「それではゲーム開始なのです!」
※※
さて、白夜叉さんとゲームをすることになったんだけど──白夜の“精霊”じゃなくて“星霊”らしい。
それで星霊は箱庭の中でも最強種に位置するらしく、その中でも白夜叉さんは本来なら2桁の外門に所属しているらしい。
どのくらいすごいかというと、比較対象で父さんたち
───いや、3人でそこまで行くのも凄いんだけどね。
──まぁ、何が言いたいかと言えば、
「
「
『
「─────行きます!」
「うむ、初手は譲るぞ」
初撃を譲ってくれるらしい。なら、まずは視覚に雷速瞬動で入って一撃入れようかな。
「
雷華崩k──『ふむ、やるの』───なっ!」
「───ゴフ!」
痛っつ!
「カカッ、惜しかったの。まさかおんし自身が雷化するとは思わなかったわ」
いや、確かに何度がやれば迎撃はされると思ってたけども。
でもさ、ラカンさんでも初見でまともにくらったものを、完全に見切ってカウンターして来たんだよ!
ほんとに一筋縄じゃ行かないか。
「さて、面白いものを見せてもらった礼じゃ、耐えて見せよ」
さて、白夜叉さんが両手に熱─いや、火かな。分かりにくいけど何かを集め始めたけど───あれだね、やばい感じしかしない。何としても止めないと
「
『
行けるか──
「惜しかったの『
※※
「───ッハァ、ハァ」
「ほう、回避しよったか」
ふむ、結構大規模に打ったんじゃが、ほとんどダメージはなさそうじゃの。
それにしても自身の雷化か、魔法使いとはいえベースは人間のはず、精霊を宿すとかならばともかく雷化など聞いたことないのだが。
まぁ、それを置いておいても凄まじいの。これで17歳など信じられん。少なくとも個人戦力として5桁、もしやすると4桁にまで届くやもしれんの。
「───よしっ!行きます!」
ふむ、考えはまとまったようだの。
「うむ、全力で来るがよい!」
「
「
む、これは
「───ホッ、ヨッ、ハァッ!くく、なるほど常時雷化か!」
なるほど、これならば先のような
「なるほど、なかなかやるの! これで最後じゃ『
広範囲殲滅系じゃ、逃げ場はない。おんしはどうする。
※※
『術式兵装、雷天双壮』
…なんだあれ。
「おい黒ウサギ、何がどうなってるかわかるか」
「確証はないのですが、見た感じだと自身の雷化かと思われます。」
雷化か…それを瞬動とやらと組み合わせて使ってるわけか。
にしてもずっと光ってるせいか目が痛い。
「ねぇ、十六夜君は見えるの? 私には周辺がずっと光っててて何が何だか分からないのだけど」
「(───コクコク)」
「いや、俺も全部が全部見えてるわけじゃないぜ。黒ウサギはどうだ」
「黒ウサギもギリギリですね。ネギさんの雷化も想像の域を出ませんので」
「そう。ちなみに今どんな感じか分かるかしら?」
「そうですね、先程から近接戦闘を主体に戦っています。
…なんで白夜叉様は素手で雷と対峙できるのでしょうか」
言われてみれば確かに
あぁ、どっかでネギと戦ってみてぇな。
「─────これで最後じゃ『
お、これが最後か──ってどうすんだこれ。
※※
「─────これで最後じゃ『
あれはまずいかな。しかも範囲が広すぎて逃げ場もないし、迎撃しないと
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル、契約により我に従え高殿の王、来たれ巨神を滅ぼす燃ゆる立つ雷帝、百重千重となりて走れよ───」
これで!───ん?寒気がs
「ハックシュン!」
「なっ!?(唖然)」
あ、ヤバ。
って、地面にぶつかる───
「───ッいてて。ハッ、白夜叉さんは!?」
「おー、ここじゃよー」
埋まってる!?
「だだだ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃよ。ダメージも特にないでの」
ホッ、良かった。
「すみません。どうにもクシャミをすると魔力が暴走してしまって…」
「ふふ、良い良い。それと面白いものも見れたでのゲームはクリアじゃよ」
あ、契約書類が…うう、なんか納得がいかない。
「そう落ち込むでない。それにそろそろあ奴らも来るだろうしな」
あぁ、十六夜君たちかな
「おーい今のなんだったんだよ。見た感じネギが雷になったように見えたけどよ」
「その通りですよ。魔法で僕自身が雷化できるようになってるんです」
「雷化って…魔法ってホントすげぇな!──ッと、お嬢様たちも来たか」
あ、ホントだ
『ネギ(君/さん)すごい!───』
おおぅ、いっぺんに喋られても分からないんだけどな。こういうのは麻帆良で慣れたと思ってたんだけど。
「これこれおんしら、その変にしておけ。さて、ギフトゲームをクリアーしたおんしらには“
「あ、でしたら“恩恵”の鑑定をお願いしたいのですが」
「よ、よりにもよってギフト鑑定か。私にとって専門外どころか無関係なのじゃが───そうじゃ、良いものがあったわ」
そう言って白夜叉さんが柏手を打つと僕らの前に光り輝くカードが現れた。
十六夜君にコバルトブルーのカードが。
飛鳥さんにワインレッドのカードが。
耀さんにパールエメラルドのカードが。
そして僕の元にはホワイトのカードが。
そして表面には僕の名前と、ギフトネーム“魔法使い”“不老不死”
僕らがカードを受け取り眺めていると、黒ウサギさんが驚いたような顔でカードを覗き込んできた。
「ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「じゃあパクティオーカード?」
「ち、違います!というかなんで皆様そんなに息があっているんですか!?しかもネギさんに至っては『じゃあ』って何事ですか!」
いや何となく乗った方がいいかなと思ってね。
「で、結局これは何なんだ?」
「全くもう。これはギフトカードと言いまして、顕現しているギフトを収納することが出来るのですよ!
耀さんの“生命の目録”やネギさんの持っている杖なども収納出来るのです!」
「ふーん。つまり素敵アイテムってことでオッケーだな」
「だから何でそう適当に流すのですか!」
2人のやり取りを見てた白夜叉さんが笑いながらギフトカードの説明をしてくれた。
「そのカードは正式名称を“ラプラスの紙片”という。そこに刻まれるギフトネームはおんしらの“恩恵”の名称だ。」
「ふぅん。じゃあ俺のはレアケースだな」
「なんじゃと?」
そう言って白夜叉さんに釣られ、僕達も十六夜君のギフトカードを除きみる。
そこにはギフトネーム“
「そんな馬鹿な」
実際白夜叉さんが不可解な目で十六夜君を見てることから、この箱庭でも異常なことなんだろう。
※※
その後僕達はサウザンドアイズを後にし、ノーネームの居住区画にたどり着いていた。
そして魔王との戦いの名残を呆然と眺めていた。
僕らが見たノーネームの光景は、人工物を何百年もの間放置して置いたように見えるほど酷く崩れ去っていたからだ。
「………おい、黒ウサギ。魔王のギフトゲームがあったのは───今から何百年前の話だ?」
「僅か三年前のことです」
「ハッ、そりゃ面白いな。いやマジで面白いぞ。この風化しきった町並みが三年前だと?」
十六夜君はそう言って目の前にある木材を軽く掴むが、ボフンッと言った感じで壊れてしまった。
「魔王か───。ハッ、いいぜいいぜいいなオイ。想像以上に面白そうじゃねえか!」
はい、なんかもう、ほんとにお久しぶりですね。
とりあえず書けたんで投稿します。
ご迷惑をお掛けしました。
さて、今回も読んでいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに〜