「まずはテメェからだ、亀野郎!」
キラーマジンガの怒涛の攻撃を掻い潜り、腹というか装甲に蹴りをいれ、後退りしたところでランドアーマーに向かっていく。振りかぶった大剣を降り下ろす、ランドアーマーは亀特有の首を引っ込めた状態で守りにはいる。二倍の威力の剣は今までのように弾かれることはないが、それでも甲羅を傷つけることしかできない。
「クソッ、大防御か。狙えば防御、狙わなければ横槍ふざけやがって。」
愚痴を溢している暇はなかった。少し戦線から離れていたキラーマジンガがまた攻撃に加わる、剣と金槌の攻撃は早い上に、一撃一撃が重い。
「そうか見えたぜ、お前らの倒しかた。」
バルバルーはバックステップをし、間をあける。大剣を下段に構え守りの体制に入る。
「ねえ、パパスさん。バルバルーさんは大丈夫なの?」
「大丈夫だ。アイツの狙いは分かった。」
毎日のように訓練を共に積んできたパパスには確信めいたものがあった。
下段に構えたバルバルーにキラーマジンガが襲いかかり、少し斜め後方にランドアーマーがいつでも割って入れるように控えている。剣による攻撃は斜め前に進みながら、大剣を斜めにし流す、次の金槌の攻撃を自分にあたるギリギリまで引き付け、すんでのところでさける。金槌はバルバルーではなくバルバルーのすぐ後ろにいたランドアーマーを捕らえた。いくら甲羅が硬くても、丸出しの頭に当たればひとたまりもない。ランドアーマーはキラーマジンガの金槌により頭を粉砕されいきたえた。霧散していくランドアーマーを見ながらバルバルーはにやりと笑った。
「次はテメェだ。ガチで勝負だ。」
キラーマジンガとバルバルーの攻撃がぶつかり合う、流石に機械であり、ランドアーマーがいなくなっても変わらずに怒涛の攻撃で攻めてくる。先ほどと同じ様に剣の攻撃は受け流し、迫る金槌を持った腕を掴み動きを止め、開いた脇腹を大剣で凪ぎ払うように一閃する。キラーマジンガもかなりの防御力を誇るが、二倍の威力を持ったバルバルーの攻撃の威力には耐えられず深手をおう、ぐらついたところに後ろに周る
「面白かったぜ。」
バルバルーがキラーマジンガに呟くと、キラーマジンガは真っ二つに両断された。
「敵ながら見事だ。素晴らしい戦いであったぞ。」
「ふん。テメェに見せるために戦った訳じゃねえが、賛辞だけは受け取っとくぜ。」
デュランの称賛を悪態をつきながらも受け取ったバルバルーはツンデレ属性を秘めていた。
帰ってきたバルバルーにパパス、パピンなどがハイタッチをし、プオーン、サンチョ、レイシア、プサンが労いの言葉をかける。バルバルーはまんざらではなさそうな表情をしていた。
「よし、次だ。第二回戦は、この私に魂を捧げし世界最強の男〈偽〉だ。」
デュランがそう言うと、黒いローブを目深に被った男がどこからともなく現れる。
しかし、パパス達は驚くことなく疑問符を浮かべる。純粋なプオーンがデュランに
「〈偽〉ってなに?」
と率直に聞く。「多分大人の事情だから聞かないであげるのが優しさなんですよ。プオーンちゃん。」
「そうなんだごめんなさい。」あわててレイシアが優しくプオーンをたしなめるとプオーンは素直に謝り場は治まったと思われたが武士道精神をもったデュランが遠い目をして話始める。
「〈偽〉というのは文字通り偽物と言うことだ。この男自体はは遠い過去に実在したものだ。純粋に力を求め生前の私に魂を捧げた人間だ。男の姿形、性格、言動、強さは私の記憶をもとにして、ジェリーマンにモシャスさせている。そのための〈偽〉だ。」
「正直者だ。敵であってもあっぱれだ。」
「本当ですね。ゲマのような嫌らしさが全くありませんね。」
デュランが正直に話したことにより、パパス達の好感度は大幅にアップした。
ジェリーマンもとい、男は黒いローブを脱ぎ去った。流れるような銀髪に、切れ長で涼しげな目付き、顔はかなり整い、かなりのイケメンであった。青を基調にした帽子、服に鎧を着て、背中に剣を携えている。
「俺の名前はテリー。俺の相手は誰だ。なんならまとめてかかってきても構わないぜ。」
自信満々に話すテリーに怒りを表す人物がいた。
「パパス様。私に殺らせてください。私はイケメンが大嫌いです。その上あの態度殺意が湧いてきました。」「あ…ああ。ではパピンよ頼んだ。」
「任せてください。あの面人に見せれないようにしてやります。」
パピンの気迫に押されてパパスは了承した。
「なんだ、俺の相手はお前か。かっこよさでは勝負にならないな。まあ強ければいいがな。」
「全力で殺す。(主に顔面を念入りにたたく)」
「大丈夫でしょうか?相当挑発に乗ってしまっていますが。」「ああ。パピンはグランバニア一の戦士だ。私は信じている。話は変わるが、レイシア、お前はイケメンは嫌いなのか。ああいう男であれば普通女であれば黄色い声をあげると思うのだが。」
「あまり趣味ではありませんね。まあその話はおいおい話しますよ。」
「分かった。」
チェス好きパピンVS引換券テリーの戦いが始まる。
おまけ
「坊っちゃんはああいう男になってはいけませんよ。
E大金槌
E鍋のふた
Eステテコパンツ
Eシルクハット
でも十分生きていけるのです。この世界(Ⅴ)ではかっこよさなんて関係ないんです。」
戦場の片隅でサンチョがリュカになにやら話をしていた。