始まりは欲望の街   作:ロピア

14 / 19
第14話

 

数日して、ポケモンたちも全回復し、革靴もなんとか履けるようになり、ようやく旅を再開出来るようになった。その間、何もしないのは勿体ない、が歩き回るのは怪我をする、ということで、富豪一家に突撃――ではなく、ジョーイさんのお手伝いをした。

富豪一家は1度クリアするともう挑戦出来ないので、最後の1人で全滅して何度も挑む、という金稼ぎの手段で使えた(更にデルパワーのおこづかいパワー+++だったか、を使い、おまもりこばんを持たせていればすぐに大金が手に入る)が、ポケモンたちをそんなことのために傷付けたくないし、治療にも時間がかかるので却下。

シロナさんはいらっしゃらなかったので(てかいたとしても挑みたくない)スルー。

近くに立ってた、白い服に白い可愛らしい花の髪飾りをつけた女性から、無事にダイビング(CDみたいな形)は頂けるようだったが、技マシンケースを持ってないために断念。  

結局出来ることがジョーイさんのお手伝いだけだったのだ。まあ下手に手出ししても邪魔にしかならないし、もしかしたら言われなかっただけで鬱陶しいと思われていたかもしれないが…食堂でのメニューを考えたり、洗濯を手伝ったり、たまにある人の治療に使うガーゼなどの在庫を確認したり、重いものを運んだりといった仕事をなんとかこなせて、給料として1日分のポケモンたちのご飯とモンスターボール6つ貰えて、「助かったわ」と「ありがとう」と言ってもらえたのだから。まあまあ貢献できたのではないか、と思う。

モンスターボールは2段階のサイズ変更ができるみたいで、俺が普段腰につけてる状態はボールも大きく、ポケモンも外の状態がわかるようだ。もう1つの状態はかなり小さく、1度その状態からボール開閉ボタンを押すと、大きくなるようだ。まあ1つの鞄に99個詰め込むのに、デカイと無理があるよな。まあゲームの状態を考えると4次元ポケットって言われても納得するけど。ボールを買う際は、この1番小さい状態で手に入る。なんとかこの状態ならスーツのポケットにも収まるので、ありがたく頂いた。(本当はキリ良く10個のつもりだったみたいだが、鞄を俺が持ってないためになんとか持てるだろう6個にしてくれたそうだ。…お気遣いありがとうございます。)

ちなみに俺が1番好きなボールはクイックボール、次にダークボールとリピートボールだ。そういえば昔のポケモン映画でセレビィを求めてたおっちゃんが、セレビィをダークサイドに落とす道具としてダークボール使ってたよなぁ。なんで名前被っちゃったんだろうか。

軌道修正軌道修正。

ジョーイさんのお手伝いをした他には、白い女性に技マシン、ひでんマシンの使い方をそれとなく聞いて見た。その話によると、どうやら新しい知識を植えつける、というより、その種族として身についている、生まれ持っての可能性を思い出させる、ようなことらしい。

レベルが上がると使える技が増えるのは、より自分の体の使い方を知り、可能性が広がるからだそうだ。ただし、例外もいて、…まあ言わなくてもわかるかもしれないが、ドーブルだ。彼ら彼女らは生粋の絵描きであるために、スケッチ以外を持たない。その代わり、スケッチの代わりに覚えた技はなんでも使える。あらゆる常識をも覆すのだ。

でまあ、そんなわけで技マシンは素晴らしい技を簡単に覚えさせることができるが、相性があるわけだ。自分の親や種族としての生まれ持っての可能性を、要は手を加えて広げるわけだから、不可能なこともあるってわけだな。

ちなみに可能性の広げ方の親だが、つまりは卵技だな。この場合は生まれたときから覚えているわけだけど、そこはもう親すげえってくらいかな。何故かはまだ判明していないけど、親がその技を使ってるのを、卵の中で睡眠学習してるんじゃないかってのが今のとこ有力な説らしい。

 

後は自転車に乗るのとミロカロスのなみのりを何度か練習した。自転車のほうは砂浜で、乗り慣れなくて悪路でも、自転車に乗るために、ミロカロスの方はほぼ完璧になってきたが、遊び盛りかつ一緒に泳げるために、である。また、ミロカロスに乗っていて水中から突然バスラオが出てきたために、初めて野生のポケモンと戦うことになった。咄嗟に腰に手をかけエーフィを出そうとしたが、出す場所に戸惑った。え、だってミロカロスの上に俺は乗ってて、バスラオさんは水から顔出してこっち睨んできてるんすよ?どこに出せばいい?

で、戸惑っている間にバスラオはとっしんしてきた。そのトゲトゲした体に当たるだけでも痛そうなのに、とっしんて。ミロカロスが機転をきかせて避けてくれなかったら、なかなかのダメージを食らっていただろう。もしかしたら俺込みで。

それで、出す場所に困るんだったら、と思ってシャンデラにお願いした。彼女は浮いてるし、ここらの野生は圧倒できるくらいの力があるはずだから、苦手な水相手でも大丈夫のはず!と。シャドーボールを当てて、ぶっ飛んだバスラオはよろよろと立て直そうとしたが、逃げて行った。うーん、体力が残っているようには思えなかったから、コレが野生でのひんし状態なのかも?

シャンデラをボールに戻してから、シビルドンでよかったじゃんと気付いたり。シビルドンちゃんの特性ふゆうですからねー…。まあ、10万ボルトしたら海に入ってたミロカロスも、そんな彼に乗った俺も危なかったかもしれないので、結果オーライだと信じてる。

また、この件からミロカロスに他のポケモンを出すことをせがまれるようになった。1人より2人、2人より3人のほうが楽しい!ということらしい。かわえぇのう。基本的には軽いエーフィか浮けるシャンデラ、たまーにコジョンドや感電の恐れがあるが浮けるシビルドンと泳ぐようになり、オノノクスが拗ねてしまう、なんてこともあったが。以前のブラックシティ10人抜きと、毎ご飯と、これでだいぶ親密になれたんじゃないかな、と思う。…というか、俺の壁がなくなってきた、って感じかな?

 

暇ながら忙しい数日はこうして終わり、ジョーイさんにお礼を言ってゲートに入った。目指すは13番道路!と次の目的地、カゴメだ!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。