「…んぐぅ!?」
突如、言葉に困るような衝撃と痛みがお腹に走った。
目を覚ますと目の前には見慣れた顔があった。
「い、電ちゃん?病人に対してねダイビングベッドはいけないよ?」
最近、慣れては来たけれどやっぱり痛い。
「はわわわ!大丈夫なのです?」
慌ててる電ちゃん。
何でこの子はこんなに転ぶんだろうか。
「まぁ、一応大丈夫だけどね。」
相変わらず殺風景なこの部屋に転ぶ要素は見当たらない
「大丈夫?友鶴ちゃん」
可愛くブカブカの白衣を来て来た雷ちゃん。
「明石さんの治療とお母さんの看病のお陰で1日寝たらだいぶ良くなってきたから
たぶん、あとちょっとで復活できると思う。」
そんな事より…あのドアから覗いてる人達は誰?
それと、
「何で自然な流れで服を脱がされてるの私?
それと、今回はオムツ要らないよ?」
駆逐艦がそんなにオムツ買ってていいの?
店員さんメチャメチャ怪しむよ?
「オムツ…要らないの?」
残念そうに言う雷ちゃん。
逆に何でそんなに私はオムツを着けなきゃダメなの?
「あの…すごく気になるんだけど良い?
ドアから覗いてる人達って誰?」
言った瞬間に引っ込んだけどスカート挟まってるし…
転んだ音とか“キャア!?”とか“ウゥ…イタイナ。”とか聞こえてくるし…。
「たぶん、暁ちゃんと響ちゃんなのです。」
暁ちゃんと響ちゃん?
「私たちのお姉ちゃん達よ!ちょっと待っててね捕まえて来るから!」
あ、姉妹なんだ…
「いや、捕まえて来なくても良いよ…って行っちゃったし。」
やっぱり雷電コンビは似てるから暁ちゃんと響ちゃんもそっくりなのかな?
「捕まえて来た…というよりは助けて来たわ!」
そこにはスカートを押さえて顔を紅くした黒髪の女の子とそれをさりげなく隠してあげようとする白髪の女の子がたっていた。
「あ、暁よ!一人前のレディーとして扱ってよね!!」
黒髪の方が暁ちゃん
「響だよ。その活躍から不死鳥の通り名もあるよ。」
白髪の方が響ちゃんね…。
「わ、私は「この子は千鳥型水雷艇の友鶴ちゃんよ!」…。」
台詞とられちゃった…まぁ、そんな事より心配なのは「スカート、縫いましょうか?」
大きく破けちゃったみたいだし…
何より、女の子がそれじゃダメでしょ。
誰にとは言わないけど襲われるよ?たぶん。
「えぇ、お願いするわ。」
「ちょっと待っててね…。」
始めようと針に糸を通そうとすると、
「友鶴ちゃん、調子が良くないんだからそこは私がやるわ。」
雷ちゃん、できるんだ…。
「さすが雷、すさまじいお艦スキル。」
そこって女子力じゃないの?
「わぁ~、お姉ちゃんすごいのです!」
皆の視線が雷ちゃんに向いてるうちに
赤面してうつむいている暁ちゃんにスカートを渡す。
さすがに下、パンツだけじゃ恥ずかしいよね…。
(ありがとう。)
小声で言う暁ちゃん。
(どういたしまして。)
同じように小声で返す私。
(それと…これ。電達が貴女の部屋があんまりにも殺風景だって言ってたから…あげるわ。)
そう言って小さなサボテンをくれた。
(ありがとう。大切にするね。)
そう言うと暁ちゃんは胸を張りつつ
(ま、レディーのたしなみの1つよ。)
その頭を無性に撫でたくなったのは秘密です。
明石「ごめんなさい!
朝日さんの治療に行ってたんです。」
友鶴「何で朝日さん?」
明石「46㎝砲を無理矢理もって主に腰を大破しちゃったらしいんです。」
友鶴(それってただのギックリ腰では…?)