魔法先生も異世界から来るそうですよ!   作:さゆとき

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第2話

 あの後僕たちは、黒ウサギさんに箱庭についての説明やルールを聞き、黒ウサギさんの案内で、箱庭へと向かっている途中…

 

「なぁネギ、今から世界の果てでも見にいかねぇか?」

 

 十六夜君がそんなことを言ってきた

 

「箱庭にはいかなくていいんですか?」

 

「いいんじゃねぇか?どうせすぐ入ってすぐ帰って来ればいいんだし。あんだけデカイ天幕があれば迷うこともなさそうだしな」

 

「うーん……それもそうですね。それじゃあいきましょう♪」

 

 あっ、そうだ

 

「飛鳥さん、耀さん」

 

「なにかしら?」「なに?」

 

「黒ウサギさんに『世界の果てまで行ってきます。暗くなる前に帰ります。』って伝えてもらってもいいですか?」

 

「えぇ、いいわよ。面白い話があったら後で聞かせてちょうだいね」

 

「もちろん!それじゃあ行ってきますね……行こうか、十六夜君。」

 

「おう、了解だぜ」

 

 そうして僕らは世界の果てへと向かった。

 

 

 ※※

 

 

 僕らは、女性陣から離れて森林の中を移動している………が、

 おかしい……、だって十六夜君普通の人間だよ!?、僕みたいに瞬動を使ってるわけじゃなくて身体能力だけでそこまで速いって過ごすぎない!?

 

「十六夜君ほんとに人間!? 恩恵があるからって早すぎない!?」

 

「これか? どーにも俺のギフトの上澄みの効果らしいぞ」

 

「上澄みでそれっておかしくないかな!? どんな恩恵なんですか!!」

 

「ヤハハハ! 俺もよくしらねぇ。

 それよりもネギのその動きはなんなんだ?どうにもよく分からねぇんだが」

 

「これですか?これは瞬動って言って10mくらいの距離を一足飛びで移動する技ですよ」

 

「へぇ、やっぱおもしれぇな。今度どっかで勝負してぇな………っと、ついたか?」

 

 いつの間にか滝の麓に来ていたようだ。

 少し霧もかかっていて、探索するには男の子心をくすぐるちょうどいい環境になってる。

 

『ブクブクブク』

ん?なんか水面が泡立ってきたような…

 

『ゴゴゴゴゴゴ』

今度は地響きが…

 

『よく来たな小僧ども。我は【トリニスの大滝】に住む水神の眷属である。ぬしらに試練を与えてやろう、知恵か勇気、どちらかをクリアーすれば勝利としてやろう』

 

 なんか蛇の数100倍ありそうな蛇が出てきたんだけど…なんか神様っぽい感じがするんだよねぇ。

 ていうか試練ねぇ、どうしようか。

 

「十六夜君、どうする?」

 

「んー。今回は俺が行かせてもらうぜ!

ーーー上から目線でどうもありがとよ。それじゃあ…テメェが俺を試せるかどうか試させてもらうぜ!」

 

 

 …十六夜君、いきなりお腹を蹴飛ばすのはどうかと思うよ。しかもなんで気や魔力で強化したりしてないのにあの巨体を吹っ飛ばせるのさ…

 

「この辺りのはず………」

 

「あれ、黒うさ……ピンクうさぎさん?」

「いえ、黒うさぎなのですよ!?」

 

 黒うさぎさんが現れた……髪をピンク色にして…

 

「もう、いったいどこまできてるんですか⁉︎」

 

「“世界の果て”まで来てるんですよ、っと。まあそんなに怒るなよ」

 

 十六夜君が小憎たらしい笑顔で答えている。

 

「しかし黒ウサギさん速いですね。こんなに速く追いつけるとは思ってなかったですよ」

 

「むっ、当然です。黒ウサギは“箱庭の貴族”と謳われる優秀な貴種です。その黒ウサギが………………(黒ウサギが半刻以上もの時間、追いつけなかった……?)

 

 あれ?急に黙っちゃった?

 まあ、それよりも、

 

「ところで黒ウサギさんは何しに来たんですか?確か耀さんに伝言を頼んだはずなんですが…」

 

 

「そ、そうでした。お二人様が無事でよかったです。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしたんですよ」

 

 あ、

 

「水神?………ああ、あれのことか?」

 

「へ?」

 

 実は…

 

『まだ、まだ試練は終わってないぞ、小僧‼︎」

 

「もう既に、十六夜君が喧嘩をふっかけちゃいました」

 

「なぁ…なにをしてるんですか十六夜さん。って、どうしたらこんなに怒らせられるんですか!?」

 

 黒ウサギさんが唖然としてる。じゃあ顛末を話してあげましょう。

 

「えーっと、僕らが滝に着く→水神が出現→水神が試練を選べと行ってくる→十六夜君が反論して『試せるのかどうか』試し始める→十六夜君が水神を蹴り飛ばす→黒ウサギさんが来る→現在。こんな感じですね」

 

「まあ、そんな感じだな。結果は、まぁ残念なやつだったが」

 

『付け上がるなよ人間風情が!我がこの程度倒れるか‼︎』

 

 水神が叫び、牙と瞳を光らせている。

 

「十六夜さん、下がって!」

 

「なに言ってやがる黒ウサギ、下がるのはテメェだろうが。この喧嘩は俺が売って、奴が買ったものだ、邪魔すんならまずテメェから叩き潰すぞ」

 

 あれは邪魔したら本気で殺されるだろうなぁ。黒ウサギさんも始まったゲームに手出しできないのを思いだしたみたいだね。

 

『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』

 

「はっ、寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ(・・・・・・・・・・・・)

 

 十六夜君、それは傲慢すぎないかい?水神も黒ウサギさんも呆れてるよ。

 

『フンーーその戯言が貴様の最後だ!』

 

 川の水が巻き起こり、水神よりも高い、竜巻く3本の水がまるで生き物のように、十六夜君に襲いかかる。

 木々をねじり切るほどの威力の攻撃が十六夜君に当たる……

 

「ーーはっーーーしゃらくせぇ」

 

 わぁお、あの威力の攻撃を、殴り飛ばすって……やっぱりおかしいんじゃないかな。

 って、まだ1本残ってるじゃん。

 避けたら……黒ウサギさんに当たるね。

 

「ラス・テル・マ・スキル・マギステル風陣結界(リーメス・アエリアーリス)

 

「嘘!?」

 

『馬鹿な!?』

 

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

 竜巻を十六夜君が殴り飛ばしたら、水神と黒ウサギさんが放心して、そこに十六夜君が水神の胸元を蹴り飛ばした。

 その衝撃で川が氾濫して、全身が濡れたんですけど……

 

「あぁもう、服が濡れちゃったんですけど」

 

「あぁ、悪かったな。クリーニング代くらいは出るんだよな黒ウサギ」

 

 僕らが冗談を言いながら黒ウサギさんに聞くが、何か考え事をしてるせいで、いっこうに反応がない。

 まぁそれよりも

 

「ねぇ黒ウサギさん?水神からギフトととかってもらえないんですか?十六夜君ゲームクリアだと思うんですけど…」

 

「あ、そうでしたね。それでは今から水神様に聞いてきますね」

 

 水神のところに行きギフトをもらえたようで大喜びの黒ウサギさん

 

「きゃーきゃーきゃー♪こんな立派な水樹の苗を貰いました!これがあればよそのコミュニティから水を買う必要がなくなります!みんな大助かりです!」

 

 おぉ、喜んでる喜んでる、けど……

 

「十六夜君どう思う?」

 

 僕が真面目な声音で聞くと

 

「あぁ、ネギの考え、多分間違ってないぜ」

 

「どうするの?」

 

「とりあえず黒ウサギの話を聞いてから考えるだな。じゃなきゃ判断のしょうがない」

 

 それもそうだね、

 

「お二人様見てください、こんな大きな水樹の苗をいただきましたよ!」

 

 黒ウサギさんも戻ってきたし質問タイムと行こうか。

 

「あぁよかったな黒ウサギ。だがひとつ聞かせてもらうぞ。

 黒ウサギ。オマエ、何か決定的なことをずっと隠してるよな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここで区切らせていただきます。ちょっと今日中に投稿したかったので。


それでは今回も読んでいただきありがとうございました。
質問等は感想のところで受け付けます。


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