デモンズタワーまで歩いて3時間ほどの教会にレイシア、カカロン、シールドピッポいやシールドピッポのように重武装したオジロンがいた。
オジロン
ドラゴンシールド
ドラゴンシールド
魔法の鎧
知力の兜
これ以上ないというほどの重武装である。
これもパパスのオジロンを心配した結果である。
ただでさえ体力のないオジロンはもう既にくたくたではあるが、この装備を脱いだら命を落とすことになるのは自明の理なのでこらえている。
いつまでもつことやら。
ゲームのように簡単には着脱できるものではない。
この北の教会まではレイシアのルーラで送ってきてもらっていた。
「ではお気をつけてオジロン様。カカロン姉さんオジロン様をよろしくお願いします。」
「大丈夫よ。私がたかが魔物に遅れをとるとでも思っているのかい?」
「いえ思ってはいませんが。」
そのような会話をレイシアとカカロンが少しし北の教会を旅立っていった。
「王、もう出てきても大丈夫ですよ。」
とレイシアが言うと、
「わかった。」
と壺から声がした。
ツボックが現れた。
とはならずパパスが壺からでてきた。
「あ~、キツかった。
まさか壺にはいることになろうとは。
だがまあいい。では行ってくる。
グランバニアのことは任せたぞレイシアよ。」
と言うとパパスは気配を消し急いでオジロン達を追って出ていった。
「本当に心配なんですね。
兄弟、いや家族とはいいものなんですね…。私の姉も…」
という少し寂しそうな表情から自然とでたレイシアの呟きを聞く者はいなかった。
「ねえ、オジロンちゃん?」
「オ、オジロンちゃん!?」
「ダメ~?」
「いや、いいですけど…」
「よかった」
なんとも暢気な会話である。
これから血みどろの戦いをするとは到底思えないものである。
「オジロンちゃんは、兄さんのパパス王だっけ。
あの人のことどう思っているの?」
「えっ、突然どうしてですか?」
「いいから答えて」
「はい…」
終始カカロンの勢いに押されっぱなしのオジロンであった。
「やっぱり兄さんのことを嫌ってたり、恨んでたりする?」
「何故僕が兄さんを嫌ってたり、恨んでたりすると思うのですか?」
「だって兄さんとことあるごとに比べられて馬鹿にされて、今回はこんな危険な役目を押し付けられたんだものそう思っているんじゃないかなってね。」
とカカロンがオジロンを試すかのように問いかける。
(人間というものは弱いもの。
いやなことはすぐに人に押し付け、責任転嫁して保身をはかる。
果たしてこの人間はどうだろう?)などとカカロンが考えていると
「僕は兄上のことは嫌ったことも恨んだこともありません。大好きですし、尊敬しています。」
堂々と断言する。続けて
「比べられる馬鹿にされるのは自分が至らないだけですし、今回のことは僕が成長できるようにと考えてくれてのことです。
最初は呆然としましたが今まで兄上のことをそんなふうに思ったことはありません。」
あの気が弱そうなオジロンがそう言いきった。
カカロンはオジロンが発言した時に魂の輝きが眩しいほどまでになったことに驚いていた。
まったく濁りがなかった。
オジロンが嘘偽りを言っていないことがわかった。
そのオジロンの発言を聞いて自分の姉クシャラミのことを思い出した。
何でもできる姉。
自分よりも幻魔として2ランクも高くなにかと比べられてきたが、嫌いになるどころか慕い続けてきた。
そのことを急に思い出したカカロンはオジロンに共感し、親近感を感じるようになった。
「カカロンさん…?」
「なんでもないよさあ行くよオジロンちゃん」
「?」
カカロンの口調が変わったことにはまったく気がつかないオジロンであった。
(ああでもクシャラミ姉さんにはあの露出が高い格好だけはやめてもらいたい)と心の中で思うカカロン。
そのてんでもパパスはそっくりである。
皮の腰巻き一つで旅をしようとしていたのだから。
しかしこの二人などまだいい方である。
かの伝説の勇者ロトの父親はより凄かったらしい。
この世界(ドラクエ)の英雄は露出狂が多いようだ。
話は戻ってオジロンとカカロン。
「はあ、はあ、はあ、はあ、やっとついた……」
「大丈夫かいオジロンちゃん?」
「大…じょ…うぶ…で…す。」
大丈夫とはいうが死にかけのオジロン。
カカロンはしょうがないねとため息をつきながらオジロンにベホマをかける。
元来怪我につかう魔法であるが気休めにはなるだろうと思いかけたのである。
だが効果はあったようだ。
真っ青な顔をしていたオジロンが顔色よく元気になったのだ。
オジロンは何があったのかと疑問符をだしているがそれをカカロンは優しげな笑顔で見守っている。
なにかいい雰囲気である。
「じゃあそろそろ乗り込もうか?」
カカロンがそうオジロンに言うと、オジロンも覚悟を決めたように
「分かりました。」
という。
二人はデモンズタワーに突っ込む。
デモンズタワー一階
デモンズタワー内の魔物はまさか人間達が攻めてくるとはつゆとも思わず、酒を飲み人間の腕のような物を食べている。
そのようなゆったりした空気を破壊するかのごとき凄まじい爆音が響いてくる。
「グエ、グエエ(な、なんだ)」
とあわてふためくガーゴイル達
「グエエエエ(て、敵襲)「うるさい黙れ」…」
敵襲を伝えようと仲間の元にやってきたガーゴイルだが発言の途中で鮮血を撒き散らしながらバラバラになった。
それを見て何が起こったのか分からずうろたえていると、バラバラにした者が現れた。
「案外脆いのね。
いやレイシアに貸してもらったこの鞭が強いのか。」
もちろんカカロンだった。
仲間をバラバラにしたのが女だと分かると怒り狂いながら襲いかかるガーゴイル達しかしその数6体も鞭の一振りで終わることとなった。
あとから到着したオジロンが見ると一階は血の海になっていた。
デモンズタワー一階攻略
あ~今回は今までで一番の駄文かもしれない。上手くいかなくてすいません。