「んぅ…?」
目が覚めたらベッドの上にいた。
そして、何故か頬を紅くした長門さんが立っている。
汗を拭おうとしても身体が重くてまともに動かない…。
あぁ、あの薬のせいですね。
「大丈夫か?友鶴。」
心配そうに聞く長門さん。
「さっきはありがとうございました。」
長門さんの目を見ながらいう。
「なに、気にするな。あれくらいどうってことない。」
長門さんの顔が何て言うか紅いし、何て言うかちょっと不気味。
「そんなことより…その様子だと自力では困難だろうから汗を拭いてやろう。」
え?
「なに、気にするな。」
そう言いながらボタンを次々に外す長門さん。
「それにしてもかわいいな(ボソッ」
え?ちょっ!目が完全におかしいって!!
なんか目覚めてるよこの人!!
ガチャッ!
「大丈夫?友鶴ちゃん!」
ドアから入って来たのはお母さん。
凍る空気。
「…長門さん、何してるんですか?」
ジト目でいうお母さん。
「あ、これはだな…その、汗を拭こ「ワイセツですか?」…。」
…
……。
「汗を拭こ「ワイセツですか?」」
……
………。
まぁ、女の子の服をはだけさせて鼻息を荒くして頬を染めていればそうなりますよね。
「わ、私はやましいことなど…!」
必死に否定する長門さん。
「友鶴ちゃん、大丈夫だった?」
必死に否定する長門さんを完全に無視。
「大丈夫です。長門さんが私を助けてくれましたし、薬ももらえましたから。」
「あ、そうだったんですか…誤解しちゃってごめんなさいね、長門さん。」
「わかってくれればそれでいい。」
ホッとした表情でいう長門さん。
「ただ、提督が呼んでましたよ?何でも工廠のドアで敵艦沈めるのは止めろだとか…なんかよくわからないことをいってましたけど…。」
え?ドアで敵をやっつける?
「わかった…すぐにいってくる。」
とても残念そうな顔で出ていく長門さん。
なんかちょっとかわいそう。
「汗、拭きますよ?悪化する前に。」
そう言いながら服を脱がし始めるお母さん。
「お願いします。…っ。」
お母さんの手がひんやりしてて気持ちいい。
柔らかくて肌触りのよいタオルが不快な感覚を拭いとっていく。
「これ…お着替えね。」
ん?これって…。
「お母さんの着物?」
「お揃いです。着物ってサイズの調整ができるっていう特長があるので大丈夫だと思ったの。ただ、さすがに袴は無理そうですね…。」
う~ん、確かにそれは仕方ないことです。
「どうですか?似合ってますか?」
お母さんに着せてもらってちょっと嬉しい。
実は、初めて着物を着たのである。
「似合ってますし、かわいいですよ。」
そう言って頭を撫でるお母さん。
だんだんと目を開けているのが辛くなってきて
私の意識は遠くへと飛んでいった。
イ級「ホントだって!ドアが飛んできたんですよ!〝工尚〟って書いてあるやつが!!!」