緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

34 / 261
第33弾粗大ごみは処分しないと

食事を終えた俺達は帰るというレキと別れ、キンジの部屋に行くため階段を上がっていた。

紅 真里菜も俺の横を並んでいる。

ついてくるなと言っても行くと聞かなかったのだ。

 

「そう言えばマリの銃はなんだ?」

 

「私のですか?」

 

マリはスカートを軽くめくり、銃を取り出した。

 

「Cz75B型か、使ってる奴久しぶりにみたぜ」

 

こいつはキンジのべレッタ同様9ミリパラベラム弾を使用している自動式拳銃である。

チェコが開発した銃で歴史はさほど古くはないがこのタイプなら仕様に問題はない。

初期型ならBを進める所だからこれでいい。

俺はまりに銃を返す。

 

「本当は先輩と同じ大型拳銃にしようとおもったんですけど反動がすごすぎて扱えませんでした」

 

「ガバメントか?」

 

「デザートイーグルです」

 

「いや・・・」

 

無理だろう。

こいつの反動は半端じゃない。

一昔前の日本人は誤解してるやつが多いが自動車のエンジンを撃ち抜けるだの女性が打てば撃てば肩が外れるなど結構誇張も多い銃だ。

実際は姿勢さえきちんとしていれば女性でもこいつは扱える。

 

「反動が弱いCzで我慢しとけよ」

 

「そうします」

 

そんな会話をしながらキンジの部屋の前に立つ、仲から人の声が聞こえるので誰かいるんだろう。

扉に手をかけ中に入った瞬間、けたたましい警報音が鳴り響いた。

な、なんだ!

 

「かかったわね! デュランダル!」

 

廊下から飛び出してきたのはガバメントを構えたアリアだったが俺の顔を見た瞬間銃を下ろした。

 

「何よ。優じゃない」

 

「い、いいから警報を止めろ!」

 

「え? 聞こえないわ!」

 

「とーめーろお!」

 

俺はけたたましい音を立てる装置に向けて発砲。

デザートイーグルに貫かれてようやく警報は鳴り止んだ。

 

「何するのよ!」

 

「近所迷惑だろ! 開けるたびにこれじゃ死者でも飛び起きるぞ!」

 

「うるさいうるさい! それ直しておきなさいよ!」

 

こ、これをか? 見るも無残に壊れた装置を見て思う。

 

「あらら、これはもう、治せませんよ神崎先輩」

 

マリがひょいと俺の横から顔を出した。

 

「な、なんでその子がここにいるのよ!」

 

「それは、私は椎名先輩のアミカですから先輩の部屋に来るのは当然です」

 

正確には俺の部屋じゃないんだが・・・

正式な俺の部屋は何があったのか跡形もなくけし飛んでいた。

マスターズに問い合わせたらもう、そこに住めと言われたのだ。

さらば、俺の部屋よ・・・

 

「ああ、そのアリア。 マリはデュランダルの尋問を任せてほしいそうなんだが・・・」

 

「それは最後の段階でしょ? 今はダギュラの生徒に用はないわ。 それとも護衛のスキルでもあるの?」

 

「私、戦闘は全く駄目なんです。 ちょっとお邪魔したら帰りますから駄目ですか?」

 

そう言われればアリアも反対する理由も特にないらしい。

しぶしぶと言った感じだが

 

「じゃあ、トラップ仕掛けるの手伝いなさい。 優もよ」

 

「了解」

 

これ以上、アリアに逆らうと風穴なので大人しく部屋の中に入るとキンジと白雪がいた。

 

「あ、優君お邪魔してます」

 

「遅かったな優。 何してたんだ?」

 

「あ、椎名先輩は私とレキ先輩で御飯食べてたんです」

 

再び俺の後ろから現れたマリが説明する。

 

「こんばんは! 星伽先輩! 遠山先輩!」

 

「ああ、優のアミカの・・・」

 

認めたくないがもう、認めるしかないんだろうな・・・

 

「星伽先輩は初めましてですね。 ダギュラの1年紅 真里菜です。 椎名千先輩のアミカでやってます!」

 

「こら!腕に抱きつくな!」

 

ぶんぶんと右を振るがマリは手を離さない。

う、胸が当たってるぞ!

 

「星伽 白雪です。 よろしくね紅さん」

 

「あ! マリでいいですよ! 私名前の方が好きなんです」

 

「な、なななにしてるのよ優!」

 

げっ!

振り返ると顔を真っ赤にしたアリアがガバメントを向けるところだった。

は、離れろマリ!

 

「れ、冷静になれアリア!違うんだ! これは違う! 」

 

焦って後ろに後ずさり何かを踏んだ瞬間、頭に激しい衝撃を受けて俺の意識は暗転した。

か、かなだらい!?一体いつの時代のトラップ・・・なん・・・

こうして、めでたく3度目の気絶を俺は体験するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

サイド 紅 真里菜

 

「椎名 先ぱーい?」

 

ペチペチとマリは優額を叩くが完全に伸びているようだ。

 

「自業自得よ!」

 

アリアはそう言いながらガバメントをしまい自分の作業に戻る。

 

「あらら、どうしましょう先輩方、椎名先輩」

 

「まあ、放っておけば目も覚ますだろ」

 

以外にひどいんですね。 遠山先輩

 

「マリ! ちょっと手伝って!」

 

天窓に手が届かないらしいアリアが声をかけてくる。

 

「はい!」

 

アリアの踏み台になりトラップの設置を手伝いつつ遠山先輩と星伽先輩の言葉に耳を傾ける。

 

「フフフ、粗大ごみも処分しなくっちゃね」

 

そんな声が聞こえてきた。

思ったより混沌としてますねこの部屋の人間関係。

でも、星伽先輩私は応援しませんからね。

だって、遠山先輩には神崎先輩と付き合ってもらわないと椎名先輩が開かないじゃないですか。

私は気付いているんですよ。

椎名先輩がアリア先輩を見る目が他の女の子と少し違うことに・・・

でも、椎名先輩、レキ先輩には結構自然に話してたな・・・

うーん、ライバルは多いってことですね。

でも、最後に・・・を手に入れるは私なんですから・・・フフ

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。