【悲報】提督、倒れる!
敷島提督が昨夜未明に階段から転げ落ち、負傷しました。明石による検査の結果、疲労の蓄積による注意力の散漫が原因と見られています。この事による執務の遅れは心配されていませんが、疲労の回復の為に数日ほど休養するとのことです。
「て、提督…寝ているんですか?」
今回の鎮守府新聞に書かれている内容と、真鶴お姉ちゃんからの手紙の中身を照らし合わせると提督が忙しくしていた原因はほとんど私でした。思い返してみればここのところ頻繁に外出していましたし、夜遅くになっても帰ってこない日もありました。
「今回の件についてのお礼をしに来たのですが…。」
真鶴お姉ちゃんの手紙には
〝敷島提督のお陰で私たちは救われました。敷島提督が大本営の上層部を説得してくれなかったら私たちは今ごろ<首輪>をつけられていたか、どこかの海に棄てられていたことでしょう。ちゃんと会ってお礼を言いたいのは山々なのですが、そんな事はできないので私の代わりにお礼を言っておいて下さい。〟
って書いてありました。千鳥お姉ちゃんや初雁ちゃんの手紙にも同じようなことが書かれていて知らなかった自分をちょっと情けなく思いました。でも、それをわざと私に伝えなかったのも提督の優しさだとも思えます。
「熟睡しているのを起こすのも可哀想ですし…。」
いつも私達を守ってくれる提督の寝顔は優しく…ん?どうしてここに雷電姉妹がいるのでしょうか?提督を挟むように並んで幸せそうに眠っています。
「じゃ、じゃあ…私も行って大丈夫ですよね?」
二人も三人もあんまり変わらない気がします。それに、私はそんなに大きくありませんし、重くもないはずですから…。ちょっとだけ、ちょっとだけ一緒に寝かせてもらいましょう。感謝や謝罪は大切だけと思うけど、TPOの方を尊重した方がいいという場合もありますから。
「気持ちいいですね…。提督、今回は本当にありがとうございました。おやすみなさい。」
雷ちゃんの横に慎重に潜り込むとすぐに瞼が重くなってきてしまいました。
「…ん、友鶴ちゃん?」
…
……?
「…ふぁい!?」
お、起きてたんですか提督!?
「もっとこっちにおいで…んぅ、暖かいねぇ。」
「え、あの…人形?」
隣にいた雷ちゃんと電ちゃん、まさかの人形ですか!?実寸大ですし、なかなかリアル…。
「提督、本当にありがとうございました。」
「ん、いいのよ。かわいい孫のためなら何だってできるわ。ただ、ちょっと今はこうさせて?
…怖かった。」
…え?
更新が遅くなってごめんなさい。