ドラゴンクエストⅤ パパスと優秀な軍師   作:寅好き

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断てるか、元凶ゲマとの因縁。

パパスが、ホイミによって生還する少し前

 

バルバルーサイド

 

「くらえ五月雨切り。」

バルバルーの威力、手数共に常識はずれの五月雨切りがセルゲイナスを襲う。「ウガー。」

セルゲイナスは、なんとかしと五月雨切りを止めようとハルバートを振るうが、バルバルーの大剣に触れることすらなく、無駄に終わる。そうこうしているうちにセルゲイナスは五月雨切りにより、数十、数百の斬撃が打ち込まれ、体全体に切断面から亀裂が入り、少しずつ崩れ始める。

「とどめだ。正拳突き。」

バルバルーは五月雨切りを止め、大剣を地面に突き立て、全力の拳を叩きつける。

バルバルーの拳は唸りを上げ、セルゲイナスの体に突き刺さる。五月雨切りにより亀裂が入り、崩れ始めていた体が、この一撃により粉砕される。

「意外に時間くっちまったな。それに体力も大分持ってかれた。パピンは大丈夫か?」

「そらそら。」パピンがゴールデンゴーレムを攻め立てる、パピンの怒濤の攻めを行うが、後ろから切りつけてくるゴールデンゴーレムによって一転防戦にはいる。

「数が多すぎる、それに体力的にもそろそろ限界だ。」

数えきれない数のゴールデンゴーレムを相手にして、もう一日中戦っているのではないかとも思われるほど、パピンは疲労していた。

周りはゴールデンゴーレムにすっかり囲まれている。

「万事休すか。」

パピンに最悪の結末が頭によぎる。

ゴールデンゴーレムは一斉にハルバートをパピンめがけて降り下ろす。

「しゃがめパピン!ギガスラッシュ。」

バルバルーの声に反応し、パピンはしゃがむと、パピンの頭上を雷を纏った斬撃が音速を越えた速さで過ぎていく。周りを見回すと、パピンを囲んでいた、ゴールデンゴーレムが上半身と下半身が離れ離れになり霧散している状態だった。

「やっと来てくれたか。」

「わりぃ、遅れた。思ったよりてこずってな。」

「二人で戦況を建て直すぞ。」バルバルーとパピンは背中合わせになり戦いを再開する。

 

 

「はあはあ。倒しても倒してもきりがねぇ。」

「ああ、やっと残りが数えられるぐらいにはなったが、もう剣を振るう力もない。」

パピンはそう顔をしかめながら弱音を吐くと、その手からメタルキングの剣が地面に落ちる。「ははは。握力が先に限界を迎えたようだ。これでは格闘技も使えんな。」

「パピン弱音を吐くな、と言いたいが、幻魔の俺も同じような状態だ。」

バルバルーは大剣を地面に突き刺すも、もう抜くこともできない状態である。

「私達はよくやったよな。」

「ああ、そうだな。」

「もう一度、嫁と息子に会いたかったな。あんまりいい父親じゃなかったな。」

パピンは回想し始め、死亡フラグをたて始める。

「パパスともう一度やりあいたかったぜ。」

バルバルーも諦め始めた。

その二人をゴールデンゴーレムが周りを囲い、一環した動作で、ハルバートをおもいっきり頭上から降り下ろす。

これまでか、という思いが頭をよぎった時だった。

「皆さん大丈夫ですか?危ない、アストロン。」

天使の迎えにきた声かとも思われたが、それは待ちに待っていた、仲間のレイシアの声だった。

ゴールデンゴーレムの降り下ろしたハルバートは、とのハルバートも鋼鉄と化した二人にあたり、刃が砕けたり、柄の部分が折れたりしていた。

「マジックバリア。」

レイシアは上下四方、レイシア、サンチョに魔法をかける。

「準備は整いました。サンチョさんも離れていますし、終わらせます。」

レイシアためていた魔力を解き放つ。

「イオグランデ。」

イオ系最上級の魔法、イオグランデが放たれた。その瞬間計り知れない爆発が部屋の中心で全てのゴールデンゴーレムと鋼鉄と化した二人を巻き込んでおこる。それとともに全てを破壊し、吹き飛ばす衝撃波が部屋中に波及する。

「私達もマジックバリアをかけていてよかった。」

レイシアがふぅとため息を吐く。部屋中爆発により荒れ果てた惨状になってはいたが、最初にかけておいたマジックバリアのおかげで崩れるようなことはなかった。

「すごい魔法ですね。残りは少なかったとはいえ、あれだけいたゴールデンゴーレムを、一網打尽に消し去るとは。」

「ああ、俺達が頑張って一匹、一匹倒していたのが馬鹿らしくなるな。」

アストロンが解けた二人は、周りの惨状を眺め、感想をもらす。

「お二人は大丈夫ですか?いま回復しますね。」

「大丈夫だ。それよりパパスとプオーンの方心配だ。俺達は後で向かうから先に行け。」

「はい。分かりました。では先にいかせてもらいます。」

レイシアはパパスとゲマが戦う場を目指して走り出した。

 

 

 

再開されたパパスとゲマの戦いは終始パパスが押していた、再開された後に放たれた冷たく輝く息を一度みたことにより、呼び動作で息を吐き出す直前に、ほんの少しのけ反るという動作を見切ったことにより、冷たく輝く息がフェイクか、フェイクではないかを見切ったことが、大きかった。

それにより、息を吸ったからといってすぐに回避する必要もなくなり、踏み込んで一撃を叩き込むことができた。

「はあはあ…、私がこのように追い詰められるとは。」

ゲマはパパスの攻撃から逃れる為に、空中に逃げていた。ゲマにはもい余裕がなく、体からは酷く出血をしていた。

「たかが人間ごときに。またもやこの魔法を、使うことになろうとは。」

ゲマは両手を天に向かってあげると、小さな赤い月かと思える火球ができあがる。

「まだまだ。巨大に、そして圧縮して…。くらいなさい、メラガイアー!!」

とてつもなく巨大なメラガイアーがパパスを襲う。以前の記憶が鮮明に思い出される。

「デュランにもらった命をゲマを倒す前に散らすわけにはいかない。しかしどうしたら…。」パパスは避けることも、受けることもできずに呆然としていると。部屋に入ってくる一人の姿。

「マホカンタ。」

パパスの体が青いオーラに包まれる。

メラガイアーがパパスにあたったその瞬間、メラガイアーが向きを変え、放ったゲマに向かっていく。

「まさか、マホカンタを使うとは。」

メラガイアーがゲマに直撃すると、火球が爆発し、壮絶な火柱が巻きおこる。火柱が上がる天井と床が赤くなり炭になっていることからも、その激しさがよく分かる。

火柱が収まると、ローブが焼け落ち、全身がいまにも朽ち果てようかというほどの、大火傷を負ったゲマが宙に浮いていた。「ゲハァ。これは…引かざるを…えませんか。」

「逃がしはせん。アルテマソード。」

空間が揺めき、姿を消そうとするゲマを、パパスが放つ闘気が取り囲む。

その闘気の檻ごとパパスは気を纏った剣で叩き切る。

ズガシャ。

なにかが割れる音と、切り裂く音が交じった音が鳴り響く。

ゲマは下卑た笑みを浮かべ

「一瞬遅れましたね。私はしぶといですよ。」と言い、パパスの剣がゲマをとらえる前に姿を消した。

「くそ、またもや逃げられたか。」

 

 

 

 

「はあはあ、この鍵は、絶対に渡すことはできませんからねえ。これさえ、こちらが押さえておけば。」

空を飛びながら、そのようなことを呟く、ゲマの前の空間が、揺らぐ。

「貴方は。このような所にどういったご用で?私を助けに来てくれたのですが?」

「…………」

「な、何を!?げぐぁ~っ!!。」


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