ドラゴンクエストⅤ パパスと優秀な軍師   作:寅好き

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更新遅れて申し訳ありません。


打ち破れ、レイシアのトラウマ

 魔界への準備とジャハンナでの買い物での現在の仲間の装備

 

 

パパス

 

メタルキングの剣

グレートヘルム

メタルキングの鎧

水鏡の盾

マーサの肖像画いりロケット

 

 

パピン

 

メタルキングの剣

グレートヘルム

炎の鎧

ドラゴンシールド

 

バルバルー

 

地獄のサーベル

グレートヘルム

銀の胸当て

 

サンチョ

 

ビッグボーガン

シルクハット

銀の胸当て

鍋の蓋

 

プオーン

 

オリハルコンの牙

銀の胸当て

最後の鍵

 

レイシア

 

グリンガムの鞭

知力の兜

賢者のローブIN天使のレオタード

黄金の腕輪

 

以上が最終装備となります。

 

▽▼▽▼▽▼

 パパス一行は、ジャハンナの長老に魔王ミルドラースの居城が、ジャハンナから北の位置に存在する【エビルマウンテン】にあるという情報をもらいその場に向かっていた。

 しかしながら、【エビルマウンテン】は単純にジャハンナから北に向かえば良いのではなく、まず東に向かいそこから北上し、その後に北西に進むという道のりであった。

 ただでさえ長い道のりであり、更には魔界の魔物、ホークブリザード、煉獄鳥、バズズ、ギガンテス等の魔物がかなりの頻度で襲ってきたので気が休まる暇がなかった。

 やっとエビルマウンテンの姿が微かに目に見える位置にまで来たときであった。

 この日パパス一行は森に入っていた。

「全く慣れることはないな…」

「ええ、全くです…」

うんざりしたような口調でポツリと漏らしたパパスの呟きに、こちらも同じような口調で同調するレイシア。

彼らの前に広がるのは、紫色の樹皮を持ち、漆黒の葉を持つ木々が構成する森である。

 確かに地上に存在する森であれば、茶色の樹皮に癒しを与える生き生きとした新緑と、活力を与えられる物であるが、魔界のものはそれとは真逆のものであり、気を憂鬱にするものであった。

それだけではない、地上の森であれば、鳥の囀り、虫の鳴き声、川のせせらぎなど心を和ませる音があるのだが、この森では魔物のうなり声、何らかの叫び声、断末魔など気が休まるどころではない惨状が広がっている。

五感の内でも重要な視覚と聴覚をガリガリと削っていた。

「ん!!警戒しろ!」

突如パパスが声をあげる。

皆が警戒体勢をとる。

「赤い光のような物が見えたのだが…。」

パパスが視線を向けるが何もない。

気が緩みかけた時であった。

「避けろ!!」

パパスの怒号が飛び、皆がその場を離れた直後、皆が先ほどまでいた場所には巨大な矢が地面に深く突き刺さっていた。

その矢が通ってきたと思われる前方には、木々がなぎ倒された凄惨な状態となっていた。

 しばらくすると、〈ガシャン、ガシャン〉という機械音と、〈メリメリ〉という木々が折られる音と共に、見上げるほどの大きさの魔物が出現した。

赤く光るカメラアイ、濃い青色で鈍く光るボディを持ち、片手には巨大なボーガン、片手には切れ味鋭いサーベルを持ち、背にボーガンの替えの矢じりを背負い、安定した四本足を持つ魔物、キラーマシンが現れたのだ。

 皆は既に各々が武器を手に取り戦闘体勢を整えているのだが、一人だけ、腰から崩れるかのように膝を付いて震えている状態の者がいた。

 

「どうしたレイシア?」

 

キラーマシンを見てガタガタと震えるレイシアを見てパパスはただ事ではないと駆け寄ると、

「あ、あれは…」

と俯いて小さく呟いている。

パパスはキラーマシンを見てそういうことかと気づくことになる。

 キラーマシンは過去に不死となってはいたが、レイシアの心臓をボーガンで貫き深傷を与えた因縁の相手であったのだ。

ボーガンで貫かれた恐怖が蘇ったためとパパスは判断した。

 

「酷ではあるが、この恐怖をレイシアには克服してもらわねば」

パパスはそう考えると、皆を集める。

円陣を組み指示を伝えると、皆は頷きキラーマシンを取り囲むように陣取る。

「ハッ!」

先陣を切りパピンが斬りかかる。

しかし難なく巨大なサーベルを器用に動かし、全ての斬激を受け流す、後方からバルバルーも斬りかかるが、それも把握していたかのように素早い身のこなしでパピンを裁きながら避けきる。

プオーンも参戦すべく飛び立とうとした時には、ボーガンから矢が放たれ、プオーンの動きを完全に阻止している。

しばらく経ってもこの状況は変わらない、いや、悪いほうに向かっていた。

 パピンとバルバルーは攻撃を受け流された後に、人間では到底できない剣裁きで、返す刃で切りつけられ、プオーンは連続して射出されるボーガンの矢が段々と正確性を増してきて傷を受けるようになってきた。

 その様子をパパスは苦々しげに見つめ、レイシアに語りかけた。

「レイシアよ。お前の恐怖はよくわかる。しかしそれを分かった上で頼みたい。あの魔物を倒す為にはお前の力が不可欠だ。頼む力を貸してくれ。皆を助けてくれ」

パパスの懇願を受けたレイシアは顔を上げて、キラーマシンと仲間の戦いを見る。

仲間は傷つき、流血し、苦悶の表情を浮かべながらも必死に戦っている。

 その様子はレイシアの心に(仲間を守りたいと)深く響いたのだろう。

震える足に鞭を打ち立ち上がると、

「皆さん下がってください」

と指示をとばす。

その声を聞き、皆は笑顔で頷くと後方に下がった。

「いきます。メラゾーマ!!」

過去に瀕死のレイシアを救う為に、姉がキラーマシンに放った呪文。

そしてその姉に教えられた呪文でもあるメラゾーマで過去の因縁と共にキラーマシンを葬り去った。

 

パチパチと未だに燃え盛る動かなくなったキラーマシンをレイシアは眺めている。

後ろで皆がレイシアを見守っていると、

 

「皆さんは演技が上手いですね。信じてしまいましたよ。ですがありがとうございました」

振り向き、笑顔で感謝の意を伝えたレイシアは晴れやかであり、いつも以上に美しかったという。




PS2版にあったすごろく場を出そうか出さないか迷っている所です。

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