「ふふふ、復活でーす!」
テンションがおかしくなった提督が復活しました。1週間ほどの休暇でしたが、普通に病欠なので途中で暇になったのか病室から抜け出したり明石に叱られたり…。まぁ、我らが提督が簡単にやられるはずがないのですが…。
「お早うございます。提督。」
「oh…。」
書類、書類、書類の山。まぁ、提督が一週間もいなければ机の上に山脈ができるでしょうね…。
「早速ですが、至急のものは右。急ぎでないものは、左。中間にあるのは、今日中の書類です。」
「えぇ…。なにこれ?え、嘘?」
…でも、仕方がないんですよ。提督の代わりとして秘書艦や代行が手を出せる範囲は規則で決まっています。
「淀殿、内線。援軍を呼ぶ。これしかないよ。」
懐から何枚もの間宮券を取り出す提督。…それ、援軍じゃなくて買収。あるいは間宮券で雇うタイプの傭兵じゃないですか?
「内線ですね。どうぞ。」
確かに空母や戦艦といった大型艦の皆さんは休暇中ですが、軽巡洋艦、それに駆逐艦や海防艦の皆さんは遠征任務で大忙しです。そして大型艦の中には、大本営からの資材の運搬の手伝いをしているという人もいます。
「…金剛型と友鶴ちゃんしか捕まらなかった。」
金剛型の四人なら書類仕事も慣れていますし、特に心配はありませんね。それに執務室に沢山の艦娘を集められても人数が多すぎて上手く回りそうにないですし、ちょうどいいかもしれません。
「逆に誰を捕まえたかったんですか…。」
「誰でもよかった。」
…私、しっかり見てましたからね。提督がどこに電話かけていたのか。
「あ、そうだ。予備の椅子とか出してあげよう。金剛たちなら机とか椅子とか運べるだろうけど、友鶴ちゃんがやると階段から転がり落ちかねないからね。」
確かに彼女は平らな地面でも転びますからね。それにマンホールに足を引っ掻けて転倒とか雨の日に足を滑らせて全身ずぶ濡れ…。そんな彼女に椅子と机を運ばせるなんて恐ろしいことは任せられませんね。
「ええと、これはミカン箱。こっちは、リンゴ…?こっちは、ビールケース?こんなの入ってたっけ?」
何で2パターンあるんですか。あと、誰ですかビールケース隠したの…。
「これだ、ちょっと待って…」
…何故この流れから小中学校で使われるような机と椅子が出てくるのかわかりません。しかし、その収納スペースは後でゆっくり掃除させてもらうとしましょう。
「はい、これ落とさないでね。中のティーポット、凄くいいやつだから…。」
「いいやつ、ですか?」
木箱に墨字って時点で触りたくないんですけど…。
「うん、いいやつなんだ。」
一気に片付ける気が失せてきました…。