緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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第26弾 昼食の一時

とまあ、あれから俺と白雪が激突すると言うことはなく平和な日々が過ぎていた。

朝の5時に起きて鍛錬してキンジ達と登校といういつも通りの時間を過ごしたとある日の昼休み

 

「椎名君、遠山君。 ここ、いいかな?」

 

がやがやとうるさい学食の中、俺が焼肉定食、キンジがハンバーグ定食、アリアが持ち込みのももまんを食ってたら目の覚めるようないけ面男が話しかけてきた。

優男スマイルをして椅子に座るこいつは不知火亮。

何度かパーティーを組んだことがあるがこいつはバランスがいいから結構組むのが好きだ。

アリアやキンジと組む前ならよく、クエストに誘っていたりする。

基本的にこいつすごい、いい奴なんだよ。

彼女がいないのが疑問だな。

 

「聞いたぜキンジ、優ちょっと事情聴取させろ」

 

キンジを押しのけるように入ってきたのはロジの武藤だ。

ああ、こいつには借りがあるんだよなめんどくせ

 

「なんだよ事情聴取って」

 

キンジが聞く

 

「キンジお前、星伽さんと喧嘩したんだって?」

 

ははぁん? 武藤の野郎白雪が好きだから探りを入れてやがる。

俺は笑みを浮かべながら肉を口に入れる。

 

「星伽さん沈んでたみたいだぞ? どうしたんだ?」

 

「白雪とはどうしたも何も・・・武藤お前、白雪見かけたのか?」

 

「今朝、温室で花占いしてたのを不知火が見たって言うからよ」

 

「ポピュラーじゃないか」

 

不知火が言う。

 

「知らねえよ。 優、アリア聞いたことあるか?」

 

アリアが知らないと首をふりふりした。

ももまんを食ってるから静かだなアリア

 

「あれだろ? 花弁ちぎりながら好き嫌いって奴」

 

俺が不知火に言うと不知火はにこりとして

 

「うん、それだよ」

 

いまどきそれをやるか? あの大和撫子さんは・・・

 

「僕にみられて気付いたのと。1時間目の予鈴がなったのとで占い自体は中断したけど。 なんか涙ぐんでるみたいだったよ? で、なんで別れちゃったの? もう、愛がさめちゃったとか?」

 

うきゅぅとアリアがももまんを詰まらせる音がした。

いちいち可愛いなお前

 

「あのなぁどこでどう話がこじれてそうなるんだ? そもそも俺と白雪はそういう関係じゃない。 ただの幼馴染だ」

 

「幼馴染かぁ。 はぐらかし方としてはポピュラーな選択肢だね。 噂では独占欲の強い神崎さんがやきもちを焼いて星伽さんに発砲したって聞いたよ? だから、僕の読みは神崎さんが椎名君と遠山君を独占しようとして、女子二人が決闘したってセン。 だって神崎さん遠山君と椎名君のことアサルトで楽しそうに話してるもんね」

 

そこで俺に振るな不知火!

俺のいないとこだろそれは!

アリアは一気にももまんをほおばると

 

「こ、こっ、この変態!」

 

「ぐっ!」

 

「痛て!」

 

キンジの顔面にパンチ、俺の膝にけりを入れてきたアリア

痛いだろうが!殴るなら不知火を殴れ!

 

「ハッキリいっておくけどねぇ! あたしが白雪を追い払ったのはや、やきもちとかそういうんじゃないの! あたしとキンジと優はパートナー! す、好きとかそういうんじゃない! 絶対絶対そういうんじゃない! これは本当に本心の本音よ!」

 

「へぇ、そうなんだ。 じゃあ、遠山君。 星伽さんと復縁の可能性もあるってこと?」

 

「復縁ってなんだ復縁って! ていうか不知火さっきの話だがな。 今朝の予玲の時には俺と一般校区の廊下で出くわして挨拶もせず女子トイレに逃げ込んでるんだよ! だから何かの間違いだ。 それに仲直りしないなんて、お前の個人的意見なんて求めていないだろ!」

 

「そういえば、そうだったね。ごめんよ」

 

にこりとしつつ、アリアに遠山君機嫌悪いねとか言ってるな。

 

「そういえば、不知火、優」

 

 

「ん?」

 

俺は顔を上げる。

強引に話題変える気だなお前

 

「お前らアシアードはどうする? 代表とかに選ばれてるんじゃないのか?」

 

アシアードとはまあ、簡単に言えばインターハイみたいなもんでスナイプやアサルトのオリンピックみたいなもんだ。

 

「たぶん、競技にはでないよ。 補欠だからね」

 

「俺はガンシューティング代表補欠が回ってきたけど辞退した」

 

「じゃあ、イベント手伝いか? 何をするんだ? 何かやらないといけないんだろ?、手伝い」

 

「まだ、決めてなくてねぇどうしようか?」

 

「アリアはどうするんだアシアード」

 

「あたしは競技にはでないわよ。ガンシューティング代表に選ばれたけど辞退した。

 

「優の補欠はアリアのかわりなんだな」

 

「まあな」

 

キンジの問いに答えてやる。

まあ、出てもいいんだが護衛の観点から言えばアリアが辞退したなら辞退すべきだ。

練習もめんどくさいからな。

鍛錬だけでいい。

 

「じゃあ、お前もイベント手伝いか?何やるか決めたか?」

 

「あたしは閉会式のチアだけやる」

 

「ああ、アル=カタか」

 

アル=カタは拳銃を組み合わせてやるダンスだ。

女子はチアと呼ぶんだが・・・

 

「優とキンジもやりなさいよ。どうせ手伝いなんでもいいんでしょ?」

 

「あ、ああ」

 

「別にいいよ」

 

アリアの護衛と言うがまあ、襲撃もないだろ

別に一緒にいても問題はない。

 

「音楽か・・・得意でも不得意でもないしそれでいいか」

 

「あ、遠山君と椎名君がやるなら僕もそれにしようかな? 武藤君も一緒にやろうよ」

 

「バントかぁ、かっこいいかもなよしやるか!」

 

ノリがいいな武藤

 

「でも、神崎さん、椎名君、代表を辞退するなんてもったいない。 ポピュラーな話だけど知ってる? アシアードのメダルを持っていると、人生バラ色になるんだ。 武偵大も推薦で入学できて、就職にも有利。 武偵局にはキャリア入局できるし、民間の武偵企業だって一流どころの内定がよりどりみどりだって話しだよ?」

 

「そんな先のことはどうでもいい。 あたしは今すぐやらなきゃいけないことがある。 協議の練習なんてでている暇なんてないわ」

 

「俺もだ。 俺もやらなきゃいけないことがある。 練習にはでれないんだよ」

 

あの、銀髪の魔女を捕まえる。

だから、俺は強くなる。

そして、アリアの願いであるかなえさんの無実の証明とアリアの護衛。

競技なんて出る暇はねえよ。

 

「アシアードなんかよりもね!」

 

ん?

 

「キンジ、優あんたちの調教が先よ」

 

「ち、調教! お前ら変な遊びでもしてるんじゃないだろうな!」

 

「してねえよ!」

 

「そうだ! 白雪と似たようなことをいうな武藤! 後、アリア、人前では訓練と言ってくれ!」

 

「うるさい!奴隷なんだから調教!」

 

アリアさん!あなた奴隷とか言わないと言ってませんでしたか・・・

 

「ていうか調教って何するつもりなんだ具体的には」

 

「んー、そうね。 明日から毎日一緒に朝練しましょ」

 

ハハハ、キンジ顔が引きつってるぞ。

まあ、朝連は前からしてるから俺は慣れてるけどな。

俺がそこまで思った時。

いきなり、俺の視界が闇に包まれた。

 

「だーれだ♪」

 

アリアじゃねえよな? 誰だろう?

 


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