艦娘?いいえ、不良品です。   作:バイオレンスチビ

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プリン輸送

「これでもう大丈夫だけど、病み上がりなんだから無茶はしないこと…まぁ、貴女の場合はしなそうだけどね。」

そう言って部屋から出ていく明石さん。

「ありがとうございました!」

一時は本当に死ぬかと思ったけど死ななくてすんだ。

かわいいサボテンが日の光を受けて綺麗な緑色に見えて

何だか今日は体が軽くて…健康って良いですね。

一応、お母さんと提督に完治したというメールを打つ。

そして、サボテンのお礼にプリンを持って暁型の部屋まで行きたいと思う。

でも、正直言えば駆逐艦寮は少し苦手。

知らない人が怖いのにあれだけ人数がいると

嫌でも遭遇しちゃう。

それに、私が怖がったら相手の子に不快な思いをさせてしまうから。

でも、慣れない限りはきっと怖がりなままだろうし…。

覚悟を決めて行きたいと思います。

 

静かにゆっくりと進んでいく。

大きいプリンを4つも運ぶのは大変なので

妖精さん達も総動員して運ぶ。

このまま順調に進んでいくことができれば…!

ドドドドドド

!?

何の音!?

「待てぇー!!!」

ドドド

「おーそーいー!」

え?

凄い勢いで走り抜ける島風と…日向さん!?

「私の瑞雲を返せぇー!!!!!」

瑞雲?瑞雲のためにそこまでするの?

そもそも、瑞雲って何?

「ヒィー!?」

え?ちょっ!待って!?

「何でこっちに来るのぉ!?」

急いで壁に寄ってプリンをしっかりとホールドして…。

ビューーン

ビューーーン

目の前を通りすぎる二人に残像があったのはきっと病み上がりだからだろう。

戦艦って基本的に鈍足だよね?

速いのは英国生まれの帰国子女ぐらいだよね?

 

「あ、友鶴ちゃんなのです!どうしたのです?

鳩が12.7㎝砲を食らったような顔したまま固まって…

おーい!なのです。放心状態なのです?」

……。

「あ、ごめん電ちゃん。ちょっと放心してた。」

気が付いたら目の前に電ちゃんがいた。

「大丈夫なのです?」

心配そうに言う電ちゃん。

「うん、大丈夫だよ。

ちょっとビックリしちゃっただけだから。」

本当は全然ちょっとどころじゃなかったんだけどね?

ただ、ちょっと腕が疲れて来た。急いで運ばなきゃ。

「ちょっと重そうなので手伝うのです。」

察してくれたのか私の持っていたプリンを持ってくれる電ちゃん。

コンコン

「友鶴です。入っても良いですか?」

暁型のドアをノックすると…

ガチャッ

「よく来たわねぇ!病み上がりなのに凄いわ!!」

なぜか雷ちゃんに頭を撫でられ、

「ただ、レディーと言うか女の子なんだから身だしなみぐらいちゃんとした方が良いわよ?そうだ、一緒にお風呂に行って来ましょ!」

暁ちゃんが私の直し忘れた寝癖を見ながら提案して

「「「賛成!(なのです!)」」」

ルンルンでお風呂に行くことになっちゃった。

ヤバイ…ピンチです。

 

 




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