緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第63弾 暴かれし過去の一部

「椎名? 椎名 優希? キャハハ、なにその格好?」

 

赤毛のミンがバカにしたように俺を見て言った。

 

「優希君。 お久しぶりです。 元気そうでなによりですよ」

 

「よく言うなシン、俺が兵庫にいられなくしたのはお前らだろ?」

 

「なんのことです?」

 

ふん、とぼけるか?

 

「優? こいつらは?」

 

キンジがベレッタをしまいまがら聞いてくる。

ちっ、こいつらの説明なんてしたくないんだが・・・

 

「僕たちは兵庫武偵校のものです。 クエストを受けて藤宮の方々を護衛しにきました」

 

先にシンが口を開いてきた。

 

「僕はシンといいます。 兵庫武偵校ではアサルト2年、ランクはSです」

 

「あたしは、ミン。 兵庫武偵校アサルト2年、ランクはAよ。 よろしくね」

 

赤毛のミンが好戦的な瞳を向けていう。

 

「春蘭です・・・兵庫武偵校スナイプ2年、ランクはAです」

 

アサルトのランクSは特殊部隊1個中隊と同程度の戦力とされているつまり、戦力はそれ以上

 

「俺は遠山 キンジ。 東京武偵校所属、インケスタ2年。 ランクはEだ」

 

名乗られたら名乗り返すと思ったのだろうキンジが名乗り返す。

 

「私は紅 真理奈です。 東京武偵校所属、ダギュラ1年。 ランクはSです」

 

「俺は名乗らなくてもいいよな?」

 

 俺が言うとシンが頷いた。

 

「もちろんです。 友達の情報は分かっていますから」

 

「友達なんていうんじゃねえ」

 

怒気を込めて俺は3人を睨む。

 

「ゆ、優先輩?」

 

マリが聞いてくるが俺はそれを無視する。

 

「友達だと? 本気で言ってるなら今、解消しろ。 俺はお前らがしたことを忘れたわけじゃねえぞ」

 

すでに、怒りで戦闘狂モードが発動している。

それほどまでに、この3人がおれは好きではない。

 

「何か誤解があるようですね。 わかりました。 ですが、護衛はさせていただきますよ。クエストは受けているのですから」

 

「誰が護衛を依頼したんだ?」

 

俺が聞くとシンはにこりとして

 

「クライアントの情報は明かせませんが兵庫武偵校の許可はありますよ。 確認していただいて結構です」

 

こいつがそういうんだ・・・兵庫武偵校に連絡しても正式な命令があるだけだろう。

 

「必要ねえよ」

 

「ご理解いただいて幸いです」

 

シンが言った。

舌打ちして奏ちゃんの手をつかむ

 

「え? いた、ちょっと変態・・・」

 

「キンジ、マリ千夏ちゃんを連れてきてくれ。 家に帰る」

 

そう言った俺達の前に2人が立ちふさがる

 

「どけよシン」

 

「いえ、どけません。 2人の護衛は僕らに任せていただきます」

 

「ああ? これは俺たちが先に受けたクエストだ。 後から割り込んでくるんじゃねえよ」

 

「僕らは正式にクエスト受けました。 邪魔をするのであれば実力で排除します」

 

「おもしれえな・・・」

 

言ってから俺は気づいた。

春蘭のライフルが俺にむいている。

シンとミンも戦闘体制だ。

Sランク1人、Aランク2対Sランク1人、E2人。 スナイパーがいる時点で勝ち目はない

せめて、キンジがヒステリアモードなら・・・

 

「ちょっと! 待ってください! なんで護衛同士が争うんですか!」

 

一瞬即発の空気の中に入ってきたのは奏ちゃんだ。

真っ向から、シンの目を睨みつける。

 

「それは、優希君が護衛にふさわしくないからです」

 

「だから、なんでそんなことを・・・」

 

「簡単です。 犯罪者に護衛なんて務まらない」

 

言いやがったか・・・

 

「え?」

 

信じられないというように奏ちゃんが俺を見る。

マリや、キンジ達も同様だ。

 

「・・・」

 

言えることなどない。

 

「椎名 優希、裁かれるべき重犯罪者ですよ彼は」

 

一つ・・・幸運なことがある・・・アリアがいなくてよかったな・・・

それだけが救いだった。

 


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