【Blaze.Over.Color・紅蓮の巨人は何のために戦う】   作:三号機

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遅くなりました(*´ω`*)

あと視点が少し解りにくいかも…


第13話、闇の中の光・少年答えを見つけるとき・前篇

大銀河の場所・High・Est・Level

 

その玉座で彼は見ていた、これから起こるバトルに

 

赤い騎士の男、顔がはがれたその男

 

 

する後ろから、人影見えるその数二人

 

一人はローブで全身をすっぽり覆われた男と

 

もう一人は全身青く黒いポニーテールの髪をした女性型デュエルアバターである。

 

ただし、彼女の色は青色ではない、存在しない物達、NOBODY.AVATAR.SERIES

と呼ばれるカラー表記されない規格外のデュエルアバターであり

システムの守護者たちこの空間に入れ、BRAINBURSTの中枢のアクセス操作権を持つ

特別なバースト・リンカーの三人の一人名は

Nobody・ClearBlade(ノーバディ・クリアブレイド)

 

 

「やー、賑やかな雰囲気を感じてロードと一緒に来たよ~グランドマスター

あ、まだそんな劣化データーの姿のままでいる~

僕やロードはアバター体に慣れないのに~ずるいよ~」

彼女は気軽に赤い騎士話しかける。

 

 

「おやおや、そういわれてもねー、この姿は私への戒めなんだ

あと、デュエルアバターの姿はあまり好きじゃないんだ。

あと名前もね、いくら我らブレインバースト中央サーバーのさらに奥深く

新なるカーディナルに選ばれた【ネオ・カーディナルの三騎士】と呼ばれててもだ

■■■くん、私を呼ぶならこう呼んでくれ…【Heathc】と」

 

 

「わかりましたー団長さーん」

 

 

 

「…わかったそれで手を打つとしよう…」

 

そんな他愛もない会話に、フードの男が動く。

 

画面に指をさす。

 

 

「この二人、資格がある…?…グランドマスター、お前この赤い奴に細工したな?

BBプログラム適正者に直接の介入は規約違反だぞ、消滅プログラムのパッチが

こいつに張り付いている、それにこのプロミネンスゲージメーターという

変なアビリティーがついてるぞ…?これでパッチは防いでいるみたいだが

どうする気だ?いや、こいつはお前の何なんだ?」

 

だから、団長と呼んでくれ…としょんぼりしながら

今始まろうとしている、試合の画面を大きくし

 

ブレイズ・パイロットをクローズする。

 

 

「彼の本名は、田所龍馬…君たち二人にも、因縁がある…そして私にもだ

と言っても、彼の名はでなく、彼の父親だ…ノーバディ・ロードナイト

彼の父親の名は田所竜矢、紅蓮の魔拳士リュウヤといえば解るね?」

 

 

「ああ、あの赤くてものすごい強かった人か…あの人最終的には、ぼくの【オリジナルソードスキル】、全撃見切ってくるんだもん…あれには驚いたね」

 

「そして…20~30年前に【キリト】と【リュウヤ】が、SAOプレイヤー数100名以上の援護で、押し上げられた100層の城でお前と戦い…」

 

 

「激戦の末、私と彼らの3人で、相撃ちになって…私は死んだ。

私を倒せば、私の時の戦いだけは…リアルの死は免除にするシステムだったからね…

まぁ当然、ほんの1時間のタイムリミット付だったし、リアルでのタイムリミットもあった。

それに、99層の数百体以上のモンスターの軍勢と戦うために…

聖竜連合とKoBの二大ギルド

そして全階層からかき集めたプレイヤーたちが援護はあれで一回こっきりだった…

おっと話が脱線したな…。ああ、彼は少なからず、選ばれた8人と試練に打ち勝った

6名より、期待してい…うん、ロード、君彼に何かしたか?」

 

昔話をしながら、個々の経緯を説明しようとした矢先、ノーバディ・グランドマスターは

パイロットを見て、あることに気づきそう問い詰める。

 

 

「俺は何も?さっきも言った通り、BBプログラムの干渉は規約違反だ…ぁ?

なんだこれは?さっきは…数秒前までは無かったぞ?」

 

彼らしか見えないもので、今ブレイズ・パイロットの胸に黒い靄を纏った

光る玉が、胸に憑りついているのだ。

 

ロードナイトも驚き、空間表示枠型ディスプレイを起動し、袖から黄金色の両腕が現れ

ディスプレイを操作し検索をかけるが…

 

 

「何か知らないけど…周りの黒い靄は、気持ち悪い物だけど…

彼に憑りついている核は、多分害意はないよ…僕の感だけど…」

 

 

「クリアブレイドのいう通り…害意は無いが…

驚いた…こいつは心意だ…。

しかも、強力な二種類いや、三種類バラバラの心意が

あの靄と玉を形成している…玉の心意の塊の周りに…いや違うな

悪意の心意2種が、この球と繋がっている。

興味深い、どこから入ってきた?しかも…他人に無自覚に取りつくほどの

心意…レベル4や5のバースト・リンカーじゃできない、いや

6~8クラスのバースト・リンカーでもできるかどうか…怪しいレベルだ」

 

と、調べた結果を説明しながら…そう分析をする。

ロードナイト。

 

 

「レベル9の王って呼ばれている、バースト・リンカーならできるってことは…

彼の所属している、ブラック・ロータスがこれを?」

 

「違う、いや訂正しよう正確にはブラック・ロータスはやりたくてもできないだ…。

ブラック・ロータスは、レベル9の王でありバースト・リンカーが呼ぶ

心意システムを知り使えるが、全てのデーターを見る限り、全て威力拡張系又は

射程拡張などだ。さらに上位の四大感情も使うが…

それもすべて拒絶あるいは憎しみの、負の心意だ」

 

「この黒い靄の心意のカスを使ったのが、ブラック・ロータスだったら信じるが

こっちの心意の塊、まるでバースト・リンカーの魂のようなデーター量は

明らかに正の心意、喜びや慈悲、救世に当たる代物だ…

あの今の王のメンツでここまでの清らかな心意を使えるやつはいないはず

しかも、感づいているのは我らハイエストレベルにいる者たちだけだ。

王たちも気づいていないと見える、我々が確認して3分だ

あと2分で試合開始だが…未だ消えない、それどころか…

定着しようとしている…いったい誰がこんな心意を…?」

 

 

此処までの調べで改めて、驚愕をするロード

と黙り込み違う検索をしていた、グランドマスターはこれの正体を見つけ

顔のない顔で…

 

 

「クックハハハハ…!!なるほど彼か…!そういえば彼の心の傷も

挫折と友に傷をつけた罪だったな!本当にリュウヤ君といい、彼の息子こといい…

そして…【キリト】君たちといい、私の想像の上を行く!流石はオンライゲームだ

何十年も旅をしてきたが筋書きのないストーリーの醍醐味の快感を味わうのは

こんなオンラインゲームでしか無理だな」

 

「何か解ったのか?」

今度はロードが問う

 

「ああ、大体解った…だが、確証がない…そうだなヒントをやろう

その心意の使い手は、既にこのゲームから去っていると…」

 

 

それを言った瞬間、画面からカーンという試合開始の音が鳴る。

 

 

 

13話、闇の中の光・少年答えを見つけるとき・前篇

 

 

鐘がなる、試合開始のゴングの鐘が…闘いの合図の鐘の音が

 

一体どれだけの観客がいるのであろう。

 

『リュウ、お前は才能がある、神様って人がお前にいろいろ優遇しすぎちまったんだ…』

朧げに思い出す、自分の父が自分の力の抑制のために

武術を始めようとした時の記憶…

 

 

『龍馬よ、お前は本気を出すことを禁じる…。いいか、お前の全力は年不相応…

早く言えば危険なのだ、解ってくれ…』

 

白い髪の祖父からそういわれた、あの夏の日…

 

そこで僕は意識してしまったのだろう、いや気づいた。

 

自分の心に住む怪物に…

 

 

 

『あああああああああああ!!!』

 

年上の少年が悲鳴を上げる

 

そして気づいた、自分の本性に

 

 

≪おい、変なことを思い出していると危ないぞ≫

頭の中で急にそんな言葉が聞こえた瞬間…

 

 

 

「あ…れ?」

 

ブレイズ・パイロットは、気が付くと背中から宙に飛んでいた。

頬が痛い…

 

はっ試合が始まってたのか!

不味い、追撃が来る!

 

 

ゾクっと飛んでいる左から、武者震いをした瞬間に

パイは左肘と左ひざを合わせガード姿勢を素早くとり…

 

何もないところから衝撃がはしり右方向に、パイは飛んでいく。

 

「くっ!!」

 

くるっと回転し、着地を決め体勢を立て直し…バイザー越しに

前方を睨む…。

 

 

 

『おおっと!パイ選手先制攻撃喰らってしまった!!

てか、ダークがいねぇーぞこらぁ!いつの間に消えた!?

いやマジで、いつ消えたのか解らないぞ、おらぁ!

ホーンさんこれは?』

 

『ほぉう、これは光学迷彩のアビリティーですな…

でも、私ならともかく、レベル7のラプターさんですら

気づかずに、一瞬で消えるとは…必殺ゲージも消費していない…

ただの光学迷彩アビリティーではありませんね…』

 

『必殺ゲージ消費じゃないとすれば?』

 

『おそらく条件型あるいは、制約型発動のアビリティーとみるべきでしょう。

アサシンの名は伊達ではないようですね…というか、制約型なら馬路、俺のフロステッド・サークルと相性最悪レベルですよ…霧に紛れて、後ろから首チョンパ間違いなしですからね…』

 

『アイエエエエ!ニンジャ!ナンデニンジャ状態ですね、解ります!』

 

『ラプターさん、なんでニンジャスレイヤー知ってんですか…?』

心此処にあらずの、パイの戦闘とダークが消えた今の最初の攻防を解説している

ホーンとラプター、ホーンからお前何歳だよ、ツッコまれる中戦闘は続く。

 

 

 

光学迷彩のダークは近づこうと、一歩足を踏む。

が、すぐに右に飛び退く。

見えてないはずなのに、さっきのダメージで溜まった必殺ゲージで

ヒートジャンプで、正確に突っ込でくるパイ。

 

よけたと思ったら、ボディーバーニアで軌道を変更し

高速で蹴りの体制に変わっていた、パイの跳び蹴りが

ダークを狙う、当たると思ったダークは回避をやめ

 

高速で突っ込んでくる跳び蹴りを両手でガードをした。

攻撃を食らったその場で、光学迷彩が解除され

姿を現す、ダークブルー・アサシン、首を左右に動かし

再び戦闘態勢に入る。

 

「…どうした…こんなものか、パイロット?…」

 

!…初めて、喋るダーク。

 

「お前の本気を…答えってやつを見せてみろ!…光滑刀…!」

 

左手を掲げたとき、ジャッキンという音と共に…

閃光がダークを中心に、コロシアムを照らす。

 

 

 

「ほぅ…聞いてはいたが、此処で強化外装を使ってくるか」

 

「あれが…パイを倒した強化外装…」

 

「なんで、あの剣は光ってるんだぁ?」

 

「ベリーライトニングで、俺様のお目目が痛いぜ!」

最前線の観客席で思い思いに、ダークの強化外装の感想を言う

上からロータス、パイル、クロウ、アッシュ。

 

そんな中、クロウは静かにこの戦いの行方を見守っていた。

 

『もし、またアサシンってやつと遣り合っても…多分龍は勝てないだろうなー

それだけの傷を持っちまったんだ』

ある男の言葉を思い出しながら…

 

こう思う、クロウ

 

「そんなこと無い!勝つんだ龍…!」

 

 

 

 

光の剣線を描きながら、ハイスピードで

こちらを狙ってくる、ダーク。

 

僕はビビらず、正面に突っ込み接近戦を

仕掛けるふりをして、フレアガンを素早く取り出し

至近距離で撃つ、その数3発が…炎の弾丸が…

光の剣腺三筋が、高速で描き…真っ二つに切り裂かれる。

 

な!この至近距離で、弾丸を切った!?

その光景をみて改めて、目の前の男に驚愕する。

 

何せ、片目が見えない状態で…BRAIN.BURSTの反射神経の条件をクリアした男だ。

 

だが、この状況は予想していた!

こちらも足を止めず、残った二発も叩き込みながら前進する。

 

二線の剣筋が弾丸を切り裂き、こちらを狙うが…

 

 

 

「腕はよさそうだが…無駄だ…パイは私の剣速を毎日1回以上は受けている…

そのスピードなら…当たらないぞ、サンの子よ。

奴に攻撃を当てたくば、一ひねり入れなければ当てられん」

と、彼のダークの動きを見てそうつぶやく、ロータス。

 

そう1日1回、修行の意味を込めて対戦をしているパイロットと、ロータス。

 

その言葉通り、パイは光滑刀の高速斬撃を回避し続ける。

 

その時、腕を上げ振り下ろそうとしたダークの一瞬を

パイは自分の左手でダークの左脇を、つかみ振り上げを阻止し

 

「はぁぁぁー…はぁ!」

ボディーバーニアから発生する、通常攻撃、渾身のファイヤーパンチが

相手のお腹を襲う。

 

 

「グフ!」

透かさず小さなジャンプをした、パイは…

 

 

 

 

「ここで…決める気かな?」

 

プロミネンス陣地の席の後方で一人で自分のこの試合を見ていたサンイエローライト・ウィザード、続けてこう言った…。

 

 

「だけど無駄、無駄…」

 

 

 

 

僕はボディーバーニアでのジャンプで、少し浮いた状態で…

本当の渾身の攻撃を相手に叩き込む。

 

まだ答えは出てないけど、長引かせたら僕が負けると

判断し、自分が持てる最強の必殺技を叫ぶ。

 

「バーニング・キック!」

そのコールと一緒に必殺ゲージが空になる。

 

≪あ~あ、勝負を急いじゃって…≫

また一瞬脳内に響くように声が…聞こえたが、攻撃は止まらない

 

必殺の炎跳び蹴りが、いまだ動けないダークにクリーンヒットする。

 

 

「「うぉおおおおお!!」」

必殺技が見事にヒットし、観客達が叫ぶ

 

吹き飛びその衝撃で土煙を上げ、ダークの姿が見えない。

 

相手の体力は…?

 

「うそ、削ってると思ったけど半分も行ってない?」

 

ゾックと背筋が凍る殺気を感じ、正面をにらむ。

 

左目が淡い青で光っている、暗殺者のシルエット…

いつの間にか光滑刀を仕舞っているダーク。

 

「それでいい…お前は戦えばいい…だが、これではない!

お前の全力はこれじゃない!!暗黒凶化闘気(ダーク・ドーピング・オーラー)!」

 

何らかのアビリティーを叫んだ、ダーク、するとその言葉に康応したかのように

彼の中心に黒い闘気が、放出されるように現れ…

煙を吹き飛ばし…さらに白髪の髪が真っ黒に変わっていく。

 

 

 

 

 

「ダークのデュエルアバターは、濃い青だけど…防御力は

青系統では珍しく高い、メタルカラーというほどではないが…

下手な緑系統色よりある。そして彼のデュエルアバターの基本スペックは

攻守速の三拍子揃って優秀、おまけに強化外装は二つ常備していた。

下手な必殺技を打つとこのように首を絞めるよ、パイロット君…ククック」

 

不敵に笑い、自分の子の戦いを見守る、サン…。

その時、後ろを通り過ぎる金髪の人間を見て振り返るが、誰もいなかった…。

 

「き…のせいか…」

 

 

 

 

ガガガガガと言う音が激しく、鳴り響きながら…

 

パイロットである僕は地面に転がりなら、回避し続ける。

攻撃している余裕がない程に、相手の動きが変わったからである。

 

どう変わったかというと、ただ単純に前の戦いより速く動き

分身をしながらというオマケつきである。

 

高速で四方八方から迫り、こちらを追い詰める。

 

ダーク、その分身の数八体

 

 

 

 

『な、なんじゃこりゃー!』

 

『動きが変わった!?本気じゃなかったのか?

いや、必殺ゲージが消費し続けてるから、本体だけだ』

 

 

 

「その通りなのです、攻撃できるのは本体だけ

あれ以上性能のいい分身アビリティーは、そうそう居ないのです。

あれは、身体強化にものを言わせての高速攻撃のおかげなのです」

 

「おめぇーの兄貴も確か影分身の術だってばよ、見たいなことできたな…

というかあいつ、いくつアビリティー持ってんだよ…

アキハバラBGは刀一本で戦ってたってたことかよ…」

 

「はい、『映シ出ス吾身(ミラーズシャドウ)』という名前のアビリティーだった筈です。

効果は3分間自分の実体のある鏡像が5体出現するというものでした」

 

「あのサンの子、自在に光と影を操れるのね…人体強化・光学迷彩・分身・光る倭刀の

強化外装、まさに暗殺者と言ってもいいのだけれど…どうすれば、そんな子が生まれたのかしら…でも…それに気になるのが…ブレイズ・パイロットあの子…の構えの形…

どこかで見たことが…?どこで?」

 

次々と見せる、ダークの手札を驚いている観衆は余所に

彼のアビリティーを推測する、火・風・森のエレメンツ陣営

だが、レイカーは彼のブレイズ・パイロットの構え

 

右手を胸のあたりに上げ、左手を腹のあたりに下げる独特の様な構え

 

流派の様な形を除けば、一般的な空手の形のイメージは、利き手を前にだし

違う手を後ろにする簡単に言えばファイティングポーズをとり

足をどれか一方を前に出すのが、一般的なスタイルである。

 

だが、彼の空手のスタイルは違う。

 

さっき省いた流派の形である

 

武術とは、開祖または師が弟子にオリジナルの技を伝授し、会得した弟子たちが

免許皆伝、一人前と開祖or師が認め。

その弟子が教えられた技を磨き、改良し新たな技を開発し

その次の弟子にそれを教えていくことで…

 

開祖の武術から始まりどんどん木の根ごとく枝分かれしていった

 

それを流派と呼ぶ。

 

ブレイズ・パイロット事、田所龍馬の使う空手は

 

埼玉にある道場であり、結城家と血のつながりがある。

 

田所劉玄がレクトから隠居し代々受け継いできた、赤倥森厳古流空手という物を

道場として門を開いてる、古流空手の数ある流派の一つに

大きく影響を受けているのだ。

 

埼玉の青梅市の一道場なので、知っているはずもないのだが…

レイカーはあの独特の形を見覚えがあったらしい

 

 

「あ…れ…レイ姉が足が会った時の構えのどこか似てるのです」

 

そのメイデンの一言で思い出し…さらに少し思案して…

 

≪ありがとう!≫

 

幼い時のある記憶がフラッシュバックで蘇った。

 

そして、二人の少年の顔が思い浮かびあがり…

 

「ねぇ…狼君…」

試合の激闘が続く中…ランを呼び来い来いと手招きをして

 

「ん、なんだぃレイカ先輩」

 

近づきランに耳打ちをしてあることを…いや、正確にはうろ覚えの

幼い時に遊んであげた、近所の年下の少年たちの二人の名前を

耳打ちで言った。

 

その言葉を聞いた、ランはデュエルアバターからもリアルでも

汗が大量に流し…

 

「…ふ、楓子姉さん…すかぁ?」

 

恐る恐る、レイカーの正体…レイカーの本名を言う。

 

レイカー本人は、ああやっぱり~と手に口を当てくすくす笑い出す

 

「あれぇ?ランさんは楓姉のリアル知らないはずじゃ…?

お知り合いだったのですか?」

 

と聞くと、レイカーはクスクスと笑い、パイロットの方をみて二人を見る。

 

「昔のあの子つながりで近所で遊んでいたのよ…と言っても…

すぐ、私のほうが引っ越しをしたから今まで忘れていたけどね。

まさか、あの悪ガキとオドオドしていた彼が

BRAINBURSTをやって、そしてネガ・ネビュラスに来るなんて、

運命的な感じをするわね。そういえばランが加入して落ち着いた頃らへんから

懐かしい気がすると思ってたけど…気のせいじゃなかったのね」

 

と昔を思い懐かしむように語るレイカーを他所に

ランは汗が止まらず震えている。

 

「ま、まぁまさか、昔の天敵…泣かされ続けられた…年上のネェちゃんが…

レイカー先輩だったとは!?道理で苦手なわけだ!!」

 

理解したランをよそにメイデンは何をやってたんですか、貴方はという

冷たい視線を送る。

 

 

「でもよく気づいたのですねレイ姉ぇ…どうして?」

 

「ああ、単純よ。メイメイ貴方が言った通りよ

私がバースト・リンカーになって接近戦の形の原型が、あの子の構えなのよ。

だからあの子の形を似てるのは当たり前よ」

 

 

そう説明する中、ランは怯えながらすまない、お前が知らない場所で

俺たちのリアル割れをしてしまったと謝るラン

 

 

 

≪慌てんな、本体は一人だミラー・マスカーのような、性能のいいアビリティーじゃない、普段のお前なら見極めれる筈だ≫

また頭に声が…!

 

その声を振りほどき、敵を見る。

 

後ろから二人

左から三人

 

右から一人

 

正面から二人

 

それを確認し迷いもなく右に弾丸を叩き込む

 

弾丸・フレア・バレットは一直線に、黒髪になったダークを貫くが

影がぶれて消える、分身のようだ。

 

そこから殺気が後ろから…現れた本物が、また出てきた光の刀をだし

こちらを狙ってくるのだ。

 

 

だが、これは…僕があえてこの状況にしたのだ。

 

後ろを振り返らずにバク転をする、その際ボディーバーニアの力を使い

スピードを上げ、膝を抱えた状態で頭が地に向いた状態で、両手を解き

膝を10度位の高さに曲げダークに照準を合わせ足裏のロケットを点火する。

ヒートジャンプである。

 

「なに!?」

 

両膝から、それもとんでもない体勢から繰り出せれる。

急加速で突っ込んでくる両膝蹴り、体の関節各種にバーニアと足裏にブースターを

搭載された、このパイロットにしかできない攻撃法である。

 

さすがにダークこと総司郎さんでもこれは避けきれられない、貰った!

 

ダークの胸に直撃し、物凄い勢いで地面に転がりながら

吹き飛んでいく。

 

相手のHPは…よしようやく半分を切りそうだ!

 

『いったあああああああああああ!ようやくパイロット、反撃開始だ!!』

 

実況のラプターさんの声が響く中、倒れているダークさんを見据えた瞬間。

 

ザーッと2年前のあの事件の姿と被る…

 

≪おいやめろ、今それを思い出したら!≫

 

「!…なっ…!!」

 

今、BRAINBURSTをして理解した

 

いや、理解していたのに目を背けていただけだ。

ザーっと記憶のフラッシュバックが映し出せれる

あの時本当に、後悔していたのであろうか…

 

いや、逆だ…

 

 

あの時、自分がやってしまった…ことを恐怖したんじゃない。

 

そうそれじゃないんだ…

 

 

あの子供のころ遠い記憶で、空手である人に褒められて以来

あの世界、闘争世界に魅入られた。

 

父と祖父が、僕に武術を教えたのもあの二人は初めから解っていたのだろう。

 

 

そうだ…

 

 

 

 

「僕は!」

 

 

「「うおぉおぉぉぉ!!!」」

波のような観客の声援が爆発的に唸る。

 

見ると、立ち上がるダークを見て観客が興奮したらしい。

 

 

「流石だ、仕方ない本気を出すしかないな…」

 

えっ?その言葉を聞き終わらないうちに

 

 

体が勝手に反応する、両手を×点状にしガードだと…

 

 

ガード体制に入るのもつかの間、ベキっと右手が拉げる音が

 

「がぁ!!!」

 

気が付いたらダークがパンチをした状態で目の前にいるではないか…

 

髪は白髪に戻っている、身体強化は終わっているはずなのに…

 

 

『「なに!?」』

 

観客たちも、ダークの本気を見て驚く。

 

だが、この近距離ならと思い、フレアガンの引き金を引く。

 

そしてフレア・バレットがダークを襲い貫くが…

 

「それは残像だ…」

 

はぁ!?と撃たれた、ダークさんは分身否、残像は消え

後ろに回り込まれ、後頭部にけりを叩き込まれる。

 

 

 

 

「良いことを教えてやるパイ。このダークブルー・アサシンの

持ち味は、剣の強化外装でも、攪乱と強化アビリティーでもない…。

こいつの持ち味は単純な…スピードだ。

このダークブルー・アサシンはスピード特化型デュエルアバターだ!

今のがダークドーピングオーラなしの、トップスピードだ」

 

両手を広げそう宣言する、馬鹿な馬鹿な馬鹿な

 

今まで、手加減をされていただと!?

 

 

ああ、それじゃもっとこっちもギアを挙げていいのか!

 

 

「くふははは…」

 

立ち上がり、ダークを見ながら今度はこっちからかけるパイ。

 

ダークもトントンとステップを踏み一気に突っ込む。

 

瞬間回避なしで正面からぶつかり合う、二人。

 

お互い強化外装をおさめた状態、ダークは右手は掌手と左手は手刀を

それぞれ3発合計6発をパイに叩き込む。

 

それを2度目から捉えれるようになった、パイは

1発目の掌手を右手の手刀で弾き、2発目のダークの手刀はこちらの左手の

裏拳を下から潜り込む形でまた弾き…

3発目の掌手を右手でそらし、4発目の手刀は頭をそらし回避

そのまま、また左手で弾き飛ばして、5発目の掌手は左足でガードして止め

最後の一撃の手刀を上体を後ろにそらし回避…

 

 

そしてダークはその状態を見て追撃の右ハイキックをする。

 

こちらもボディーバーニアで、状態を無理やり動かし

さらに再びヒートジャンプを点火、今度は左足のみである。

 

加速でされたパイの左ハイキックと、ダークの青系統プラス本気のスピードが

上乗せされた、ハイキック同士が交差しその衝撃か彼らを中心に

衝撃波めいた風が吹く。

 

 

秒間何秒のやり取り、この高速攻防いったいこのドームで

何人理解できているのだろうか。

 

 

 

 

ちなみに残り二人にHPはダークは残り59%

 

パイ残り40%、パイは直撃を何回か受けたが…

あとはなんとか回避か防御で、凌いでいる。

 

ダークは必殺技とアクロバティック攻撃で減少

互角に見えるが、ダークが優勢のようである。

 

 

それを見て、再度突っ込むパイ

 

今度はパイが攻撃をする、ファイヤーパンチ両手から1発ずつ

 

それを右手で力ずくで受け止め、もう一方の左手はパイ同様頭をずらして回避

ヒートジャンプからの膝蹴りが来るのを左手で、ガードするダークが

その衝撃が強すぎて、吹き飛ぶのをバク天をしながら後ろに跳びそれを相殺する。

 

 

 

直後、両足からのヒートジャンプで間合いを一気に詰めた、パイ

ファイヤーパンチの連打で、ダークを追撃

 

それを軽々と…両手でそらし続けるとき、あることに気が付くダーク

 

パイの闘気のようなオーラが、禍々しくいや、パイ自身が狂気をはらんだ雰囲気を

醸し出しているのに…

 

それを見て、内心微笑むダーク

 

「後…もう少しだ!暗黒狂化闘気!!」

 

叫ぶダークそしてもう一度、ダークドーピングオーラを発動し

更に一度目は見せなかった、本気のスピードを合わせた

限界以上のトップスピードで、パイに攻撃を仕掛ける。

 

今度は光滑刀をだし、完全に本気で攻撃をかける。

 

そのトップスピードを、狂気をはらんだパイはガードはせずに…

回避し続ける。

 

まるで、先が見えてるかのような…動きで次々と回避し続ける。

 

 

 

 

 

 

「す、すごい…相手もすごいけどパイも、完全に対応している!」

 

その戦闘を見ている、クロウ。

そこに収めてある剣の腕を、あごにあて考えている、ロータスが口を開く

 

 

「やはりか…」

 

「何がやはり何ですか先輩?」

 

「彼の強さだよ、玉に腑に落ちないほど強くなったり、弱くなったりするときがあると

思ったら、なるほど…」

 

と意味ありげに言いよどむ、ロータス。

そこにパイルが手を挙げる

 

 

「多分ですか、パイは相手に合して自己リミッターを解除してると

そう推察したんじゃないんですか?マスターは…」

 

「え、自己内でリミッター?どうしてそれを…あ…パイの…心の傷」

パイルの解説で疑問に思い口にしてすぐに、なぜリミッターが付いているのかを

理解した、クロウ。

 

「その通りだ…彼は…相手に合して、本気一歩手前まで自己リミッターを解除する

それが彼の、一昔前の言葉を使うならシステム外スキルなのであろう。

今のレベルはおそらく私と闘ったレベルまで、リミッターが外れている。

クロウや数多のバースト・リンカー、そして私の戦いですら…

最後まで本気は見せることはなかった。

いや、本気の実力を封印し続けた、心の傷がデュエルアバターが

100%の力を発揮できない彼の楔だ」

 

その言葉を聞き、その瞬間あることを理解したクロウ事ハルユキ…

 

「ちょ、ちょっと待ってください!それって、パイは本気が出せないってことですか!!」

 

「ああ、それ所か…本気の力をその近くまで出したが最後…私が一番恐れている事が起こるやもしれない…」

 

「そ、それって何ですか?本気があれ以上なら、余裕で勝てますよね?」

 

「忘れたのか、クロウ。デュエルアバターが彼の楔なら、目の前で戦っている

ダークは彼の心の傷の象徴、そして…彼が話した事件、100パーセントの力…

これらのキーワードをつなげて幾つく先は…」

 

「!…事件の心の傷ができる日のリプレイ…再現…」

 

「彼の心で耐えれるかな?悪夢のような事件の再現

目をそらし続けた、傷を見せるどころか自分の手で抉る所業に?

もしその最悪なケースが起こった場合」

ロータスは重たい口を開き

 

「パイは今度こそ再起不能になり、二度と戦えなくなる!」

そう言い切った…

 

 

 

 

楽しい

 

光の刀が此方をとらえるが、見えている。

避ける。

 

 

楽しい

 

右手の手刀がせまる、見えている回避、そのまま連続で蹴りが飛んでくる。

それも見えている、よける。

 

 

楽しい

 

 

分身アビリティーを展開、さらにトップスピードの応用による、残像するつくり

撹乱し…四方八方から、休むことなく攻撃が飛んでくる。

 

楽しい

 

それをすべて見えているので少しの動作ですべて避ける。

 

 

あああああ、楽しい!!

 

「ああ、もっと!」

後ろから後頭部に来る攻撃を、見もしないで掴み柔法…

背負い投げの要領で投げる。

 

 

楽しい!楽しい!楽しい!あああ、もっと戦いたいもっとだ!!

もっと!もっと!

 

 

 

「はああああああああああああああ!!」

ダークは叫び…またトップスピードで迫り

 

すさまじいほどの速さで、光滑刀の連撃をするが…

 

すべて見切っている!

 

 

全部かわし…最後の縦一刀は消えたかのよう消えるが

あたる直前に、体をひねり避け上に少しとび

 

地面に突き刺さった光滑刀の腕に着地をする。

 

「しま…!」

 

アッパーのファイヤーパンチで顎に叩き込む。

 

 

楽しい…楽しい…

 

「ハハハハハ…!!」

 

 

ああああああああああああああああ、久々に感じる感じる!!

楽しいいと!!!

 

「はぁはぁはぁ…ああああああああ!」

再度、叫びながら突っ込む、ダーク

 

 

「ははははは!!」

笑いながらこちらも突っ込む

 

 

め…ろ

 

右の突きの手刀がダークを仕掛ける。

 

や…めろ…!

 

それを回避し…がら空きになった

 

 

やめろ、止まってくれ!!

 

 

相手の右眼…眼帯に向けて…下から上に向けて

ファイヤーパンチを叩き込んだ瞬間だった。

 

「あははははは…あ?」

 

再度、再度あの悪夢の記憶がデジャヴとして、頭に移り…

 

 

拳は眼帯を削りながら掠め…それを当たったダークは

左に倒れこむ…

 

 

それを見た、自分は足を止め…

 

右手を見る…

 

 

 

デュエルアバター…ではない、幼い右手とデュエルアバターの

右手が重なり合い…その眼には…その右手には血が…

こびり付いた…手が見えた。

 

 

 

 

ああ、そうだ。

 

 

僕は…僕の本性は

 

 

「あ…!ああああああああああああああああああ!!」

 

あの事件がフラッシュバックで蘇り絶叫するパイ

 

 

「まずい!パイが!」

叫ぶロータスを他所に

 

絶叫をしよろめく右手を見つめながら…

 

そして足元から、彼の色が黒く濁っていく。

 

 

ああ…そうだ、気が付いていたんだ…!

 

僕は

 

 

そして体全体を覆うと、両足を膝につけ

 

頭を後ろに向けて倒れる。

 

 

僕は…僕の本性は人を傷付けるのが大好きな化け物だ。

 

 

 

 

 

 

「おい、あれって…」

 

 

それを見た観客たちがどよめく。

 

 

そしてVIP席で

 

 

「勝負あったな…」

 

「ええ…最後はあっけなかったわね…」

 

と見切りをつけるかのような発言をし

 

 

そしてネガ・ネビュラスの陣営席

 

 

「先輩あれは何ですか!?これが最悪の事態なんですか!?」

クロウは、焦りロータスに聞く。

 

 

「あんな状態になるのは初めて見たが…ああ、最も恐れていた事態だ…」

 

 

「パイは零化現象・ゼロフィルになった…もう、戦えない…!」

 

クロウはしらないが理解するそれは絶望の一言…死刑宣告だと

 

 

そして…彼のパイの心内部…

 

それを見た白い丸い球状が、形作り白いシルエットのカウボーイが現れ…

ため息をつき…心の闇の奥に足を運んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後篇に続く。

 




書けた…今回は因縁&心の傷とのたたかいなので新記録の12148文字まで行きました
つ、疲れた…ゼット…

あと思っていたより、コロシアム系での次々と観客の視点を書くのが難しいと解った。
解りにくかったら御免!自分も解りにくいと思っている!
ホライゾンの川上先生を見習いたい…

今回はダークの性能をお見せできました。
はい接近戦ドチートオリ主のライバルなので、システム外スキルの強さや
保有アビリティーはインチキじみています、そしていまだもう一つの強化外装という手札を残している事実。

そしてパイ、彼の強さは平たく言えばオサレの更木剣八隊長です。
ただし、100%だすとトラウマがフラッシュバックでよみがえる欠点つきです。


あと、ヒロイン候補約1名除いて、もう一人は名前だけで全員でたっていえば信じてくれるかな?

後編も大至急執筆します。早ければ来週あたりに
ではノシ

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