ドラゴンクエストⅤ パパスと優秀な軍師   作:寅好き

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それぞれの戦い

「バルバルーとパピンはラマダというやつの相手をしてくれ。

見た目で判断するのは危険だが、どうみても物理型だ。

レイシアはこちらを頼む、イブールは魔法特化と思えるからな。

サンチョとプオーンは待機で形勢不利な方に向かってくれ。

行くぞ!!」

パパスが開戦と同時に指示を出す。

「任せろ。」

バルバルーは大剣を構えて、パピンとラマダへ向かう。

「はい。」

レイシアはパパスと共にイブールへ向かう。

「来るぞラマダ、気を抜くな!」

イブールがラマダへ一言呟くとこちらもパパス達を迎え撃つべく構えをとる。

「出方を見るか、それとも突っ込むか。

どうするパピン?」

バルバルーがラマダの動きを逃さず見据えながら、少し楽しげにパピンに問う。

「相手は鈍そうですから一撃を受けないようにしながら突っ込めばいいと思う。」

パピンもバルバルーの問いに密かに笑みを浮かべて答える。

共に先ほどまでの連戦の疲れは感じさせない。

「来ないなら、こちらから行くぞ!!」

焦れたラマダが二人に猛然と突っ込み、巨大な棘つき棍棒を振り回す。

その棍棒は太さだけで大人1人分はあるといっても過言ではない。

ラマダの棍棒は振り回される度に回りのものを破壊する。

一撃でも受ければそく戦闘不能ものである。

しかしながら、バルバルーもパピンも軽やかな足取りで見事に全ての攻撃をかわしきる。

「おのれー!!」

攻撃が全く掠りもしないことからラマダは冷静ではいられなくなり、形振り構わず棍棒を振り回す。

大振りで降られた棍棒をかわし、ラマダの隙ができた所に瞬時にバルバルーとパピンは間合いに入り込む、

「攻撃とはこういうものだ、真空斬り!!」

「五月雨斬り!!」

バルバルーの大剣が空気を切り裂きながらラマダの横腹を大きく抉り、パピンの研ぎ澄まされた幾多の斬激がラマダに数多くの傷をつける。

「ゲハアッ!!」

血飛沫を撒き散らしながら後退するラマダへ、ここぞとばかりに二人は追撃を試みた。

しかし、ここでラマダは血を口から血を流しながらも、不敵な笑みを浮かべていた。

ラマダが腕を前につきだし、

「ベギラゴン!!」

と唱える、目映く、太陽がすぐそこにあるのではないかと錯覚するほどの閃光がバルバルーとパピンを包み込み、焼き尽くす。

『グハッ』

バルバルー、パピンの二人ともラマダが呪文を持っているとも思わず、また追撃に集中していたため真正面からベギラゴンを受けることとなった。

「くっ、俺は耐久力に関しては普通じゃねえから大丈夫だが、お前は大丈夫か?」

身体中に焼け焦げ、酷い火傷負いながらも、気丈に振る舞い、パピンに声をかける。

「もうし訳ないが、少し深手をおった、薬を飲むまで時間をくれ…」

息を切らしながらすまなそうに謝罪するパピンの表情には、悔しさも含んでいた。

「分かった。

そこで休んでいろ、俺1人でかたずけてやるよ。」

ラマダへ視線を向けようとした時には眼前に巨大な炎が迫って来ていた。

「ちっしまった!」

ラマダの追撃の激しい炎である。

今度はこちらとばかりに攻勢に出たラマダが間髪いれずに激しい炎をはきかけた。

迫りくる、避ける暇もない炎にバルバルーは咄嗟にパピンの前に出て、パピンが背負っていたドラゴンシールドを構える。

来るべき炎が降りかかるその時であった。

激しい炎より遥かに大きく、熱量を持った炎が横から激しい炎を飲み込んだ。

唖然とする二人に

「僕も手伝うよ!」

と助っ人が参戦を表明した。

 

――――

 

「フン!ハアッ!!」

「なんの。」

パパスの斬激を杖を使ってイブールは巧みに受け流していく。

「なかなかやるな、ではこれではどうかな?」

パパスはギアをあげ始める、初手は難なく受け流したイブールであったが、その怒涛の攻撃と、豪雨のように降り注ぐ数えきれない斬激を裁ききれずに、僧衣や身体に斬激の後と、血を滲ませる。

堪えきれなくなったイブールが息を吸い込む、

「お下がりください!!」

その一挙主を見逃さなかったレイシアがパパスに声をかける。

パパスは指示通りバックステップし、後方にさがるが、まだイブールの間合いであるために、ドラゴンシールドを構える。

イブールの口からは大気中の水分までも凍りつかせるのではないかと思えるほどの、冷たく耀く息が吐き出される。

「フバーハ。」

冷気がパパスを包み込む前に、パパスの身体がホンノリとした光に包まれる。

辺りは白く凍りつき、供物や調度品、はたまた柱等が芯から凍りつき砕けている。その様を見て勝利を確信したイブールであったが、すぐに驚愕を受ける。

後退し、凍りついたと思っていた筈のパパスが眼前まで迫っていたからだ。

「効かぬわっ!!」

レイシアの魔法により冷気を軽減されたことによりパパスは攻撃に転じていた、パパスの袈裟懸けの一太刀が空気を切り裂きながら、イブールの身体を捕らえた。

斬激の勢いが並大抵のものではなく、イブールはその衝撃に後方に吹き飛び壁にめり込んでいた。

「終わらせます。

メラゾーマ!!」

レイシアのイブールへの追撃の筈であった。

しかし、巨大な火球は放ったレイシアに向かい襲いかかっていた。


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