「さ、作戦ですか…?」
もしかして、昨日明石さんのところに大淀さんが踏み込んでいったのと関係があるのでしょうか。
「うん。作戦に参加してほしいんだ。大規模作戦じゃないから安心して?」
まぁ、偉い人から言わせれば私の存在は不都合そのものですからね。私を知る人も少ない方がいいのでしょう。
「それで、どんな作戦なんですか?」
死ねと言われたら死ぬつもりではいますが…。
「あぁ、心配しなくても大丈夫。今回は支援するのがお仕事だからね。夜襲を受けた小さな鎮守府が建て直されるまで仕事を手伝うって感じ。これが資料ね。」
あぁ、確かにそれなら私が出ても大丈夫そうですね。
「この資料の感じでいくと…。」
哨戒を担当する艦隊と輸送船団を護衛する艦隊に別れて作戦を行う感じですね。私は哨戒担当で組まれてるみたいですね。
「仕事先は船団護衛とか海域哨戒なんかを主に担当する鎮守府だからね。備蓄もそんなにないし、その資材も襲撃で燃えちゃったし…。大型艦を派遣しても扱いきれるだけの資材もない。だから、作戦の終盤になったら投入する予定。あぁ、工廠と入渠施設は心配しないで。艦娘用の母艦を用意してるから。」
「もしかして、明石さんですか?」
私を助けに来たときもその船できたらしいですけど…。
「うん、昨日から整備してもらってる。妖精さんと明石の共同作業だね。」
なるほど、薬をもらった時に酷く疲れた顔してたのはそういうことだったんですね。
「艦娘母艦は簡単に言えば移動する鎮守府みたいなもの。向こうの鎮守府も大分やられてるから入渠施設は自前で用意しろって言われてるのよね…。」
「それ、大丈夫なんですか?」
相当手酷くやられた感じですけど…。
「ダメだね。だから、大本営から「忙しいし、間に合いそうにないから助けにいけ」って命令が出てるんだけどね。奴等が忙しいのは椅子取りゲームやってるからだろうに…。あぁ、何でもない。何でもないよ。」
「私で大丈夫なんでしょうか?」
提督や仕事先の人が大本営の人に睨まれたりしませんよね?大丈夫ですよね?
「うん?あぁ、そういうこと。大丈夫。仕事先の司令官は私の教え子だし大本営も一枚岩じゃないからね。友鶴ちゃんを良くない目で見る人も確かにいるけど私達の味方だってたくさんいる。だから心配しないで?」
提督の教え子ですか。確かにそれなら安心です。世の中には増援として艦娘や妖精さんを借りておきながらなかなか返さなかったりする組織もあるみたいですからね。
「じゃあ、母艦の準備ができてから出発って感じですか?」
魔改造されてなければいいのですが…。