艦娘?いいえ、不良品です。   作:バイオレンスチビ

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いらない娘だから

扶桑さんの腕の中で目を覚ますと

時雨がこっちをガン見している。

 

なんで?

 

「君は、何でそんなに強いのかい?」

 

「ただ引きこもり生活してるように見えたの?」

 

「君は

三ヶ月前の作戦でも活躍していた。

しかし、

正規空母や戦艦が出撃した2ヶ月前の作戦に

出なかった。

それどころか

駆逐艦がでるたくさんの仕事にも出なかった。」

 

「だからどうしたの?

私は、

不良品のなり損ない。

水雷艇友鶴の皮を被ったごみ。

人間でありながら人間でない

艦娘でありながら艦娘でない。

人間達のオモチャ。」

 

「…。」

 

「やっすい消耗品なんだよ

私は。」

 

「だから、あんな攻めかたなのかい?」

 

「まぁね。

沈んでも良いオモチャなら

せめて役に立ってから逝かなきゃでしょ?」

自嘲的に笑う。

「オモチャなら何でボクたちより強いんだよ!?」

 

「…。もう、時間だ。」

ザパァッ

タオルを巻き直し

お湯から上がろうとする。

「待って!!」

扶桑が肩に手をかける

「何ですか?のぼせちゃったんですけど…。」

 

「少なくとも

提督と私はあなたがオモチャなんてこと

思ってないし、認めない。」

 

「…。ありがとう。」

 

ゆっくりと上がる

 

ユラリ

 

すべてがスローモーションになる。

 

あっ!!

 

ゴテンッ

 

「うう…いったいな…。あっヤバイ!!」

慌てて身体を隠す。

少しだけ見えた

背中には無数の傷痕。

 

「「……。」」

静まり帰る入渠場。

 

「失礼しました。」

走り出す友鶴。

 

 

「待って!!」

時雨が慌てて追いかけるも

すでに友鶴は脱衣場から消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコン

「時雨だよ。

友鶴いるかい?」

 

「いないよ。」

そう、

友鶴なんていない。

ここにあるのは

人間達のオモチャ

友鶴の皮を被ったオモチャ

「いるんだね?」

 

「いない。

私はオモチャ。

ここに存在するだけ。」

 

「間宮さんにアイス貰ってきたんだけど一緒にどうだい?」

 

「夕立あたりと食べれば良い。」

 

「そう言わずに…。」

 

「あの傷痕のことを他に言うようなら消す。」

こちらからの用はこれだけ。

 

「怖いね。言う気はないけど。」

 

「なら「教えて欲しいんだ。」…。」

 

 

ガチャ

 

「何を?何を知りたいの?」

 

「君のこと。」

 

ガッ

 

靴をはさんでドアを止める。

 

「痛いな。」

 

「じゃあ、やめなさいな。」

 

「中に入れて?」

しつこいな。

「解ったよ。入れるだけだよ?」

取り合えず中にあげる。

 

 

「意外と寂しい部屋だね。」

「そう?こんなに大きい私と言う置物があるのに?」

この部屋は、物が少い。

基本的にベッドの上にいることが多い生活の上に

倒れることが多い

このからだのために

置くものをよく考える必要がある。

 

「君の話は「ダメ。提督に聞いて?

冷静に話せないかも知れないし…。」」

 

 




明けましておめでとうございます‼
今年もよろしくお願い致します‼

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