「食べたら眠くなってしまいました…。」
体力が回復しきってないのか、ただ単純に老化してしまったのか…。いや、艦娘は老化しないって聞きますから疲れてるんでしょう。人混みに揉まれて大変でしたし、満員電車は慣れてない人にとっては地獄です。降りてからも暫く揺られてる感じがしてました。
「え、眠くなっちゃったの?」
「すみません…。」
毎朝、あの電車に乗って仕事に行く人は本当にすごいと思います。私だったら倒れてしまうかもしれません。吊革に手が届かないと結構苦労します。
「まったく…食べたそばから寝るなんてレディじゃないわ。すぐに寝ると馬になるのよ?」
それを言うなら牛では?
「え、あ…なんかごめんなさい。」
気を使わせてしまったのか暁ちゃんが布団に入ってきます。
「べ、別に暁は眠くなんかないんだからね!友鶴ちゃんが魘されないように隣で寝てあげるだけなんだから!」
あ…やっぱり暁ちゃんも眠かったんですね。
「こういうのをシエスタって言うのかもしれませんね。」
「そうなの?それってどういう意味?」
「スペインの伝統的なお昼休憩のことです。平たく言ってしまえば昼寝の時間って感じです。」
昔から友達がいなくて本ばかり読んでいたからか、無駄な知識ばかりが蓄積されてしまいました。
「え、それってみんな寝てるってこと?」
「少なくとも昔はそうだったみたいですよ。あ、でもスペインの公務員は2000年代に入ってからシエスタが廃止されたらしいです。まぁ、公務員が昼寝してたら色々問題がありそうですからね…。本を読んだのも結構前のことですし、うろ覚えなので間違ってるかもしれませんが…。」
小学校の図書室で読んだ本ですからね。うろ覚えにもなります。薄暗い図書室の中で一人でページをめくる感覚。時間を忘れて読書した覚えがあります。まぁ、追いかけてきたクラスメイトに捕まらなければでしたが…。
「へぇ、ちょっと興味が湧いたから後で図書館とかで調べてみようかしら。スペインってサッカーと闘牛しかイメージがわかなくて…。そんなこと全然知らなかったわ。」
「サッカーと牛…確かにそうですね。」
あと思い付くのはフラメンコぐらいでしょうか?世界史をやると無敵艦隊とか日の沈まぬ国とか情熱の国とか色々と出てきますが…。
「暁もなんだか眠くなってきちゃったわ…。」
あぁ、やっぱり暁ちゃんは暖かいですね。
「おやすみなさい…。」
その後、二人とも熟睡してしまって夕飯の時間にお母さんに起こされました。