「う、ううっ。」
朝起きたら身体が焼けるように熱く、
身体が思うように動かない。
その上、いつもの熱とは違う感覚でなんだか吐き気までする。
これは…早く明石さんのところに行かないと厄介なことになる。
薬が切れる前にもらっておけばよかったのに…。
「最悪…」
ベッドから充電器までは距離があり携帯電話が取れない。提督やお母さん達に伝えなきゃなのに…。
「仕方ない…。」
ゆっくりと身体を起こし歩こうとした瞬間ベッドから転落した。やっぱり今回は不味いほうらしい。
取り敢えず提督に伝えなきゃ。四つん這いのまま進む。
「取り敢えず…電話の方が良い感じですかね。」
プルルルル、プルルルル
「はい、もし(テイトクゥ~!!!!…」
ガシャン…ブツッ…。
…。
……。
ついてないな。
おそらく、金剛さんが青葉さんの記事で暴走して提督に飛び付いたか何かした拍子に電話が壊れてしまったってところでしょうか。
はぁ、なんかすごく不運だ…。
お母さんも瑞鳳ちゃんって人と卵焼きつくる予定があるらしいし……取り敢えず明石さん呼ばなきゃ
プルルルル、プルルルル……。
<ただいま電話に出ることが出来ません>
…。
……。
まぁ、そんな日もあるんだろうね。
そんな日が私の命日になるんだろうけどね。
たぶんあの人は工廠にいるかな…。
でも、工廠までの道の途中で冷たくなって動かなくなるのは嫌だな…でもまぁ仕方ない頑張ろう…。
携帯電話をパジャマのポッケに仕舞い込んで立ち上がる。んぅう…なんかグワングワンしてる…しかし、諦めるわけにはいかない。
ゆっくりと部屋の壁を伝って歩く。
息が上がり、汗が滲むけど気にせずに歩く。
「つ、つらい…。」
だんだん症状も悪化してる。腕はビール瓶のように重たいし足は上がらなくなってきている。
ドアを開けて…転げながらも部屋から出る。
「…痛い。」
転んだ拍子に携帯電話がポッケから出ちゃった…。
ん?携帯電話…?
ーいつでもこの長門に電話してくれて構わんぞ?
…。
そうだ長門さんがいた。
プルルルル、プルル…ガチャッ!
「こちら長門だ。」
…よかった。
「もしもし、友鶴です。今、大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。どうしたんだ?」
「ちょっと助けてほしいんです。」
ーやっぱり駆逐艦はかわいいな…。
「ん?電話か…。」
駆逐艦ウォッチングを中止して
電話を見ると〝友鶴〟と表示されていた。
…ん?
友鶴ちゃん!?
「こちら長門だ。」
珍しい、何かあったんだろうか
「もしもし、友鶴です。今、大丈夫ですか?」
この長門いつでも大丈夫だぞ?
「あぁ、大丈夫だ。」
「ちょっと助けてほしいんです。」
これはかなりしんどそうな声だな…。
「わかった…何処に行けば良い?」
「私の部屋まで来て頂けますか?」
駆逐艦ウォッチングとは…
遊んでいる駆逐艦達を遠くからバレないように観察することである。主にロリコ…戦艦に人気のスポーツである。
ヤバいなネタが切れてきた…。