コッペリアの電脳   作:エタ=ナル

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第十七話「ブレット・オブ・ザミエル」

「はははははっ! すげーよアンタ最高だ!」

 

 呼気が笑いとなって噴出した。楽しくて楽しくて仕方がない。崩れ落ちる大量の瓦礫の中、背筋が凍るほどの鋭さで大鎌の刃が襲ってくる。思考が追いつく速さではない。とっさにコンクリート片を蹴って躱せたのは、ひとえに本能によるものだ。避けた後にゾッとした。それが楽しい。

 

 とかく、男は楽しかった。

 

 息を吐く暇など与えてくれない。カイトは己が体勢を立て直そうともしないまま、大鎌の柄をそのまま見舞った。石突き変わりのふざけたピエロが、男の側頭部へ猛烈に迫る。辛うじて腕による防御が間に合ったが、みしりと嫌な感触があった。男の堅は一流ハンターと比べても遜色がないが、その上からダメージを与えてくる。

 

「痛くねぇよ!」

 

 叫んだ。それで痛みは消えてしまう。お返しとばかりに蹴りを放って、躱されたと同時に拳銃を向けた。狙うは眉間。他の誰より速いイメージ。

 

「避けられねぇよっ!」

 

 叫びながら銃を撃つ。男の念弾はマッハを超える。大きさは拳銃弾と同等で、出鱈目な威力もありはしない。だが、貫通力と速さなら誰よりも上という自負があった。高超音速で飛ぶ一条の光。それを、カイトは瞬き一つせず躱してみせた。完璧だ。男は心中で絶賛した。忌わしくも強力な念能力に、既に対処の方法を見出している。

 

 熟練した念の使い手ほど、積極的に感覚を拾ってしまう。より深く自然と一体化し、より鋭く神経を研ぎ澄ませる。男の能力は、そこをいやらしく突くのである。

 

 初見でここまで対応されたのは初めてだった。オーラで耳を覆い、聴覚の強化ではなく純粋な防御を行っている。全神経を戦闘に集中させながら、強化の有無を一瞬で切り替えてみせる。能力の性質を見抜く慧眼、素早く正確な流を為す技量、感覚を殺すも同然の行為を迷わず選ぶ思いきり。全てが全て凄まじかった。男の生存本能がガンガンに警鐘を鳴らしている。脳髄がアドレナリンで発火しそうだ。

 

「ははっ! 俺は強えぇっ!」

 

 更なる自己暗示を積み重ねつつ、男は瓦礫を蹴って宙を駆けた。崩壊するビルの中を疾走し、カイトへ何発も引き金を引く。ほぼめくら撃ちに近いそれが当たるとは思ってない。案の定、カイトは並走しながらしなやかに躱す。それでも、男もその隙を見逃すほど腑抜けてはいない。距離を詰め、強烈な蹴りを腹部へと放った。作用と反作用で二人の体が大きく離れ、防いだ大鎌が弾き飛ばされる。追撃に連射した弾丸は、肩と脇腹の肉を微かに削いだ。が、あまりに浅い。

 

 再び道化が出現する。戯けながらにドゥルルルと笑って、今度は大弓が具現化された。カイトは僅かに顔を顰める。外れを引きやがったなと男は笑った。有利さが故の笑みではない。ただ単に、愉快に思っただけだった。

 

 男は空中を落ちゆく箪笥に着地した。続けざまに蹴り砕き、他の足場に飛ぼうとした時だった。ふと、頭の片隅に何かが浮かんだ。思い出した記憶はさして重要なものでもなかったが、男は上機嫌に任せて助け舟を出してやる事にした。勢いを殺すように優しく蹴って、瓦礫の積もりつつある崩壊範囲外に落ちる軌道にのせる。この位置からでもかなりの高さだ。内臓の十や二十は破裂するかもしれないが、それぐらいはまあ、愛嬌だろう。

 

「いい弓じゃねぇか! 飛び道具同士勝負といこうぜっ!」

 

 自慢の愛銃を構えて男が吠えた。念弾を込めた銃口を向けると、カイトは既に、大弓を真円近くまで引き絞っていた。番えた矢は鏃が鋭く、膨大なオーラを内包している気配があった、引き金を絞るのと矢を放つのは、微塵も違わず同時だった。

 

 空間を貫いて念弾が駆ける。降り注ぐコンクリートを幾重も貫き、あやまたずカイトの放った矢を粉砕した。凄まじい爆発が巻き起こり、破裂した念が四方八方に飛び散った。至近で喰らったカイトは、きっとひとたまりもないだろう。さらに次弾を放とうとして、男ははたと気が付いた。渦巻く膨大なオーラの向こうに、カイトの気配が感じられない。衝撃波に乗って移動したのだと悟ったとき、既に脅威は迫っていた。

 

 真下。人体の死角からだった。長い髪をなびかせて、ぼろぼろになりながらも飛翔してくる。手には短剣。黄金と宝石で装飾された、近東風の豪華な反り刃。刀身に翼の意匠をもつその武器にも、柄頭にピエロが張り付いていた。

 

 速い。男は迷わず銃を乱れ撃った。右肩を貫き左腿を掠める。だが、カイトを止めるには足りなかった。交差は一瞬、短剣が振り抜かれたのは刹那だった。閃きすら置き去りにした超速の斬撃に、男はどこを狙われたかも分からなかった。ただ、直感を信じて上体を捻った。それが、幸いした。

 

 心臓を狙った軌道は肋骨の表面を撫でただけで終わり、辛うじて一命を取り留めた。紙一重。あと紙一重でも遅かったら、男は確実に死んでただろう。おぞましいまでの切れ味に、痛みすら感じる事ができないでいる。全身から冷や汗が吹き出した。

 

 上を見上げる。カイトは再び瓦礫を踏み締め、崩れ落ちる足場を走り出した。負けじと男も駆け上がる。そう何度も、窮地に陥るつもりはなかった。ひときわ強いオーラを喉にこめ、男はカイトへと接近しつつ声を上げる。

 

「お前はっ」

 

 カイトのオーラが耳に集まる。それを見越して男は銃を構えて、さらに間合いを詰めて銃口を押し付けるように肉薄する。カイトの短刀が銃を受け止め、格闘戦が始まった。能力への警戒を逆に利用したフェイントだった。が、真実フェイントだったのは。

 

「脚を滑らせるっ!」

 

 至近。渾身の大声にオーラをのせた。負けてもいい。それが男の本心だった。この賭けの結果破れたなら、一点の曇りもなく満足だろう。そう断言できるほどに全力だった。カイトの耳にオーラが集うが、対処は僅かな差で間に合わず、不安定な足場を踏み外した。

 

 相手のバランスが微かに崩れた瞬間を、男は見逃しはしなかった。がらがらと崩れていく瓦礫の底へ、カイトを全力で蹴り落とす。細い外見からは想像できない、堅く弾力性のある感触だった。鍛え抜かれた筋肉の蹴り味だ。

 

「じゃあな。楽しかったぜ」

 

 一分の世辞も抜きにそう呟いて、真下へと全弾を撃ち込んだ。積もっていくビルの残骸の山の中へ、全身全霊で放ったとどめだった。男が知る最上級の賛辞の贈り方だった。

 

 

 

 新市街にそびえる高層ビルの屋上に、ラフなシャツを着た人影が佇んでいた。黒く、深い眼が印象的な、やや童顔の男だった。額にバンダナを撒いており、耳には黒玉の飾りを着けている。厳戒体制が敷かれる最中、彼は自然体を崩そうとしない。片手には異形の本を持ち、黒髪をナチュラルに揺らしている。背後にはこの場所に配置された憲兵達が、虚ろな瞳で棒立ちしていた。

 

 クロロ=ルシルフル。無害そうに見えるこの青年が、泣く子も黙る幻影旅団の団長だった。双眼を旧市街の一画に向けたまま、じっと、味わい噛み締めるように静止している。

 

 距離があるにもかかわらず、クロロは先ほどの崩壊の一部始終を正確に把握していた。そして、欲しいという渇望が沸き上がった。昔からそうだ。捨てられたものを拾って暮らしたあの頃から、誰かのものを目にすると、それが無性に欲しくなる。

 

 始めは、ただ欲しかった。

 

「……ああ、オレだ」

 

 携帯電話が振動した。とれば、馴染みある声が流れてくる。団員からの連絡だった。

 

「そうか。いや、まだだ。遅れているなら丁度いい。夜まで待て」

 

 会話をしながら、クロロは改めて景色を眺めた。見晴しのいいこの場所からは、地平線の丸さが何となく分かる。地球を丸ごと、手の中に握った錯覚を得た。足下には、これから活気づく時分の都市があった。

 

「ああ、そうだ。あいつらには成否はどうあれ無理に合流する必要はないと言ってある。そっちはお前達だけのはずだ」

 

 寂しい街並だった。循環する自動車の血流はなく、人々の賑わいは露と消え、生活の気配は排除され尽くしていた。装甲車の覆帯がアスファルトを噛み、硬質な靴音がまばらに響く。乾燥した埃っぽい荒野の風に、いくらかの湿り気が混じっていた。空には灰色の雲が増えていた。午後か、遅くても今夜には降るだろう。

 

「パクが探したものを見届けたら、あとは好きにしろ」

 

 最後にそう付け足して、クロロは通話を切断した。一つ、息を吐く。

 

 パクノダはもう、生きてる望みはないだろう。クロロはそう判断し、それを前提に動いている。

 

 数日間、なんの断りもなく連絡が経たれた現状を、偶然と断じる愚者は旅団にはいない。何らかの不都合でコンタクトができないだけなどと、無為な希望に縋る甘さも同じだ。ならば、露見したと見るのが当然だろう。

 

 国に協力するハンターは残り三人しかいないという。彼等の立場に立ったなら、殺すのが合理的な選択だった。生かしておくなら、最低でも一人は拘束される。念能力者なしでの監視など馬鹿げた措置をとったなら、とっくに脱出してるだけの実力と機転がパクノダにはあった。

 

 なにより、彼の直感が告げていた。もう二度と、彼女にまみえる機会はないのだと。

 

 悲しいとは、思えなかった。少なくとも、団長としてのクロロはそうだった。旅団設立以前からの付き合いであるパクノダと死別しても、それを許容するだけのルールがあった。団長は悲しみに浸れない。私情を挟めないのではなく、私情が存在してはいけないからだ。

 

 自分の心を殺す程度の在り方では、蜘蛛の頭は勤まらない。

 

 幻影旅団はクロロの力だ。世界を動かし震撼せしめる、比類なき暴力の塊だ。今の立場に不満はなく、団員は大切な仲間だった。だが、それでも、時々は自由になりたくなる。

 

 そんな時、彼は一個人としてのクロロに戻る。髪を降ろし、入れ墨を隠し、コートを脱ぎ、一人、気ままにぶらつくのだ。

 

 摩天楼の上で空を見上げた。蒼く、宇宙へと続く、どこまでも深い空だった。

 

 

 

 カイトとの一戦を終えた男は、充実した気分でズボンのポケットに手を伸ばした。余韻でいっぱいに満たされた肺を、一服の紫煙で洗い流すのだ。一本を空中で口にくわえ、地上へ落下しながら期待する。心地よい疲れと達成感に苛まれる体を癒す煙草は、果たしてどんなにか旨いだろう。

 

 男は終わったと思っていた。ヘルメットと防弾着で統一された連中など、物の数とも思ってなかった。むしろ人目を気にしなくていい分だけ、一般人よりも容易かった。小銃や機関砲で武装するなど、男にとっては逆効果だ。

 

 だが、男が浸るいとまは無かった。

 

 飛来したのは手榴弾だ。他の銃口は一つたりとも火を噴かず、正確に男の落下予測地点を狙っている。路上で陣を組む小銃手から、建物の屋上のスナイパーまで。

 

 統率されているなと男は思った。手榴弾を抜き放った愛銃で迎え撃つ。正確に信管を貫かれ、沈黙してただの物体になった。念が込められた様子もない。強肩でコントロールも良かったが、単にそれだけの事だろう。そんな楽観が、覆された。

 

 弩砲の如き豪速。それは飛来する人影だった。拳銃が間に合わず、男は拳で迎撃する。オーラに触れれば嫌でも分かった。強い。カイトには一歩劣るが、こちらもかなりの使い手だった。堅の緻密さ、オーラの流れの静かさでは上かもしれない。連戦になるのは辛いかもしれない。が、それ以上に相手の風采が気にかかった。珍しい。そして妙だと男は思った。

 

 特殊部隊ご用達の防弾チョッキに上体を包み、全身を黒暗色でまとめている。フルフェイスのヘルメットは付けておらず、一般的な鉄兜に加えて妙な片眼鏡を右目右耳に装着している。ヘッドマウントディスプレイの一種だろうか。SF映画にでてきそうなデザインの機器は凝で見てもろくなオーラが込められておらず、念の産物とは思いがたい。極め付けはその武器だ。

 

 着地間際、お互いに蹴りを打ち放ち、その反作用で吹き飛ばされた。いい蹴りだ。アスファルトを削り接地する。タイミングを計っていたはずの斉射は来ない。一発たりとも発射されない。が、いぶかしんでいる時間はもらえなかった。全身のバネを見事に使って、件の能力者が刺突で迫る。始動に気配がない、恐ろしく静かな体術だった。

 

 武器。それは着剣したカラシニコフの自動小銃。7,62mmの大口径。マズルジャンプを抑制するため斜めに切られた特徴的な銃口部。金属製の折りたたみ式直銃床。AK47の改良型、AKMがバージョンの一つ、AKMS。加えて、先ほどの手榴弾。サブウエポンのピストルポーチ。嫌な選択をする野郎だと男は思った。念能力者が好む装備ではない。

 

 銃を武器にする能力者はいる。現に彼自身がその一人だ。が、それはあくまで個性であり、思い入れの象徴であり相棒だった。断じて、そう、断じて、銃自体の性能に依存するためではないのである。

 

 相当量のオーラを左手に込め、男は正面から銃剣を押さえ付けた。インパクトの瞬間、相手は硬で先端を覆った。迅速で精密な流だった。男の凝と敵の硬。結果は僅かに押し負けて、掌は銃剣に貫かれた。だが、関係ない。

 

 苛立ちに任せ、男は刃を握りしめる。掌の骨がミシリと歪んだ。右手に持っていた拳銃を顎で噛み持ち、唇の端だけでニヤリと笑った。握りしめた右手には、今や渾身のオーラが集まっている。眼前の青年は逃げられない、はずだった。

 

 突如、銃剣がガラスのように割れて砕けた。相手が周を解いたのだ。鋼の刀身は念能力者である男の握力に耐えきれず、敵は自由になった小銃を右手にバックステップで離脱した。置き土産のつもりだろう。ピンの外れた手榴弾が放られている。同時に、精密に同期して周囲の兵が発砲した。

 

 決まりだな、と男は見切った。こいつには、こいつの戦い方には、念能力者としての意地がない。あれほど楽しかったカイトの後では尚更に、興醒めする軟弱な野郎だった。

 

 ここで殺されるのはつまらなかった。地面を全力で蹴って後退し、バク転の連続で爆発と着弾を回避する。

 

「何をしてる! 狙うのはそいつだ!」

 

 念の素養のない者には、男の能力はことさらに効く。オーラの乏しい肉体は念能力に対する抵抗力が皆無な上に、心を鎮め、意思を高める修行をしてないからだ。

 

「あいつが本当の容疑者だ! 他の連中は騙されている!」

 

 弾幕が敵の仇となった。男が早口で叫ぶに足る時間を、あの青年は距離を詰めて阻害することができなかった。チャンスだ。瞬く間に混乱しだす連中を後目に、男は手近な路地に駆け込んで駆ける。背後では、銃声と怒号が連鎖していた。

 

 旧市街の裏側は汚く狭い。壁は迫り、地面には私財やゴミが散乱する。両側に連なる建物の壁面を蹴って宙を飛び抜けながら、男は左手に食い込んでいる破片を抜いた。

 

 念に愛着を持たない使い手はいない。己がスタイルにプライドを持たない能力者はいない。念とは、人生を糧にする技能である。膨大な時間を費やし、一心不乱に求めなければ得られぬ能力なのだ。今までの半生を象徴し、今後の歩みの礎となる。念を修得したものにとって、それは一つの定めだった。

 

 が、あいつは、制圧だけを目的に銃器を選んでいた。獲物に愛着を持ってなかった。念を覚えたての初心者でもなければ、途中で挫折した落伍者でもない。あれほど見事な念技を披露していたのだ。さぞや研鑽を積んだことだろう。だからこそ、男は不快感を覚えていた。

 

 男は楽しい戦いが好きだった。楽しくない戦いが嫌いだった。

 

 振り返ると、例の人物が後を追ってくる。男は少し見直した。この空間を移動する念能力者に追従するのは、同じ能力者でなければ不可能だ。部隊を離れ、一人で戦う決心をしたのだろう。少しは楽しくなりそうだろうか。

 

 路地を駆け抜け通りへ躍り出、直角に近く右に曲がる。踏み締めたアスファルトが陥没した。あらかじめ配備されていたのだろう。装甲車両に跨がった憲兵達が、手持ちの火器を破れかぶれに乱射してきた。無論、男は楽に全てを躱した。

 

「馬鹿野郎! 俺は味方だ! 次に出て来る奴が敵だろうが!」

 

 軽い嫌がらせのつもりで言霊をばらまく。足留めになるとは思ってない。たわいないジョークの代わりだった。

 

 目につくままに任せ、別の路地へとすぐに飛び込む。行き先は全く考えてなかった。なるようになると割り切っているが、ならなかったらそれもまた良しだ。だがあの敵には、自分を仕留めた手柄をやるのは面白くない。

 

 建物の連なりが流れていく。風圧が頬を打ち付ける。二人分の暴風が路地を駆ける。物陰で寝ていた野良犬が、迷惑そうに片目を開けた。

 

 敵が銃を構える気配があった。振り向くと、男を追い掛けながら右手だけで、拳銃のように腕を伸ばして構えている。銃器に慣れ親しんだ男には分かった。尋常ならざる正確な照準。あの小銃の弾丸は、間違いなく男に当たりたがっている。

 

 コンピュータ制御の火器管制を彷佛とさせる、感情のこもらない冷徹な狙い。男は一つ舌打ちした。青年が銃を当てようと構えているのではなく、銃の方が当てたい場所へ向いている、そんな錯覚さえ覚える精密無比な魔技だった。外れるイメージが湧かなかった。あとはただ、銃の集弾率次第で結果が決まる。

 

 だが、遅い。舐めるな。

 

 音速を少々超えた程度の、低超音速の小銃弾。それが一体どうしたというのか。円を展開するまでもない。男は苦もなく避けてみせた。飛来する弾に周はされていたが、やはり、これにも思い入れが全くなかった。オーラに、弾丸にこびり付こうとする執念がない。機械的にただ込められた、至極無機質な強化だった。

 

 それでも、体に当たればダメージになる。フルオートで自在に指切りしてみせる射撃の中には、弾道を操作されたものも混ざっていた。あるいは任意に破裂して、男の器官を化かしにかかる。それらにいちいち対処しながら走るのは、いくらなんでも面倒だった。ほんのわずかな集中の乱れが遅れを生み、少しずつ距離を詰められていく。

 

 煩かった。かといって本格的に応戦の構えをとったなら、それこそ相手の思う壷だろう。

 

 つくづく嫌な奴だと男は思った。つまらない戦い方のくせに実力はある。いやらしい戦い方に熟達している。だから余計にむかついた。ならいっそ、思惑に乗ってやろうと男は思った。

 

 拳銃から弾倉を振り出して、念弾六発分のオーラを左手で込める。これはただの儀式だった。こんな真似をせずとも、念弾はいくらでも発射できるのは当然だ。が、何となくだがこうしたほうが、弾丸を込めたイメージに浸れるのだ。事実として、一撃の威力が確かに上がった。

 

 体に染み付いた作業はほんの一瞬で完了し、振り向きざま、親指で地面を指すジェスチャーを送った。ちょうど駆けてきた路地を抜け、新しい大通りに出たところだった。辺りには人影も装甲車もない。だんだんと濁ってきた暗い空。忘れ去られて寂びた街。ロケーションとしては絶好だった。

 

 本当の銃の使い方を教えてやる。路面を削って止まりながら、男はそんな闘志に燃えていた。

 

 二十メートルほどの距離を開けて、二人の能力者が対峙した。西部劇のようだと男は思った。タンブルウィードの代わりに空き瓶が転がり、大地の代わりにアスファルトが乾く。

 

 言葉を使うまでもない。早撃ちは男の十八番だった。最初の一手は確実に、男の掌中に収まるだろう。

 

 静かに視線が交錯する。若い。改めてそんな印象を受けた。自分と同じかやや下だろうが、年齢以上に若く見えた。少し濃いめの金の眉。整った顔だちの白色人種。お上品ながらひ弱には見えない。さして面白みの見出せない、どこにでもいそうな優男だった。ただ、その瞳が、異様に冷たい。否、高低問わず熱という概念が見出せない。おぞましいまでに機械的で、その上でなお、人間としての深みがある。

 

 なんだこいつは。

 

 戸惑いが引き金を遅らせた。相手に先制を奪われるなど、ここ十年は無かった失態だ。その狭間に敵は間合いを詰めた。幾重にも残像を遺しながら、流れるように向かってきた。速くはないが、早い。こちらを幻惑しようとする不可思議な歩法。音に聞く肢曲という技だろう。

 

 オーラの移動が恐ろしく静かだ。誰にでもあるはずのムラがなく、動作の前兆の揺らぎもない。まさか、この歳で仙人の域まで達したのか。だとしたら随分と姑息な仙人様だ。

 

 銃剣の折れた自動小銃を槍にして、相手は突きを放ってくる。対して、男は左の拳で迎撃した。衝突でオーラの火花が散り、青年の体が微かに揺れた。オーラの質と量に比べて、身体強化の程度が低い。

 

 操作系か具現化系だな。相手に回し蹴りを放ちながら、男はそう判断した。強化系に属する肉体強化との相性は、放出系より一段下だ。明らかに具現化系であろうカイトは不利な条件でありながら基礎能力で男に拮抗してみせたが、目の前の敵は一歩劣る。それがそのまま、両者の力量の差なのだろう。

 

 だが、と男は考えた。それにしてはやや効率が高いような気がする。精密な技量で埋めているのだろうか。事実、全身のオーラが動きに合わせて異常に細かく蠢動している。が、どうにも何かが不可解だった。妙にすっきりしない相手だった。

 

 回し蹴りをガードさせ、生まれた隙に拳銃を構えて至近から撃った。敵はバックステップと同時に躱したが、勢いにまかせて二度三度と撃ち重ねる。無駄撃ちになるならそれでもいい。何かが掴めるだろうという判断だった。男の念弾は異常に速く、発射後の回避は間に合わない。そのため相手に強制させる回避行動の大きさは、凡百の念技の比ではなかった。

 

 だんだんと、男は興が乗ってきた自分を自覚した。こういう戦い方もできるならば、そう邪険にすべき相手でもなさそうだ。驚くほどの正確さで弾道を予測し最小限で避けた青年に、今さらながら興味が湧いた。

 

 が、そんな期待は脆くも崩れた。甲高い音が空から迫る。男はそれを知っていた。迫撃砲か榴弾砲。その、山鳴りの軌道を描き降りゆく砲弾の群れは、間違いなくこの一帯を目掛けている。これほどまでに短い時間で、どうやって射撃を指示したのか。技量は買うが、つくずく見下げ果てた根性だった。

 

「てめえ!」

 

 怒りつつ、男はオーラを練り上げる。妨害さえなければ離脱できる。否、してみせると強く決めた。

 

「おまえは、そこで止まっていろ!」

 

 怒鳴りながら、残った全弾を土産に撃った。曳火射撃か着発だろうか。どちらにせよ、自分で撒いた罠にかかって不様に死ね。男にとって、それは相手が被るべき当然の報いだった。

 

 しかし、敵に全く影響が見えない。凝で防いだ様子もなく、精神力で耐えた印象もなかった。初めから効力などないというかのように、澄まし顔のままで間合いを詰めてくる。この発を修得してはじめての経験に、逆に男が目を見張った。致命的な隙だった。

 

 AKMのフルオートを全身に受けた。堅で守る肉体では致命傷にはなり得ないが、猛烈に痛く、そしてなによりうっとうしい。硬直した男の懐に、青年は素早く潜り込んできた。投げか。男が意図を悟ったとき、体は既に落下していた。スローモーションに見える視界の端に、放棄されたカラシニコフが浮いていた。

 

 背中から、強かに路面に叩き付けられた。アスファルトの皮が路盤から浮いて、弾んで波打つほどの強烈な衝撃。辛うじて間に合った凝のおかげで、ダメージはそれほどでもなかったが。

 

 次の一手が、ひどくやばい。

 

 ガキリと、相手が一瞬硬直した。右手人指し指の先端にオーラが集まる。戦いの最中、不自然な全身停止をしてまで実現したのは、背筋も凍る密度の硬だった。男は考えずとも分かってしまった。致命的な、反則的な貫通力を持っていると。

 

 全て、このためか。見上げれば、敵の背後で砲弾が弾け、曳火射撃の雨が降る。起き上がる暇は全くない。男は死を覚悟した。だが、彼はこいつが嫌いだった。こいつに殺されるのは癪だった。例えつまらないこそ泥でも、男には男の意地がある。右手に握ったままの拳銃に、六発分のオーラを込めた。

 

 その上から更に、七発目の念弾を装填する。

 

 させじと敵が硬を放つ。が、高超音速マッハ数を誇る男の念弾には適うまい。銃身で照準を付ける必要はなかった。心の中で六発分、狙いを定めて引き金を引いた。一回の射撃で七発が、的外れな方向へ飛んでいく。強烈な虚脱感に襲われた。大量のオーラが流れ出た感覚。堅も儚く纏へと堕ちた。

 

 男は奥歯を噛み締めて、一心不乱に堅を立て直そうと試みる。起き上がることも後回しだ。曳火射撃などどうでもいい。その程度の脅威に、構っているだけの余裕はなかった。なにしろ、七発目がどこに当たるかは、彼自身にも分からないのだ。

 

 相手の体がぐらりと崩れた。当然だ。頚椎、心臓、左右それぞれの頸動脈、肝臓、金的。どれか一つでも必殺の急所。その全てに対してあやまたず、男の念弾が突き刺さったのだから。

 

 直後、男の体を念弾が貫く。大動脈。左心室直後の人体最大の血管を、銃弾は的確に打撃した。男の喉から空気が漏れる。絶叫にならない絶叫だった。練り上げたオーラと鍛え上げた胸板で辛うじて血管は破れなかったが、全身が弓なりになって痙攣した。口からは泡が吹き出していた。

 

 激痛に見開かれる男の眼。が、それは更に大きく開いた。止めどなく流れる涙に濡れて、ぼやけた瞳で男は見た。

 

 なぜ、敵は倒れていないのか。

 

 土壇場で硬を放棄した。それは分かる。が、そこから先がありえない。流の速度が異常だった。状況把握が正確すぎた。命中箇所にそれぞれ硬を分散して、的確かつ確実に防いでいた。時を止めたかのように、全てが完璧な対処だった。なぜ、あの刹那で全てを見切れたのか。オーラの量もありえない。なぜ、あそこまで急激に増加しているのか。なぜ。

 

 踏み止まった体勢のまま、無機質な眼球が静かに動いた。

 

 男の脳裡に浮かんだのは、いつか見た映画のワンシーン。壊れたと思ったロボットが、煙を上げて動いてくる。甲高い作動音を響かせながら、眼に映る人間を破壊する為に。

 

 男は全力で跳ね起きた。動かない体が動いたのは、粟立つ魂のせいだろう。股間の括約筋は完全に弛み、大小の排泄物を洩らしていた。生存本能の働きだった。今は身だしなみなど構ってられない。余計な荷物は留めておけない。そんなお上品な目的に、使っていいエネルギーは欠片もなかった。

 

 曳火射撃の雨の中、今、はじめて、男は眼前の敵に戦慄した。

 

 

 

 灰神楽だ。もうもうと撒き上がる土煙を、フェイタンはそう感じ取った。イラついていた。目に入る。愛用の衣装が埃で汚れる。だが、安易に抜け出る事は適わなかった。これも全ては、あの忌わしい女のせいだった。

 

 大空にいる光点を彼は見つめる。赤い、光り輝く一対の翼が、呆れるほど鈍重に旋回していた。確か、名をエリスと言っただろうか。クロロから彼女の性能を告げられた時、フェイタンは半信半疑だったのだが。

 

 再びエリスがダイブを始めた。急降下とともに両手にオーラを漲らせる。遠目にも分かる禍々しさ。纏をせず、辺りに無駄にばらまいている。が、何より脅威だったのは、あの女の念に力みや猛々しさが微塵も見えない点だろう。フェイタンほどの達人であれば間違えようがない事実である。練による増量の成果ではない。あのふざけた量のオーラは、あくまで彼女の自然体なのだ。

 

 フライパスとともに赤い閃光が降り注ぎ、豪快に周囲を薙ぎ払った。コンクリートの巨大な塊が容易く砕け、地面が深く陥没する。戦車の残骸がひしゃげて潰れ、榴弾砲の直撃に抗甚するひときわ頑丈なトーチカに、轟音と共に亀裂が入る。ウボォーギンをも遥かに超える破壊力。それが、何よりもフェイタンをイラつかせた。

 

 パクノダの報告の比ではない。現物は更に異常だった。あれほどの獲物が、あれだけの女が、なぜ、届かない場所を飛んでいるのか。手の届く場所にいたならば、全身くまなく壊せただろうに。

 

 降りて来い。そしてワタシに身を捧げろ。フェイタンは鋭い表情でエリスを睨み、煮えくり返るはらわたを焦がし続けた。散々に痛めつけられた彼の体は、憎悪をさらに増幅させる。

 

 また攻撃だ。粉塵だらけのこの場所で、光は是非もなく拡散する。それが粒子に動きを与え、閃光に複雑な乱流と乱反射を纏わせていた。威力こそ分散されているものの、危害範囲が尋常ではない。躱したはずでもダメージを喰らう。四方八方、全周から硬で殴られたかのような理不尽な打撃。

 

 逃げ回り、隠れる事に専念すれば、今はまだ捉えられる確率は低かった。エリスという女は間抜けにも、索敵がひどく不得手らしい。が、それでも、手近な遮蔽物は砕かれていき、行動範囲は削られていく。調子に乗った軍隊までもが、いらぬ手出しをしてきてうっとうしい。機関砲に戦車砲。腰抜けな長距離狙撃など発火炎をみてから離脱できたが、こう何度も繰り返されれば面倒だった。唯一ましだと言えたのは、マチが軍相手に暴れていて、奴らの意識は大部分がそちらに向けられている事だろうか。

 

 そもそも、なぜフェイタンが逃げ回り続けなければならないのか。彼はそれが気に入らない。剣も拳も、空を飛ぶ敵には届かない。エリスは常に羽ばたいて、都合のいいときだけ接近して攻撃を放ってくる。奪った銃を撃ってみることも試したが、赤い光に粉砕されて終わりだった。

 

 飛行船が二隻、悠々と爆弾を散布していく。フィンクスが落とさなかったものだった。フェイタンは全身のバネをしなやかに使い、全速で疾走を開始した。調子に乗ってやがる。ギリリと奥歯を噛み占めた。もう随分と長く戦っているが、炙りだされるのも時間の問題だった。せめてまともに戦わせろ。それが彼の渇望だった。

 

 勢いのまま機関銃トーチカの銃眼へ飛び込んで、乱入と同時に有象無象を断首した。人体から血液が勢いよく吹き出し、狭い壕内を鮮血が飛び交う。いい匂いだ。フェイタンは血糊の中で深呼吸して、久々の癒しを楽しんだ。苛立ちか微かに中和されて、少しだけ落ち着きを取り戻した。

 

 銃眼から外へ躍り出て、新しい気分でフェイタンは走る。地雷原だった。遮蔽物を利用しながら移動しつつ、数多の地雷が敷設された領域へ躊躇なく侵入した。地中に秘められた存在も、フェイタンの眼は誤摩化せない。一瞬の早業で地面を切って対人地雷を幾つも掘り出し、適当な穴に重ねて納めた。これでいい。あとは駆け引き、タイミング、そして風向きだ。

 

 遠くの丘で自走砲が軒並み暴発し爆散していた。きっとマチの仕業だろう。

 

 エリスをはめる事は簡単だった。ほんの少し存在をアピールしてやるだけで、猪突猛進に突っ込んでくる。なんて愚かな女だろうか。フェイタンは衣装に隠れてほくそ笑んだ。

 

 上空を通過しようとお決まりのコースに入ったのを確認して、フェイタンは地雷を強烈に踏み締めた。衝撃が信管を作動させて、彼の身体が宙へと吹き飛ぶ。硬で防御した肉体でもいくらかダメージが通ったが、そんな些事はどうでもよかった。

 

 呆然と、間抜け女が上を見る。エリスを見下ろすのは痛快だった。唇を釣り上げ、愛剣をしかと握りしめる。絶好のタイミングで空を舞って、フェイタンは最良の機会を手に入れたのだ。

 

 交差は一瞬。が、その寸前に。

 

 フェイタンの意図は、適わなかった。

 

「クソがっ」

 

 落下しながら悪態をついた。右腕は繋がっていた。辛うじて、原型らしきものは保っていた。が、骨という骨がひしゃげ、粉々に砕けきっていた。鍛え抜いた肉体を堅で包んだ上からでも、余裕で押しつぶす圧倒的な圧力。専門の術者に診せたとしても、完全な回復までいくだろうか。いや、それ以前に動かす事ができるのだろうか。それほど酷い損傷だった。

 

 エリスが、発光する腕をかざしたのだ。遠距離からの砲撃とは全く違う、威力の桁が違う閃光だった。

 

 体勢を立て直せないまま、肩から地面に激突した。そこは地雷の真上だった。爆風が猛烈に吹き上げる。傷付いた右腕に激痛が走り、肉体に滑稽な悲鳴を上げさせた。生涯最大の屈辱だった。

 

 とどめでも指す気なのだろう。エリスは離脱する事なく旋回し、再びこちらへ突っ込んできた。調子に乗った、売女が。

 

 もうもうと砂塵が舞う中で、フェイタンがゆらりと立ち上がった。限界を超えた怒りを全身に滾らせている。後の事などどうでも良かった。痛みを返す。それだけがフェイタンの存在する意義になった。

 

 彼の能力が発動した。【許されざる者(ペインパッカー)】。防護服が具現化する。念の密度が飛躍的に高まって、報復の為の鬼と化した。防護服の内側で無事な左の拳を握りしめ、地面へと全力で突き刺した。莫大なオーラが大地へ向けて浸透し、フェイタンは辺り一面を掌握した。半径25メートル以上のオーラの円陣。エリスは先ほどの二の舞を避ける為だろう。遥か上空でオーラを集中させていた。だが、その場所は。

 

 今のフェイタンにとって、あまりに低い高度だった。

 

 ボルケーノ。オーラを灼熱に変化させた。噴火の如く、怒濤の熱流が吹き上がる。クズ女を灰燼に期す為に。味わった痛みを返す為に。お前には土葬も勿体ない。無惨に、惨めに、孤独に、成層圏まで飛んでいけ。

 

 圧倒的な炎柱が雲を貫いて昇っていった。上昇気流が形成され、全てを吸い込んで巻き上げていった。フェイタンの能力が収まったとき、周りには何一つ残らなかった。

 

 春の午前の陽を浴びて、地面がキラキラと輝いていた。先ほどまでの面影は全くない、ガラス質の蕩けた地表だった。粉塵のない、爽やかな空気が流れている。静かだった。

 

 見上げると、広大な青空が広がっていた。飛行船が二隻、ゆっくりと炎を上げて堕ちていく。

 

 ——小川は流れず、丘はそびえず。

 

 体内のオーラをすっかり消費し、フェイタンの心は気怠い清涼感に満たされている。愉快を越えてすっきりしていた。苛つきは既に残ってない。痛みも、今だけは忘れていいだろう。世界はこんなにも美しかった。

 

 そして、彼の命は消失した。

 

 たった一発の銃声が、静寂の中に鳴り響いた。フェイタンの胸板の中心を、しっかりと見据えて射撃していた。およそ1km先、潰れた建物の瓦礫の中、死に瀕しても冷静なままだった一人の狙撃手。名も、顔も、何も知らない一介の兵士の、なんの変哲もないただの狙撃。

 

 銃声を切っ掛けに、思い出したように攻撃が始まる。戦車が、榴弾砲が、機関銃が、倒れゆくフェイタンに向けて猛攻を加えた。肉体が砕け壊れていった。

 

 だが、銘記せよ。彼の命を奪ったのは、強力な念の使い手でもなければ破壊に長けた兵器でもなく、どこにでもある一発のライフル弾だったのだと。

 

 

 

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【第七の弾丸(ブレット・オブ・ザミエル) 放出系・操作系】

愛用の拳銃を介して念弾を7発同時に放出する。

7発中6発は能力者の意図する箇所に必ず命中し、残りの1発は能力者が無意識で最も命中してほしくないと願う箇所へ必ず命中する。

ただし能力者が存在を明確に認識していない対象は標的にならない。

弾丸は個々が独立して自動制御され、自らを構成するオーラを消費して円を展開し索敵する。

このために通常の念弾よりも距離にる減衰が激しい特徴がある。

 

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次回 第十八話「雨の日のスイシーダ」


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