ドラゴンクエストⅤ パパスと優秀な軍師   作:寅好き

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リアルでは迫り来る中間テストに戦慄する日々です…


襲い掛かる魔物達!!

 床に前進するたびにヒビが入る床など気にする素振りすらなく前からは、銀色に鈍く光るボディーを持ったメタルドラゴンが三体、そして後退することさえも許さないとばかりに、後方からも一体のメタルドラゴンが迫っていた。

「まさか大神殿の門番をしていた魔物が普通に、しかも四体も現れるとはな…」

溜め息まじりにパパスは前後のメタルドラゴンに視線を向けながら呟く。

「へっ、いい準備運動になるからいいじゃねえか。俺は右のやつもらうぜ!」

バルバルーは溜め息をつくパパスの肩をポンと叩くと右前方から迫るメタルドラゴンに向かって走り出した。

「そうですよパパス様行きましょう!」

先ほどの動く石像の前で晒した失態を挽回すべくパピンもバルバルーと同様に左前方のメタルドラゴンに向かう。

「そうだな二人を見習うか。後方の相手はサンチョとレイシアとプオーン頼んだぞ」

「はい、お任せください」

パパスはサンチョ、レイシア、プオーンに指示を出すと、そのまま前方の中央のメタルドラゴンに向かった。

 一番最初に戦いに入ったのはもちろんバルバルーである。

メタルドラゴンは、巨大な足で踏み潰すべく、バルバルーに向けて足を降り下ろす。

「しゃらくせえ!」

降り下ろされる足を全て地獄のサーベルで打ち返す。

風を斬りながら振るわれる地獄のサーベルが巨大な金属の足と触れる度にガキンという金属音が辺りに響き渡る。

 幾度となく続いてきたが、先に折れたのはメタルドラゴンであった。

 メタルドラゴンの前足の間接部分が悲鳴をあげるかのように、スパークが表れ始めたのだ。

 バルバルーの攻撃に前足がついていけなくなっていた。

メタルドラゴンが前足をついた瞬間崩れ落ちるかのように両足が折れ、メタルドラゴンは前倒しになった。

「もう終わりか、つまらねぇ」

崩れ落ちながらも迫ってくる頭部にバルバルーは地獄のサーベルを降り下ろした。

切り裂くというより叩き潰し、牽ききるといったほうがあっているバルバルーの攻撃によりメタルドラゴンの頭部は原型がなくなるほど破壊されて、機能を停止した。

 二番手はパピンである。

バルバルーは全ての攻撃にこちらも攻撃で向かえうつといった戦い方であったがパピンは違った。

降り下ろされ地面に突き刺さる足を紙一重でかわし続ける。

 機械のメタルドラゴンだからこそあるパターンに縛られた攻撃は歴戦の強者であるパピンにとっては、とるに足らないものであった。

 全ての踏みつけを紙一重でかわし続けると、メタルドラゴンは噛みつこうと頭部ごと襲いかかった。

頭部はパピンをすり抜けた。

いや、消えたといった方が正しいのであろう。

噛みつく瞬間までは赤いカメラアイがとらえていた。

しかし次の瞬間には手応えもなく、パピンが姿を消していたのだ。

 対象を見失い辺りを見回すメタルドラゴンのすぐ上から声が聞こえた。

「終わりだ!」

直後、パピンのメタルキングの剣が頭頂部から顎を貫いた。

噛みつく為に襲い掛かってきた頭部に乗り移り、剣を突き立てたのだ。

メタルドラゴンは頭部を炎上させながら崩れ落ちた。

「皆やるな、私も続かなくては」

バルバルー、パピンの瞬殺劇を見てパパスもやる気になっていた。

こちらもパターン化された足の踏みつけを幾度となく繰り返していたが、鮮やかなステップで軽やかにパパスは回避しながらも、前に進み続ける。

両足が大きくあげられ、降り下ろされる。

両足が床にめり込みあたりに粉塵が舞い上がる。

 だがそのような大振りの攻撃には大きな隙ができるのも当然のことであり、パパスは既にメタルドラゴンの下に潜り込んでいた。

「ハアッ!!」

パパスは剣を突き上げた。

剣は見事に腹部に突き刺さる。

血液ではないが、黄色いオイルが流れ落ちる。

「終わりだ。魔神切り!!」

パパスは突き刺さったままの剣を強引に降り下ろす。

剣の切れ味とパパスの剣の技量によりメタルドラゴンは上半身と下半身を分かたれて、機能を停止させた。

「皆さん見事ですね。私たちの力も見せてあげましょう!」

ズシン、ズシンと迫り来る巨体にも物怖じひとつせずレイシアが前に立ちはだかった。

「機械の体ならこの呪文が役にたつはずです。初めてなので少し自信はありませんが」

レイシアはそう呟くと片手を後ろにひく、頭の中でのイメージは常に仲間の前に立ち、どんな敵にも屈したことがない、勇者である。

引かれた腕にバチバチと雷が迸る。

腕を前に突きだすと同時に

「ギガデイン!!」呪文が唱えられた。

発せられた呪文は一直線にメタルドラゴンを貫き体のあらゆる箇所に小さな爆発を起こさせていた。

「いきますぞ!」

爆発で揺れ動くメタルドラゴンの皮一枚で繋がっていたHPをサンチョが穿った。

ビッグボーガンから放たれた矢が顎から後頭部を一直線に貫いた。

メタルドラゴンはそのまま地に倒れ付し炎上した。

「皆ご苦労。もうこの程度の相手では我々の足止めにもならんな」

「ああもうちょっと歯応えがあるやつがいてほしいぜ」

パパスに呼応するようにバルバルーが発言する。

「パパス様。ここは魔王城です。再び気を引き閉めて行きましょう」

パパスを諫めるレイシア。

「そうだったな。よし気を入れ直して先を急ぐぞ」

 パパス一行は再び歩み始めた。

幸い道は一本道であり、メタルドラゴン以降、姿は不気味だがたいしたことのないエビルスピリッツやシュプリンガーなどしか出現せず、然程苦戦することもなく先に進みことができた。

 しかし、先を急ぐパパスの前に立ちはだかるようにかなりの強敵が前に立ちはだかった。

 出口の前に立ちはだかるのは、前回戦ったメタルドラゴンと同じ型ではあるが、黄金の体を持ち、体長はメタルドラゴンより一回り以上大きい約10メートル、黄金の城塞『メカバーン』が立ち塞がった。


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