緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第29弾ナイフ投げ授業

待ってくださいよぉと追いかけてくるマリをワイヤーの速度で引き離して俺は教室でうつぶせになって眠っていた。

教室ががやがやうるさくなってきたので顔を上げると丁度、キンジとアリアが教室に入ってくるところだった。

アリアと俺の目が合う。

ああ、神様・・・

この後、俺が風穴地獄の刑を受けたのは言うまでもないので省略させてもらう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、時刻は5時間目の少し前の休み時間、正確には移動時間なんだがアサルトの訓練場に行くためアリアと歩いている。

 

「いたた、まだ痛えぞ。アリア」

 

腹を抑えながら言うとアリアはふんと目を閉じながら

 

「自業自得よ。 あたしとの調教をほっぽり出して逃げた罰」

 

「いや、だってああしなければお前、撃ってただろ?」

 

まあ、結果的に後で撃たれるんならあそこで撃たれてもよかったんだろうけどな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

本日のアサルトの授業は対投げナイフ技だ。

簡単に言えば蘭豹が投げてくるナイフをなんとかしろというんだが・・・

 

「おら!椎名いくぞ!」

 

10メートルぐらい離れた場所からナイフを投げてくる。

はええよ!

銃を使って弾くのは禁止。

無論避けるのも禁止だ。

どうにかできなかった奴は防弾制服にナイフの衝撃を受けることになる。

馬鹿な避け方したら死ぬけどな。

俺は右腕を横に振るとナイフをはじく。

 

「おし!次 神崎!」

 

そして、アリアはと言うと投げナイフを・・・おお!

周りからもおおという声が響く。

アリアは真剣白羽取りでナイフを受けとめたのだ。

 

「すごいね。 神崎さん」

 

ん?

よこを見ると不知火が立っていた。

 

「まあ、白羽取りできる奴はあんまりいないからな」

 

「椎名君はできないのかい?」

 

「俺?」

 

うーんと考えてみる。戦闘狂モードならできるかもしれんが通常モードじゃ失敗する方が多いと思うな・・・

 

「不知火はできるのか?」

 

「アハハ、質問を質問で返されたね。 僕はできないよ。 遠山君ならできるかもしれないけど」

 

「ああ・・・」

 

ありえるな。

ヒステリアモードならの話だが・・・

 

「話は変わるけど椎名君アミカ作ったんだって?」

 

「その話はしないでくれ不知火・・・」

 

ずーんと頭を抱えて俺は下を向いた。

勘弁してくれよ。

あの、マリって子が来てから生活が乱れまくりだ。

ああ、白雪に付きまとわれるキンジの気持ちが少しだけ分かったぜ。

そのマリは今は専門科目の時間なのでダギュラにいるはずだ。

なんの授業するんだろ?

拷問の練習か?

 

「おっし! 全員終わったな!」

 

声に頭を上げると蘭豹が不吉な笑みを浮かべて俺達を見まわしている。

げ!

俺は不知火の背中に隠れようとしたのだが・・・

 

「おら!椎名!でてこい!」

 

「呼んでるよ椎名君」

 

か、勘弁してくれよ

その後、どうなったのかと言えばナイフの間をかいくぐって蘭豹に飛びかかった瞬間、像殺しと呼ばれる巨大拳銃M500を防弾制服に受けて気絶したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あたた」

 

ひりひりする箇所をさすりながら「優!明日には死んでろよ!」という声に「うるせえ! お前が死んでろ!」というやり取りをしながらアリアとアサルトを出る。

 

「ちくしょう蘭豹の野郎思いっきりやりやがって・・・」

 

「あんたって気絶してばかりね優」

 

「前の気絶したのはお前のせいだろ! お前が風呂ですっぱだ・・・「風穴ぁ!」うわ!」

 

真っ赤になったアリアのガバメントをビリヤード撃ちで弾く。

そうそう、何度も食らうか!

 

アリアはガルルルとライオンのように威嚇してくる。

ああ、もう

 

「も、ももまん買ってやるから機嫌直せよな? キンジ迎えに行くんだろ?」

 

「今度変なこと言ったら風穴プレスよ!」

 

な、なんなんだ風穴プレスって?聞かないのがいいんだろうな・・・

 

 

 

そんなこんなでインケスタの建物の前でキンジを待っているとキンジが出てきた。

 

「さ、行くわよ優」

 

はいはいお嬢様と心の中で言いながら俺はアリアの後を追うのだった。

 


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