艦娘?いいえ、不良品です。   作:バイオレンスチビ

13 / 79
噂によると近々大きな作戦があるとかないとか…。
そんな噂が流れる中で駆逐艦吹雪が着任した。
コレは、戦力増強のためだろうか。
しかし、
この吹雪は…。



演習場にて遭遇

大きな月が出ているなか水面に一人たたずむ小柄な少女

後ろからは鎮守府の明かりがその背中を照らしている

寒いだろうと以前長門がくれたパーカーを羽織り、

 

一人考える。

最近、近々大きな作戦があるとかないとか

っていう噂が流れている。

戦力増強の為に、

あの≪特型駆逐艦吹雪≫が他の鎮守府から移動になって着任したとか。

ちょっと嬉しい反面、

友鶴の記憶を持つ身としては心配だ。

他人のこと言えないけど、

過武装&むちゃな設計で

とんでもない事件起こすくらいだもの。

ホントに他人のこと言えないけどね。

そんな事よりも

大きな作戦があるとかないとか

っていうのが本当に嫌だ。

怖いし、死にたくないし…不安です。

 

 

タッタッタッタ

タッタッタッタ

ん?

「あの、すみません。貴女、艦娘ですよね?

その…よかったらちょっとお時間良いですか?」

岸から叫ぶ人影。

誰ですか!?

「な、何でしょうか?」

怖い。初対面の人はやっぱり怖い。

 

「私、特型駆逐艦の吹雪なんですけど

艤装が重過ぎるのかなかなかうまくいかなくて…。

ちょっと教えてもらえませんか?」

 

重過ぎてって私に言われても困ります。

「14%。

コレは貴女の武装搭載比率です。

私は、24%。

重くったってなんとかなりますから!

わ、私じゃなくてほら、

川内さ「お願いします!」…。」

 

「…わかりました。」

そこまで言われては断れない。

NOと言えない水雷艇。

 

平常心。平常心。

大丈夫です私。

長門さんのパーカーのフードで

顔も見せてない名乗ってもない。

 

相手が来る。

 

「何を教えて欲しいの?」

 

「水上移動からお願いします。」

 

あ~。

誰かが転ぶ度に殴られたシーンが浮かぶ。

「わかりました。

取り合えず、

私に引っ張られて

動いているときにバランスを取って下さい。」

 

水上移動なんて

移動とバランスをべつべつにやれば、

なんてことないんです。

 

ただ、

特型駆逐艦って重いですね。

私が弱いのか?

 

「大丈夫ですか?

フラフラしてますけど!?

きゃあ!!」

 

「ひゃあっ!!!」

 

転んだ吹雪に巻き込まれて

ひっくり返ってしまい、頭からずぶ濡れです。

 

慌ててフードを直し、

「まったくもう、集中して下さい。」

 

「何でフードを被るの

可愛い顔なのにもったいないよ?」

 

み、見られた!?

 

「…。次に砲撃です。」

強引に進める。

「え?うん。」

 

「コレは努力次第。

水上移動から出来てない場合、

不安定な足場からの攻撃になるから

当たらなかったと思うけど、

これから頑張れば良いと思います。」

スッ

袖から拳銃のような形の単装砲を出して

ドンッ

的を粉砕する。

「努力をすればたぶん…ね?」

 

「わかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝

友鶴が起きたのは12:00

熱が出てしまい喉も痛いので

お昼(朝)ご飯は、備蓄したプリンとなった。

 

 

 

その頃、

演習場では

「吹雪~。動きがよくなったな。」

ほめられていた。

「ありがとうございます。利根さん。」

 

「誰に教えてもらったっぽい?」

「確かに気になるねぇ。教えて?」

 

「うーん。

名前、聞けなかった。

フードを被ってて、

小柄で服がぶかぶかな娘だったんだけど…。」

 

 

「それって、昨日のよるかい?」

「そうだけど?時雨ちゃん。」

 

「友鶴。また無茶したのか~。何時まで?」

「夜明けまで。」

アウトォ!!

「たぶん…。今頃は寝てるよ。」

 

「へぇ~。友鶴って言うんだ。

お礼に行かなきゃだね。」




日記

「毎日ちゃんと寝ないからこうなっちゃうの」
とお母さんにあきれらちゃいましたが
事情を説明したところ、頭を撫でてくれました。

嬉しかったけど、
これからは体調管理に気をつけていきたいと思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。