オーバーロード 古い竜狩りの英雄譚(?)   作:Mr.フレッシュ

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待たせたな。
え、待ってない?…………ショボン
遅れた理由は私に文才が無いのと、オンスタと古い竜狩りのモーション確認。後はダクソ2のDLCを攻略していたためだ。ロイエスのソウル50個集めるの大変でした。それと壁守人が足甲だけ落とさない、なんでさ。

感想評価ありがとうございます!!


『第五話』

「ふむ、これはどういう状況だ?」

 

 

思わずそう口から出てしまった。

 

俺はシャナロットを横抱きにして、ハイデ大火塔を盛大にショートカットし、地底湖の水面を走り、氷河を走破し、ジャングルの木々を蹴って加速し、闘技場の外壁を大ジャンプして飛び越え、アルトリウスの如く闘技場内に着地したのだが……

 

 

『……………』

 

 

なんだ、この沈黙というか………非情に気まずい雰囲気は…………

それに皆臨戦体勢になってるし………もしかして、もしかすると敵だと思われたのだろうか。

 

 

「貴方の登場の仕方に驚いているのでは?」

 

 

おふっ。

 

 

シャナロットからの的確なツッコミ。

ま、まあ、そりゃあんなハデな登場したら誰だって驚くだろうけどさ………でも仕方無いだろ?だってゲームが現実になってから身体が矢鱈と軽いんだからさ。実際肉体スペックも滅茶苦茶高いし、調子乗ってたんだよ。オマケにシャナロットが可愛い過ぎてテンション上がってたし、最高にハイってやつだ!!になってたんだよ。

 

 

ていうかシャナロット、さっきまで俺の速度に着いてこれずグロッキーだったのにもう復活したの?早くないか?さすがは火防女………

 

「遅かったな、我が友よ」

 

 

…………モモンガさん?

 

一瞬、この人いきなり何言ってんの?と思ってしまったが、目の前の死の支配者(オーバーロード)の目が必死なまでに何かを訴えかけてきたのを感じた。

………なるほど、合わせろという事か。先程のハイデ大火塔でNPC&エネミー達の忠誠心が高いのはわかっている。それに、何故かフリーズしているが、守護者達がモモンガさんの壁になる様に臨戦体勢になっていたことからその忠誠心の高さが分かる。

 

 

「ああ、すまない。我が配下の騎士団に少し絡まれてな。話し込んだら少し遅くなってしまった。(シャナロットと話してた時間の方が長いけどな!)」

 

「そうか。いや、あまりにも遅かったんでな、何か事故でもあったんじゃないかと心配したぞ。」

 

「あー、心配させて悪かったな……」

 

「いやいや、何もなかったのならそれが一番だ…………それと気になったんだが、なんで緑衣の巡礼をお姫さm………横抱きにしているんだ?」

 

 

ビクゥッ!とシャナロットの身体が大きく震える。ふと顔を見ると……

 

 

「…………!!!!」

 

 

……………………兜被ってて良かった。

シャナロットは今顔を俯かせてて、フードと前髪で見えにくいが、その間から見える頬が凄く赤くなってて………可愛い過ぎて鼻血が出そうになったぞ!!こら、その胸の前で腕をキュッと組むな!縮こまってて庇護欲とか保護欲とかがでちまうだろ!!それにお前は巨乳なんだぞ、そんなことしたら腕で胸が強調されて………!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「流石にいつまでもそのままはキツいだろ。下ろした方が良いんじゃないか?」

 

「そ、そうだな。さ、立てるか?」

 

「だ、大丈夫です」

 

 

………グッドジョブモモンガ。もう少しで俺の自我は本能が理性に勝ったことで崩壊を迎えたことだろう。別に、余計なこと言いやがってこの●●●(○○○○)野郎とか思ってないからな?

 

 

「シャナ……緑衣の巡礼が転移指輪を持っていなくてな。連れてくるのさっきのような手段を取ったんだが、彼女にも指輪をくれないか?」

 

 

おっと危ない、ついシャナロットの名前を言いそうになってしまった。俺や一部の人を除いて、緑衣の巡礼の『シャナロット』という名は秘密になっているからな。色々と細工もしたため、NPC達のステータスバーにもシャナロットではなく緑衣の巡礼って出るようにしてるからな。

 

 

え、何で秘密か?そんなの色々だよ……察しろよ、色々なんだよ…………

 

 

「うむ、別に構わないぞ。後で渡そう」

 

「感謝する。なにせ私は予備を持っていなかったんでな……」

 

「だったら何個か持っていると良い。どうせまだ腐る程残っているんだ。それに今後何が起こるか解らないんだ、予備を幾つか持っていても損はしないはずだ。」

 

 

太っ腹だな、モモンガさん。

それにそんなに深く考えていたのか……さすが我らがギルド長。

 

 

────ジャンケンで負けてギルド長になった時は凄く嫌がってたのに、今じゃ立派なギルド長だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーと……エルダー様……ですか?」

 

 

そこでアウラに話しかけられた。

さっきまで他の守護者達とフリーズしてたが、やっと復活したか。

そんなに俺のアルトリジャンプが衝撃的だったのか?

 

 

「あぁ、そうだが。なんだ、なにかおかしいところでもあったか?」

 

「い、いえ。そのようなことはありません。ただ……」

 

「ただ?」

 

「いつ、ご帰還なさったのですか?」

 

 

え?

 

 

「え?」

 

 

思わず素が出た。

 

 

「?」

 

?マークを頭上に浮かべるアウラ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっき私はモモンガとアルベド(・・・・)と共に玉座の間に居たんだが…」

 

 

その瞬間、アルベドの顔が『あっ』となった。

 

 

次の瞬間、守護者達が一斉にアルベドを見た。

 

 

次の瞬間、アルベドが凄い勢いで土下座した。

 

 

 

 

「も、もも、申しわきぇありましぇん!!」

 

 

 

なんか昔にやってたドラマの名言(迷言)みたいにカミカミで謝られた。

 

 

 

 

俺が某深淵歩きの様に登場した時の守護者達の過剰な反応の理由の一つは、皆が俺がナザリックに居ることを知らなかったからのようだ。

 

 

原因としてはモモンガさんの事で頭がいっぱいになっていたアルベドが俺の存在を忘れて、他の守護者達との話題に出さなかった事。俺がユグドラシル最期とはいえ、移動を面倒くさがり、転移指輪を使用しすぎた事で他の守護者やエネミーと会う機会が無かった事。更に、そこに奇跡とも言えるくらい様々なすれ違い・思い込みがあった事からだった。

 

 

…………俺ってモモンガさんよりも優先度が低いのだろうか?俺にも幾つか悪いところはあったとは言え、忘れられてたとか………結構傷付くんだが。

 

 

 

「モモンガ様の命令のことで頭がいっぱいになっててエルダー様のことを忘れてたと………馬鹿でありんすえ。」

 

「ナザリックの守護者統括としての自覚が足りません。」

 

「うわー、ドン引きだわー。マジであり得ないんですけどー。」

 

「エルダー様が、かわいそうです……」

 

「全ク何ヲシテイルノダ……」

 

 

そして只今、アルベドフルボッコタイム中。

上からシャルティア、デミウルゴス、アウラ、マーレ、コキュートスの順である。

物理に強いアルベドも、言葉攻めには弱いようだ。

そしてアウラ、そのJKみたいな喋り方やめような?原因はまあ………あの肉棒がこっちに来てまでエロゲーキャラの練習してたのが原因だよな?

 

 

それとさっきからシャナロットが軽蔑の視線をアルベドに送ってるんだが………あれだ、養豚場の出荷前の豚を見ているような目だ。『かわいそうだけど明日の朝にはお肉屋さんの店先に並んでしまうのね』的な感じの冷たい目だ。

もしかして俺の為に怒ってるのか?

 

 

でもさすがにこれ以上はアルベドがかわいそうだよな………

 

 

「アルベド、もう良いぞ。」

 

「エルダー様……」

 

「お前の謝罪、確かに伝わった。だからもう立つんだ。」

 

「ありがとうございます………」

 

「………………」

 

 

怖い。

シャナロットが怖い。

殺気(誤字に非ず)からずーっと無表情でアルベドを見てるんだが。

 

 

「こら、何時までもアルベドを睨むんじゃない。」

 

 

ペチッと軽めにシャナロットの頭を叩いた。だってこれ以上はアルベドがかわいそうだぜ?

確かに忘れられたのはチョイと悲しかったが、だからと言ってそこまで怒ってる訳じゃないしな。

 

 

「ですが………」

 

「だからもういいと言っただろ?私は怒ってる訳ではないし、それにお前達が争うのを私は見たくない。」

 

「………分かりました」

 

 

そう言うとシャナロットは渋々…と言った感じで頷いてくれた。やっぱり俺のために怒ってくれたのだろうか。だとしたら最高に嬉しいのだが。

 

 

「さて、そろそろいいか?」

 

 

そこで先程から若干空気になっていたモモンガさんが言った。そしてその隣にはメイド・イン・たっち・みーの執事型NPCのセバスが居た。すまない、全然気付かなかった。

 

 

「それでは、セバスにナザリック外の状況を説明してもらうとしよう。セバス、説明してくれ。」

 

「はい、それでは先ず…………」

 

 

 

 

「────ということです。」

 

 

なんかどっかのマフィアの自称帝王(笑)のボスが時間を吹っ飛ばした気がしたが、多分気のせいだ。

 

 

セバスの説明によると、ナザリック周辺は草原で、空は満天の星空、辺りに生命反応を持つ者はいないとのことだった。

 

 

………どういうことだ?ナザリック周辺は沼地だったはず、決して草原等ではないはずだ。

空だってそうだ。ユグドラシルでは、空は満天の星空等ではなく、メイド・イン・ジ○リの某国民的アニメで出てきた様な天空の城みたいなのが浮いていたはずだ、それが影の形も無いとは………いよいよ異世界に来たっていう仮説が現実味を帯びてきたな。

 

 

「各階層守護者はナザリックの警戒レベルを一段階上げよ。」

 

『はっ!』

 

 

おー、実に良い感じで魔王になっていらっしゃる。ヘタレ骸骨の異名を持っていたとは思えない程だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………さて、それとは他に、お前達には聞きたい事がある。お前達にとって、私やエルダーさんはどの様な存在だ?」

 

 

ヘヤァッ!?何恥ずかしい事聞いてくれちゃってンのモモンガさん!!

しかし、その手は名案だ。守護者達が俺達の事をどう思っているのか、知っておいて損は無い。まあ、忠誠心が高いのはハイデ大火塔でのバケツ頭達でわかっているからな。

 

 

そう言えば、あのバケツ頭達、てっきり全員男かと思ったら女も居た。なんか声が高くて、チェインメイルが胸の辺りで膨らんでいたからだ。まあどうでもいいかもしれないが。

 

 

「まずはシャルティア。」

 

「はい、モモンガ様は美の結晶。正にこの世界で最も美しい御方です。そのお美しい御体の前では、どんな宝石も見劣りしてしまいます。

エルダー様はこの世界で最も強き御方です。その無駄なく鍛え上げられた身体から繰り出される槍の一撃はこの世のどんなものよりも速く、眼前の敵を突き穿つでしょう。」

 

「──コキュートス。」

 

「モモンガ様ハ守護者各員ヨリモ強者デアリ、マサニナザリック地下大墳墓ノ絶対ナル支配者ニ相応シイ方カト。

エルダー様ハアインズ・ウール・ゴウンノ突撃隊長ニシテ、モモンガ様ヲモ上回ル武力ノ持チ主デアリ、ソノ実力ハ至高ノ御方々ノ中デモ飛ビ抜ケテ高ク、古キ竜狩リノ異名ニ恥ジヌ騎士デス。」

 

「──アウラ」

 

「モモンガ様とエルダー様、どちらも慈悲深く、深い配慮に優れた素敵なお方達です。」

 

「──マーレ」

 

「モ、モモンガ様は凄く優しいお方だと思います。

エ、エルダー様もとても強くて優しくて、格好いい方だと思います。」

 

「──デミウルゴス」

 

「モモンガ様は賢明な判断力と、瞬時に実行される行動力も有された方。まさに端倪すべからざる、という言葉が相応しきお方です。

エルダー様は武芸百般に秀で、かの武人建御雷様や弐式炎雷様、たっち・みー様に認められるまでの実力者であり、その実力はナザリックでも一、二を争う程のお方です。」

 

「──セバス」

 

「モモンガ様は至高の方々の総括に就任されていた方。そして最後まで私達を見放さず残って頂けた慈悲深き方です。

エルダー様は、圧倒的な力を持ちながらも、相手を見下す事なく対等に接する誇り高き方です。」

 

「──緑衣の巡礼」

 

「……モモンガ様は死の象徴、その御体から溢れる死の気配は、あらゆる生者を畏れさせるでしょう。

エルダー様は私のような失敗作にも優しく接して下さる創造主にして、二つの異なった力(・・・・・・・・)をその身に宿した偉大なお方です。」

 

「最後になったが、アルベド」

 

「モモンガ様は至高の方々の最高責任者であり、私どもの最高の主人であります。そして私の愛しいお方です。

エルダー様はたっち・みー様に並ぶ程のお力を持った騎士であり、我等守護者の忠誠を捧げる至高の御方のお一人です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イヤァァァァァァァァ!!誰だよそいつら!高評価過ぎるわ!!

 

 

「…………そうか、私もお前達のその揺るぎ無い忠誠、嬉しく思うぞ。エルダーよ、お前もそうであろう?」

 

 

そこで俺に振るか!?いきなりだなモモンガさん!!

 

 

「あ、ああ、本当に嬉しく思う。何せ、私のような己の夢(竜狩り王(オンスタ)に俺はなる!!)の為だけに何度も留守(武者修行と称したPKツアー)にしていた私にも忠誠を誓ってくれるのだからな……」

 

 

何言ってるんだろ……俺……

 

 

「………エルダー様、無礼を承知で御聞きします。エルダー様の夢とは何ですか?」

 

 

アルベドさんに訊かれてもしまった。

えー、なんかもう適当に言ってることにそんなに真面目に訊かれても困るんだが………

 

 

「私の夢か?そうだな………神話に謡われる騎士になることだな 」

「神話の………騎士ですか?」

 

「ああ、雷の力を秘めた槍を振るって多くの竜を葬った騎士、その名はオーンスタイン。竜狩りの異名を持った騎士でな、私の鎧もかつて彼が身に付けていた物の模造品さ。

───本当に、彼は私の夢だよ。子供の頃から彼に憧れて今日と言う日まで生きてきたのだからな。と言っても、まだ私の実力は彼の足下にも及ばないがな………」

 

 

………………俺の口が止まらない。

なんか守護者達が唖然としているが、ハズい、最高に恥ずかしい。

なんだよ、子供の頃から憧れてたって…………子供の頃はオンスタどころかエスト瓶さえ知らなかっ………いや、フロムの存在さえ知らなかったよ。

 

 

「……………………」

 

 

おいコラそこの白骨死体。口が微妙に半開きになって間抜け顔になってるぞ。よし、お前が今考えていることを当ててやろう。『え、何言ってんの、この人』と思っているな!!いや、思っているだろ!!というか思わない方が可笑しい!!

 

 

だが、原因はやはりこの自動制御になっている口だろう。特に何も考えていないのにスラスラと血反吐が出るほど整った言葉が出る。もしや、このエルダーボディが独自の意思を持って………は考えすぎか……。

 

 

「さて、私はそろそろ行くとするよ。」

 

 

とにかく今は逃げたい。

 

 

「私も御一緒します。」

 

 

シャナたん、可愛美しいよシャナたん。

 

 

周りが唖然とした空気なのにお前だけは全く動じた様子がないのは助かるぞ。主に俺の精神が。

 

 

「モモンガ、今後についてはまた後で話そう。」

 

「あ、ああ。」

 

 

「それではな諸君。」

 

 

そう言い終えると、俺は神速に達した速度でシャナロットを横抱きにしてダッシュした。

 

 

とてもじゃないが今は恥ずかしさのあまり彼処には居られない。

 

 

取り敢えず、言おう!

 

 

収まれ俺の(全自動自律制御型マウス)!!

 

 

熱く燃えたぎれ、俺の厨二魂………じゃなくて、冷たく凍てつけ俺の中二魂!!

 

 

 

 

 

※そのような事を考えている時点で既に中二である。

 

※彼は立派な成人した大人です。

 

 

 

 

「…………!!……!!」

 

「すまない、速くし過ぎた……」

 

 

すまない、シャナロット。不甲斐ない俺を許してくれ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NEXT

 




どうでしたか?このグダグダな文章。
戦闘シーンに持っていけない自分の文才の無さが悲しい。

それとよくある守護者達の心情について語られる話はもしかしたら書けないかも。三人称が難しいのだ。

あと、本編で緑衣の巡礼がエルダーの秘密について軽く言ってましたね。二つの異なった力ってもう軽いネタバレですよ!!………と思ったら、我等がギルド長がもう既に言ってました…………。

感想評価批判誤字脱字、待ってます!!

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