「お風呂…ねぇ。」
困ったな…どうしよう。
断るのも悪いしだからと言って私の汚い身体を晒すわけにはいかないでしょう。
「ダメ?」そう聞く暁ちゃんには悪いけど…暁ちゃんの綺麗な目を汚したくない。それにこの時間の入渠場は人が多いと思う。
「ごめんね、またこんどにしてくれないかな…」
素直に謝る。それしかないだろう。
出撃してきて疲れている人も多いのに
こんなに酷い身体の水雷艇が入って来たら
大抵の人は不快な気持ちになると思うし、
私自身もそんな思いをさせたくないし、
こんな身体を晒したくなんてない。
「じゃあ、いつもはどのタイミングで入るの?」
そりゃあ…
「人が少ない早朝とか深夜とかかな。」
ちなみにお風呂の時の霧島さんは目付きが悪くて恐かった。多分、本人にはその気はなかったんだろうけど裏社会の住人に見えたのは多分私だけじゃなかったと思う。
ついでに言うと霧島さんはド近眼らしくてその時、
私が誰だかもわかってなかったらしい。
私にしては運が良かったということだけど今回ばかりは…それに余り教育にもよろしくないこの汚い身体を純粋な駆逐艦達に見せるわけにはいかない。
「わかったわ。今夜にしましょう。」
…え?
「いや、だから暁ちゃ「賛成なのです!」…。」
ど、どうしよう?!
「ちょっと二人とも、友鶴ちゃんは身体の傷を気にして言ってるのよ?」
さすがは雷ちゃん!
「一人前のレディーは全然そんなの気にしないわ!」
「私も気にしない。」
暁ちゃん、響ちゃん…。
気持ちは本当に嬉しいんだけどね…
「本当に?私、最初の頃にいた睦月型の子に怖がられちゃったんだよ?〝ぴゃあ!?お化けだぴょん!!〟って…まぁ、小さい子には刺激が強すぎたのかもしれないけど…。」
あれはさすがに傷ついたなぁ。
まぁ、お互い悪気はなかったんだろうけど…。
しかもその後で鎮守府内では怪談話として語られることになったし…。
「「ちょっとウサギ狩りして来ていいかしら(なのです)?」」
ちょ!?その錨どこから出したの!?
「ダメです!」
気持ちはありがたいけど暴力はダメです!
「「「え?」」」
怖いから!笑ってるつもりだろうけど割りと目がマジだからね!?
「響ちゃん!どうにかし「シベリア送りだ…。」…。」
シベリア!?そこまでしちゃうの!?
っていうか君、いつからスターリンになったの!?
そもそも君、まだ改二じゃないし!
「大丈夫、大丈夫だから!
私、一緒にお風呂行けますから!」
どうかその錨(怒り)をお納め下さい!!
こうしてウサギ狩りは中止となった。
お待たせしました!
ごめんなさい!