「どうしよう…。」
ケータイのメールを開いたら母からのメールが来ていた。内容は単純。
〈明日、会いに行くよ(金の準備しとけよ)〉
あの人にとっては、金が一番で私はサンドバッグ。
この身体になってから私は、金が出るサンドバッグになったようだ。
さらに、父母がここに来るということは私が家に三日ほど帰らされなければならないということだ。
その3日間にあの人達が私にあたえる苦痛は正直いって気が狂いそうになるほど辛い。
でも、逆らうことは出来ないし逃げられない…。
逆らったら…死ぬかもしれない。
逃げれば死ぬまで何処までも何処までも追ってくる。
「大丈夫か?」
突然頭上からの凛々しい声。
「ひゃいっ!?」
「私だ長門だ。そんなに驚かなくても良いだろうに。」
「ごめんなさい。考え事をしてました。」
「<悩みごと>の間違えだろう?
隠さなくて良い。普段、鎮守府にこもっていてろくに出撃もしない戦艦なんだ。心配くらいさせてくれ。」
「でも…。」
さすがにこの問題は長門さんでも解決は出来ない。
ただの迷惑になっちゃうかもしれない。
「ビックセブンの力を侮るなよ?
迷惑なんて気にしないしどちらかといえばかけて欲しいぐらいだ。火力と暇をもて余しているんだ。何か些細な事でも良い、言ってみろ。」
「実は…私の父母は私のことをストレス解消の道具としか考えていなくって、私がこの身体になってからはお金を巻き上げるために私を家に強制帰宅させるようになったのです。帰宅したらまた殴られたり蹴られたり…辛くって怖くて…。
でも、私じゃどうしようもなくって……。
長門さん、助けて下さい。」
「わかった。」
そう言って長門さんは私を抱き上げて走り出した。
長門さんの顔は真っ赤でとてつもなく怒っているのがわかる。
普段、駆逐艦に向けている表情の真逆だ…。
バタァン
「鳳翔!!!作戦会議だぁ!!」
叫ぶ長門さん。
「は、は、はい?!」
びっくりするお母さん。
「取り敢えず、お茶でも飲んで落ち着いてください。」
「ありがとう。」
「それで、どうしたのですか?」
「実は……。」
長門さんが説明を進めていくうちに鳳翔さんの顔がどんどんひきつって行くのがわかる。
「…難しい問題ですから味方を集めて考えましょう。」
真顔で言う鳳翔さん。
集まったのは…
雷電,龍田さん、古鷹ねぇ、時雨ちゃん、吹雪ちゃん。
そして提督。
話終わると
「腐った敵は沈めたいのです。」
「復讐?大丈夫よ私がいるじゃない!」
「死にたい馬鹿は…フフ、フフフフ。」
「情報集めてばらまいてやります。」
皆、殺気だってる!!?
「取り敢えず落ち着け。」
提督の地を這うような声。
「論点がずれている。確かに殺りたいのは山々だ。
しかし、パンピーに手を出したらダメだ。」
「でも、殺す以外に…。」
「あ~あ。艦載機作りたいのに赤城がボーキ食いあさったせいでボーキがないんだよなぁ~。おや?こんなとこに駆逐艦よりも燃費の良い船がいるぞ?遠征頼めるかい?」わざとらしく言う提督。
「青葉さん、録音OKですか?」
「OKです。」
「じゃあ、<お客さん>はわたしが案内するわ~。」
「殺すなよ?」
「さぁ、どうかしら?」