呀 暗黒騎士異聞(魔法少女まどか☆マギカ×呀 暗黒騎士鎧伝)   作:navaho

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モチベーションを上げるために現在募集しています魔号機人達を早速描いてみました。

応募していただきました唐揚ちきんさん、ありがとうございます。


番外編「前 夜 祭(魔号機人)」

 

志筑仁美による見滝原中学校襲撃より 前日・・・・・・

 

 

 

 

志筑仁美の指示により明良 二樹達の一団はいくつかの班に分かれて行動することになった。

 

彼女が用意した拠点である”大型水上ホテル NAMIKAMI”のパーティー会場でメンバーがこれから展開する作戦を詰めていた。

 

「仁美ちゃん、使徒ホラーと一緒に見滝原中学校を襲撃する班は牙樹丸となどかちゃん・・・って、寝ちゃったか」

 

所属する魔法少女 鼎 などかは、いつの間にか椅子を連ねて簡易ベッドを作って寝息を立てていた。

 

他にも参加する予定の魔法少女が他にも居るのだが、この場には来ておらず単独行動を取っている。

 

「ったくよぉ~~。あのお嬢様の依頼だが正直張り合いが無さすぎだぜ」

 

長身の顔に三本傷を走らせた男 斬刃は自身が担当する作戦に不満の声を上げていた。

 

「まぁそういわないでさ・・・この街には例の暗黒騎士が居る。もしかしたら出会えるかもしれないよ」

 

”例の暗黒騎士”の言葉に斬刃が反応した。

 

「そういえばそうだった。ホラー食いの暗黒魔戒騎士の話は有名だったな、あの女と同じで」

 

この場に来ていない魔戒法師 香蘭のことを差しつつ、あちらは元老院に追われており、処刑ではなく捕縛と”影の魔戒騎士”達に命じられている。

 

そのことについては、元老院も色々と抱えているであろうことは斬刃も理解していた。

 

ホラーを狩る為、”守りし者”を名乗ってはいるが、その実態はあまりにも血に塗れている。

 

”守りし者”の在り方に興味など一片もない斬刃であるが、彼の興味は”スリル”であった。

 

今回は何時こちらを裏切るかわからない爆弾お嬢様と最凶と名高い使徒ホラーが同じ戦列に立っている。

 

相対するは見滝原の魔法少女もだが、称号持ちの風雲騎士にさらには、噂の暗黒魔戒騎士・・・

 

「それにさ・・・今回、紅蜥蜴は志筑さんの意向で参加はできていない。この意味が分かるかな」

 

何か面白いものを見つけた子供のような純粋な目で明良 二樹は斬刃に問いかけた。

 

「フタツキ・・・お前ってほんとに自分の欲求に正直だな・・・紅蜥蜴が邪魔しに来るって言いたいのか?」

 

「はははははは。まさかのそれだよ。今回の使徒ホラーの件もだけど、紅蜥蜴は見滝原市でことを起こることを半ば嫌っていたみたいというよりもここにある何かを知っているみたいなんだよね~~」

 

「あのドレッドヘアー・・・いろいろと分けありなのは知っていたけどよ。あの野郎みたいな変わり種はあいつ以外いないぜ」

 

斬刃が知る限り、紅蜥蜴のように奇妙な立ち位置にいる逸れ魔戒騎士は彼以外に存在しない。

 

彼の場合、ホラーに憑依する前でも陰我を災いをもたらす前に斬る。

 

さらには、過去に忌々しい邪悪なホラーが封じられた土地などを開発しようとする不届き者も依頼を受け暗殺する。

 

魔戒騎士、法師、番犬所を抱える元老院であっても人間社会に干渉することはできない。

 

出来ることといえばホラーと魔戒騎士達の存在を秘匿するように政府と密約を交わすことである。

 

そんな元老院や番犬所も紅蜥蜴の”悪をもって陰我を斬る”という信条を利用し、将来封印が解かれないように近づく者の抹殺、魔戒騎士やホラーを知り、利用する者の暗殺などを彼に行わせている。

 

直接、紅蜥蜴から聞いたわけではないが、以前BARで偶々香蘭と一緒になって話していた時に彼女の口から聞いた。

 

”紅蜥蜴君って・・・ある意味魔戒騎士よりも怖いよ。だって、彼のしていることすべてが打算的なんだよ。必要があれば卑劣な相手の仲間のふりだってするし、例え体を重ねた女の人だって容赦なく斬るんだからね”

 

香蘭曰く、近くに居るだけで恐ろしいとのこと。

 

名前のごとく容赦を知らない爬虫類と同じような目をしているのだから・・・

 

その紅蜥蜴が”敵”に回るかもしれない。

 

ある意味脅威ではあるが、斬刃にとっては良い機会だと考えていた。

 

自身が求めるのは”生か死のスリル”であり”最高の相手との殺し合い”なのだ。

 

『ハハハハハハハハ。この一団に相応しい限りではないのか!!!ここに集まった者たちは皆そうではないか、敵を滅ぼし、他者を犠牲にし、街を一つ地獄に変えても足りぬ。自身の身に、噛みつき、自らの血を啜る!!!それこそが明良 二樹様に見いだされた者達の本質なのだ』

 

突如ステージに舞台役者のように濃い紫のローブを纏った二本の角を持つ鋭い牙が存在する黒い骸骨・・・

 

黒い魔号機人が立っていた。仕草も芝居がかかっており他の魔号機人達と違い、生きた人間のように笑っていた。

 

黒い魔号機人を明良 二樹の傍で待機している魔号機人 凱が沈黙したまま視線を向けていた。

 

黒い魔号機人こと魔号機人 瞑”メイ”は、ローブを翻しながら、舞台から彼らに近づく。

 

鼎 などかは変わらずにやけた寝顔を見せている。

 

魔号機人 瞑への反応はそれぞれだった。牙樹丸は興味がないと言わんばかりに俯いて離れた席で一人酒を煽っていた。

 

斬刃は、機械的な魔号機人 凱と違い機械のはずなのに人間の感情を表現するこの魔導具が気味悪いことこの上なかった。

 

強さならば、悔しいが自身を上回っていることを知っている。

 

意思を持つ魔導具の存在を知らないわけではないが、この魔号機人 瞑の意思は作り物であり、元となった人物の記憶を参考にそう振舞っているだけなのだ。

 

「てめぇ、機械のくせによくもまあ、人間みたいに振舞えるんだな」

 

相手が自分よりも強いといって媚びるようなことを斬刃の吟味がそれを拒む。

 

『機械のくせに?これは、これは!!!アハハハハ!!!愉快!!!!愉快!!!機械が優秀なのを知っていながら、何故人間は価値を下とみるのだ?』

 

笑いながら斬刃との距離を詰めながら魔号機人 瞑は近づく。

 

笑ってはいるが内心、斬刃への怒りを内に秘めているかもしれない。

 

機械にそんな感情が存在するのだろうか?

 

『お前たちのような脆いボディを持つ不安定な人間の方が理解に苦しむ。戦力としてはないよりはましだがな。いや、量産型 魔号機人で戦力は十分だ』

 

「てめぇ・・・やるのか?」

 

『私を不快にさせたのはそちらだろう。お前という人間を私は不快と認識している』

 

二人の様子に明良 二樹は”やれやれ”と肩をすくめるが、彼の意を酌み、魔号機人 凱が動いた。

 

『そこまでにしておけ、魔号機人 瞑。斬刃も貴重な戦力だ。今回は昼間に動かなくてはならぬ故に生身の体を持つメンバーが必要だ。斬刃、魔号機人 瞑の無礼については私が謝罪しよう』

 

魔号機人 瞑と比べて大柄な体躯を持つ魔号機人 凱の言葉に斬刃もクールダウンし、魔号機人 瞑も

 

『お前がそう判断するのならば間違いではないな・・・生身の人間にもそれなりの使い道があるというわけか』

 

生身の人間である斬刃を見下すような尊大な態度を取る魔号機人 瞑であったが同じ魔導具のいうこともあり、今回は矛を収める。

 

斬刃はこの黒い魔号機人を心底気に入らなかった。

 

人間を明らかに嫌悪する言動とその尊大な態度が・・・

 

過去に存在した騎士たちの”亡霊”ともいえる存在が・・・

 

『斬刃と不知火 リュウジがメインになるのだ。これは依頼者からの指示でもある』

 

魔号機人 凱が明良 二樹に変わって説明する。主である 明良 二樹はこの状況を楽しみながら眺めていた。

 

「ったくわかったよ。ようするに餓鬼一人攫ってくればいいんだろ」

 

斬刃は、さっさと依頼を終わらせて噂の暗黒魔戒騎士、この見滝原に居る風雲騎士を探し戦おうと考えたが、やはり彼が関心を寄せる”紅蜥蜴”との遭遇を楽しみにしていた。

 

『今回の依頼の条件だ。あとは、依頼者の障害となる者達を抹殺。だが、依頼者が紅蜥蜴を戦列から外したことは明らかな失策であり、我らにとっては脅威だ』

 

魔号機人 凱も逸れ魔戒騎士 紅蜥蜴を脅威として見ていた。勝率は略五分である。

 

『人間の考えることは不合理だ。まぁ紅蜥蜴が敵に回ることは確かに脅威だ、故に惜しいものだよ。あの強さと冷酷非情な判断と性格は、人間であることが惜しいぐらいだ』

 

魔号機人 瞑は紅蜥蜴は人間にしておくには、惜しいと考えていた。

 

もしも死ぬようなことになるのならば、その遺体の一部を回収し、香蘭に新たな魔号機人として”記憶”を復活させるのもアリではと考えるのだった。

 

この場で若干表情を強張らせながら、不知火 リュウジは人間のように振舞う骸骨人形たちを見ていた。

 

魔導輪達、人間との共存を考えるホラーの意思を封じ込めたものと違い、彼らの意思は元となった”生体情報”を再生させているだけであり、本当の意味での自我は持っていない。

 

魔号機人 凱はかつて多くの魔戒騎士達から尊敬を集めた黄金騎士 牙狼 冴島大河の生体情報が使われている。

 

まさに機械人形といった性格であるが、元となった人物の”記憶”の影響か、このように場を収めたりするなど、黄金騎士 牙狼を思わせる威厳すらも感じられる。

 

魔号機人 瞑は凱と違い明らかに主人である明良 二樹以外の人間を嫌悪しており、性格は尊大で同じ魔号機人であるはずなのに感情を大きく表す。

 

これは元となった”記憶”の影響であった過去に存在した今は途絶えてしまった称号持ちの騎士の・・・

 

異国の魔戒騎士であったが、過去にあった事件で人間に絶望し、暗黒騎士に堕ちた存在と聞いている。

 

故に情緒が不安定な部分もあり、尊大な態度と高圧的な姿勢、さらには時折笑い、人間を嫌悪する所は暗黒騎士に堕ちた騎士の”生体情報”によるものであろうか・・・

 

古の魔戒騎士達の技術と知識を持つ人型魔導具達・・・

 

過去に偉業を成し遂げた”戦士”を現世に再び呼び戻すことができれば、”守りし者”にとっては心強い。

 

番犬所、元老院にしても戦力の確保という意味では上位型 魔号機人を手に入れたい。

 

しかし、不知火リュウジは上位型 魔号機人の存在をあってはならないものと考えていた。

 

他の魔戒騎士達も同じ思いを抱くであろう・・・

 

(俺達よりもずっと前に守りし者として戦い、その使命を果たし眠りについた”英霊”の記憶をいかなり理由があっても道具として使い、蘇らせるなんて・・・あってはならない)

 

過去の騎士たちは次の世代に後のことを託し、その時代時代の役目を果たした。

 

役目を終えた騎士達の眠りを・・・神聖な墓所を荒らすようなことなどあってはならないと・・・

 

墓所もあの香蘭にとっては”生きている人間にとっては何の役にも立たない単なるオブジェ”でしかなく、だからこそ、騎士たちの墓所を荒らし、その記憶すらも利用している・・・

 

『主に変わってこの魔号機人 凱が指示を出そう。主の護衛は魔号機人 瞑が行い、さらには量産型 魔号機人たちでここを守護する。私は、斬刃、不知火リュウジと号竜人を伴い、見滝原市の中心へ向かう』

 

メインは斬刃と不知火リュウジが動き、号竜人が続き、魔号機人 凱は遊撃として介入してきた存在の排除を行う。

 

これについては異存はなかった。見滝原市での目標については、既に使徒ホラー 二ドルが補足していた。

 

「まさか餓鬼を攫う羽目になるとは・・・もう少しスリルを味わいたかったんだがな」

 

テーブルに置かれていたのは、ある少女を映した写真であった・・・

 

写っていた少女は・・・千歳ゆま・・・

 

 

 

 

 

 

明日の計画である見滝原中学校への襲撃、さらには千歳ゆま拉致計画を確認した後に一同はパーティー会場を後にした。

 

明良 二樹も用意された部屋に足を向け、他の面々もそれぞれの部屋へと向かっていく。

 

一同より遅れて魔号機人 凱は寝入っている鼎 などかを起こさぬように抱きかかえ、彼女に用意された部屋のベッドに寝かしつけた。

 

その動作はなれたモノであり、まるで子を持つ父親のようにも見える。

 

部屋を出るとそこには、魔号機人 瞑が迎えるように立っていた。

 

『あんな小娘には過ぎた行いだな。それに魔法少女は少々雑に扱っても壊れはしないだろう』

 

鼎 などかに対しても人間である為、嫌悪感を隠すことなく告げる。

 

『あのままにしておくわけにはいかなかった』

 

魔号機人 凱の言葉に魔号機人 瞑はおそらく機体に使われた”黄金騎士”の生体情報の記憶がそうさせたと判断した。

 

自身の人間に対する嫌悪感は、自身に使われた”翠瞑騎士ゼクス”の生体情報の記憶が齎したものだ。

 

『ハハハハハ。だからこそ、お前は人間ともそれなりにうまく付き合えるのだな。私には難しい限りだ」

 

突然笑い出した魔号機人 瞑に対し魔号機人 凱は・・・

 

『魔号機人 瞑よ。我らの本質は”魔導具”だ。主が必要だからこそ今、こうしているのであって不要であれば存在意義などない』

 

使用者がそう望むのならば、あらゆることを叶えるのが自身の存在意義である。

 

『そうだったな・・・明良 二樹様に必要とされるゆえにこの場にいるというわけか』

 

嫌悪する人間に使われる事への反発を魔号機人 瞑は抱いていなかった。

 

この人型魔導具もまた自身が”道具”でしかないことを自覚している。

 

だが、自身が持つ生体情報が人間の醜さ、浅ましさを伝える。

 

『お前はお前の道具としての役目を果たせばよい。我らの意思は生体情報の記憶に齎されたものだ。人間のそれとは違う』

 

道具としての存在意義に魔号機人 瞑も納得するかのように頷いた。

 

『我らに確固たる意志はない。故に主の望むままにだ・・・』

 

二体の魔号機人達は、それぞれの役目に就く。

 

魔号機人 凱は明日の千歳ゆま拉致計画の為に・・・

 

魔号機人 瞑は自身の主 明良 二樹の守護の為に・・・

 

 

 

 

 

明良 二樹は彼の元へ参じた魔号機人 瞑と語らっていた。

 

「今回の件は色々と物騒だけどスリルを味わえるからね・・・楽しみだよ」

 

『それはよろしゅうございます。ですが、依頼主がいずれ裏切ることへの対策と紅蜥蜴への対策も考えなければならないとは・・・』

 

「君は言ったじゃないか。僕が見出した者たちの本質を・・・敵を滅ぼし、他者を犠牲にし、街一つを地獄に変えてもなお自らに噛みつき、血を啜るって・・・はっきり言えば”狂気”以外の何物でもないよ」

 

『ハハハ、そうでしたな。狂っていなければこの魔号機人 瞑もまた存在はしていなかった。私もまた人の持つ”陰我”の先にある更なる”狂気”によって生み出されたのだ』

 

主である 明良 二樹の言葉に道具らしからぬ笑みを浮かべる。

 

薄笑いを浮かべたような骸骨の貌であるが、本当に笑っているようにも見える。

 

(人の心なんて不確かなものさ。世の中心ある振りをしている空っぽで退屈でそれでいて醜い人間で溢れている。生体情報を再生しているけど、個性がある魔号機人達の方が人間よりもずっと感情的にみえるよ)

 

心を求めている兄の仇の”青年”を今更ながら思い出した。

 

「そうだ、魔号機人 瞑。アレは今、何処で何をしている?」

 

『アレについては、既に魔号機人 蓮”レン”が補足しています。いつでも葬れますが・・・』

 

「そのままでいいよ。特に手を出す必要はないさ。アレはアレで僕が始末をつけないといけないんだよ」

 

以前、兄の仇を討とうと見滝原に来たことがあったが、その時は殺したとしても得るものがなかった為に姿を確認するだけで何もしなかった。

 

『なるほど・・・つまり美味しく頂くために時を待っていたということですな。酒が美味くなるまでには時間が必要であり、収穫の時は必ず来ると!!!』

 

彼の”狂気”にも似た思いに刺激されたように魔号機人 瞑が声高に叫ぶ。

 

「その通りだよ。今はこっちを楽しみたいからね・・・僕の周りはそういうことさ、昨日までの仲間が笑いながら互いに殺しあうんだから・・・こんなに愉快な一団はないよ」

 

良い気持ちだと言わんばかりに、少し仮眠を取るために魔号機人 瞑を退室させる。

 

「志筑仁美ちゃんは、なんだかんだ言って良い子ちゃんだからどこかで罪悪感を感じているけど見ないようにしているから、寝不足にならないことを祈るよ」

 

有名な映画のタイトルに”悪い奴ほどよく眠る”とはまさにその通りであると思った・・・

 

意味は、本当に悪い奴は表に自分が浮かび上がるようなことはしない。人の目の届かぬところでのうのうと枕を高くして寝ていると・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

見滝原市の闇の中を白い影が降り立つ。

 

それは忍者を思わせる姿をしており、口元をフェイスガードで覆っている。

 

眼窩の奥に黄色の瞳を遠くの家の中にいる”ホラー フェイスレス”に向けられていた。

 

魔号機人 蓮・・・その目的は主に明良 二樹の命のままに暗殺や貴重な品の強奪・・・・・・

 

奇妙なことにこの魔号機人は、暗殺以外で人を殺めることはない・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナロ市の香蘭の住まい兼研究所・・・・・・

 

彼女の前には見滝原で起こっている様々な出来事が記録映像として展開されていた。

 

志筑仁美に渡した魔導具の中に周囲を探ることができる者が存在している。

 

それが香蘭に見滝原の現状を伝えている。

 

映像の中で香蘭が特に興味を引いている映像があった・・・

 

「う~~ん。魔戒騎士並みに強い堕天使か・・・鬼とか竜騎士なんてのも居たみたいだけど、黒髪で綺麗な人ってなんだかあこがれちゃうな~~」

 

香蘭が見ているのは、人型魔導具らを十字の刃で切り伏せる暁美ほむらの姿があった・・・

 

「この力どうやって発現したのかな?突然変異?それとも誰かの意思を受け継いで、自らを昇華させたのどちらかな?」

 

普段のようなにこやかな笑みを消し、真剣な眼差しで混沌とした黒い翼の魔戒導師に視線を向ける。

 

それは、香蘭の探究者としてのものだった・・・・・・

 

彼女の容姿に何を思ったのか香蘭は背後にあるいくつもの棺の中の一つに手を添える・・・

 

「・・・君のオリジナルが生きていたあの時代では、身分の差もあって淡い思いをサラ王女に抱いていたけど、叶わないものだった。でもこの時代はそんなこともないよ・・・君は彼女を見てどう思うかな?」

 

棺に記載された魔戒文字・・・魔号機人 曜・・・

 

 

 

 

『私は守りし者・・・たとえ肉体は滅びようとも魂はここにある・・・サラ様、貴女が再びこの世に戻ってくるのを心待ちにしております・・・』

 

 

『私はお前のような外道の人形ではない、香蘭』

 

 

 

 

 

 

 

 

魔号機人の噂話・・・・・・

 

上位型 魔号機人は合わせて12体存在する・・・・・・

 

魔号機人の中には、自分を生まれ変わりと錯覚している機体が存在する・・・・

 

曰く・・・生体情報による記憶ではない意思を持ったゆえに封印された機体が存在する・・・

 

 

 

 

ある男に仕える四体の上位型 魔号機人達

 

 

 

黄金騎士 牙狼の記憶を持つ機械人形・・・

 

今は途絶えた”翠瞑騎士ゼクス”の亡霊の記憶を嫌悪する黒い機械人形・・・

 

貴族の生まれでありながら盗賊に身を落とした白蓮の矜持をもつ白い機械人形・・・

 

危機に陥った救国の赤い騎士の誇りを宿した赤い機械人形・・・

 

 

 

 

創造主である女に仕える今は姿を見せない上位型 魔号機人達

 

 

守りし者としてたった一人に執着した黒い騎士・・・

 

魑魅魍魎が蠢く古の京都の闇をかけた陰陽師・・・

 

 

 

 

 

 

 

自身の生体情報に刻まれた炎の記憶を見つめる封印されし”黄金の騎士”・・・

 

 

 

 

 

 

次 話「前 夜 祭(魔法少女)」

 

 

 

 

 

 

 





あとがき

活動報告にも記載した通り、募集して頂いた魔号機人は随時描いていきます。

時系列は少し過去になりますが、見滝原は思った以上にカオスになりつつあります。

志筑仁美と使徒ホラー二ドル、アスナロ市からの明良 二樹らのグループ。

さらには、独自に動いているであろう逸れ魔戒騎士 紅蜥蜴・・・

元老院より見滝原にやってきた影の魔戒騎士 毒島 英二・・・

見滝原の魔法少女達、風雲騎士一家 バラゴ、ほむら、エルダの三人組。

それらとは別に動いている”存在”・・・

次回は、彼とあの少女を中心に描きたいと思います。

並行して本編も執筆中です。

魔号機人の募集は5/11まで行っています。




ある噂話・・・

封印された炎の記憶を持つ黄金の騎士をある少女が目覚めさせた・・・

自分に変わって”妹”を守るように使命を与えて・・・・・・

「私に変わってあの子を守って」

少女は見る機械仕掛けの守りし者を・・・神浜の地で・・・・・・




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