ドラゴンクエストⅤ パパスと優秀な軍師   作:寅好き

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今回の更新したのち少し間が空くかもしれません。すいません


哀れなキングレオ

パパス達の修行はまだ再開されないということなので、パパスは朝から王としての勤めを部屋にこもって行っていた。

カリカリカリカリとペンの音が部屋の中に響いている。

そんな静寂を簡単に打ち破る凄まじい音がグランバニア近くの平原から聞こえてくる。

それと同時に兵士が王の部屋に情報を伝えに急いでやって来る。

「はあ。またか…一体何度めだろう…今度は何が起こったのだ。」

パパスは疲れた様子で部屋に入ってきた兵士に問いかける。

「は、はい。今度は無数の隕石が平原に降り注いだようです。」

「わかった。下がってよい。」「はっ」

兵士が部屋からでていくのを見て、パパスは大きなため息をついた。

あれは、レイシアがキングレオを連れて平原にいってから少したった時のことだった。

平原からなにかでかいものが破壊されるような音が聞こえてきたり。

山のように大きな巨人が突然現れたり。

はたまた、メタルスライムが大量に発生したり。

医務室で治療を受けていた兵士を含め城じゅうの怪我人の怪我がすっかり治癒するなどの、なにか計り知れないことが度々起こっていたのだ。

その度にパパスは頭を抱えていた。

まず間違いなく、ここまでの一連の珍事はレイシアが起こしているだろうということが、容易に想像できた。

「あと、何回このようなことが起こるのだろう。」

と呟いてため息をはくパパスであった。

 

平原

平原は凄まじい状況になっていた。

クレーター状の穴が無数に空いていたり、巨大な足跡が残っていたりともう平原だったということが分からない状態である。

その場にいるレイシア、キングレオも同様に酷い状態であった。

レイシアの着る賢者のローブは高い防御力を誇っているはずなのに、ボロボロになっており、それを着ているレイシアも見る影がないほどにボロボロになっている。キングレオも同様に傷だらけになっている。

レイシアは自分にベホイミをかけ回復する。

「しぶといですね。

まだ本命の効果が出ていませんが、まだ口を割らないとは。

さすがに魔物の大将をこなしているだけのことはありますね。」

「ふん。この後にどんなことがあろうと口を割ることはない。」

レイシアが送った賛辞を受け流し口を割ることはないと断言するキングレオ。それを聞いたレイシアは

「今度こそ本命の効果出てくださいね。パルプンテ」

レイシアが呪文を唱えると急に、快晴だった天気が曇りだし、周りは暗闇に包まれる。

「やった今度こそ本命の効果だ。」

レイシアが喜ぶと。

なにかが遠くからやって来る。

なにかとてつもなく恐ろしく、威圧感が半端でなく形容し難いなにかが。

キングレオはその底知れね恐ろしいものに身震いをし逃げ出そうとするが、体は鎖で何重にも拘束されているので動かすことができない。

「いつみても凄いですね。

何て言ったって、邪神が尻尾を巻いて逃げ出すほどのものですからね。

マーサ様のことを話したくなったらいってくださいね。

まああと少しで来てしまいますから、時間はそうありませんよ。」

レイシアは顔面が蒼白になり、今にも発狂しそうなキングレオに笑みを浮かべながらそのように告げた。

今まではどんなに傷つけられようが(流星群や巨人の踏みつけ)口をわることはなかったが今回のものは桁、いや次元が違う。

心や精神がズタボロにされ、金色の体毛も底知れね恐怖によって白くなっていく。キングレオの心が折れた。

「お前達の聞きたいことはすべて話す。頼むからあれを消してくれ。」

キングレオが懇願すると、レイシアは満面の笑みを浮かべた。

 

城内でもいきなり天気が悪くなり、暗闇が訪れ、強烈なプレッシャーていうか威圧感、底知れね恐怖に全国民が動くことすらできなくなっていた。

その呪縛のような状態から解き放たれ、約一時間ほどたつとレイシアが帰ってきた。

パパスはレイシアが帰って来るなり

「マーサの情報はどうだった?」

と聞くと、レイシアは笑みを浮かべて頷いた。

パパスは喜び勇んでいつものメンバーを会議室に召集した。

 

おまけ

「レイシアよ。先程この城がなにか、底知れね恐怖に包まれることがあったが、あれはなんだったのだ?」

「あれがなかなか口を開かないキングレオから情報を聞き出すための最終手段です。

邪神でさえも恐れおののき逃げ出すほどのものを。

逃げられない状況にして眼前につきだしたのです。

キングレオの顔はたいそう見ものでしたよ。」

とクスクスと笑う。

その黒い笑みを見て、そこまでの話聞いたパパスはレイシアが恐ろしくドSだと思ったが、恐ろしくて声にはださなかった。そして確信に踏み込む

「でその正体とはなんなんだ。」

「さあ、私にもわからないのですよ。

まあ推測するに、〈現実に訪れた悪夢〉というのがちょうどいいんではないでしょうか。」

笑いながら話すレイシアを見てなにもいえないパパスであった。


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