奇跡を呼びし艦娘のIS世界における戦い 作:オーダー・カオス
「着いたよ」
「ここって……」
のほほんさんに案内されて辿り着いたのは「生徒会室」と書かれた札が下げられている扉の前だった。
「生徒会室」って……
ということは俺に会わせたい人ってのは「生徒会」のメンバーの誰かってことだよな?
何かやらかしーーー
ーーーいや、やらかしていないと言うと胸を張れないか……
いやいや、少なくても今までの出来事で俺が直接的な原因はない……はず
何故、自分が「生徒会」に呼び出されたのかと考えてみたが、今の所、呼び出されることが思い浮かばず困ってしまった。
確かに俺の周りでは色々と騒動が起きている。
ただ少なくとも、周囲に被害をもたらす様なことに関してはおれが直接的な原因ではないはずだ。
更識のことに関しては……
いや、流石にあの事に関しては「生徒会」に呼び出しを喰らうようなことじゃないはずだ
唯一、ここ最近の出来事で俺に非があることとしては更識のことぐらいだ。
ただ、それは「生徒会」が関わってくることだろうか。
「……どうしたの?」
「い、いや、なんでもない」
俺が戸惑いながら「生徒会室」、つまりは「生徒会」に呼び出しを食らった理由を考えていると、のほほんさんが心配しだした。
「えっと、のほほんさん……
どうして俺が「生徒会」に呼び出されたんだ?」
流石に昨日の件が無関係だと思えず、俺は単刀直入にのほほんさんに訊ねた。
そうでないと、流石にのほほんさんが俺をこういった場所に連れてくると思えないからだ。
「……おりむー。
その前にちょっと謝りたいことがあるんだよ」
「え?昨日のことか?
それなら、別にーーー」
俺の質問に答える前にのほほんさんは俺に謝りたいことがあるらしい。
てっきり、俺は昨日のことだと思い、既にそのことでのほほんさんが謝る必要性がないことを改めて伝えようとした。
「ううん。そうじゃないよ。
ゆっきーのことだよ」
「え?雪風のこと?
どういうことだ?」
しかし、昨日のことではなく雪風のことについてらしい。
「……私、知ってたんだ。
ゆっきーのこと」
「な!?ということは、まさか……!?」
雪風のことを知っている。
それはつまり、彼女の抱えている過去や、元いた世界、そして、艦娘の事と言う事のはずだ。
一体、のほほんさんは何処まで知っていると言うのだろうか。
「詳しいことは全部、生徒会室で話すよ。
でも、色々と黙っててごめん」
「いや、それはーーー
ーーーというよりも生徒会?何でだ?」
のほほんさんが俺に謝りたいこととは雪風のことを俺たちに隠していたことらしい。
しかい、それ以上にどうして生徒会室で雪風のことを話すのか疑問に感じてしまった。
「それはこの世界でゆっきーを匿っているのはこの学園の生徒会長だから」
「え!?」
「ゆっきーにとってこの世界で初めて出来た友達。
それがこの学園の生徒会長なんだよ」
俺が呼び出された理由。
それは雪風にとって初めてこの世界で出来た友人である生徒会長からの呼び出しであることを何となく察してしまった。
「じゃあ、今回俺が呼び出されたのは雪風のことか?」
恐らく、俺が呼び出された理由は雪風のこと、そして、「深海棲艦」の対策等のことだろう。
「でも、それなら俺だけじゃなくーーー」
ただ雪風のことや「深海棲艦」のことなら俺だけでなく他のメンバーも呼ぶべきだろう。
特に艦娘の二人も呼ぶべきだろう。
「違うよ。
おりむー、ゆっきーのことじゃないよ」
「え?」
しかし、俺の予想は外れた。
「雪風のことじゃないって……
じゃあ、何で?」
雪風のことじゃない。
なら、どうして俺に対して先程の説明をしたのかその必要性が感じられない。
「かんちゃんのだよ」
「?
どうして更識の名前が出てくるんだ?」
雪風のことを生徒会長が知っている。
けれども、呼び出されたのは昨日最悪の出会い方をしてしまった更識のことだった。
先程、可能性を否定したばかりの関連性が見受けられないことに俺はまたしても戸惑ってしまった。
「……そのことなんだけど、生徒会長はかんちゃんのお姉ちゃんなんだよ」
「……はあ!?」
またしても出てきた衝撃の事実。
何と俺を呼び出した人物である生徒会長は俺が昨日泣かせた更識の姉らしい。
「じゃあ、まさかお礼参りか!?」
ここにきてまさかの新事実に俺は冷や汗を流しそうになった。
つまりは姉である生徒会長からすれば可愛い妹を泣かせた憎き相手ということだ。
「お、おりむー!?
ち、違うよ!?お嬢様は怒ってないから!!
ただ……その……ええい!
とりあえず、早く部屋に入ろう!」
「え!?
ちょ、まだ心の準備が!?」
しかし、心の準備と整理が出来る前に俺は強制的に生徒会室に入れられた。