白の青年   作:保泉

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第一章
幕間:語り手 ヴァンの場合


  語り手 ヴァンの場合

 

 俺がセロに会ったのは、レックス―兄さんが亡くなってすぐだったと思う。ミゲロさんの目を盗んでギーザ草原に行ったときなんだけどさ、アイツ魔物がうろついてるってのに、寝転がって爆睡してたんだぜ? あ、信じてないだろ? ホントなんだからな!

 

 まあ、セロに近づいてから寝てるって分かったんだけどさ。最初は人が倒れてるって頭が真っ白になってた。アイツ、髪の色白いし、遠くから見ると銀髪に見えてさ。兄さんが死んだばかりだったから、きっと姿を重ねてたんだろうな。

 

 助けようって短剣持って駆け出したんだけど、近くに行く前に魔物に気づかれちゃって。囲まれてヤバいって思ったら、セロが突然起き上がったんだよ。

 

「犬畜生の分際で私の眠りを妨げるか。よしいい度胸だ、今夜の鍋の具材になりたいものから来い。安心しろ、私は腹が減っているから量が多くても構わん」

 

 こんな感じなこと言うんだぜ? それでさ、一匹仕留めた後にセロがニヤリって笑ったら、魔物たち怯えてスゲー速さで逃げてった。――だよな、やっぱ怖いよな!

 

 

 

 その後はパンネロも知ってるだろ。セロは行くあてがないとかで、俺たちの家族になってくれて終了。

 他にはないのって・・・パンネロはどうなんだよ? 俺は話したんだから、次はお前だからな!


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