艦娘?いいえ、不良品です。   作:バイオレンスチビ

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青葉のインタビュー

「たまりませんねぇ…。」

アイスを食べながら談笑する駆逐艦の幸せそうな表情は心を浄化してくれる気がします。

それを写真に収めるのもまた一興。

ん?急がないと古鷹が来てしまいます!

新しい情報と写真の整理がまだなのに…!!

 

コンコン

 

「青葉~入るよ?」

ヤバい、もう来ちゃったんですか!?

 

ガチャ

 

「何してるの青葉?」

入り口で固まる古鷹さん。

確かに、目の前に駆逐艦の写真と他の盗撮写真が並んでいたら固まっちゃいますよね……。

 

「しゃ、写真の整理をしてます。」

 

「じゃあこれは?」

古鷹さんの指差す先には古鷹さんのお着替え中の写真。

 

「写真に決まってるじゃないですか。」

嘘じゃないですよ。撮るの大変だったし…。

 

「ダメじゃない!!盗撮は犯罪よ?」

腰に手を当てて言う古鷹さん。

「好きな写真持ってって良いですから今日はお許しください!」

「そういう問題じゃない…ん?」

古鷹さんの視線の先には友鶴ちゃんがアイスを食べてる写真。

「それは友鶴ちゃんっていう娘です。可愛いですよね。」

「うん。あの娘は可愛いよね。上目使いで〝お姉ちゃん〟なんて呼ばれたときの破壊力はすごかったよ。」

!?

「え?〝お姉ちゃん〟ですか…?ちょっと詳しくお話を聞きたいんですけど。」

 

「良いけど…。」

 

 

 

 

 

 

 

あの日は秘書官で夜遅くまで提督と仕事をした時のことだ。

提督はいつも夜遅くに仕事をほとんど終わらせて昼間はのんびりするという変な生活スタイルの人だということが青葉の情報提供によって明らかになったから夜中の3時まで仕事を手伝っていた。

提督にもう寝なさいって言われたので探照灯を着けながら部屋に戻ろうと歩いていると

 

〝キャアァァアア〟

ゴテンッ!!

 

!?

「え?!な、ななに!?」

医務室から悲鳴と物音が聞こえた。

…行かなきゃ。

正直いえばとても怖いが何か重大な問題だったら困る。

しかも医務室だ。何かあったのかもしれない。

 

コンコン

ドアを静かにノックする

ガチャ

 

「失礼しまーす。」

探照灯を使って部屋の中を照らす。

ベッドの上には誰もいない。

…ピトッピトッ

何かが蠢いている。

ハァ,ハァ

耳を澄ませば微かに呼吸音が聞こえる。

「誰がいるんですか?」

…誰かがいる。

「お姉ちゃん?」

ベッドの横の床に倒れている少女がいた。

「助けて…。」

 

電気をつけて見ると、

彼女の体には包帯やギブスが巻かれていて自力では立てないみたいだ。

「ベッドから落っこちたの?」

目にも包帯が巻かれていて見えていないようだからきっと私と彼女の姉(?)を間違えているのだろう。

「うん。怖い夢をみて飛び起きたら落っこちちゃった。」

「ベッドに戻してあげるよ。自力じゃ無理っぽいし。」

「おねがいします。」

軽!?軽すぎてビックリした。

布団をかけ直してあげて…これでよし。

「お休みなさい。」

「お休み…あのさ、また来てくれない?」

「いいよ」

という約束をしてその夜は別れた。

 

 

次の日、

「古鷹さん、ちょっと良いかしら?」

龍田さんが来た。

「な、なんですか?」

「昨日、友鶴ちゃんを助けてくれてありがとね。

ただ、あなたのことを千鳥っていう友鶴ちゃんのお姉ちゃんと間違えちゃっているみたいなの。」

…千鳥?

誰?

「誤解は早いうちに解いた方がいいですよね…。」

「ごめんなさいね?」

 

 

 

 

この後、誤解は解けたのに何故か時々姉呼びされることがある。

 

 

 

 

 

 

 




水雷艇千鳥は敵の潜水艦によって沈められましたが、何故か敵の潜水艦は千鳥を重巡古鷹だと間違えたらしいです。
そんなところから引っ張って見ました。

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