緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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1日アウトw


第255弾 優希VSジ・フォース そして衝撃へ

さーてどうしたもんか...

相手の得体の知れない剣に対する対処は刀気で可能だ。

緋刀が使えればおそらくは相手の剣ごと消滅させることも可能だったんだろうがないものねだりしてもしょうがない。

それに今の攻防で相手の実力差は理解した。

剣対剣!特殊な武器破壊の付属がなければフォースと呼ばれている奴より俺のほうが強い!

一気に切り込んで決めてやる。

ぐっと地面を踏んで一気に蹴る。

相手との距離詰めると上段から紫電を振り下ろす。

 

「っ!」

 

フォースが舌打ちしながらそれをそれを受け止めようと剣を間に挟んでくるがそれはフェイントだ。腰からの2つの鉄球突きのワイヤーがフォースめがけて飛ぶ。

 

「!?」

 

必殺の間合いだ。

フォースの体に直撃すると思った瞬間

フォースの背後から何かが飛び出してきて鉄球を弾き飛ばした。

布!いや違う!

未知の何か!だがためらわずに続けて紫電から振り下ろすモーションから左手を離し先端が刃になっているワイヤーを左袖からフォースに向かい発射する。

だが、それも新たに表れた布のようなものにはじかれてしまう。

同時にフォースの後ろに新たな布が2つ現れ槍のように俺のほうに向かい飛んでくる。

 

「くっ!」

 

フォースから背後に飛んで距離を取り飛んできた布を切り払う

だが、破壊はできずに布はフォースのもとに戻りフォースの周囲を旋回している。

なんだこれは?ステルスか?

攻撃力そのものは小さいものだが攻撃を未然に防ぐオート盾ってところか?

 

「sword beats guns」

 

フォースの言葉は英語だな。剣は銃より強し?

 

「ほんの少しだけ見くびってたよ椎名優希」

 

「ずっと見くびっててもらってもいいんだぜ」

 

「お兄ちゃんの友達でも特別扱いしてやるよ」

 

           ±

 

とここで冒頭に戻るわけだが・・・

周りの人は逃げて行った連中も含めて多くはないがそれでも銃を使うのはためらわれる人数だ。

つまり、刀でやるしかないのだが相手がどれだけ得体の知れないものを持っているのはわからない以上可能なら戦闘は避けたい。

だが、ここで逃げを打てば得体の知れない追撃があるかもしれない

1人で逃げられないなら・・・

 

「アズマリア!」

 

フォースを警戒しながらこれまで、傍観していた後ろのアズマリアに声をかける。

 

「はーい、優希君。何?」

 

「逃げる!手を貸してくれ」

 

フォースに聞こえないようになるべく小声で言うが

 

「非合理ぃ!逃げられるわけないじゃん」

 

ばっちりフォースに聞かれてた!

 

「優希君。あのうさ耳みたいな角多分収音機だよ。内緒話はできないみたいだね」

 

「みたいだな。で?堂々と逃げるの協力してくれないか?」

 

「それも難しいじゃない?死者を出していいなら当然できるけど。私が動いたら多分ジ・サード君も動くよ」

 

フォースの後ろにいるあの男か・・・

睨むようにこちらを見ているだけだが・・・

 

「状況は膠着。私が動けばジ・サード君が動くしジ・サード君が動いたら私も動いてあげる。というわけであのフォースって子を何とかするか第三者が現れない限りここからは離脱できないよ。まあ、後1時間も粘れば援軍も来るだろうけどね」

 

1時間は現実的じゃねえな・・・

それにサードという男は一般人を無差別に攻撃する奴かもしれないし・・・

状況は理解したよ。

それに、警察が駆けつけてこないのは無用な死者をを出すのを避けるためだろう。

来るなら相当に腕のある公務員くらいだろうな

紫電を構えてフォースと再び対峙する。

 

「それが合理的だよ椎名優希」

 

フォースは口元を緩めて武器破壊の剣を構える。

背後からはあの布のようなものも数本

あれを捌きながらフォースに一撃を入れなければならない。

こういう時、2刀あればいいんだが閃電は先に破壊されてしまった。

だが、そうだな・・・紫電で切り払って無効化されていないということはおそらくはステルスじゃない。

 

「先端科学兵装、通称ノイエ・エイジだね。気を付けて優希君。あの布ただの布じゃないよ」

 

アズマリアの言葉でようやく理解したぜ。

ノイエ・エイジ。先端科学の武装か。

確か昔、目の前で似たような会話をしていた奴と姉さんが戦っていたよ。

返り討ちにされてたけど

 

「サード君はアメリカ出身だからね。大方あれもアメリカ軍の・・・」

 

「少し黙れ最悪の魔女」

 

びりびりと殺気を放ちながらサードがアズマリアに向かって言う。

プレッシャーがすげえな・・・

だが、アズマリアは動じてない

 

「怒った?まあ、知られても問題ない内容だよね。希ちゃんも知ってるし、何より希ちゃんにジ・サード君は・・・」

 

「黙れといったぞ?」

 

「・・・」

 

アズマリアは口を閉じるが決して屈したからじゃない。

このまましゃべればどうなるかなって顔だぞ

ジ・サードはRランクと言った。

アズマリアもその高みにいるってことは小国の軍隊を滅ぼせる物同氏がこんな場所で激突すればただで済むわけがない。

厄介なことに巻き込まれたぜ

 

「お前ら一体何が目的だ?俺を倒したいだけか?」

 

「黙れ椎名優希。お前にそれを知る必要はねえ。黙ってフォースと戦え。本気でな。緋刀も使いたきゃ使え」

 

こいつらの目的はもしや緋刀の力を引き出した俺と戦うこと?なぜだ?

使えないことを知らないようだがいずれにせよ教えてやる必要はない。

 

「そうだな。緋刀なんか使わなくても勝てそうだぜ」

 

「非合理だよそれは。勝てるわけないじゃん」

 

「どうかな?」

 

紫電を鞘に納めて居合の姿勢を取る。

 

「・・・」

 

フォースは何かがあると感じたのだろう。

攻めてこない。

 

「こないのか?来ないならこっちから行くぞフォース」

 

同時に紫電を抜き放つ

 

「飛流1式風飛ばし!」

打ち放たれたのはかまいたちだ。

音速を超える居合で発生させたかまいたちを更に刀気の気で圧縮

して打ち出す。

そして、それを紫電の鞘で増幅させ威力を上げる技だ。

最近は緋刀ばかりで使う機会がなかったが雪羽さんに伝授された技の応用技だ。

「っ!」

 

高密度のかまいたちにフォースは舌打ちし全ての布が防御のために盾のように前面に展開される。

バチンとたたきつけるような音が響きフォースが少しだけ後ろに後退する。

 

「大げさに言ってた割に威力は・・・」

 

フォースにこれ以上話す余裕は与えなかった。

風飛ばしを放つと同時に盾が展開され視界がフォースと俺を遮った瞬間に勝機を見出す。

 

「飛流1式!」

 

構えは刺突だがそれは滅懐ではない

正確には

 

「滅懐2式!」

 

刀気を紫電の先端に圧縮し振れた瞬間爆発させる技だ。

バージョン2か改ってとこだな

刺突と気の爆発で布が花びらのように四方に開いた。

驚いたフォースの顔が見える。

同時に上部から紫電を振り下ろす

火花を散らしながら武器破壊のフォースの剣と激突するがそれが決め手にはならない。

 

「防御を崩したことは・・・」

 

そう、剣の止めは打ち止め俺の狙いは

 

「全弾持ってけ!」

 

「!?」

 

右、左の手足、腰のワイヤーの一斉発射

鉄球や刃がフォースに命中する。

 

「がっ!」

 

フォースは衝撃ぶっ飛ばされ地面を滑っていく。

久々に決まったな、ワイヤーの一斉発射だ。

 

「フォースぅ!」

 

ジ・サードの悲鳴ではなく怒りの声

フォースはよろよろと立ちあがり首を左右に振って

俺に対する殺気が深まる。

怒らせてしまったのはわかるがかなりのダメージは与えたはずだ。

このまま刀気とワイヤーで押し切ってやる。

 

再び鞘に納めて抜刀体制を取る。

フォースの布が独立して周囲を旋回を始める。

そんな使い方があるのかよ

 

「もう殺していいあいつ?」

 

「駄目だ。半殺しまでにしろ」

 

「嫌だ。殺す!」

 

「フォースぅ!俺の言うことが聞けんのか!」

 

びりびりと大気を振動させるような声でジ・サードが怒鳴るとフォースがびくりと怯えたように黙ってしまった。

フォースにしても相当に強い。

それを声だけで怯えさせるなんて・・・あのジ・サードってやつ強いぞ

 

「わ、分かったよ。半殺しで止める」

 

再び俺と対峙したフォース。

来るか?

 

互いの視線が激突し再び戦いが再開されようとした時声が聞こえた。

 

「そこの戦い待った!」

 

「!?」

 

俺たちが声の方を見ると誰かいる。

あ、あいつ!

 

「フォース、サード。これどういうこと?この人にはまだ、手を出さないで言ったよね?」

 

少し気が強そうな顔立ちだが美人というよりは美少女という顔立ちの乱入者は俺のほうへ少し歩いてフォースと俺の間に入りフォース、サードと対面する。

 

「ちっ」

 

サードは舌打ちして

 

「状況が変わった。そこの最悪の魔女のせいだ」

 

「ふーん」

 

少女は俺たちの方に顔を向けた。

黒い髪をツインテールに結んでおり青色のリボンで結んでいる。

こちらを見て再びサード達を見ると

 

「遅れてきた私も悪かったけどもういいよね。帰って」

 

「・・・」

 

サード達と少女がにらみ合うが先に折れたのがサードだ

 

「いいだろう。そいつは、お前に任せるぜ紅葉。おい、フォース行くぞ!」

 

「くっ!」

 

フォースは俺をぎろりとにらむがサードの言葉に逆らうことはせずにその場から離脱する。

追おうにも目の前の少女が敵なのかどうかもわからないのでは追撃はできない。

ジ・サード達が立ち去って姿が見えなくなるとそれを確認した少女が再び俺の方を見る。

 

「お前サードの仲間か?前に暁の家で助けてくれた奴だよな?」

 

そう、俺はこの子に最近だがあっている。

風林火山一角のジャンの足止めをこの子がしてくれたのだ。

 

「サードとは確かに知り合いだけど仲間ではないわ。暁家では挨拶もできずにごめんなさい」

 

「いや、あの時は助かった。君は俺の知り合いなのか?」

 

姉さんの記憶捜査の影響で忘れてることも多いからな・・・この子も婚約者とかまさかないよね?

これ以上婚約者が増えるのはごめんだぞ

にしてもこの子どこかで見た気が・・・

 

「覚えてるわけないわよね?会話した回数もそんなに多くはないし」

 

会話ってことはどこかで会ってるってことか・・・だが、記憶が・・・

 

「すまない。どこで会ったのか思い出せないんだ」

 

「仕方ないわ。ほんの小さな子供の頃だもの最後に会ったのは」

 

子供の頃・・・椎名の家にいた頃か姉さんに連れられ世界を回っていた時かにもよるが・・・

名前を聞けば思い出せるかもしれない

 

「君の名前は?」

 

「私の名前は山洞紅葉(さんどうくれは)」

 

どことなく表情に乏しい感じのする表情にその名前・・・山洞・・・おい!まさかお前!

 

「まさか秋葉の・・・」

 

少女はくすりと笑い

 

「お久しぶりです。兄さん。大嫌いな姉、山洞秋葉に変り兄さんの近衛の任を任されました山洞紅葉と申します」

 

すっと少し頭を下げてとんでもないことを言い放った。

だから兄さんって何!

 

 

 

               ±

 

「受難は続くってことだね」

 

とアズマリアはビルの屋上から見下ろしながら笑顔で言った。

 




というわけでかなめVS優でした!
かなめにはオリジナルの先端科学の剣を使うことも考えてアイディアを練っていたのですがまあ、この戦いで出す必要もないと思いますのでw

サード編は裏では当然原作に近いことをキンジが消化していくのですが今回から登場した山洞紅葉に優は振り回されることになるかと思います。

この子はオリジナルのキャラの山洞秋葉の妹ですが何やら姉とは確執がある模様
それに秋葉の妹ということは当然、あの因縁も必然的に優はかぶることになります。

果たして山洞紅葉と優の関係やいかに!
そして、秋葉は!

そして、兄さんってなんだw

次回も土曜か日曜目指して頑張ります!
暑いですがw

ではでは

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