

 人目につかないように時間を止めて空を飛び、キングス・クロス駅へと降り立った私はトイレの個室の中で時間停止を解除する。

 ホグワーツ行きの列車が出発するのは『九と四分の三番線』ホームらしい。

 普通に考えたらそんな中途半端なホームなど存在するわけがないが、どうやら少々細工がしてあるようだ。

 私はパチュリー様の指示通り九番線と十番線の間の壁に向かって歩く。

 そのままだと壁に激突して終わりだが、私の体はレンガをすり抜け、その先へと辿り着く。

 私の目の前には紅色の蒸気機関車が止まっていた。

 ホームの上の掲示板に『ホグワーツ行特急十一時発』と書かれているところを見ると、この列車で間違いないようだ。

 駅のホームは人でごった返しており、私と同い年ぐらいの子供から少し年上の子供まで様々な人間がそれぞれの時間を刻んでいた。

 私は一人そそくさと客室の中に入り、空いているコンパートメントの席に座る。

 このコンパートメントの広さを見る限り、荷物を小さくしてきて正解だったようだ。

 私は懐中時計を取り出すと、竜頭を押し込み時間を確認する。

 今の時刻は十時半。

 列車が出発するまでにまだ少し時間がある。

 なら本でも読もうかと鞄を開けた次の瞬間、コンパートメントの扉がノックされた。

 

「あの……相席いいかしら?」

 

 声の主は私と同じぐらいの歳の女の子だ。

 髪は茶色である程度の長さがあり、あまり手入れをしていないのか全体的にぼさぼさとしている。

 

「構わないわ。一人で使うにはこのコンパートメントは広すぎるし」

 

 私が少女を受け入れると、少女は不安そうな顔を一変させてコンパートメントの中に入ってきた。

 私はその少女が席に座るのを見届け、先程鞄から取り出した本を読み始める。

 『And then there were none』アガサ・クリスティの名作だ。

 

「私はハーマイオニー・グレンジャー。みんなからはハーマイオニーって呼ばれることが多いわ」

 

 さっき入ってきた少女が自己紹介をしてくれる。

 そういったやり取りは少々面倒くさいと感じたが、私も自己紹介を返した。

 

「そう、よろしくね。ハーマイオニー。私は十六夜咲夜よ。咲夜でいいわ」

 

「イザヨイサクヤ? 変わった名前ね。どんなスペルなの?」

 

 やはりこの名前は英語圏では珍しいようだ。

 私の顔つきはどちらかと言うと西洋人寄りなので日常生活で不自由することはなかったが、名前だけは別だ。

 私は鞄の中から手帳を取り出し、万年筆で名前の漢字とその読みの英語を書いていく。

 

「『十六夜』十六にナイト、夜ね。咲は花が咲くの咲。最後の『夜』もナイトよ」

 

「ということは東洋人? 見えないわね」

 

「よく言われるわ」

 

 一通りのやり取りが終わると、私もグレンジャーも本を読み始める。

 グレンジャーが読んでいる本をちらりと見ると、魔法の学術書みたいなものだった。

 こんなところでまで勉強しなくともいいだろうと思うが、まあそのへんはそれぞれの感性だろう。

 

 

 

 

 

 読書を始めてしばらく時間が経っただろうか。

 またコンパートメントの扉が叩かれる。

 今度はグレンジャーが立ち上がり、扉を開けた。

 

「あの……席空いてる? どこもかしこも一杯で……」

 

 顔を出したのは何処か鈍臭そうな少年だった。

 私は懐中時計をチラリと確認するが、既に十一時は過ぎている。

 つまりこの少年は時間ギリギリで列車に乗り込んだということだろう。

 

「咲夜。そういうことらしいんだけど……いい?」

 

「まだ席は空いてるわ」

 

 グレンジャーは私の了承を得ると、その少年をコンパートメントの中に招き入れる。

 少年はおずおずといった様子で席に座った。

 ふと窓の外を見ると、いつの間にか列車は進み始めている。

 

「……僕はネビル。ネビル・ロングボトム」

 

 少年は恐る恐る私とグレンジャーの顔色を窺うように自己紹介をした。

 私もそれに習って自己紹介を返し、本の世界に戻る。

 ロングボトムはやることがないのかむず痒そうに席に座っていた。

 

 

 

 

 

「あれ? あれぇ? トレバーがいない!」

 

 列車が走り出してから少し時間が経った頃。

 ロングボトムのすっとんきょうな叫び声で、私は現実の世界に引き戻された。

 

「どうしたの?」

 

 グレンジャーが興味深々といった雰囲気でロングボトムを問いただしている。

 話を聞いている限りだと、どうやらロングボトムのペットのカエルが逃げ出したようだ。

 

「それは大変! どうにかしなくちゃね」

 

 グレンジャーは全て任せろと言わんばかりに胸を張る。

 ただグレンジャーの態度を見る限りだと、どうもグレンジャーは本気でロングボトムを心配しているわけではないように見える。

 カエル探しに自分の魔法が使えないかどうか考えているのではないだろうか。

 どうやらグレンジャーはそういう性格の女の子らしい。

 自己主張が激しいと言えばいいのだろうか。

 

「取り敢えず、手分けして探しましょう」

 

 ロングボトムとグレンジャーの間で話が進み、結局はありきたりな結論に落ち着いた。

 私まで付き合う必要はまるでないのだが、そこは世間体というものもある。

 付き合わざるをえないだろう。

 

「そういうことなら私はこのコンパートメント内を詳しく調べるわ。ネビルとハーマイオニーは後ろの客車をお願い。私もこのコンパートメント内を調べ終わったらそっちとは反対方面に探しに行くから」

 

 自分が一番楽になるように自ら探す範囲を指定する。

 一見私が一番探す範囲が広いように感じるかも知れないが、一人なら自由に手を抜くことが出来る。

 二人は私の意見に賛同したのか、列車の進行方向とは逆に向かって通路を歩いていった。

 私は二人が居なくなったコンパートメント内で時間を止める。

 そして鞄から制服を取り出すと、着替えを始めた。

 グレンジャーが入ってきた時に気がついたが、列車がホグワーツに到着する前に着替えを済ませておかないといけないらしい。

 グレンジャー一人なら普通に着替えればいいが、ロングボトムが入ってきた時、どのようにその話を切り出そうか迷っていたのだ。

 着替えを終わらせた私は一通り室内を探した後、一応形だけでも探すかとコンパートメントから外に出る。

 列車の通路は狭く、歩きやすいとは言えない。

 私は適当に通路を端まで歩くと、そのまま引き返した。

 その道中でヒョロリとした金髪の少年が大柄の少年二人を引き連れて歩いているのに出くわす。

 

「ねえ貴方。ヒキガエルを見なかったかしら」

 

 私がカエルのことを聞くと金髪の少年は軽く鼻を鳴らした。

 

「君もネビルのカエルを探しているのかい? あいつのドジのせいで失くしたんだ。探す必要なんてないさ。僕たちのコンパートメント内でお菓子でも食べないか?」

 

「あら、ナンパかしら。大胆ね。いいわよ、ご一緒させてもらおうかしら」

 

 カエル探しが面倒になっていた私は、その金髪の少年の誘いに乗ることにした。

 カエル探しよりかは幾分有意義な時間が過ごせることを期待しよう。

 少年のコンパートメントはそう遠くなかった。

 私が適当に椅子に座ると、大柄の少年がお菓子を勧めてくる。

 馬鹿そうに見える二人だが、女性を尊重する精神ぐらいは持ち合わせているらしい。

 

「僕はドラコだ。ドラコ・マルフォイ。こっちがクラッブでこっちがゴイルだ」

 

 マルフォイは簡単に自己紹介をすると、何かを期待するようにこちらを見てくる。

 その態度がどうも初々しく、私はクスリと笑ってしまった。

 だが、その笑いのせいで妙な誤解を与えてしまったようで、マルフォイが少々顔を強張らせる。

 

「君も変な名前だって笑うのかい?」

 

「いえ、そうではないわ。名前が変わってるのは私も同じようなものよ。私の名前は十六夜咲夜。笑ったのは貴方の態度が初々しかったから。よろしくね。ドラコ」

 

「イザヨイ・サクヤ……ファーストネームがイザヨイっていうのか?」

 

「こっちの言い方に直すとサクヤ・イザヨイね。咲夜って呼んでくれればいいわ」

 

「確かに変わった名前だ。……東洋人かな? 君は純血の家の子かい?」

 

 純潔? この場合は純血だろうか。

 どういう意味なのか大体想像はつくが、適当なことを言わない方がいいだろう。

 

「こっちの文化には詳しくなくて。どういう意味かしら?」

 

「両親が魔法使いかどうかってことさ」

 

 なるほど、そういう意味か。

 私は事実をありのままに伝えた。

 

「分からないわ。私、両親って知らないもの」

 

 私ははぐらかすように真実を伝える。

 マルフォイはそんな私の返答に少しバツの悪そうな顔をした。

 

「おや、ごめん。でもきっと君は純血だと僕は思うよ」

 

「褒め言葉として受け取っておくわ」

 

 そういって私はニッコリと笑顔を作る。

 少々差別的な思想は持っているが、相手のことを気遣える良い人間ではないか。

 私はその後もマルフォイに魔法界のことを聞いたり、何故か出血しているゴイルの指の怪我を処置したりと、カエル探しよりかは有意義な時間を過ごした。

 

 

 

 

 一時間程が経過した頃だろうか。

 

「あ! こんなところにいた。探したのよ咲夜!」

 

 そんな大声が聞こえてコンパートメントのドアがバンっと開かれる。

 ドアの向こうには少々不機嫌になっているグレンジャーが立っていた。

 

「なんでこんなところで呑気にお菓子食べてるのよ! カエル探しはどうしたの?」

 

 グレンジャーは私の様子が気に入らないらしい。

 

「そうは言うけどね、ハーマイオニー。別にカエルは私の所有物じゃないし、私が何処で何してようと私の自由だと思うんだけれど、その辺貴方はどのように考えるのかしら」

 

「それは、そうだけど……」

 

 私が反論するとグレンジャーは口籠る。

 どうもグレンジャーは直感で物事をとらえて論理的に考えるタイプの人間のようだ。

 完璧主義の嫌いもあるのかも知れない。

 

「それに、カエル探しよりここでお菓子食べてる方が楽しいわ。そうでしょう? ドラコ」

 

「勿論だとも。それに僕がもし家族からヒキガエルなんかペットに貰ったとしたら、さっさと失くしてしまいたいぐらいだしね」

 

「あら、家族は大事にね」

 

「呆れた。随分と自己中心的な考え方だこと!」

 

 グレンジャーは苛立ちというか怒りというか、色々なものを沸々と煮えたぎらせているようだった。

 少し苛めすぎただろうか。

 

「それじゃあ、ドラコ。私はそろそろ自分のコンパートメントの中に戻るわ。誘ってくれてありがとう」

 

 私は席を立つと、グレンジャーの手を取ってコンパートメントの外に引っ張り出した。

 そしてマルフォイに手を振ると、自分たちのコンパートメント目指して通路を歩き始める。

 

「それで結局、ネビルのカエルは見つかったの?」

 

「よく言うわ。……結局見つからなかったの。でも途中で思わぬ収穫があったわ。ハリー・ポッターに会ったのよ! 同い年だとは知っていたけど、まさか同じ学校になるなんて思わなかったわ!」

 

 グレンジャーは興奮したように話を続けていくが、私はハリー・ポッターという人間を知らない。

 彼女がここまで興奮するのだ。

 ハリー・ポッターとはモデルか何かなのだろうか。

 

「貴方、生き残った男の子を知らないの? 赤子の頃、例のあの人を撃退した有名人よ」

 

 意気揚々と語るグレンジャーに私は肩を竦める。

 

「私、こっちの世界のことは詳しくないのよ」

 

「そうなの? じゃあ貴方もマグル生まれなのね! 私もなの。ホグワーツから手紙が来たとき心底びっくりしたわ。まさか私が魔法使いだなんて。それから手当たり次第に本を読み漁って色々勉強したの。勿論、教科書も全部暗記したわ」

 

「マグル生まれ?」

 

「両親が魔法使いじゃない普通の人間って意味。貴方もそうなんでしょう?」

 

 なるほど、マルフォイが言っていた純血云々というのは、こういうマグル生まれの魔法使いがいるからという話なのだろう。

 どこの世界にも純血主義とはあるものだ。

 

「私、両親いないから」

 

 私がそう告げるとグレンジャーもバツの悪い表情を浮かべる。

 

「あ……、ごめんなさい。私、その……」

 

「本人よりショック受けてどうするのよ。これは分からない感覚だとは思うけど、初めから親がいないのが当たり前だと、親なんてどうでもよくなるものよ。会ったことのない人間なんて生きていても死んでいても変わらないわ。観測して初めて意味を持つのよ」

 

 グレンジャーは気まずくなったのか、話題を変えようとハリー・ポッターや例のあの人に関する話をし始めた。

 その話はコンパートメントに戻ってからも続き、列車がホグワーツに着くまで途切れることはなかった。




用語解説

紅魔館
吸血鬼であるレミリア・スカーレット嬢の館。この頃はまだ幻想郷ではなく、イギリスに居を構えている。

伝書鳩
鳩の帰巣本能を利用しているので、基本的にある一定の場所にしか手紙は送れないし、鳩は帰ってこない。

妖精メイド
紅魔館で働いている有象無象の妖精。基本モブ。

おぜうさま~
お嬢様の意。

朝飯抜き
紅魔館では昼夜逆転しているので、この場合夕飯の意。

封蝋
封筒を留めるシール替わり&刻印。ようは映画のアレ。

美鈴がメイド長に復職
咲夜さんがいない頃は美鈴がメイド長でした。

ふくろうの死骸
このあと門番が美味しく以下略。

パチュリー
便利な助っ人役。学校の教員に来てもらってもよかったが折角なので。

パチュリーの手紙
魔術的な物。燃やすのは煙突飛行ネットワークと掛けている。

図書館の暖炉
煙突飛行ネットワークにはつながっているが、魔法省の管理からは外れているという設定。

「ダイアゴン横丁ッ!!」
ハリーのようなミスはしない優秀な咲夜ちゃん。

マダム・マルキンの洋装店
制服やローブはここで買える。ハリーと会わせてもよかったが、早々時間は被らない。

アカミノキ
別名ブラッドウッドと呼ばれる赤い木。磨くと光沢が出て、少し硬い。

吸血馬のたてがみ
吸血馬がハリーポッターの世界にいたかどうかは分かりませんが、まあ血を吸う馬。

杖腕(追記)
咲夜さんは左利きという情報を頂き、調べて見ると確かに左利き説が濃厚のようです。ですがここでは左利きだが利き腕を自由に使うために右手を差し出したということにしておきます。利き腕にナイフ、右手に杖となんかそれもありだと思ったので。

ピリカピリララポポリナペペルト
おジャ魔女どれみの呪文。

リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バール・ネトリーヌ
こっちはラピュタ。

所有権はおぜうさまに
これは人によっては嫌がらせにしか感じないかも知れません。ですが咲夜さん的にはご褒美です。

咲夜の鞄
空間を弄って有り、何でも入る。

And then there were none
日本語訳では「そして誰もいなくなった」

サクヤイザヨイサーンッ!
イギリスの文化では漢字表記の十六夜咲夜は不自然ですが、この小説では漢字で行きます。

咲夜の懐中時計
咲夜の能力が掛けてあり、原子時計も真っ青な精度を誇る。この時間を軸にして術を掛けるので、この時計がないと時間の操作は精度が落ちる。時間操作に応じて針の速度が変わる。

トレバー
よくいなくなる。

マルフォイ
咲夜の印象ではそこまで悪くない。というかハリーたちが嫌いすぎている印象が強い。

純血主義
咲夜さんは純血なのか穢れた血なのか。

お菓子を食べる咲夜ちゃん
なお、怪しい気配を感じて百味ビーンズには手を付けなかった模様。

ハリーポッター
咲夜はハリーや例のあの人に関して、ハーマイオニーから教えてもらった以上のことは知らない。

Twitter始めました。
https://twitter.com/hexen165e83
活動報告や裏設定など、作品に関することや、興味のある事柄を適当に呟きます

2023/05/03 加筆修正

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