「そろそろ…その、お風呂に行きますか?」
本当はもっと遅い時間が良かったのだけど…
暁ちゃんと電ちゃんがすごく眠たそうでだんだんかわいそうになって来てしまいました。
「えぇ…そう…ね。レディーは夜更かしなんてしないもの。」
すごく眠たそうだなぁ…大丈夫かな?
お風呂で溺死とかシャレにならないからね?
ちなみにお風呂でこの前のぼせてしまって溺れそうになってしまい、龍田さんに助けてもらいました。
「暁も気を付けなよ…この前、龍田さんと一緒にお風呂に入って溺れた人がいるらしいからね。」
!?
何で響ちゃんがそれを知ってるの!?
もしかして青葉さんがまたへんなことしたの?
ん?ちょっと待て…
あ、天龍さんのことでした。
この前、提督さんと一緒に演習してボロボロに負けた時に疲れ過ぎて溺れたらしい。
まったく…うちの提督は何をしてるんだろうか。
大本営の大和型戦艦に演習で勝ったり自称世界水準超えの軽巡をボコったり不知火さんを戦艦だと思っていたり(その後めちゃめちゃ怒られていた)…。
「は、はわわわわ…!!!」
突然慌て出す電ちゃん。
「ど、どうしたの?」
「友鶴ちゃんは病み上がりなのです!
夜更かししちゃダメなのです!!」
…。
……。
「「「…。」」」
沈黙。
「「ヤバイじゃない!」」
え?
「大丈夫だよ?アレは病気とかそういうんじゃ「みんな、急ぐわよ!」…。」
暁ちゃん、話は最後まで聞いて欲しい。
「「「了解」なのです」」
え?
ちょ!?
「何で私、おんぶされてるの?!響ちゃん!?」
そして無言で走り出す響ちゃん。
私、着替えも何も持ってないよ!!
「響ちゃん待って!!私、着替持ってないよ!」
「電が何とかするさ。」
いや、すました顔で言うけど君、妹に丸投げしたでしょ!
「怖い怖い怖い怖い…!」
凄い勢いで走られているので怖い。
しがみついてないと落ちてしまいそう。
「フフ…不死鳥の名は伊達じゃない。」
不死鳥でもはらしょーでも何でも良いけど
取り敢えずスピード落としてください!
夜だからか響ちゃんのテンション高いし
チラッと後ろで転んでる電ちゃん見えたし!
「響ぃ~!ずるいじゃない!!」
「私もおんぶとかしたいわ!」
暁ちゃんと雷ちゃんも凄い勢いで走ってくる。
最後尾は電ちゃん。
脱衣室に入った瞬間に電ちゃんに追突されるという悲劇も起きたけど何とか生きてたどり着きました。
ただ…どうしよう……。8つの目が私を見つめている。
恥ずかしいし…これじゃいつもみたいにタオルを巻けない。「あの、あまりじっくり見ないでください…。」
そう言うとバッっと目を反らす4姉妹。
その隙に急いで脱いで素早くタオルを巻く。
このまま皆が来る前に体を洗って湯船に浸かってしまえば醜い身体を晒さなくてすむ。
「行かせないよ」
!?
「え?」
肩を抑えられて振り向けば響ちゃんの姿があった。
「一緒に行くって言ったはずだよ?」
ちょっと怒ってますねこれ…。
「ごめん…。」
ただ、白いお子さまパンツで言われてもね…。
結局タオル1枚のままでみんなを待つことになった。
「お待たせ~。」
「もう、速いよぉ。」
「待ってなのです!」
…
……。
逃げ場がない。
でも、たぶんだけど…電ちゃんも雷ちゃんも時々一緒に入るし大丈夫だと思う。認めたくないけど結局私は嫌われるのが怖かっただけなんだ。
「背中流してあげるわ。」
そう言いながら暁ちゃんはゆっくりと私のタオルをとった。身体中に刻まれた傷があらわになり、暁ちゃんは一瞬ビクッとしたけど優しく私の背中を洗ってくれた。
「痛くない?」
「はい、大丈夫です。その…気持ち悪くないですか?」
「全然大丈夫よ。(この傷つけた連中…海に沈めて魚のエサにでもしてやりたいわ。)ボソッ」
「(文句なしにシベリアだね)ボソッ」
!?
なんか凄く怖い言葉が後ろから聞こえたような…
電ちゃん震えてるし雷ちゃんなんて電ちゃん抱き締めてるし…。今後、怒らせないように気をつけよう。
その後何故か皆に抱っこされながらお風呂に入った。少し恥ずかしかったけど嬉しかった。
ただ、着替えとして用意してあったのが暁ちゃんがレディーを意識して(足柄さんの読んでいた雑誌を参考に)選んだ際どいもので…結局、干してあった司令官のバスローブを上から着ることになりました。
遅れてごめんなさい。
これからもよろしくお願いします。