聖闘士星矢~ANOTHER DIMENSION 海龍戦記~改訂版   作:水晶◆

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第3話 教皇の思惑!の巻

 聖闘士と認められてから一週間。

 聖闘士としてある程度の行動に自由が認められた俺は、旅行者を装い自らの意思としては実に四年振りに聖域から外の地へと足を運ぶことにした。

 

 ギリシャの首都アテネの東南、アポロコーストの海岸沿いを進む事しばらく。

 地図上ではエーゲ海に突き出たアッティカ半島の突端部――その最南端の場所に俺が目指す場所がある。

 スニオン岬である。

 岬の先端には白い大理石の柱が大小多々にそびえ立つ。数千年の時を過ごした神殿の遺跡があり、観光名所として世界中から様々な人々が訪れている。そういう場所だ。

 その遺跡はかつて海神を祀る神殿であった。

 

 ――海皇ポセイドンを。

 

 

 

「あそこから見る夕日はまた格別だからねえ。テレビのおかげなのか、最近はあんたみたいな若い人も大勢来るようになったし」

 

 カフェのおばさんが言った通り、道中は若者の姿が多かったようにも思えたが、その事に関しては常日頃を知らないので気のせいかもしれない。

 元々、実年齢よりも高く見られがちな俺の外見から“未成年の一人旅”と思われていない事は都合がいい。

 いくら観光地とはいえ、この時期に真昼間から日本人の少年が一人でうろうろ、というのはさすがに目立つ。

 善意にしろ悪意にしろ、声をかけられたところでどうこうなる訳でもないが、面倒事は極力避けたくもある。

 実際、先程から何者かがこちらをちらちらと窺っているのを感じていた。

 

「それに比例してゴミやらガラの悪い奴等も増えたような気もするけどねぇ。お客さんは……ええと、ソツギョウリョコウってやつかい?」

 

「まあ……そんなところです。そんなに増えているんですか、若い人」

 

 今の俺は薄手のジャケットにシャツにジーンズというシンプルな服装だ。

 聖域を出てすぐ近くの町で買った安物ではあるが、四年振りの“普通の服”なので大切にしようと思っている。

 なにせ聖域はアテナの結界のおかげで『一般人には立ち入る事も出来なければその存在すら知覚できない』ある種の異界である。“現代の普通”という物が手に入りにくい。

 それにより遥か神話の時代からその在り方を変える事無く現在まで引き継げているのだが、衣食住まで引き継いでいるのはやり過ぎではないかと思う。

 

(海闘士も似た様なモンだったか?)

 

 そう考えてどうだったかな、と思い出そうとするが――そもそも現代の海闘士の事を何も知らない。

 おぼろげな記憶と知識から分っているのは海闘士最強である七人の海将軍、その筆頭であるシードラゴンは誰よりも早く海闘士として覚醒を果たし、海皇から全権を委ねられる――はずだった。

 生憎と、前世のオレは海皇に会う前に殺されているし、今の俺は覚醒から四年間聖域というアテナの結界の中で過していたので『外』からの接触もない。

 

(――ああ、そういえば)

 

 接触ついでに思い出した。

 聖闘士になったら財団支部に赴き報告しろ。四年前、俺達を送り出す時に辰巳がそう言っていたが……どうしろと?

 所在も連絡先も聞いた覚えがない。

 グラード財団は世界中にその支部を置いているらしいから、誰かに聞けばわかるだろうが。

 

(財団の支部ってこの辺りにあったか? さすがに観光地にはないよな)

 

 素直に従うのも癪だったが、よくよく考えてみれば報告してやる必要があるのか?

 あの当時ならともかく、今の俺には生きていくのに財団をあてにする必要は全くない。

 全くないが、黙っていてそれがバレれば……社会的にどうこうされそうな気もする。

 俗世に関わらない聖闘士として生きるとしても、現代社会を生きる人間なのだから表の顔はいるだろう。そうなるとやはり少し困る事になりそうだ。

 

「……別にいいか。何かあれば向こうから連絡を取るだろ」

 

 そもそも俺達を送り出したのは財団であり、修行についての話を通したのも財団だ。

 俺たちの居場所や連絡先が分らない、なんて事はないだろう。

 多分。

 

 と、そこまで考えて、今更ながらに引っかかる点があった。と言うより、ようやくそれを考えるだけの余裕ができたとも言うが。

 

(百人の孤児をかっ攫ってまで、俺たちを聖闘士にして財団に、いや、城戸光政に何の利がある?)

 

 あの時、あの爺さんは『聖闘士とするべく俺達孤児を集めた』と、確かに言っていた。

 グラード財団の私兵にするのではないか、と思っていたが、原則として聖闘士を従える事が出来るのは女神アテナと教皇のみ。

 ただの財界の一個人の意志によって好き勝手に動かせる存在ではない。

 まさか、世界の平和のために一人でも多くの聖闘士を、とでも考えているのだろうか。

 そもそもとして、城戸光政はどこでどうやって聖闘士の事を知った?

 確かに要人警護や世界的に重要な施設の警備などの勅命を受けて『外』へと出る聖闘士はいる。

 グラード財団の実質的な最高権力者であるあの爺さんになら、そういったところで繋がりがあってもおかしくはないし、関わりがなかったとは言い切れない。

 しかし、聖闘士の存在もそこで起きた事も全て秘匿する事が条件である以上、仮にそうだったとすれば爺さんの行動は聖域と交わされた約束に反する事。

 この辺りの秘匿性は時代が進むにつれて多少緩くはなっていたが、聖域から刺客が放たれるぐらいの報復は覚悟せねばならない。

 命を奪うまでには至らずとも、社会的に消される可能性は十分にある。

 

「……暇な時にでも調べてみるか」

 

 仮定に仮定を重ねたところで意味はない。

 

「ホラさ、最近ニュースでも取り上げられている『若き天才音楽家ソレント』って子がいるだろ?

 そしたらさ、この前ね、あたしあそこで会っちゃったのよ! サインも貰ったんだよ――」

 

「ははは……いや、俺はあまり音楽には興味がなくて」

 

 頬を染めて何やら語り出したおばさんの勢いに曖昧な返答を返し、昼食の代金を支払うと俺は店を出た。

 服の代金と今の食事で元々軽かった財布が更に軽くなっている。

 正直小遣い制ってのはどうかと思う。

 

 ホテルに戻り、預けていた聖衣箱を受け取った俺は、沈みゆく夕陽を眺めながら人影がまばらになった海岸をのんびりと歩いていた。

 夏場、それも週末であれば海水浴に訪れる人で賑わうらしいが、温かくなり始めているとはいえ四月ではまだ早い。

 気が付けば、いつの間にか日は落ち、遺跡を照らしていた照明も落とされ始めている。

 辺りは夜の闇に包まれようとしていた。

 

 

 

 

 

 第3話

 

 

 

 

 

 ――聖域十二宮。

 

 黄金十二宮とも呼ばれるそれは、聖域の更に奥に存在する。教皇の間とアテナ神殿へと続くただ一つの道であり、道中の十二宮は聖闘士最強の黄金聖闘士が守護するまさしく聖域の要とも言える場所である。

 白羊宮――牡羊座(アリエス)から始まり黄道十二星座に沿って金牛宮――牡牛座、双児宮――双子座と続く。

 神話の時代より、黄金聖闘士が揃った十二宮を正面から突破した人間は誰一人いないと伝えられている。

 

 

 

「これはアルデバラン様。さすが、お早いお着きですな」

 

「うむ、教皇はどちらに?」

 

 その十二宮の奥、教皇の間へと続く扉の前に、黄金聖衣を纏い純白のマントを身に着けたアルデバランの姿があった。

 聖闘士にとって聖衣は正装であり、聖域の聖闘士の多くはこうした重要な場では常に聖衣を纏っている。

 

「先程、瞑想(メディテーション)を終えられて教皇の間へ。アルデバラン様がご到着されましたらお通しする様にと申しつかっております」

 

「分った」

 

 そう神官に返すと、アルデバランは奥へと進む。その先には、細やかな意匠が施され見る者に荘厳な雰囲気を与える巨大な扉がある。

 教皇の間である。両脇に立つ衛兵がアルデバランの姿を確認すると、ゆっくりと扉を開き彼を奥へと促した。

 

「タウラスのアルデバラン、只今戻りました」

 

 そい言ってアルデバランは片膝をつき、正面に座す相手へと頭を垂れる。

 

「おお、戻ったかアルデバラン。ご苦労だったな、さあ面を上げよ」

 

 労いの言葉を掛けるのは、未だ幼い女神アテナの代理として聖域を、聖闘士を統括する教皇であった。

 純白の法衣を纏い、歴代の教皇に代々伝えられる兜とマスクを身に着け玉座に腰掛けている。

 

「何か……私が不在の間に良い事でもあったのですかな?」

 

 アテナの加護により奇跡的な長寿を得て、二百数十年前の前聖戦から生き続けていると噂される教皇の素顔をアルデバランは知らない。

 マスクによって表情は分らないが、それでも醸し出される陽の雰囲気は分る。

 顔を上げたアルデバランの問い掛けに、どこか楽しそうに教皇は答えた。

 

「フフフッ、そうだな。だが、それはお前も喜ぶべき事なのだぞ?」

 

 ちなみにマスクで素顔を覆っているとはいえ、教皇は女性聖闘士ではない。

 それはアテナのため、地上の平和のために己という個を殺し仕えるという覚悟の証とされていた。

 教皇としての役割を終えるまで、人前でそのマスクを取る事はない、と。少なくともアルデバランはそう聞かされている。

 側近すら知らないとされるその素顔を知る者がいるとすれば、それは仕えるべきアテナか、同じく前聖戦の生き残りとされる中国五老峰の老師――天秤座の黄金聖闘士だけであろう。

 

「お前の弟子である海斗が先日の試合を経て見事聖闘士となった。エクレウスの青銅聖闘士としてな」

 

「……青銅ですか? いや、あの者の力から試合そのものは左程心配しておりませんでしたが――」

 

 それでも師としては嬉しい事です、と。思わず出た失言を誤魔化すかの様に豪快に笑うアルデバラン。

 そこに――

 

「フッ、些か本音が出たなアルデバラン」

 

 八十八の聖闘士。黄金、白銀、青銅と続く聖闘士の位としては最下層とはいえ聖闘士は聖闘士。

 その事に釘を刺したのは、この教皇の間に静かに現れた一人の黄金聖闘士であった。

 

「確かに聖衣には階級が存在する。だが、それを身に纏う者の力量が必ずしもそれに等しいわけではない。弟子が可愛いのは分るが――自重しろ」

 

「ははは……。いや、いやいや、そんな事はないぞ!?」

 

「なら、そう言う事にしておこうか」

 

 そう言ってアルデバランの横を通り過ぎた男は、教皇の前で静かに片膝をつく。

 

水瓶座(アクエリアス)のカミュ、只今参上致しました」

 

 水瓶座(アクエリアス)のカミュ。

 氷の闘法――凍気を極めた十八歳の若き黄金聖闘士である。

 

 偶然か、必然か。はたまた神の意志であるのか。神話の時代より、アテナを守り共に闘う聖闘士の多くは少年であったとされている。

 アテナがこの地に生を受けて既に十一年。

 それに合わせるかの様に、現在聖闘士として認められている者たちの多くはアテナと同じく十代の少年少女が半数以上を占めていた。

 

「うむ、よく来てくれたなカミュ。そうアルデバランを苛めてやるな。お前とて弟子を持つ身だ、いざその時になれば――どうなるかは分らんぞ?」

 

「……お戯れを」

 

「あ~、ゴホンゴホンッ!」

 

 どうやら二人からからかわれていると悟ったアルデバランは、わざとらしく咳をしてこの流れを止めようとする。

 その様子にからかい過ぎたかと、カミュは表情を改めると本来の要件に移ろうとした。

 

「それで教皇、今回シベリアから私を召喚されたのは何故でしょうか? このカミュだけであればまだしも、ここにはアルデバランがいる。

 黄金二人をもってして当たらねばならない様な事でも起きたのでしょうか?」

 

 聖闘士としての基本的な存在が青銅とするならば、白銀は聖闘士として完成された存在であり、聖闘士最上位である黄金はそれすらも超越した究極の存在である。

 黄金聖闘士一人の前では、青銅聖闘士や白銀聖闘士かどれ程集まったところで掠り傷一つ負わせる事は出来ない。

 身に纏う聖衣の能力に圧倒的な差があるのは確かだが、もっと根本的に聖闘士の力の根源である小宇宙の大小、その桁が違うのだ。

 通常、聖域からの勅命は白銀を中心としてそのサポートに青銅が就く形で行われており、大概の用件はそれで事足りる。

 故に黄金聖闘士が新たに勅命を受ける頻度は遥かに少なく、この教皇の間に於いて黄金聖闘士同士が顔を合わせなど稀な事でもあった。

 

「いや、そう緊張する必要は無いカミュよ。アルデバランとお前がこの場で顔を合わせたのは偶然だ。本来、アルデバランが此処に来るのはもう少し後であったからな」

 

 余程弟子が心配だったのだろう。そう言って笑う教皇に、先のアルデバランの様子を思い浮かべ成程と納得するカミュ。

 その二人の様子にまだ引っ張るかと、アルデバランは不機嫌も露わに顔を背けムスッとしていた。

 

「フッ。さて、カミュよ。お前に頼みたいのはブルーグラードについてだ」

 

永久凍土(ブルーグラード)……つまり氷戦士(ブルーウォリアーズ)ですか。しかし、彼らが隆盛を誇ったのも今や遥かな過去の話。

 一度滅びを迎えた彼らはその力を、北極圏から他の地域を支配するというかつての野心を失っています。現当主ピョートルも争いを好まぬ男です。

 正直に言ってしまえば――今の彼らはこの地上の脅威とはなり得ません」

 

「それは分っている。杞憂で済めばそれで良い。だが、最近彼の地から良くない気配を感じるのだ。お前を向かわせる程でもないとは思うのだが、場所が場所だけに他に適任者がいなくてな」

 

 雪と氷に覆われ、草木すら育たず命を育む事の無い極寒の地ブルーグラード。

 であれば、確かに自分以外の適任者はいないとカミュは考え、しかし、ならばと進言を行う事にした。

 

「畏まりました。しかしながら教皇、ならば――」

 

「お、おいカミュよ、何を考えている! 教皇の命に対して……」

 

 カミュの無礼とも言える発言を諌めようとしたアルデバランであったが――

 

「よい、アルデバランよ」

 

「は、ハッ」

 

 教皇自身が構わぬと言うのであれば、彼には何も言う事は無い。

 

「解っているカミュよ。――以後、氷戦士の件はお前に全て一任する。弟子が可愛いのはカミュもまた同じという事だ。弟子に与える試練としてふさわしいかどうかは分らんが……な」

 

「――ハッ」

 

 恭しく頭を下げたカミュの姿に頷いた教皇は、次いでアルデバランへと視線を向けた。

 向けられた視線に気付き、アルデバランは姿勢を正す。

 

「待たせたな。では聞こうかアルデバランよ」

 

「……ご報告致します。五老峰の――老師からのお言葉は『七百十八』との事です」

 

 そう伝えられたものの、アルデバラン自身この言葉の意味は分らない。疑問もあったが、教皇や老師のお考えなど自分如きに推し量れるモノではないと考える事を止めていた。

 自らの高齢と、アテナからの直々の勅命である事を理由としてこの十数年間、教皇からの聖域への召喚に一切応じようとしない五老峰の老師。

 だが、完全に聖域との関わりを絶っているわけでもなく、使者が訪れれば助言や苦言を呈する事もある。

 

「そうか。いよいよ……なのだな。ご苦労であったアルデ――」

 

 アルデバラン、そう続けようとした教皇の言葉が止まった。

 

「教皇?」

 

 何事かと訝しんだアルデバランが顔を上げれば、玉座から立ち上がり微動だにしない教皇の姿があった。

 カミュを見れば、彼もどうしたのかと分らぬ様子でアルデバランを見た。

 教皇と、もう一度声をかけようとしたアルデバランであったが――

 

「……何だ、この異様な小宇宙は? いや、消えた?」

 

 突如感じた巨大な小宇宙に思わず周囲を見渡していた。カミュもそれを感じたのか、普段冷静な彼には珍しくどこか緊張した様子でその出所を探ろうとしていた。

 ほんの一瞬であったが、二人が感じた小宇宙は黄金に迫ろうかとする程。白と青。異なる二色が螺旋を描き混ざり合う様なイメージ。この特徴的な小宇宙の持主をアルデバランは知っていた。

 

「海斗……か? しかし、どこからだ? それにあの小宇宙の感じは……」

 

 まるで戦いの場であったような。

 感じられたのは僅か一瞬の事であったが、そこに宿る激しさは平時にはあり得ぬものを秘めていた。

 

「……ふむ。やはり興味深いな」

 

 その呟きに、落ち着きを取り戻したアルデバランが視線を向けた。教皇は何かを考えるようなそぶりを見せた後、再び玉座に腰を下ろす。

 

「気にする事はない。二人は知らぬであろうが、この教皇の間は古の秘術により周辺の小宇宙を感じ取り易くなっている」

 

 そう言って教皇は続ける。

 

「海斗が聖闘士となって七日。そろそろ己の小宇宙が聖衣によってどれ程高められるのかを知りたくなる頃だ。許可も与えてある。己の限界を知る、それは悪い事ではない。だが――」

 

 これは早々に昇格を考えねばならんかと教皇が笑う。

 アルデバランとカミュが顔を見合わせた。二人とも先程感じた小宇宙をその様には感じていなかったのだが、教皇がそう言うのであればそうなのであろう。

 どこか納得できないモノを抱えつつ、二人は片膝をつくと教皇へと頭を下げた。

 

「教皇様、そろそろ……」

 

 そんな二人の背後から、教皇の側近が姿を見せた。短く刈り上げられた髪と鍛えられた体躯を持った巨漢だ。

 聖闘士にはなれなかったが、そのアテナへの忠誠心と誠実さから教皇に見出された者だったかとアルデバランは思い出す。

 

「女神アテナ様に拝謁なされるお時間にございます」

 

「そうか。では二人とも下がってよい。ご苦労だった、お前も下がっていよ」

 

「ハッ!」

 

 そう言って皆を下がらせた教皇は、しばらく玉座に腰掛けたまま彫像に様に身動ぎ一つしなかった。

 

 

 

 しんと、教皇の間に静寂が広がる。

 

「……神の一手先、か。目先も読めぬ男に成せるモノではない。成せると本気で考えているのならば、それはお前の愚かな驕りにしか過ぎん」

 

 やがて、教皇はどこか気だるそうに立ち上がると――

 

「愚かなのは私も、か」

 

 玉座の背後――アテナ神殿へと続く扉を覆う巨大な天蓋を潜り、その向こうへと姿を消した。


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