という訳でバレンタインデー短編です!
はあ……いろはすからチョコレート欲しいな。
とまあ私の欲望はさておき、今回はほとんどが会話だけになります。べ、別に時間がなかったとかそういう訳じゃないんだからね!……すみません。
甘さ控えめギャグ成分過多な気がしますがじっくり味わって下さい!それではどうぞ!
みーなさーん!お疲れ様です!
皆のアイドルこと八幡だよ~きゃは☆
皆は今日がなんの日か知ってる~?
子日(ねのひ)じゃないよ!
2月の14日!
わっかるかな~?
そう!かの有名な美術家、岡倉天心の誕生日だね!
道理で町中が色とりどりのペンキを流し込んだかのように、キラキラデコデコしてるわけだ!
町そのものがキャンパスみたいなもんだね!
日本国民全員で岡倉さんの生誕日を祝う!
さすが日本人!歴史をよく重んじるすばらしい国だ!
あれれ~、でもおっかしいぞお?
町中からあまーい香りがするー!!
この匂いは………………ああ!わかった!
チョコレートだ!
うんうん間違いないチョコレートだ☆
何でチョコレートの匂いがするんだろ?
岡倉さんがチョコレート好きだったのかな?
あれれ~、さらにおっかしいぞお?
チョコの他にも甘い香りがするー!!
これはなんだろー…………
わかった!リア充だ!リア充の香りだ!
間違いない!だって今にも吐きそうだもん!
なんならチョコっとすでに吐いてるよ☆
チョコレートだけにね!!
八幡上手いこと言っちゃったきゃは☆
この二つの甘ったるい匂いから連想されるもの…………
そうか!今日はバレンタインデー(笑)か!
なるほどどおりd「先輩これいつまでつづくんですか?」
「…………お前人の思考の中に勝手に割り込んでくるなよ、チョコっと驚いたじゃねえか、チョコレー……」
「あそういうのいいんでやめてください」
「…………」
「どんだけ喋ってるんですか先輩、長すぎますよ」
「お前が止めなきゃ後一時間は続いてたな。てかナチュラルに人の思考読むなよ」
「全部声に出てましたよ。正直かなり気持ち悪かったです」
「……なんかすまん」
「まあ、先輩が気持ち悪いのはいつものことですから、気にしないで下さい☆」
「そんな満面の笑みで言われても嬉しくねえぞ、むしろ虚しい」
「すみません私嘘吐けないんですよ~」
「ねえそれいう必要ある?人を落として落とすとか、どこの雪女さんだよ」
「今の雪ノ下先輩に言っておきますね」
「止めてください地球の内核まで落とされるてか埋められそうなんで止めてください」
「先輩必死すぎです、逆に気持ち悪いです」
「逆になっても気持ち悪いとか何それ気持ち悪い」
「本当ですよ、謝って下さい。もしくは私に愛を囁いてください」
「ごめんなさい!」
「なんで即座に土下座するんですか!?ちょっとは考えて下さいよ!」
「うるせえ、どうせ録音して、明日の昼休みに校内放送で流すんだろ?残念だったな!それは小6の時に経験済みだ!」
「理由が悲しすぎますよ先輩……てか私そんなことしません!」
「ふん、どうだか」
「わざわざ皆に聞かせません、一人で楽しみます!」
「…………お前もしか……」
「あもちろん先輩の恥ずかしい姿を思い出しながら爆笑するっていうことですよまさか勘違いしましたかごめんなさい別に先輩は私だけのものとかそういうことではないのでいい気にならないでさっさと耳元で愛を呟いてくださいごめんなさい」
「早口すぎて何言ってるかわかんねえよ……」
「まあそれは置いといて」
「本当自分勝手だなお前」
「素の私を見せるの、先輩だけなんですからね?」
「はいはい、あざといろはす、あざといろはす」
「ぶー……」
「……そんで、今日は何の用事だ?」
「ほえ?」
「お前はどこのカードキャプターだよ。何俺レリーズされちゃうの?封印解き放たれちゃうの?」
「ワケわかんないので、とりあえず先輩の存在をデリートしますね」
「いろはすこわい、あとこわい」
「そんなことより、さっきの質問何だったんですか?」
「ああそうだった。何で今日ここに俺は呼ばれたんだ?」
「先輩……今日この日に放課後に呼び出されて二人っきりで、まさかわかんないんですか?」
「……いや、まあ、何となく想像はつくけどよ……」
「だったらわざわざ聞かないで下さい。まったくもう、これだから先輩はリテラシーがないんですよ」
「デリカシーな?覚えたての言葉は簡単に使わない方がいいぞ?アホっぽいぞ?」
「ああ、そんなこと言ってるとせっかくのこれあげませんよ?」
「…………悪かったよ、今のは冗談だ」
「ふふーん、わかればいいんです!」
「……それで、その……くれるんだろ?それ」
「あれあれ、我慢できませんか?我慢できないくらい欲しいんですかこれ?」
「う、うぜぇ……いや、くれるなら、もらわないことも、ないかな、と」
「ふふふ、先輩も素直じゃないですね♪」
「……うっせぇ」
「怒らないで下さいよ。はい、どーぞ」
「ん……その、ありがとな」
「いえいえ、当然のことをしたまでですから」
「おう……なあ、今開けてもいいか?」
「どうぞどうぞ、それは先輩のですから」
「じゃ、じゃあ、開けるぞ?…………にしても、こんなに綺麗に包装する必要なかっただろ?」
「そ、れ、はー、私の気持ちなので素直に喜んどいて下さい☆」
「……おう…………お、開いた」
「きゃーはずかしいーいろは恥ずかしくてお顔がリンゴになっちゃうー♪」
「…………」
「あーもう恥ずかしすぎてお嫁に行けませんよー、責任とって下さいね先輩♪」
「…………なあ」
「むむむ?どうかしたんですか?」
「…………これってさ」
「はいはい?」
「…………本だよな?」
「本ですね」
「…………しかも見覚えがあるんだが」
「そりゃ先輩が私に貸した本ですもん、当たり前じゃないですか☆」
「……………………」
「あれあれ?もしかして先輩、何か他のものだと思ったんですか?もしかしてもしかして、チョコレートだとか思ったんですか?期待しちゃったんですか?残念でしたーただの本でーすきゃは☆」
「……………………」
「ぷぷぷぷー、バレンタインだからってチョコレート貰えるなんてそんな甘い話あるわけないじゃないですか!チョコは甘くても現実はそんなに甘くないのです!」
「…………帰る」
「あちょちょちょちょっと先輩待って下さい、冗談です冗談ですから!」
「うるせえ俺は別に期待なんかしてない、だからさっさと帰って布団にくるまって悶え死ぬ」
「それ完全に期待を裏切られた人の反応じゃないですか!ってそうじゃなくて先輩ちょっと落ち着いて下さいって!」
「落ち着いてる、超落ち着いてるから俺。むしろ落ち着きすぎて落ち込んでるまである」
「やっぱりダメじゃないですか!?いいから、ちょ、っと、待って、下さいよ……!」
「いいから腕を離せ、俺は帰るんだ」
「い、や、で、す、ふぬぬぬぬ、かえ、しま、せん……!!」
「ちょっ!力強い!おい、そんなに引っ張ったらっておおおおお!!」
「きゃっ!?」
「「んむむむ…………!?…………ぷはっ!!」」
「はあ、はあ、はあ……」
「はあ、はあ、はあ……」
「……………………」
「……………………」
「…………あの、いや、これは、その……」
「……………………」
「えっと、その、あの……」
「………………先輩」
「ちょ、ちょっと待て、な?これは事故だ!決してわざとやったとかでは……」
「私、チョコレート作って来たんで……食べて下さい」
「………………は?……い、今、ここでか?」
「そうです」
「べ、別に構わんが……何で今……」
「はい、これ」
「お、おう……そんじゃ、いただきます……」
「……………………」
「……………………」
「……お味はどうですか?」
「…………うまい……けど……」
「けど?」
「……あんまり、甘く、ないな」
「先輩のために結構甘くしたつもりですけど?」
「いやその、なんつーか……さっきの方が、もっと甘かった、的な?」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「いや、あのその、なんだ、すまん今のは忘れてくれ!」
「…………先輩」
「は、はい?」
「…………ホワイトデーのお返し……」
「お、おう?」
「…………とびっきり甘いやつ、期待してますからね?」
「…………ぜ、善処します……」
これまで形式が違いましたが楽しんでいただけたら幸いです。
皆さんに素敵なバレンタイン(笑)が訪れることを祈って締めの言葉とさせていただきます。
それでは今日はこの辺で。