緋弾のアリアー緋弾を守るもの   作:草薙

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というわけでパソコンが治ったので次話です(⌒∇⌒)


第252弾 武田信春VS武偵達-未来掴む因果

サイド??

 

死地に飛び込んできた彼を見て最初に思ったのはああ、やはりだった・・・

私のよく知る彼は決して諦めない。

武田信春と対峙している椎名優希

 

「優希・・・」

 

「ちっ!あと少しで目障りな奴だな」

 

隣では暁竜馬が舌打ちしている。

状況はあまりよくない。

おばあさまと優希は一度戦い優希は一度完全に敗北している。

あれから数日しかたっていない状況で勝算があるとは思えなかった。

彼は自分の信念を貫くためにここに来たのだ。

このままでは優希が死んでしまう。

 

「なんで来たんですか優希!」

 

少し高い場所からおばあさまと対峙する優希に声をかける。

彼は口元を緩ませて

 

「よう、信冬!今からこのばばあぶっ飛ばしてやるからな。一緒に東京に帰ろうぜ」

 

「フフフ、ばばあかい」

 

おばあさまは怒るわけではなくただ笑っている。

会話の途中で戦闘を仕掛ける気はないように思えた。

 

「私のことは放っておいてください!迷惑です!」

 

お願い・・・帰って優希。あなたが死んでしまう

 

「嫌だね。俺はお前を助けて帰る。拉致してでも連れてくからな」

 

「あなたは!」

 

「黙ってろ!本当に迷惑だっていうやつがそんな泣きそうな顔するわけねえだろ!」

 

「っ!」

 

助けてほしい・・・あなたに・・・

 

「言えよ信冬!お前の願いは俺が叶えてやる」

 

「私は・・・」

 

「おいガキ!さっきから黙って聞いてれば!」

 

暁竜馬が優希を指さして叫ぶ

 

「この女は今日から暁のものだ。道具なんだよ!髪の1つから血の一滴までもな!武田信春!さっさとそのこガキを・・・」

 

「寝ぼけたこと言ってんじゃねえぞ」

 

「ひっ!」

 

優希の殺気に気おされ暁竜馬が気おされる。

 

「信冬は人間だ。物じぇねんだよ。少し黙ってろ屑野郎」

 

「くっくそ!馬鹿にしやがって!おい!さっさと殺せよそいつを!」

 

「・・・」

 

おばあさまはつまらなさそうに暁竜馬と優希を見比べる。

 

「物じゃないか椎名の坊や。だけど建前くらいはほしいだろ?ここまで来たその覚悟気に入ったよ。最後のチャンスを上げようかね。もし、私に負けを認めさせたら信冬を上げよう。解放するも自分の所有物にするも自由さ」

 

ざわと周りが騒がしくなる。

政界や財閥など日本に影響力がある人々だ。

この場でそんなことを言ってのけるおばあさまは相当に度胸がある。

 

「暁家もそれでいいね」

 

「ふざけるな!そんなこと・・・」

 

「ええ、構いませんよ」

 

暁竜馬の言葉を遮るように言ったのは暁花蓮だ。

 

実質この場にいる暁家の中では最上位の存在

 

「もちろん、負けませんよね?おばあ様」

 

にこりと彼女は微笑む。

数日の付き合いだが得体の知れない笑顔。

 

「さあねえ。私も年だしねえ」

 

ふふんとおばあさまは笑い優希と対峙する。

 

「というわけだ椎名の坊や。私に勝てば未来は切り開けるよ」

 

その約束は両家同意のもとになった。

そして、この場にいる人々は日本という国に強い影響力を持つ人々。

当然、約束は確実なものとなるだろう。

 

「もちろん、坊やが負けた時はわかってるだろうね?」

 

生かしては返さない。そう、言っているのだおばあさまは・・・」

 

「ゆ・・・」

 

私が言う前に優希が口を開いた。

 

「その約束忘れるなよ!」

 

再び私を見る優希

ああ、あなたは・・・

 

「俺を信じろ信冬!お前の本音はなんだ!言えよ!」

 

私の本音は・・・

 

「・・・てください」

 

「はっきりと言え!」

 

「助けてください。暁に行くなんて嫌です・・・あなたにもう会えないなんて嫌!」

 

「了解!やっと本音が言えたな信冬」

 

にっと笑い、刀を抜き構えた彼を見て私は悟った。

婚約者ではなく・・・本当に彼という男性が・・・

 

 

サイド優希

 

さーて、言質はとったがここからだ。

天井から降りてきた透明の壁が結婚式に来ていた客の前を覆う。

正面通路は広いが戦場が限定された状態だ。

おそらく防弾仕様でステルスにも耐性がある壁なのだろう。

つまり、この状況は想定されていたってことだ。

だが、この状況は有利だ。

奴は風林火山大砲を使えない。

使えば周りを巻き込むことになるからだ。

行くぜ武田信春!

 

ワイヤーで空へ飛びあがりガバメント2丁を取り出して3点バーストで発砲する。

正面からじゃねえぞ跳弾だ

 

火花を散らしながら目標は肩右肩左足胴体中央

 

「林」

 

信春が短くつぶやくと弾道がそれ地に着弾する。

風林火山林の能力は相手の攻撃を反らす能力だ。

それを破る方法は多くはないが存在する。

 

地に着弾した瞬間暴風が下から巻き起こり信春の体制がわずかに崩れる。

魔封弾の風の弾

「むっ!」

 

体を直接狙うものじゃなければ林の効果は薄れる。

前回の戦いの経験は無駄にしない。

 

そして!

地面に降りるとその反動を利用し回転切り

 

「飛龍1式風巻き!」

 

ステルス無効化の刀紫電が信春に迫るが

 

「少しは勉強してきたみたいだね」

 

金属音と火花が散る

信春が懐から扇子を取り出して紫電の軌道に割り込ませてきたのだ。

だが、接近戦!信春は前回の戦いから接近戦向けじゃないことは把握している。

つまり、この間合いこそ勝利の間合い

 

「飛龍1式五月雨!」

 

刀を引いてからの高速の刺突の連打

空気を切り裂く音を立てながら信春を貫かんと迫るが信春はそれを起用に裁いていく。

 

「接近戦ができないとでも思ったかい?」

 

ふっと笑いながら信春が言うがある程度はできるんだろうよ。

だが!

紫電を鞘に仕舞い抜き放つ

何が起きたか強者以外には分からなかっただろう

次の瞬間俺がいたのは信春の背後

 

「何!」

 

初めて信春の声に焦りが見えた。

 

「飛龍1式疾風!」

 

高速の居合切り

神戸でシンと戦った時に見せた見えない高速の居合術は確実に信春の背中を切り裂いた。

 

「ぐっ!」

 

信春の背後から血が飛び散った。

だが、浅い!追撃!

 

「風」

 

風を切る音がした瞬間、信春の姿が消えた。

どこだ!上か!

風で空に飛びあがった信春はにいいと笑い

 

「火」

 

圧倒的な質量の火球が3つ現れる。

ローズマリーの炎は蒼だが奴は赤

狙いは当然俺だ

 

1つを紫電で切り払い無効化するが残り2つが俺からそれて地面で爆発する。

 

「かっは」

 

瞬時に周りの空気が燃え上がり呼吸が困難になる。

紫電は直接触れない限り無効化はできない。

着弾している状態ではそれができないのだ。

このまま行けば酸欠で死ぬ

 

「どうしたどうした?中々、いい攻撃だったけど終わりかい坊や」

 

信春が再びステルスを繰り出してくる

 

「風」

 

炎がさらに勢いを増す。

これを突破するにはあれしかねえ

 

「緋刀」

 

つぶやくと同時に変っていく感覚とともに緋刀の状態になると同時に紫電に意識を集中する。

 

刀身が緋色の光を放つと同時に

 

「緋龍零式緋緋飛ばし!」

 

緋色の光をかまいたちのように圧縮し飛ばすと着弾と同時に炎が時の彼方に消え去る。

空気が戻ってくるが緋刀状態は切り札の1つだからな。

力の使い方を誤れば・・・あっという間にガス欠だ。

なんとか、接近戦で決めたかったステルス戦は信春が優位だ。

 

緋光剣は悪手だ。

風林火山大砲が使えないようにこちらも、最大の技は容易には使えない。

少なくても今は使えない。

 

上空に滞空する信春に向けてワイヤーで飛び上がり再び3点バーストで発砲する。

だが、林を展開する信春には当たらない。

だが、1発は猛烈な光を放つ武偵弾閃光弾だ。

信春は目を閉じて失明を回避するが俺も閉じたのでバレバレの手

だが、それこそが狙いだ。

発砲音1発と同時に信春の上空を取った。

 

「くっ!」

 

信春が気づいて防御しようとするが遅え!

閃電も抜き放ち

 

「緋龍零式!双雷落とし!」

 

メキという音と共に風林火山の扇子が叩き壊れその小さな体に日本刀が叩きこまれる。

人体を砕く感触を覚えながら一気に叩き落す。

信春はたまらず床に猛スピードで叩きつけられ地面が陥没する。

 

真上!

 

『一切容赦するな』

 

信春と戦う前にみんなに言われたその言葉

 

「上空から閃電を仕舞い紫電を上段に振りかぶる」

 

「緋流零式!」

 

最大の攻撃

 

「神龍!」

 

莫大な質量の緋色の光が紫電から放出され信春を飲み込む。

屋敷全体が轟音を立てて揺れるが周りの人々に被害はない。

信春のいる点のみを狙った上空からの真下への攻撃だ。床に降りて攻撃の後を見ると黒い穴がそこには空いていた。

跡形もなく消し飛んだか?

もしかして、やりすぎたか?

 

周りを見ると参加していた人々がざわめいている。

これで終わってくれればいが・・・

暁花蓮と目が合う。

 

「・・・」

 

少し歯をが見えるくらいの小さな笑みでいるその様子から嫌な予感に駆られる。

だが、いくら何でもダメージぐらいはあるだろう?

 

「今のはよかったよ」

 

「!?」

 

声!どこから!

 

「優希!後ろ!」

 

信冬の声に慌てて振り返ると懐に少女の姿の信春が飛び込んできた。

しまっ!

 

「雷には雷雷返そうかね」

 

瞬間、体に激痛がかけめぐる。

こ、この感覚ヒルダの時の電撃と同じ感覚

 

「がああああああああああ!」

 

信春に密着され電撃が流し込まれているのだ。

紫電は直接は密着されている状態では意味をなさない。

 

「ほめてあげようかね。私に風林火山陰雷を使わせたのは数えるほどしかいない」

 

「くっ!」

 

激痛で意識を失いそうになるが緋刀の効果で無理やりガバメントを取り出すと発砲

信春から少し離れたところに出現し膝をつく

 

「さっきから使っているそれは椎名のRランク月詠の能力だね」

 

「さあな」

 

月詠の空間操作の力がこもった魔封弾。

リンさんにアドバイスをもらっての戦闘だったがこれで決められないとなると・・・

神龍は直撃したはずだ。

だが、奴はまだ、ぴんぴんしている。

おそらくは、信春が言っていた風林火山陰雷の陰の能力と見るべきだろう。

電撃のダメージは緋刀のおかげですぐに回復する。

あと少し

 

「そうかい。なら、これかはどうだい」

 

そういった瞬間、信春の姿が消えた。

瞬間移動!?いや、ごちゃぐちゃ考えてる場合じゃねえ!

魔封弾で再び転移してその場から逃れるが

 

「距離は短いようだ」

 

正面から笑みを浮かべた信春が火球を右手に振りぬいてくる。

その軌道から直撃する位置だ。

転移直後で回避が間に合わねえ

すべてがスローに見え火球が体に吸い込まれる瞬間

信春の横で爆発が起こった。

爆風で俺も吹っ飛ばれるが火球を間一髪のところで紫電を押し当てて無効化する。

 

「ん?」

 

信春が背後に飛んで距離をとって爆発が起こった方角を見ると扉の前に見知った顔があった。

 

「少し遅れたな」

 

「優!大丈夫生きてる?」

 

生きてるよ。というかよく来てくれたよ

タンと地を蹴って後退して2人の横へ

 

「すまん助かった。キンジ、アリア」

 

2人が来てくれた。

 

「他の3人は?」

 

「レキ理子は風と雷と戦っているわ。秋葉は見てない」

 

風林火山・・・陰雷の2翼と交戦中か・・・残りの陰は秋葉とどこかで交戦していて来れないと考えるべきだろう。

つまり、キンジとアリアが実質最後の援軍。

 

「勝てそうなの?」

 

アリアが効いてくるが正直・・・

 

「100回やれば99回負けるな」

 

正直な感想だ。

今の交戦で改めて思うがこのばあさん真正の化け物だ。

未だに底が見えない。

 

「諦めるなんて言わないでしょうね?」

 

「冗談だろ?1回目負てるんだ残り98分の一の勝利をつかんでやるよ」

 

「その意気よ優」

 

「それで、優。具体的にはどうする?」

 

その声・・・ヒステリアモードにはなってるようだなキンジ

 

「3人ならプラン7だ」

 

「分かった」

 

俺を中央にキンジとアリアが左右に展開してガバメントベレッタを構える。

3対1でも信春は構わないようだった。

 

「作戦会議は終わったかい?」

 

「ああ、おかげさまでな」

 

「緋弾のアリアに・・・ん?お前は金叉の息子だったかい?」

 

「父さんを知ってるのか?」

 

「ああ、昔。アズマリアとの決戦で背中を少しだけ預けあった中さ。あの男は本当に強かったよ」

 

アズマリアとの決戦・・・土方さん達が中心になって戦ったその時のことか・・・

 

「キンジ!今は」

 

「分かってる!」

 

「来な!」

 

俺と同時にキンジも走りだす。

突きの最強技滅壊の構えと同時にキンジの桜花が俺の背中のワイヤー装置を殴る

背中に衝撃を受けながら加速し超スピードの加速に振れれば消滅する緋光剣状態の突きを繰り出す

烈風はないからな

 

「桜花砲!」

 

音速の2倍の突きを信春はかわし切れず右腕を抉る。

体制が崩れるが

 

「それが切り札かい?」

 

炎を右手に俺にたたきつけようとするが

 

「私を忘れてるわよ!」

 

「む!?」

 

アリアが俺たちの後ろからガバメントを3点バーストで発砲する。

信春は弾を炎で迎撃しようと放ちガバメントの弾はそれと激突するが

 

「何!」

 

炎が爆発するように消滅し弾が信春に直撃し大爆発を起こした。

うわあ・・・

全ての力を破壊して目標をなぎ倒す

 

「よくわからんが入れておいた」

 

と言っていた水月希の魔封弾だ。

本気で入れたら壊れるので手加減していたといっていたが・・・

 

「「「今!」」」

 

3人同時に予め装填していた姉さんの力が宿る魔封弾を信春に向ける。

 

「全弾持ってけ!」

 

右手にデザートイーグル、左手にガバメント

キンジとアリアもそれぞれ2丁の構えでフルオートに切り替えて発砲する。

着弾と同時に屋敷全体が轟音を立ててびりびりと震え仕切りになっている部分が衝撃波で亀裂が入ったため観戦していた要人たちはSPに連れられて慌ててその場を逃げ出していく。

そして、ついに仕切りが粉々に砕け散った。

ばらばらと破片が降り注ぐがなんというでたらめな破壊の力だよ

これで、手加減してるとか・・・

い、いやだからこそ仕切りが持ったんだろうが・・・

ズウウンとやばい音と立てて十字架が落下してきた。

煙が巻き起こるが信春は?

 

「優希」

 

信冬が煙の中から出てきて俺に声をかけてくる。

 

「今のは?」

 

「姉さんに入れてもらった魔封弾だよ。この馬鹿みたいな破壊力ステルスっていうのか?」

 

まあ、いずれにせよ終わりだ。姉さんの力をあれだけ受けて戦闘継続可能なはずがない。

ないよね?

 

「優希、今ので終わったと思うのは早計です」

 

「なるほどなるほど、水月希の力かい」

 

信冬の声の後に煙の中から聞こえてきた声

風が巻き起こり煙を吹き飛ばしていく

そして、現れたその姿は

 

「う、嘘」

 

アリアが絶句した声を上げた。

うーん、姉さんクラスは伊達じゃねえなぁ

まじかよ・・・

 

着物はボロボロで黒ずんだ姿だがその少女の姿の化け物は口元を緩めてその場に立っていた。

流石に多少はダメージを受けているようだが戦闘継続不可能には程遠いように見えた。

 

「ケホ。流石に少しは効いたね。さて 山」

 

信春の背後に浮かんだ文字の名は風林火山

風林火山大砲を撃つ条件が整った。

それはそうだな・・・

周りの要人たちは誰もいないんだ。

みんな逃げ出してしまった。

 

「降伏勧告はしないよ。外で暴れてる仲間も後であの世に送るから心配せず死にな」

 

「おばあ様!もうやめてくさい!私が・・・」

 

「・・・」

 

俺は信冬の肩を掴んで後ろに引き寄せると武田信春と対峙する。

 

「ゆ、優希」

 

「・・・」

 

俺は無言で鞘に紫電を収めると緋刀の力を収束させていく。

緋光剣の力を鞘の力で増幅させて打ち破る。

 

「最後だ武田信春!決着をつけようぜ」

 

「正面から打ち合う気かい?前回の戦いを忘れたようだね」

 

そういう間にも俺たちの間では力が収束していく。

風林火山大砲と緋流神龍

ここまで来たら力と力の勝負だ。

今だからわかる。

この戦いはもうそう長い時間をかけずに終わるだろう。

だが、負ける気はない。

 

互いの力が収束しきる

信春が腕を振り下ろし俺が鞘から紫電を抜き放つ

 

「風林火山大砲!」

 

「緋流奥義神龍!」

 

純粋な破壊の力と緋色の光が激突する。

轟音と地鳴りが鳴り響き建物にひびが入り崩壊していく。

 

「っ!ぐ」

 

拮抗しているように見えるが徐々に押されてる。

くそ、今でフルパワーなんだぞ

 

「フフフ、どうした椎名の後継?終わりかい」

 

終わる?ここで?

俺の人生は・・・信冬を救えないまま・・・

 

「後悔するんだね。その程度の力で私に挑んだことをあの世で懺悔しな!」

 

風林火山大砲の力が増大する。

く、くそ・・・ここまでなのかよ

 

「まだです」

 

そっと俺の手に手が添えられる。

信冬

信冬の風林火山の発動状態の黄金の髪を揺らしながら緋色の光が輝きを増す。

 

「優希。私も戦います」

 

その力強い声に俺は思わず笑みを浮かべた。

 

「ああ」

 

信冬は微笑むと信春を見てそれを習得する。

 

「風林火山大砲」

 

信春と同じく4つの文字が信冬の背後に現れる。

 

「新世代の風林火山かい!所詮付け焼刃だよ!」

 

「そうです。ですが、私には彼がいます!」

 

打ち合わせたわけではない。だが、そのタイミングは完璧なものだ。

信冬と俺の攻撃が信春のそれを上回る。

 

「!?」

 

信春が驚いたように目を見開き光に飲み込まれると同時に大爆発が起こった。

だが、瞬時に風により吹き飛ぶと信春が再び笑っている。

 

「よくやったよ!本当によくやった。でも、やはり死ぬのはお前たちだよ」

 

風林火山大砲! いや、違う風林火山の文字に陰と雷が加わっている。

 

「風林火山陰雷巨大砲。威力は80倍さ」

 

は、はち・・・

だめだ言ってることが事実なら信冬と力を合わせても

 

「優希」

 

信冬と目が合う

そうだな・・・そうだよな

 

「もう1回だ信冬!」

 

「はい!」

 

諦めねえ!最後の最後まで絶対に!

 

「優!」

 

アリアか!お前はまだ、緋弾の力を・・・

いや、もしかして・・・

 

「アリア手を貸せ!」

 

アリアの手を掴むとその手を紫電に乗せる

キンジがアリアの肩を掴んで何かを言っているとアリアが赤くなるのが見えた。

何が起こるわけがない。こんなもの奇跡を願う苦し紛れの希望だ

そう思った時

 

空から何かが落ちてきた。

地面に突き刺さったそれは

 

「震電」

 

姉さんの刀だ。

使えってことか!

震電を掴んだその瞬間

 

『条件は整った』

 

スサノオの声!

 

「おい条件ってなんだよ!」

 

『この状況で信春に勝った瞬間を想像してその因果は今なら引き寄せられる』

 

想像?因果・・・

そう思った時目の前に無数の光の筋が見えた気がした。

その1本がたどるその先その場面は・・・

全員で紫電と震電を振りかぶる

 

「風林火山陰雷巨大砲!」

 

「緋流最終奥義!緋緋因光斬!」

 

力と力の純粋な激突。

その力は拮抗したに見えたが次の瞬間信春の力が消滅する。

風林火山陰雷巨砲が消えた。

 

「こ、この力はあの小娘の」

 

緋色の光の奔流が信春に激突する。

 

「う、うおおおおお!」

 

光が信春を消滅させ、最終戦争のような大爆発が起こり建物が崩壊する。

や、やばい!これじゃがれきに巻き込まれて・・・

意識も・・・力ももう、入らねえ・・・

 

「優希!」

 

信冬の声

やったぞ・・・信冬・・・俺たちは・・・

 

風が体を浮かせる感覚を感じるともに俺の意識はそこで途切れた。

 

 

 

 




はい!というわで武田信春との戦いはこれでおしまい!オリジナル編も戦闘パートはこれで終わりですよ!
長かった(笑)

今回、優が使った技は詳しくは言いませんがある意味反則技にも等しいチートレベルの技なのですがいろいろ制約もある技です(;'∀')

さてさて、次回は戦闘後の屋敷の中のお話なのですが暁家の屋敷を崩壊させ武田信春を消滅させてしまった優君
そして、信冬との落とし前をどうつけるのか?
次回も優君は平穏ではいられない(笑)

それではまた、次回!

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