ルルーシュと麦わら海賊団   作:みかづき

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最終章 黒の反逆編
最強決戦 赤の決意


 

 

 

騎士団の団員達は“いま”を覚えているだろうか。

多くの時が流れても、それを覚えていることができるだろうか。

それは平和な日常の中で少しずつ記憶の彼方に埋もれていくのではないだろうか。

この灼熱の刻も、時が流れれば、いつか歴史の中に消えていく。

後年、ある歴史学者が、黒の騎士団の最後の団員にインタビューをとった。

 

“なぜ、戦うことができたのか?”

 

黒の騎士団・総員1万7000人に対してブリタニア軍は8万5000人。

こと軍事においては、数の有利は絶対なものであり、

戦略・戦術をもっても、この差を埋めることは難しい。

しかも、この戦いは突発的なものであり、戦術・戦略はなかった。

では、この絶望的な状況で、なぜ戦うことができたのか?

第二次ブラック・リベリオンにおいて、その背景には未だに多くの謎を残している。

だが、最大の謎は、なぜ、騎士団は戦うことができたのか、ということに尽きる。

その直前まで、ゼロを見捨て、

裏切り者と呼ばれようとも生に固執した彼らを変えたのは一体なんだったのか。

その質問に対して、黒の騎士団最後の1人である老人は、ただ一言呟いた。

 

 

  あなたも、あの時、あの場所にいればわかる。

 

 

歴史学者はその回答を理解することはできなかった。

老人は静かに笑う。

あの時、黒の騎士団は絶望の中にいた。

戦士としての誇りを忘れ、裏切り者の犬として生き残るだけの人生。

その暗闇の中に、たった一筋の光が差し込んだ。

それは、自分達が捨てた誇りの欠片。

自分達は、それを取り戻すため、走り出した…ただそれだけだった。

あの光を掴みさえすれば…ゼロを守るため戦うだけでよかった。

それだけで、裏切りも、卑劣さも、醜さも、生への執着も、いままでの全てを消して

自分達は自分達に戻ることができる。

自分達の信じた“黒の騎士団”に戻ることができる。

たとえ、その結果、戦場で果てようとも、自分の意志を受け継ぐ仲間がいる。

たとえ、全滅しようとも、ゼロが生きていれば、必ず自分達の意志を継いでくれる。

この戦場に無駄死になどない。

ただ、戦うことで…前へ、ただ前へ進むだけでいい。

それだけで、自分達の全てを肯定できる。

生も死も、勝利も敗北も、今までの人生の全て肯定できる。

ああ、それはなんと幸せなことだろう。

あの時、あの場に仲間と共にいれたことはなんと幸福なことだろう。

 

その数日後、彼は亡くなった。

その人生の最後、脳裏を過ぎったのはあの灼熱の風と戦友達の背中。

それは、時が過ぎても消して色褪せぬ記憶。

彼が黒の騎士団の団員であった証だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「離せ!離さんか!このイレブンが!」

 

団員をスピアで串刺しにした騎士は叫んだ。

彼は、ブリタニア帝国・本隊から派遣されたナイト。

その武器である巨大なスピアで団員を貫いた時に、浮かんだ歪んだ笑みは直後、

驚愕に、そしてすぐに恐怖に変わった。

絶命したと思われた団員が、スピアを握りしめ離さないのだ。

 

「離せと言っているのだ!イレ―――」

 

その直後だった。

団員の背後から別の団員が飛び出し、騎士の頚動脈を切り裂いた。

自分の首から噴出したものが何かわからぬまま、騎士は驚愕のうちにその最後を遂げた。

騎士を倒した団員は振り返ることなく、前に向かって走る。

彼と死を迎えようとしている団員は幼馴染。

新宿事変で家族や恋人を殺されたのを契機にレジスタンスになり、

ブラック・リベリオンの敗戦後を共に支え合い生き抜いた。

その親友の最後を団員は看取ろうとしない。

知っていたのだ。

振り返り、手を取ることが、死に逝く友への手向けにはならないことを。

その死に報いるなら、ただ一歩でも前へ。

彼が進めなかったその先へ。

団員は走る。ただ前だけを見て。目に一杯の涙を溜めながら。

その背中を見て、死に逝く団員は微笑んだ。

その背に、幼き日の思い出を見たから。

その背に、自分達が信じた明日を見たから。

 

 ああ、これで胸を張って家族に会いにいける。

 

団員は静かに目を閉じる。その顔は安からだった。

 

戦場における安らかなる死。

それは1つの奇跡に違いない。

その奇跡は、戦場の至るところに生まれ、

その連なりは、ブリタニアに恐怖を、騎士団に勇気を与えた。

 

 

 

神聖ブリタニア帝国。

 

世界政府においても屈指の大国。

この海域における最大の軍事帝国。

彼らの総兵力は8万5000人。

対する黒の騎士団は、レジスタンスと革命軍の助力を足しても約2万人。

圧倒的な戦力差。

ブリタニアの勝利条件は単純だ。

ただ、数の力で押せばいい。

ただ、囲んで殲滅すればいい。

ただ、それだけでいい。

だが、あのブリタニアに、それをさせることを許さないほどに

この戦場における黒の騎士団の勢いは常軌を逸していた。

 

 こんなはずはなかった。

 

ブリタニア兵は狼狽した。

自分は今日、勝利を受け取りに来ただけだ。

戦いは終わったのではないのか?

勝者は我々ではないのか?

支配者は…

 

その思考の刹那、銃弾が彼の胸を貫いた。

 

 

 

 

ブリタニアよ。

 

準備はできたか?

俺たちと命を賭けて戦う準備はできたか?

ブリタニアよ。エリアの支配者達よ。

その支配の代償を考えたことがあるか?

ブリタニアよ。覚悟なき圧政者よ。

今こそ、エリアの民の怒りを知れ。

今こそ、俺達の怒りを思い知れ。

ブリタニアよ。我々の宿敵よ。

今こそ、お前達の敵の名を思い出せ。

 

最後にもう一度問う。

ブリタニアよ。

 

覚悟はできたか?

俺達はとっくにできている。

ああ、そうとも、いつだってそうだ。

いつの時代も変わらない。

戦争とは、命と命の削りあいなのだ。

戦場にいるなら覚悟を決めろ。

だれであろうと変わらない。

 

撃っていいのは…

 

 

 

 

 

       “撃たれる覚悟のある奴だけだ!”

 

 

 

 

 

 

ゼロを…仲間を守るため命を捨てた黒の騎士団の団員達。

その覚悟を前にブリタニアが…最強の帝国が大きく揺らいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐怖し、混乱に落ちるブリタニア軍。

だが、しかし、その中で唯一笑う者がいた。

その男は当初からそして今に至ってもピクニック気分を変えることはない。

いや、この死の渦巻く戦場こそ、男が望んだ光景。

そう物語るように男はこの戦場の中に立ち、狂ったように笑う。

男はユニコーンを模った兜を被り、紫色の鎧で全身を染めていた。

その手には、特殊なスピアと巨大な盾を握っている。

男は、この処刑場におけるブリタニア軍の総指揮官。

ナイト・オブ・ラウンズ(最強の12騎士)が第10席。

 

その男の名は…

 

 

 

「お前にとって“大切なもの”は何だ? そう…“命”だぁ―――ッ!」

 

 

 

神聖ブリタニア帝国“ナイト・オブ・テン”

 

“吸血鬼” ルキアーノ・ブラッドリー。

 

死の戦場の中心のおいて“人殺しの天才”を自称するブリタニアの悪鬼は凄惨に嗤う。

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ、なんだ? だらしないぞブリタニア兵どもよ」

 

「ブ、ブラッドリー卿!」

 

ブリタニアと黒の騎士団との最前線に自ら足を踏み入れ、ルキアーノは呆れながら笑う。

 

「ア、アイツは!?」

 

「ナイト・オブ・テン! ルキアーノ・ブラッドリーだ!」

 

「ブリタニアの“吸血鬼”! なぜ、ここに!?」

 

ナイト・オブ・テン。

この戦場におけるブリタニア軍の総指揮官。

その怨敵の突然の登場に驚きの声を上げる団員達。

だが、すぐ落ち着きを取り戻し、その瞳には殺意の炎が揺らぐ。

 

「司令官殿がわざわざ、前線にお出ましとは探す手間が省けた!」

 

「ブリタニアの“吸血鬼”! 貴様に殺された多くの仲間達の仇をとらせてもらう!」

 

「囲め!縦横活殺自在陣を敷く!一気に殺るぞ!」

 

十人からなる団員達がルキアーノの左右に分れ、旋回する。

ルキアーノはそれを愉快そうに見ている。

 

「今だ―――ッ!」

 

その声を合図に、旋回していた団員全員がルキアーノに突撃をかける。

十の刃がルキアーノに突き刺さろうとする次の瞬間―――

 

「がハッ――ッ!?」

 

左側から突撃をかけた団員達がドリルのように高速回転するスピアに吹き飛ばされた。

攻撃に対してルキアーノは一瞬で距離を詰め、

左から来た団員達を瞬殺すると反対にいる団員達に向けて巨大な盾を向ける。

盾が左右に開き、そこからマシンガンのようにナイフが撃ち出された。

まさに、ほんの一瞬だった。

瞬きするほどの時間で十人の団員達はルキアーノの前に倒れ、起き上がる者はいない。

その戦闘を目の当たりにしたブリタニア兵達は感嘆の声を上げた。

 

「馬鹿どもが! 数ではこちらが圧倒的に上だ。冷静になれブリタニア兵達よ。

 数で押せ。囲んでゆっくりと殲滅せよ。

 イレブンどもにもう一度教えてやれ。この諸島の支配者は誰であるかをな!」

 

「ブラッドリー卿!」

 

「さすがは“ラウンズ”!そうだ、イレブンどもを殺せ!」

 

“ナイト・オブ・ラウンズ”(最強の12騎士)ブリタニアの力の象徴。

 

その最強の騎士の力を前にブリタニア兵は冷静さを取り戻した。

勢いは黒の騎士団にある。だが、それが何だ。

数ではこちらが圧倒的に上回っている。

時間がたてばいずれ戦局は逆転する。

そして、なにより、この戦場には、ブラッドリー卿がいる。最強の騎士がここにいる。

“ナイト・オブ・ラウンズ”の戦場に敗北などありえない。

 

 

 

 

 

冷静さを取り戻し、士気を上げるブリタニア兵達。

それを確認したルキアーノは、倒れた団員の一人に向かって歩いて行く。

 

「…ところで、イレブンよ。お前にとって“一番大切なもの”は何だ?」

 

ルキアーノは、ナイフが肩に刺さり、絶命を免れた若い団員を見下ろす。

その目には、快楽と狂気の色が浮かんでいる。

 

「う、うう…」

 

傷口を押さえながら、団員は呻いた。

十人で同時攻撃を仕掛けたはずが、自分を除く仲間全員が一瞬の内に惨殺された。

“ナイト・オブ・テン”。その圧倒的な強さ。

そして、その目に映る狂気を前に団員の顔は恐怖で歪む。

 

「そうだ!大切なもの…それはお前の“命”だぁ~!」

 

「ヒッ!!」

 

そう言って、ルキアーノは団員の眼前にスピアを止める。

そのスピアは先ほど殺した団員の血で赤く汚れ、不気味な光を放つ。

その光を恍惚の表情で眺めながら、ルキアーノは言葉を続ける。

 

「知っているか? イレブンよ。血の色は、同じ赤ではないということを」

 

眼前にある凶器とルキアーノの狂気に震える団員。

だが、ルキアーノは最初から自論に対する返答など期待していない。

それはまるで、目の前に出された料理を批評するかのようだった。

 

「科学的に証明などされてはいないが、俺は知っている。

 何千という敵兵の死を目の当たりにすれば、それに気づくはずだ。

血の色は、恐怖に染まれば、染まるほどにその鮮度を増すということが。

その色は、死の寸前こそ、最も美しく輝く…だから」

 

それまでの体験を思い出すように、虚空を見るルキアーノ。

その顔は恍惚で染まり、身体はかすかに震えている。

 

「聞かせてくれよ、お前の叫びを。魅せてくれよ、お前の血の色を!

 お前の一番大切なもの…命を賭けてな~ッ!」

 

視線が再び団員を捕らえる。

その目は、まるで爬虫類のように細くなる。

そして、団員の眼前にあるスピアが回転を始めた。

 

「うッうあ…」

 

ブリタニアの“吸血鬼”。

そのふたつ名に相応しいルキアーノの狂気。

団員は恐怖で声も出ない。

身体はガタガタと震え、目に一杯の涙を浮かべる。

 

だが――それでもなお、団員の瞳から、その気高き意志は消えることはなかった。

 

 

  ああ、俺はもうすぐ死ぬ。

  ブリタニアの“吸血鬼”。

  この化け物には、たとえ俺が何人いようと傷ひとつさえつけられないだろう。

  スピアが回転している。音がリアルだ。

  きっと、刺されたら痛いなんてもんじゃないだろうな…。

  この化け物が語っていた話はたぶん本当なのだろう。 

  血を見るのが好きというのだけは、嫌というほど伝わってくる。

  だが、こいつの本当の狙いはそれじゃない。

  こいつは、“叫び”を聞かせてくれと言った。

  この化け物の本当の狙いは俺の叫び声だ。

  惨殺される俺の悲鳴を戦場に響かせ、騎士団の士気を落とすことにあるのだ。

  それが、こいつの目的だ。

  こいつはそれを趣味も兼ねてやろうとしていやがる。

  だがな、ナイト・オブ・テン…ブリタニアの吸血鬼。

  俺を、黒の騎士団を…舐めるな!

  たとえ、死ぬことになろうとも、仲間の足を引っ張るくらいなら死んだほうがましだ!

  貴様なんぞに、ただの一声だってやるものか!

 

 

迫り来る死。

最後の“反逆”の覚悟を決める若い団員。

 

その眼前を“赤い波動”が通り過ぎた―――

 

 

 

     「違うな…間違ってるよ、ブリタニア」

 

 

 

その声を聞き、その姿を見た時、

若い団員は、安心感で涙腺を緩め、涙と共に鼻水を流す。

 

「た、隊長~ッ!」

 

「命より大切なものは…ある!」

 

その髪を見た者は等しく“月夜”を連想する――

 

 

黒の騎士団“零番隊”隊長“紅月”カレン。

 

 

黒の騎士団最強の戦士が、ついに最強の騎士の前に立つ!

 

 

 

 

 

 

 

「ほう…」

 

輻射波動をかわし、距離をとったルキアーノが

カレンの姿を見て、愉快そうに笑う。

ブリタニアの“吸血鬼”は、黒の騎士団最強の戦士を

目の当たりにしてもいつもの調子を崩すことはない。

いや、その狂笑は、カレンの突然の乱入を歓迎すらしていた。

 

「黒の騎士団“零番隊”隊長、カレン・シュタットフェルトよ。

 お前の噂は聞いているぞ。“魔王”のゼロの親衛隊長よ。

 確認する。お前が“黒の騎士団のエース”だな?」

 

“黒の騎士団のエース”

 

その言葉は前にカレンは一瞬とまる。

“零番隊”隊長として、数々の戦場を駆け、武勲を打ち立ててきたカレン。

その称号に十分相応しいのは、団員全員が認めている。

それでも、カレンは、自分よりずっと前からブリタニアと戦ってきた

“将軍”藤堂や“四聖剣”のことを考えると、

どうしてもその称号を自ら名乗る気にはならなかった。

“騎士団のエース”その称号は、レジスタンス全ての希望になりうる者こそ相応しい。

それが、カレンの自論であり、真実だった。

そして、この最後の決戦の場において、最強の敵から、その名を問われた。

 

 

  “黒の騎士団のエース”か…。

  その言葉は、私には、ずっと重荷だった。

  その二つ名は、騎士団の象徴を意味する。

  ブリタニアと戦う全てのレジスタンスの希望を意味する。

  私が背負うには、重すぎる。ずっとそう思っていた。

 

 

カレンは視線を移す。

あの若い団員は、仲間に担がれ、後方に運ばれていく。

さきほどの気高き意志を持った若者とは思えぬほど、泣きじゃくっている。

だが、その姿は微笑ましく、とても美しく感じられた。

カレンだけは知っていた。あの若い団員の覚悟を。

彼は、殺されようとも、ただの一声すら上げなかっただろう。

 

 

  みんな、バカだよ。

  ゼロを逃がすために死ぬのは、私だけでよかったのに。

  地獄の底まで一緒に行こうなんてさ。

  本当にバカばかりだ。だけど…最高の仲間だ!

  死なせたくないな、みんなを。

  いや、こんないい奴らを死なせてなんかやるものか!

  みんなが、必死になってブリタニアと戦っている。

  この兵力差において、現状はまったくの互角だ。

  この現状こそ、ひとつの奇跡に違いない。

  なら、私も負けてられないな。

  起こしてやろう、奇跡というやつを!

  そのために、名前のひとつも背負えないでどうする?

  今こそ、背負う!今こそ、胸を張ろう!

  私は…“騎士団のエース”だ!

 

 

カレンがルキアーノの前に立ったのは、偶然ではない。

“ブラック・リベリオン”が始まってから今に至るまで

カレンは、ルキアーノの姿を戦場で追い求めていたのだ。

現状において、騎士団とブリタニアはまったくの互角。

しかし、時間がたてばたつほどに、勢いは落ち、数の力は有利となる。

だからこそ、カレンは動いた。

今、この互角の戦場を崩すために。騎士団に勝機をもたらすために。

この均衡を崩すには、騎士団の勢いをさらに増し、ブリタニアの士気を挫けばいい。

そのためには、そのきっかけが必要だ。

 

ナイト・オブ・テン――ブリタニア軍の総指揮官にして、

最強の12騎士の一人。ブリタニアの力の象徴。

 

カレンが考えたこと。それは――ラウンズの”瞬殺”

 

ブリタニアの力の象徴をねじ伏せることで、この戦場の流れを決めようと考えたのだ。

それは、黒の騎士団の命運を背負うことを覚悟した赤の決意。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ、そうよ。はじめまして、ブリタニアの吸血鬼さん」

 

カレンの回答に、ルキアーノは満面の笑みを浮かべる。

 

「ハハハ、イレブンのエースよ!お前は“戦場の真実”を知っているか?」

 

「…さあ? 何かしら」

 

質問に答えながら、カレンは距離を詰め、ぎりぎりの間合いで止まる。

それを知りながらもルキアーノは自論を続ける。

 

「日常で人を殺せば、罪となるが、戦場では人を殺した数だけ英雄になる」

 

「ふーん、ブリタニアの吸血鬼さんは英雄になりたいわけ?」

 

ルキアーノの自論にカレンは、不快に顔をしかめる。

その反応にルキアーノは嘲るように首をふる。

 

「い~や、公に人の一番大切なもの…“命”を奪えるなんて最高じゃないかって話さ」

 

「アンタさあ…下品なんだよ!」

 

二人の殺気が交錯する。

その雰囲気を察し、団員とブリタニア兵は二人から距離をとる。

 

カレンの右手から赤い波動が迸り、ルキアーノはそれを見て狂ったように笑い、嗤う。

 

 

 

“黒の騎士団のエース”と”ナイト・オブ・ラウンズ”

 

 

 

騎士団とブリタニアの最終決戦。

 

その場において、史上初めて、”最強”の2人が、ついに激突する―――

 

 


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