目の前にいるはずのないものがいた。
本来、海上に立てるはずがないのに母がいた。
しかも禍々しいオーラを放っている。
「サァ、可愛イ私ノ娘。早く帰リマショ?」
「……!!!」
怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い「落ち着いて!!」
「大丈夫。大丈夫だから。」
「まともにやり合って勝てる相手じゃないわね~。」
龍田さん…。
「オカアサンハココヨ…。」
手招きするゲテモノ。
「撤退しましょう。」
「そうですね…。」
「ニガサナイ…!!!」
お母さんの肩の砲から弾が発射される。
「回避ー!!」
「避けろっ!」
しかし、弾は空中で炸裂。
艦隊の全員に向けて降り注ぐ炎と破片。
「オ母サンカラ逃ゲヨウッテネェ…。愚カナッフハハハ!!!」
お母さんは砲を次々に発射して弾幕を張ってさらに、高角砲を使っているのか空高く打ち上げた弾を炸裂させて鉄の雨を降らせて来る。
「きゃあ?!」
目が目がぁ!!!痛い!!
破片が右目に当たって血が出た。
……見えない。
全身が焼かれているのが解る。機銃が潰されたり暴発したりして妖精さんが悲鳴をあげて死んでいくのも聴こえる。
「友鶴ちゃん!!」
ふ、古鷹さんが名前を呼ぶ声が聴こえる。
まだ、死ねない。
「オカアサンハココヨ…。」
気がつけばあいつは私の目の前にまで迫っていた。
ガシッ
捕まれたのが解る。
「オカアサントイッショヨ~。タダ、オシオきダァ!!」
「がはぁ?!」
めり込む腕。串刺しになった身体。喉は血が逆流して息も出来ない。
恐怖に震えていた身体から熱が血が奪われていくのが嫌でもわかった。
世界が溶けていく。
どろどろのぐちゃぐちゃに五感が麻痺していく。鼻を満たす血の臭いと赤に染まった左目に写る風景だけがやけに鮮明に鮮明に心にまとわりついてくる。
「お母さんのところへいらっしゃい~?」
あぁ、もうダメかもしれない。
「「友鶴ちゃん!!!」」
私は艦載機を発艦させた。
皆、ベテランの熟練の優秀な子達です。
「…。見えました。」
意識を集中させて妖精さんとリンクすると新型の深海悽艦に丸飲みされそうになっている友鶴ちゃんを見つけた。
「全機、攻撃に移って!!!」
鳳翔さんの命令を聞いて
炸裂弾を回避しつつ敵艦に襲いかかる。
「腹減ってんならこれでも喰らっておけっ!!!」
口裂け女のようになった女の顔に爆弾を投下して旋回。機銃を撃ちながら再度突入した。
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