緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第39弾ロボット少女のお部屋

「優どこ行くのよ?」

 

「え?」

 

中華料理店を出て俺が帰ろうとするとアリアが声をかけてくる。

 

「どこってキンジの部屋と言うかもう俺の部屋でもあるが」

 

「帰ったら風穴」

 

「なんでだよ!」

 

そこで、俺はアリアがまばたき信号をしているのに気付いた。

それを読み取ると

デュランダルが盗聴してる可能性がある。

そのため、キンジとは喧嘩したふりをして護衛をキンジ一人に任せる

だ。

ふりって・・・本気で喧嘩したくせに・・・

 

「で、でもそうなると俺はどこに行けばいいんだ? 不知火の家か武藤のとこか?」

 

「レキの部屋よ」

 

「まずいだろ! 女子寮だぞ! っていうかレキはいいのか!」

 

話はついているらしいこくりとレキが頷く

 

「駄目です! 椎名先輩は私の部屋に来てください!」

 

焦ったようにいいだしたのはマリだ。

ええい!お前も女子寮だろうが!

 

「それじゃ意味ないのよ!」

 

「意味ってなんですか! 椎名先輩私の部屋に来てください! 精一杯おもてなししますから」

 

「こ、こら腕を掴むな!」

 

「こいつはあたしの奴隷よ! 優! どちらに行くか選びなさい」

 

1 アリアに従いレキの部屋に行く

 

2 マリの部屋に行く

目の前に選択肢があるみたいな状況じゃねえか!

しかし、アリアにも考えがあるみたいだしここは1だな

 

「悪いがアリアの提案に乗る」

 

「そんなぁ・・・」

 

がくりとマリは肩を落としアリアは当然よと言うようにない胸を張る。

かくして、俺の女子寮ライフが始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

女の子の部屋ってぬいぐみとか一杯とかイメージがあるが現実はそうじゃないんだな・・・

レキの部屋に足を踏み入れた俺がいだいた感想はまず、それだった。

一言で言えば何もない。

武器を整備する道具は揃っているがカーペットもカレンダーすらかかっていない部屋だった。

アリアが先に持ちこんだらしい寝袋などはあるがレキの私物がほとんどない。

レキの部屋なのにだ・・・

 

「お前はこんな部屋で生活してるのか?」

 

「・・・」

 

無言でコクリと頷くレキ

 

「ふーん」

 

窓から外を見ると丁度キンジの部屋が見える位置にこの部屋は会った。

なるほどなアリアはここからキンジ達を護衛するつもりらしい。

レキならこの程度の距離、問題なくサポートできるしな

そして、この晩寝袋って寝にくいんだなと俺は実感することになるが困ったのは隣で眠るアリアのクチナシの匂いのせいでどうしても寝れなかったんだ。

クレイモア地雷を仕掛けられなかったのは多少は信用してくれたのかな?

拷問だちくしょう!

隣の部屋ではレキが寝ているはずだがさすがにドアを開くのはまずいからな

リビングの端で俺は目を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

それから数日後、レキがキンジに呼び出されたと言う情報を聞いた俺はレキと一緒に学園島唯一のファミレスに来ていた。

 

 

「武藤か不知火の所にいると思ったんだがまさか、レキのところとはな・・・」

 

呆れたようにいうキンジ

 

「まあ、いいじゃねえか。 仮住まいだよ。 アリアと仲直しろよキンジ」

 

「あれはあいつが悪い・・・いもしない犯人に振り回されて・・・」

 

困ったもんだ。

アリアには黒衣の襲撃者の情報はキンジには与えないように言われているしキンジはそこまで警戒してないようだ。

まあ、デュランダルじゃないと言われてるから俺以外がそこまで、警戒する必要はないのかもしれんが・・・

 

「キンジ、多少は警戒しとけよ」

 

「優までそんなこというのか?」

 

少し怒ったような声で言うキンジ

アリアとの喧嘩が尾を引いてる結果か・・・

ヒステリアモードにならないと本当に駄目だな。

 

「悪い忘れてくれ。 そんなに怒るなよ」

 

「いや、俺も悪かった。 それで・・・」

 

キンジから白雪の近況を聞きながら俺達は雑談をかわす。

レキは終始無言。

何度か会話を振ったがこくりと頷いたりふるふると首を横に振るだけだった。

そして。アリアの話になり

 

「白雪とは大違いだ。 特濃渇根湯も買ってきてくれたしな」

 

「はっ? おい、それって・・・」

 

「あ、もうこんな時間か。 悪い優、レキ今日は用事があるんだ」

 

「用事?」

 

「ああ」

 

「用事とは外出ですか?」

 

いきなりレキが口を開いたのでびっくりして俺がレキを見ると

 

「だったらなんだ?」

 

「気を付けてください。 ここ数日は風に邪なものが混ざっている」

 

「うちの高校そのものがよこしまだろ」

 

といって行ってしまうキンジ

あれ! キンジ会計払ってくれたのかラッキー

そして、同時に俺は思い出す。

 

「あ! そういや今日は・・・」

 

俺は横にいるレキを見て少し考える。

 

「なあレキ!」

 

「・・・」

 

無言

 

「今日これから花火大会があるんだよ。 一緒に行かねえか?」

 

「・・・」

 

無言の無言

言ってから俺はとんでもないことを言ったんじゃないかと思い返す。

女の子と出かけるのってデートじゃないのか?

いやいや、違う! レキは友達だ。

ってあれ? レキと俺っていつ友達になったんだ?

去年はクエストでしか接点がなかったのに・・・

ぐるぐるといろいろ考えていたが

 

「はい」

 

レキの声が聞こえる。

 

「はい?」

 

バカみたいな声を出す俺

 

「花火大会に私も行きます。 優さんと」

 

おいおい・・・どうなるんだよこれ・・

 


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