魔法先生も異世界から来るそうですよ!   作:さゆとき

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第3話

 

「黒ウサギ。オマエ、何か決定的なことをずっと隠してるよな?」

 

 

 ※

 

 

「─なんのことです?箱庭やゲームのことはお話しすると約束しましたが」

 

「ちがうな。俺たちが聞いてるのはお前たちのことーーいや、革新的な聴き方をするぜ。

 黒ウサギ達は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 黒ウサギさんの動揺が目に見えてわかった。

 黒ウサギさん達が意図的隠していたことだから。

 黒ウサギさんが黙ったまななので十六夜君が続ける。

 

「これは俺の勘なんだが、黒ウサギ達のコミュニティは弱小チームか、訳あって衰退したチームなんじゃないか?だから俺たちはコミュニティの強化のために呼ばれた。

 そう考えれば今の行動や俺がコミュニティに入るのを拒否した時に本気で焦ってたのにも納得がいく───どうだ100点満点だろ?」

 

 十六夜君がこっちを向いてきた。僕も話せということかな?

 

「それで、その事実を隠していたのなら、僕達はまだ他のコミュニティに入れてしまうと思うんですが、その辺どうです?」

 

「────」

 

「沈黙は是なり、だぜ黒ウサギ。この状況で黙り込んでも状況は悪化するだけだぜ。それとも他のコミュニティに入ってもいいのか?」

「や、だ、駄目です!いえ、待って下さい!」

「だから待ってるだろ。ほら、さっさと話せ」

 

 十六夜君は川辺にあった手頃な石に腰を下ろして、僕は立ったまま黒ウサギさんの話を聞こうとする。

 

「───話せば協力していただけますか?」

 

「ああ。面白ければな」

「話の内容次第では」

 

 

「わかりました。それでは黒ウサギもお腹をくくって、オモシロオカシク、コミュニティの現状をお話しさせていただきましょう」

 

 ※

 

 

 話を聞いたところ、黒ウサギさんのコミュニティは

 

 ・“名”と“旗印”が無く、“ノーネーム”という別称で呼ばれる

 

 ・中核をなす仲間が1人もいなく、122人中120人が10歳以下の子供

 

 ・これらは魔王によって起こされた

 

 という状況らしい。もう壊滅状態だね。

 ていうか、十六夜君が魔王の名前を聞いた時の反応がすごかった。

 だって、瞳が新しい玩具を見つけ子供みたいにキラッキラしてたんだもん。挙句にぶっ倒すとか言ってるし…バトル脳すぎる。

 

 まぁそれは置いといて、黒ウサギさんにコミュニティの現状を聞いた後、十六夜君が《“名”と“旗印”を新しく作ったら駄目なのか》と聞くと、黒ウサギは《可能だが、仲間達の帰ってくる場所を守りたい》と、傍目から見てもわかる本心からの言葉を口にした。

 そして──

 

「茨の道ではあります。けど私達は仲間が帰る場所を守りつつ、コミュニティを再建し───

 何時の日か、コミュニティの名と旗印を取り戻して掲げたいのです。

 その為には皆さんのような強力なプレイヤーに頼るほかありません。

 どうかその強大な力、私達のコミュニティに貸していただけないでしょうか!」

 

 深く頭を下げてきた。

 僕らは少し考えた後、

 

「いいな、それ」

「いいですよ」

 

「────は?」

 

 ありえないものを聞いたかのように、黒ウサギさんは2、3度聴き直してきた。

 

「え───あ、あれれ? 今の流れってそんな流れでございました?」

 

「まぁそうですね。

 十六夜君達は、元の世界から抜け出したくて呼ばれたんです。『コミュニティを再建する』、そのくらいの目標があるくらいの方が楽しめるでしょうしね。

 それに僕も立派な魔法使い(マギステル・マギ)を目指す為に困ってる人を助けるのは当然ですからね」

 

「そういうことだ、黒ウサギ。俺らはお前らに協力する。だからもっと喜べ」

 

 十六夜君がそう言うと、黒ウサギさんの髪が淡いピンク色に変わり、〈パァ〉っていう擬音がつくぐらいの笑顔で、

 

「───はいっ!」

 

 そう、いい笑顔で返事した。

 

「それじゃあ箱庭に行きましょう」

 

「YES! これから箱庭に案内させていただくのですよ♪」

 

 




どうもお久しぶりです。

少し時間を空けた割に、内容が少なすぎる。という現状ですが、これから増やしていければと思っています。





来年もしっかり投稿していきます!
それでは

『良いお年を〜』



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